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当ブログは、広尾サラブレッド倶楽部株式会社様のご厚意により、同倶楽部の所有する競走馬の写真及びWebサイト記載情報の転載許可を頂いております。

2024年5月26日日曜日

【5/26(日)予想】ダービーの全頭評価・目黒記念の注目馬

■東京11R/東京優駿(日本ダービー)

[1]①サンライズアース(池添)

前走の皐月賞は鞍上曰く「元気が良すぎて集中していない」とのことで、輸送で-10kgとなっていたようにまだ精神面の脆さを抱えている現状。元々勝った2戦とも4角先頭から流れ込む勝ち方で、最後の3Fでしっかり脚を遣えることが求められる東京は不向きでしょう。

[1]②レガレイラ(ルメール)

前走の皐月賞は上がり最速の33.9の脚を遣っても届かず⑥着。ただそもそも出脚が早くない馬であるうえ、周りの牡馬が前半57.5秒の超ハイラップを刻む中あの位置から差し切ろうと思ったら上りを33秒台前半でまとめなければならず物理的に無理な話でした。陸上200mで男女が一緒に走れば圧倒的に男子優位なのと同様に、ここは牝馬の性能限界だったと見ています。故にメイショウタバルが回避し乱ペースの目が無くなった今回は改めて本領発揮のチャンスで、ドスローにさえならなければ牡馬に混ざっても十分に渡り合えるはずです。

[2]③ジューンテイク(岩田望)

前走の京都新聞杯は②③着馬が1勝馬という低調なメンバー構成の中、3F目以降1600m通過まで12秒台が続く緩い流れをインから上手く抜け出したもの。実質2000m程度の勝ち方でしかなく、元々短めの距離で実績を上げていた点からもさらなる距離延長はプラスとは言えずで。

[2]④ビザンチンドリーム(西村淳)

皐月賞ではスタートで後ろ脚を突っ張ってしまい最後方から。ハイペースの中道中で取りつくために脚を使ったことに加え、4角ではレガレイラに弾かれたサンライズアースに進路をカットされミスステップする不運も。レガレイラ同様出脚が良くないタイプで、スムーズでも勝てていたかは微妙ですが少なくとも不完全燃焼のレースだったことは確かです。きさらぎ賞で評価すべきはメンバーレベルよりもあの絶体絶命の位置から差し切った爆発力。デビュー戦も阪神内回りのスローペースを4角8番手から差し切ったように、このコースで求められるギアチェンジ能力にも長けています。母父にジャングルポケットを持つ血統背景からも舞台適性が見込め、前走の敗戦を以て過剰に人気が落ちるようであれば狙いたい存在です。

[3]⑤ダノンデサイル(横山典)

京成杯は前が止まるタイミングをギリギリまで待って坂上でひと脚を繰り出した鞍上のファインプレー。左回りになればアーバンシックとの着差は逆転されると考えれば、使える脚に限りがある現状で序列上位の評価は難しいです。

[3]⑥コスモキュランダ(M.デムーロ)

アルアイン産駒らしく中山コースで④②②①②着と好成績ですが、実は他の産駒も含めて東京芝コースでは(0,1,0,23)と下級条件も含め全く勝てていません。父も現役時代のG1勝ちは皐月賞に大阪杯と上がりを求められない舞台でのもので、おまけにビッグレッドF育成とくれば東京でパフォーマンスを上げる期待はしにくいです。

[4]⑦ミスタージーティー(藤岡佑)

皐月賞はポジションを取りに行っての⑩着でしたが、上に菊花賞②着のサトノルークスが居るように本来は低速戦で力を発揮する血統。もとより中山の高速決着は向いていませんでした。距離が延びるここはレースはしやすくなるものの、勝ち切ったのは何れも10頭立て以下のレース。現状ではまだまだ成長待ちといったところです。

[4]⑧アーバンシック(横山武)

右回りだと手前変換が怪しく、皐月賞もコーナーリングで膨れなかなか手前を変えず。進路が出来てからの伸びは良かったですが、こういうタイプ故なし崩し的に脚を遣わされる展開は向いてなく④着は十分善戦の域でしょう。ウッドが左回りになるこの中間は手前変換もスムーズで51.7-10.9と上々の伸びをマーク。脚質的に外を回らされることは必然も、直線でしっかり脚を遣えれば最後は見せ場を作れるはずです。

[5]⑨ダノンエアズロック(モレイラ)

香港を離れ「渡り鳥」となったモレイラJにとっては、オーストラリアやヨーロッパでもそれぞれのシーズンに併せ転々とするために来日の際は都度短期免許の取得が必須となってきます。短期免許は基本的に「所属国での成績上位者」というルールですが、本拠を持たないモレイラJにとっては日本での成績要件(年間でG1を2勝以上)を満たすことが必要。加えて短期免許には制裁要件による制限があり、「累積制裁点が15点以上で翌年は最大2か月、30点以上は1年間申請不可」というルール。

(出典:Wikipedia)

JRAは公式に「各騎手の制裁点」は公表していませんが、制裁点の付与基準は上図の通り定められており制裁情報と照合すれば計算が可能です。元々ゴリゴリに馬を動かす反面際どい進路取りも多く、騎乗停止には至らないまでも細かな制裁を頻繁に受けており昨年は制裁点19点で既に今年は2か月までしか取得が出来ず。今年も既に13点まで来ており、過怠金3万円(斜行による進路妨害など)以上で来年の免許期間も2か月に短縮されるという状況です。

今回、モレイラJのお手馬として身元引受馬主である堀厩舎の2頭がスタンバイしていましたが、最終的にはプリンシパルSを勝ったダノンエアズロックを選択。というよりも、NHKマイルCでも過怠金を食らわされたゴンバデカーブースを避けたという考え方が正しいかもしれません。ゴンバデカーブースは気性面の問題もあり粗削りなレースしかできないタイプで、反面ダノンエアズロックはアイビーSでは先行競馬でレガレイラを封じたように安全運転の出来るタイプ。制裁点を貰うリスクを考えればこちらを選ぶのは正しい判断と言えます。但しアイビーSにしろプリンシパルSにしろ、スローの前付けから末脚を繰り出したまでのレースでありここで通用する内容とは言い切れず。

[5]⑩サンライズジパング(菅原明)

鞍上も語る通り緩い馬場は合わないタイプで、皐月賞ではその最内枠を引いてしまったことが仇となり⑨着。きれいな馬場は合いますが元々ダートで勝ち上がったように末脚を繰り出せるタイプではないだけに上がり勝負となると分が悪いです。そもそも芝を使い始めたのはJBC2歳優駿②着で中途半端に賞金が加算されてしまい(890万)、1勝クラスを勝った馬=900万が上位になってしまうため(3歳馬に2勝クラスができる来週まで)OP馬なのに出られるレースが無いという事情がありました。馬場が良くて上がりの掛かるのが理想となるとやはりダートの方が良いでしょう。

[6]⑪シュガークン(武豊)

2月デビューから4戦3勝。前走の青葉賞では乱ペースを落ち着いて進み、上りも33.9でまとめる優等生の競馬で勝ち切りました。この血統なので良くなるのは先なのでしょうが、3か月で4戦を消化してもなお走れる態勢にあるというのは相当なタフさです。ただその前走の青葉賞はパワーホールが飛ばしても前半が59.5とオーバーペースというほどではなく、シュバルツクーゲル以下の3番手集団は大体61秒くらいのスローペースと言っていいレベル。それを実質3番手のインから押し切ったとなると、後方外を回して②③着だったショウナンラプンタ、デュアルウィルダーの方が評価できるレースでありこの人気に見合うかと言われると…?

[6]⑫シックスペンス(川田)

3連勝とは言えスローの前付けでひと脚使ったに過ぎず、皐月賞回避は適性の面からも正解ではありました。ではダービーはどうかという話ですが、間隔を開けた割に1週前の木曜にウッドで併せ馬を消化してから金・土と馬場入りを控え、最終は坂路。国枝厩舎がこういう調整をするのは状態面に問題があるサイン(ウッドなら万全)ですが、そこは人気馬を預かる立場でもありコメントには出さず。背景的に人気するのは必至ですが、距離の裏付けも無くペース対応力も未知数。案外な結果になってもおかしくない存在と見ます。

[7]⑬シンエンペラー(坂井)

皐月賞は坂上で伸びあぐねた印象ですが、そもそも欧州血統にあのハイペースは厳しすぎました。距離が延びて本来の前付けが出来れば着は押し上げられそうですが、やはり本質的には上がりを求められると厳しいだけにコース替わりはマイナスと言わざるを得ません。

[7]⑭ゴンバデカーブース(松山)

爪に不安を抱えるうえノドの手術明けだった前走のNHKマイルCは最後に鈍ったものの④着と健闘。世の中的にはモレイラJが乗らないということで格下扱いですが、デビュー戦を逃げ切り、サウジアラビアRCをシンガリ一気で勝ったように思い切ったレースをしたいタイプで腹を括ったレースが出来れば見直せる存在です。中間の追い切りがずっと坂路だったので不安だったものの、最終追いをウッドで負荷をかけてきた点は好感で、あまり一か八かのレースをするタイプではない松山Jなだけにその可能性は低いですが、万が一逃げるor最後方からのレースをするようであれば見せ場も。

[7]⑮ジャスティンミラノ(戸崎)

皐月賞は異次元のスピード勝負となり中距離適性の差で押し切れた印象ですが、本来はスローでも折り合えるタイプです。距離延長自体は問題なく異なるペースを勝ってきている強みはあるものの、当時とは求められる条件が大きく異なります。まさかダービーが前半57秒台で後半も60秒を切る流れで走って来い、というレースになる可能性は少なく当時の実績で人気するのであれば疑ってかかりたいところで、1週前にしっかり負荷をかける友道厩舎にしてはその1週前追いが併走相手に見劣りかねない内容。皐月賞からの上積みという面でも強調はしにくく。

[8]⑯メイショウタバル(浜中)出走取消

[8]⑰ショウナンラプンタ(鮫島駿)

青葉賞はスタートから行きたがり向こう正面で壁が出来てもなお力みながらの走りでした。それでもホープフルSの時のようにコーナーで張る面は見せず、好位のラチ沿いを運んだシュガークンとは通ったコースの差が出た格好で②着とはいえ十分に評価できる内容でした。近年青葉賞組は本番で走れていませんが、高野厩舎は最近実戦を使って本番に向かい仕上げていくやり方を採っています。皐月賞③着からNHKマイルCを制したジャンタルマンタルにしても「皐月賞という最高の追い切りをした」と語り中間は軽めの調教で本番に臨みましたが、この馬にしても「前走の負荷をどう生かすか」をテーマに坂路で伸びやかなフットワークで運ばせることを念頭に調整を重ねています。ビザンチンドリーム同様にこの馬を評価したいのは「大箱向きのギアチェンジ性能」の高さで、前走時も取り上げた通り1秒以上の加速ラップに対応し差し切ったゆきやなぎ賞の勝ち方がまさにそれでした。乱ペースで早目に動き出さざるを得なかった前走は本来の姿ではなく、しっかり溜めて最後の600mで脚を遣うレースが出来ればもう一段の上昇があっても。

[8]⑱エコロヴァルツ(岩田康)

折り合い面に不安を抱えますが、そこさえこなせれば確実に脚は使えます。皐月賞にしてもレガレイラと並ぶ33.9の脚を遣い⑦着まで押し上げてきましたが、超Hペースでスムーズに運べた分もありました。折り合わなければいけない馬が距離延長で大外枠、さらにこの鞍上となると…

<予想>
◎ショウナンラプンタ
○レガレイラ
▲ビザンチンドリーム
△ジャスティンミラノ
△アーバンシック
△ゴンバデカーブース
△シンエンペラー
△シュガークン


■東京12R/目黒記念 ヒートオンビート

ジャスティンミラノの項でも紹介したように友道厩舎は1週前に負荷をかけ当週はサラッと、というパターンですが、この中間は1週前・当週と続けてウッドに入っておりそれほどまでに状態が良いことを示しています。坂を2回上る東京2500mは特集な条件で、過去このコースで(1,1,2,0)と舞台適性も文句なし。59kgも昨年のアルゼンチン共和国杯で経験(③着)済で、この低調メンバーなら。

2024年5月25日土曜日

【5/25(土)予想】葵Sの注目馬とねらい目レース

■京都11R/葵ステークス エポックヴィーナス

今年に入ってからの京都芝1200m戦は一部のスローペース戦を除きほとんどが差し決着となっています。ここもピューロマジックやジョーローリットといったスピードタイプのハナに立ちたい馬が揃っており平均以上の流れは必須。中団以降から運べる馬を選びたいところですが、基本的にスプリントは前に行けないとダメという馬ばかり。であればここは別路線組で一番強いレースをしているエポックヴィーナスから行きたいです。

2走前のチューリップ賞は直線で行くところ行くところ詰まってしまい脚を余しての⑤着。前走のフローラルウォーク賞は一気にスローペースに落ち折り合いが懸念されましたが、外の2番手からしっかりと折り合い完勝と言える内容でした。ここは距離短縮で位置取りは落とすでしょうが、むしろ中団から脚を遣う流れになれば自分のタイミングで追い出せるいい位置に収まりそうです。スウィープフィートがクラシックで善戦したことからもチューリップ賞だけ走れればここでは上位のハズ。


■東京11R/欅ステークス レディフォース

コーナーリングに難があり大箱の外枠が理想という馬。前走の黒船賞はよりによって高知コースの最内枠を引いてしまい④着、2走前の秋嶺Sもすぐにコーナーが来る東京1300mコースの最内枠を引き⑧着と敗因はハッキリしています。大外枠では(2,0,0,0)と結果も出しており、絶好条件のここは変わり身期待です。


2024年5月19日日曜日

【5/19(日)予想】オークスの全頭評価

■東京11R/優駿牝馬(オークス)

[1]①ミアネーロ(津村)

ダートに活路を見出したミファヴォリートを除きミスエーニョの仔(娘)は極端な早枯れ傾向が強く、姉のミスエルテ・ミアマンテは2歳に2連勝したのを最後にサッパリ。ミカリーニョ・ミディオーサも3歳夏に1勝クラスを勝ったまでで引退しており、完成度の高さでキャリア前半に最高打点を叩き出すタイプが並びます。ミアネーロの前走フラワーCにしても、中団のインを立ち回り直線で最内から進路を作って伸びてきたまでで、外を伸びた②③着馬の方が見どころのあるレースでした。ここからの上昇が見込めないとなるとごまかしの効かない東京2400mでは。

[1]②クイーンズウォーク(川田)

前走の桜花賞は終始好位のインを追走しましたが、直線入り口でなかなか進路が出来なかったうえ外が伸びるコンディションもあり⑧着。陣営は元々距離適性の観点でオークス向きと言っていましたが、器用さに欠ける面もあり広い東京コースでレースがしたいというのも本音だったでしょう。追い切りは前走時同様目立たない内容ですが、大きなストライドで登坂出来ており輸送を考えればこの程度でも問題なさそうで、末は確かなだけに馬込みを避けて運べれば。

[2]③エセルフリーダ(武藤)

2走前の1勝クラス戦はコスモキュランダ等弥生賞好走組に混ざっての⑤着健闘。1勝クラスを勝ったのは中山でしたが、3走前の東京の未勝利戦では最後の3Fでギアチェンジが必要な展開で2番手からしっかり再加速して勝ち切っており、ここに臨むだけのスタミナと末脚は十分に備えています。ショウナンマヌエラがハナを切れば目標が出来、追い出すタイミングもある程度測れるはずで、底が割れてない現状なら押さえる手も。

[2]④パレハ(田辺)

大敗した先行2頭に競られて失速した前走の忘れな草賞は参考外にしても、2走前の未勝利戦もスローを逃げ切ったまで。通用の素地は今のところ見えません。

[3]⑤コガネノソラ(石川)

しっかりと脚を引き出せる横山武J・石川Jに乗り替わって3連勝。前走のスイートピーSは展開に恵まれた面もあったとはいえ鮮やかな差し切りを決めており、近親にウインマリリンなどを持つ血統背景からも距離延長は問題ないでしょう。中2週でも調教を手控えずにやれている点も好材料で、必ずしも33秒台のキレが求められないこの舞台はビッグレッドFの牝馬が輝けるチャンス。

[3]⑥サンセットビュー(三浦)

重賞2戦は何れもいいところなし。距離は伸びた方がいいのは確かですが、控えてもレースと同じ上りしか使えていないことにも現れている通り、流れ込むだけのレースしか出来ていない現状では。

[4]⑦ステレンボッシュ(戸崎)

前走の桜花賞では栗東滞在でコンディションを整え、淀みない流れをしっかり走り切っての勝利。近年の桜花賞はスピード対応力もさることながら、道中が緩まないことからある程度の体力・スタミナも求められ距離適性がギリギリというマイラーには厳しいレースになりつつあり、アスコリピチェーノとの0.1差はその分だったとも言えます。無論2400mがベストではないですが地力は最上位。乗り替わりを差し引いても圏内には。

[4]⑧ホーエリート(原)

前走のフラワーCでは2角でハミを噛んでしまうシーンがありましたが、向こう正面で馬群が密集してからは我慢が効いていました。エンジンをふかす必要から外を回して脚を使いましたが、結果的に直線は内が伸びるコンディションで、コースロスと馬場差のぶん届かなかった格好。③着だったカンティアーモが昨日のカーネーションCを勝ち切ったようにこのレースで評価すべきは外差しに回った組で、スムーズに行かなかった中で②着に食い込んだホーエリートが最も強いレースをしたと見ています。東京コース向きのキレを持っているタイプでないことは前走時にも指摘した通りですが、それを踏まえて前を射程圏に入れるレースをするのであれば話は変わってきます。距離不安から押さえて運びたい馬が多い中、ショウナンマヌエラが逃げ、ヴィントシュティレ、エセルフリーダの番手勢を目標に仕掛けて直線半ばで先頭に立つようなレースが出来れば理想で、一発狙って乗ってくるこの鞍上なら魅力は十分です。

[5]⑨ラヴァンダ(岩田望)

前走のフローラSは好位のインを追走し、直線もギリギリまで追い出しを待ったもののアドマイヤベルに差し切られ②着。さらに距離が延びるここでは。

[5]⑩アドマイヤベル(横山武)

上にはヴィクトリアマイルを制したアドマイヤリードが居る血統。勝ち上がり後は好位からのレースで好走できており、操縦性の高さはここでも武器。初の中3週がどうかも末脚は確実で押さえは必要でしょう。

[6]⑪ヴィントシュティレ(北村宏)

母ピュアブリーゼは2011年のオークスで②着の実績。ドイツ血統でスピードに欠けるところがあり勝ち切れたのは未勝利戦のみでしたが、福島牝馬Sでも③着するなど中距離戦線で見どころを作ってきました。但しこの馬の場合そこに輪をかけてモーリスをつけられたことで重厚な血統に拍車がかかり、未勝利脱出までに5戦を要しました。上がり脚を遣えず流れ込むレースしか出来ていない現状では。

[6]⑫チェルヴィニア(ルメール)

母チェッキーノは2016年のオークスで②着の実績。前走の桜花賞では大外枠を引いたうえルメールJが乗れず、アルテミスSからの直行という過程からも仕上がり途上は明らかでした。直線では挟まれたうえ口向きの悪いところを見せており、右回りも合わなかったかもしれません。ハービンジャー産駒という血統背景からも距離延長は好材料で、主戦に手が戻った以上は押さえは必要でしょう。

[7]⑬スウィープフィート(武豊)

前走の桜花賞では最後方を走っていたライトバックと一緒に流れ込んでの④着。これ自体は道中でスピードに付いて行けなかった馬を大外から拾ってのもので大きく評価はできませんが、得てしてオークスではこうして外を回せる差し馬が台頭するだけに無視は危険でしょう。

[7]⑭ライトバック(坂井)

スウィープフィート同様に桜花賞では大外を回して③着好走。アルテミスSでキレ負けしての④着があるだけにコース適性がどうかも、当時と違って長丁場で最後まで末脚を使えるかどうかが問われる舞台なら見直せてもいいでしょう。

[7]⑮サフィラ(松山)

前走のクイーンCでは輸送で大きく体を減らし⑨着。今回はそれ以来のレースになりますが、サロミナの仔らしく小頭数or外目をスムーズに運びたいタイプだけにこの枠はプラスでしょう。サラキア、サリエラと姉たちは長めの距離で良さを出しており、スムーズならここで化ける可能性も。

[8]⑯ショウナンマヌエラ(岩田康)

前走の桜花賞は行き切れたものの失速。前に行けないと良さが出ないタイプですが、流石に牝馬で2400mを逃げ切るのはハードルが高すぎます。

[8]⑰タガノエルピーダ(M.デムーロ)

前走の忘れな草賞は前の3頭が飛ばして自滅する中を離れた4番手を追走。実質的には5頭立ての平均ペースを逃げ切ったにすぎず額面通りの評価は難しいですが、外を回して脚を遣わせるデムーロJの騎乗はこのレースにはマッチするはず。押さえは必要でしょう。

[8]⑱ランスオブクイーン(横山和)

モレイラJが2回乗ってようやく未勝利を勝ったという現状で、格上挑戦且つ手替わりとなるとここでは厳しいでしょう。

<予想>
◎ホーエリート
○コガネノソラ
▲ステレンボッシュ
△チェルヴィニア
△アドマイヤベル
△クイーンズウォーク
△サフィラ
△スウィープフィート
△ライトバック
△エセルフリーダ

2024年5月18日土曜日

【5/18(土)予想】平安Sの注目馬

■京都11R/平安S カフジオクタゴン

元々ダートは大型馬有利ですが、体力比べの京都ダート1900mでは馬体重と好走率にハッキリとした相関が見て取れます。


上記はリニューアル後のこのコースにおける馬体重別成績で、500kg以上は(21,18,19,143)で複勝内率28%超のハイアベレージ。とはいえ当然ながら今回前走500kg以上の馬体重で臨戦する馬は10頭もおり、これだけでは絞れません。そこで大型馬の叩き2走目で前進が狙える実績馬カフジオクタゴンを狙いたいです。

半年ぶりの前走は+22kgと明らかな太目残り。寒い時期は絞れないこともあり今ひとつですが、元々は3歳夏に古馬2勝クラスを制しレパードSも連勝した実績馬。暑い時期の体力勝負は歓迎のクチで、型通りに絞れてくればこのメンバーでも十分やれるでしょう。

2024年5月12日日曜日

【5/12(日)予想】ヴィクトリアマイルの全頭評価とねらい目レース(栗東S、ウォッカC)

■東京11R/ヴィクトリアマイル

[1]①ライラック(戸崎)

前走の阪神牝馬Sは割とゆったり流れたにもかかわらず、加速に対応できず1.2差の⑩着。本質的に長距離の体力勝負が向いており、マイルG1に対応できるスピードとキレは?

[2]②フィアスプライド(ルメール)

前走のターコイズSはスローペースに耐えかねて途中からまくり上げるも返り討ちに遭い⑨着。溜めを作ってしっかり脚を遣いたいこの馬にとっては展開が向きませんでしたし、柔らかい馬場も合わなかった様子。良馬場で得意のマイルに戻るここは仕切り直しの一戦ですが、陣営はインから進路を探るレースをさせたい構えで、外に進路を確保して伸び伸び脚を遣わせたいルメールJと手が合うのかは疑問があります。加えて元々は前走で引退予定だったわけで、時計面の担保が乏しい中鞍上で過剰人気するのであれば一歩引いて評価すべき舞台と考えます。

[2]③スタニングローズ(西村淳)

前走の大阪杯は流石に長欠明けと言った走りで最後ガス欠の⑧着。それでも0.5差であれば悲観する必要はないでしょう。ただ秋華賞を勝ったように距離適性はマイルではなく中距離タイプで、昨年のこのレースもやや追走に苦労するところがあり見せ場なく⑫着。ここを使って距離延長になる次走(宝塚記念?)がねらい目でしょう。

[3]④コンクシェル(岩田望)

前走の中山牝馬Sは逃げての勝利、2走前の初音Sはセンタースリールの大逃げから離れての2番手追走でしたが、実質3番手集団を従えての単騎逃げに等しい形で快勝。元々アネモネSを追い込んで②着したように周りに馬のいない形で運べた時に好走できており、陣営もようやくその特性を理解してレースを組み立てるようになってきました。7走前の鞍ヶ池特別では1.32.3の時計で逃げ切っており、少々のハイペースでも自分の形に持ち込めた方が好走可能性が高いと言えるでしょう。スンナリハナが切れそうなここでも怖い存在です。

[3]⑤ウンブライル(川田)

前走の阪神牝馬Sはスローペースを追い込んでの0.1差②着と負けて強しの内容でした。昨年の春は稍重馬場でNZT・NHKマイルCを連続②着しましたが、本来は良馬場の大箱でキレを活かしたいタイプ。馬群で集中して走らせたい点からもこの枠と鞍上はプラス評価できます。但し、母ラルケットのきょうだいは3歳にピークを迎えることが多く、上のステルヴィオ、ヒシゲッコウ、グランパラディーゾと何れも3歳を最後に勝ち星から遠ざかった経緯を持つだけに、この馬にしてもそれら兄姉をなぞる戦績をたどりつつある点は気がかりです。

[4]⑥マスクトディーヴァ(モレイラ)

3走前の秋華賞の際にも指摘しましたが、祖母ビハインドザマスクは前哨戦勝利→本番のG1で凡走を繰り返した経歴の持ち主。その秋華賞も②着なら悪くはないのですが、勝ったリバティアイランドは川田Jが必勝を期して4角から仕掛けていった分最後に甘くなったわけで、力が接近しているわけではなく仕掛けたタイミングの差で最後に迫ったように見えただけと見ています。当時のイメージで人気し続けるのであれば前哨戦はともかく本番のG1では割り引いて考えたいです。

[4]⑦ハーパー(池添)

使える上りに限界があり、距離が伸びてタフさの勝負になれば浮上できますが純粋にスピードとキレという意味ではここでは厳しいでしょう。

[5]⑧サウンドビバーチェ(松山)

昨年の阪神牝馬Sはスローの前残り展開を押し切ったもの。この馬もまた使える上りに限界があり、なおかつ復帰後の2戦いずれも4角でスイッチが切れたかのように止まってしまう負け方。馬具に工夫もないここは様子見が妥当でしょう。

[5]⑨テンハッピーローズ(津村)

スローで流れてもマイルでは勝てておらず、腹を括って最後方から末脚に賭けるレースでもすれば話は別ですが、位置を取りに行くタイプの鞍上だけにその期待も薄いでしょう。

[6]⑩ナミュール(武豊)

本来は左回りの方が走りがスムーズで、前走のドバイターフ②着の走りが本来の姿と言えます。逆に3走前のマイルCSは終始外に張る面を見せながら差し切ったあたり成長を窺わせるレースぶりで、ここは間違いなく条件が好転する舞台と言えます。強いて懸念点を挙げるとすれば距離短縮となる今回位置取りを落とした時に届くのかどうかですが、そこは自在に立ち回れる鞍上に任せれば問題ないでしょう。

[6]⑪ルージュリナージュ(横山和)

OP昇級後は3戦して掲示板無し。33秒台の末脚ではこのメンバー相手に後方一気は難しいでしょう。

[7]⑫キタウイング(杉原)

OPではスピード不足なうえ末脚も繰り出せず。割と斤量に恵まれた3歳時の重賞挑戦も不発に終わり、成長もうかがえない現状では。

[7]⑬モリアーナ(横山典)

ここ3戦は先行有利の流れを⑤④③着と自分の走りは出来ていますが、本来は長くいい脚を遣うタイプではなくもう少し位置を取って好位からひと脚を繰り出すレースが理想です。それを阻んできたのは前掛かりな気性と、キャリアの前半を武藤Jで使われてきたことで馬がレースを理解するのに時間がかかったことも挙げられます。秋華賞では13秒台に落ちた2角で行きたがるシーンがあったように、淀みなく流れる東京マイルは絶好の舞台。この枠と仕掛けどころの難しさが鍵ですが、好位を取るレースが出来れば台頭も。

[8]⑭フィールシンパシー(横山琉)

5走前の紅葉Sで1.31.9の好時計で勝ったことを考えればここで通用してもおかしくはないのですが、ベーカバド産駒の不思議な特徴として「3勝クラスが全盛期」という点が挙げられます。


上記は芝レースにおけるベーカバド産駒の戦績ですが、複勝率ベースでは3勝クラスが最も高い成績を挙げている一方、そこが山の頂上という感じでそこからクラスが上下するにつれ成績が下がっていく傾向が見られます(ちなみにダートもほぼ同様)。同産駒の活躍馬としてはダブルシャープやタイセイアベニールが挙げられますが、何れも遅くに出世した一方重賞ではあと一歩という経緯をたどりました。恐らく、完成がゆっくり=新馬に弱く古馬になってから出世するので上級上級戦に強いが、重賞になると足りないというのが産駒傾向と見られ、それと同じ戦績をたどるフィールシンパシーもここで大きな期待となると?

[8]⑮ドゥアイズ(鮫島駿)

斤量54kgでは(2,4,1,0)なのに対し55kgになった途端に(0,0,0,4)。今回初の56kgを背負う点に加え、溜めればキレるもののG1では世代限定戦でも桜花賞の⑤着が限界だったように、高速決着でキレを使えるタイプでもないだけに。

<予想>
◎モリアーナ
○コンクシェル
▲ナミュール
△マスクトディーヴァ
△ウンブライル
△フィアスプライド


■京都11R/栗東S デンコウリジエール

1泊すると落ち着きすぎて走れないタイプで、前走のオアシスSは苦手の東京遠征でしたので度外視できます。間隔を詰めて調子を上げるのが荒川厩舎のスタイルで、この馬も中3週以上では(0,0,1,13)なのに対し中2週以下だと(6,1,1,11)とガラッと戦績が良化。右回り1400mの得意条件で久々に57kgを背負うとなれば見限れません。


■東京10R/JRAウルトラプレミアム ウオッカC ユイノイチゲキ

騎手起用で本気度が測れる馬で、デビューから木幡初⑤→吉田隼①→木幡初⑩→田辺①→長岡⑭と見事に上位騎手の時だけ走っています。再び田辺Jに戻ったここも本気度高い舞台で、相手関係に恵まれた感もあるここなら十分通用するはずです。

2024年5月11日土曜日

【5/11(土)予想】京王杯スプリングCの注目馬とねらい目レース(都大路S、信濃川特別)

■東京11R/京王杯スプリングカップ スズハローム

母アイラインは18年のこのレース⑫着も、紅一点の参戦でレコード決着から0.6差と舞台適性を示す内容でした。この馬もマイルで勝ってはいますがベストは1400m。昨夏のタイラントCでは1400m戦にして前半33.3の前傾ラップを4番手で追いかけ、直線では後方待機勢の追い上げをものともせず0.8差の圧勝劇を演じるなど、ハイラップでも自分の脚を遣えるのは上級戦において大きな強みです。前走のキタサンブラックCは必ずしも得意とは言えない内回りコースで外を回して差し切りましたが、内を突いて②着のブリュットミレジメとは通ったコースが違いすぎ。着差以上に強かったと言え、そのブリュットミレジメは次走の立雲峡Sでも②着とメンバーに恵まれた勝利でもありませんでした。2走前の幕張Sの大敗は輸送の失敗で、今回は1週前に美浦入りし態勢は問題なし。末脚を活かせる東京の1400m戦なら通用あっても驚けません。


■京都11R/都大路S リューベック

昨年の但馬Sを勝ちOP入りを果たすもその後5戦掲示板無し。とはいえ5走前の中山記念では0.2差⑥着と通用級の力は示しており、昨冬に復帰して以来はなかなか調子が戻らず調整も坂路主体だったのが前走のマイラーズCでは久々にウッドで最終追いと復調を見せています。そのマイラーズCは稍重馬場に脚を取られたのが大きく、良馬場で仕切り直しとなれば見限れません。


■新潟11R/信濃川特別 エイトキングゴッド

「平坦の芝2000m」に限れば④①①⑤着と崩れておらず、2勝は何れも渋った馬場で挙げているように時計の掛かるコンディションが理想です。休み明けも(2,0,0,1)と苦にしておらず、ワンターンへの対応が鍵も頭数が落ち着いたここは好位で運べれば粘り込みの目も。

2024年5月5日日曜日

【5/5(日・祝)予想】NHKマイルCの全頭評価・新潟大賞典の注目馬

■東京11R/NHKマイルC

[1]①ダノンマッキンリー(北村友)

前走のファルコンSはハイペースに加えインの大渋滞を横目にスムーズに脚を遣えた側面が大きく、額面通りの評価は難しいレースでした。朝日杯FSの時に手綱を取ったルメールJ曰く「マイルではペースが遅く引っ掛かる」ようで距離も嵌った感がありますが、その朝日杯は34.1-46.1と2歳戦であることを考えれば決して遅いペースではなく、向こう正面で引っ掛かったことを考えれば入りのスピードより4F目・5F目で12秒台に緩んだタイミングでの対応に難儀したことが原因でした。その観点で言えばNHKマイルCというレースは良馬場で行われさえすれば道中はずっと11秒台を刻むラップになるのが一般的で、この馬が走りやすいペースになることが見込まれ、距離延長だからと言って一概に嫌うべき存在ではないかと。

[1]②ノーブルロジャー(松山)

このレースには2頭のパレスマリス産駒が出走しますが、こちらは正真正銘の外国産馬(ジャンタルマンタルは持込馬)。母父モアザンレディはケンタッキーダービー④着の実績もありますが主戦場は7f戦ということで、血統背景からも前走の毎日杯の負けは度外視できるでしょう。ただ、2走前に勝ったシンザン記念が上位入着馬を除けば1勝クラスを勝つのすら苦労しているメンツであるうえ、勝った新馬戦もドスローを2番手から押し切ったもの。これで32秒台の脚を繰り出したなどであれば話は変わってきますが、実際のところ上級戦でハイパフォーマンスを繰り出せる担保はまだないと言えます。

[2]③ディスペランツァ(鮫島駿)

マイルに転向して2連勝中。2走前の1勝クラス戦の末脚もそうですが、驚いたのは前走のアーリントンC。入りが35.8-48.8とスローになり、レースの上りは33.2と完全な後傾戦。これを中団に控えた時点で勝つのは厳しいと思ったのですが、流石はモレイラJというべきかそこから32.4の末脚を繰り出して快勝。姉ルピナスリードは中京芝で3勝、兄ファントムシーフは共同通信杯を勝つなど直線の長いコースでエンジン全開という走りが得意な兄弟の血を受け継いだか、阪神マイルで高いパフォーマンスを見せています。流石に今の日本競馬でモレイラJ以上に末脚を繰り出すのが上手い騎手は見当たらず、誰に乗り替わっても鞍上弱化となることは明らかなのですが、その中でもインをこじ開ける騎乗の出来る鮫島駿Jに落ち着いたのはベターな部類でしょう。個人的にはデムーロJが大外を回して勝った2走前だけ走れればここでも十分勝負になると考えており、乗り替わりで余計に人気を落とすならむしろ積極的に買いたいです。

[2]④イフェイオン(西村淳)

2走前のフェアリーSが先行勢で唯一上位に残った存在として評価に値するレースでしたが、前走の桜花賞は内枠で寄られてパニックになるシーンもあって良いところなしの⑪着。現状馬群の中でレースをするのはリスクが大きいうえ、ひと脚で決めきるレースが理想につき東京コースも向かないと言わざるを得ません。

[3]⑤ボンドガール(武豊)

このレース(3,2,2,11)で複勝回収率113と相性の良いダイワメジャー産駒。阪神JF前の外傷が思いのほか重傷で復帰に時間を要したものの、途上の仕上がりかつコースも向かないと見られた前走のニュージーランドトロフィーでは②着に好走。中山コースは向こう正面に出るまでにコーナー部分を走るため流れが落ち着きやすくその部分で引っ掛かってしまいましたが、前半が直線の東京コースならスムーズに運べそうです。2走前のサウジアラビアロイヤルCもコーナーで緩んだ時に力んだ分の②着で、良馬場でペースが流れればこの馬の本来の力が発揮できるはず。スンナリ運べばここでも力は通用すると見ます。

[3]⑥ロジリオン(戸崎)

末脚が良いのは事実ですが、差し切ったのは入りの3Fが35秒台掛かった時のみ。鞍上効果か何故か穴人気の気配を漂わせていますが、京王杯2歳Sでコラソンビートに敗れていることを考えれば、ここで強調するほどとは思えず…

[4]⑦チャンネルトンネル(岩田望)

前走のアーリントンCでは上がり勝負に対応し③着好走。溜めればキレるというあたりは父のグレーターロンドンそっくりではありますが、ジュニアカップでキャプテンシーを捉えきれなかったことを踏まえるとペースが流れた時の対応に懸念が残ります。福永師が1週前に直接調教を付けている点は評価したいですが、本質的には1400mの方が向いているかもしれません。

[4]⑧エンヤラヴフェイス(菱田)

ぶっちぎったデビュー戦はドスローを前目から押し切ったもの。デイリー杯②着以降はパフォーマンスを上げられておらず、もう少し長い距離の方で前目につけた方が良いかもしれません。

[5]⑨キャプテンシー(M.デムーロ)

前走のニュージーランドトロフィーはスタートでぶつけられ、立て直そうとしたときに前が壁になりエキサイト。これではまともなレースにはならず、シンガリ負けは鞍上が流した分でもあり過度に悲観する必要はないでしょう。2走前のジュニアCの内容が良く、マイルで34.8の入りから最後も34.6の脚を遣って逃げ切り。途中の区間も11.4-11.7と緩んでおらず、勝ちタイムの1.32.5自体が今年の中山開催の勝ち時計ではトップタイ。母アドマイヤリードはヴィクトリアMの勝ち馬でもあり、初の東京コースとは言えスンナリ逃げられた際のスピード能力はここに入っても通用するはず。暴走懸念のあるシュトラウスが北村宏Jでまともなレースをしてくれることが前提ですが、自分の展開に持ち込めれば2020年のラウダシオンの再現があっても。

[5]⑩ウォーターリヒト(菅原明)

シンザン記念の③着はタフな馬場で体力勝負になった側面が強く、前走の皐月賞で付いて行けていなかったことを踏まえるとG1のまっとうなペースでは厳しいでしょう。そもそもチャンスがあると思うなら幸Jが乗りに来ているはずですし。

[6]⑪アレンジャー(横山和)

前走のアーリントンCは差し勢に混ざって②着に健闘しましたが、スローペースで位置を取りに行った鞍上の好判断も大きかったです。その横山典Jが乗りに来ない(新潟大賞典のデビットバローズに騎乗)時点で勝負度は薄いと言わざるを得ませんし、ペースが流れそうなここでは。

[6]⑫ゴンバデカーブース(モレイラ)

新馬戦は逃げ切り、サウジアラビアロイヤルCは最後方からの追い込みと、ブリックスアンドモルタルの産駒らしく極端な戦法で勝ってきました。それだけに、極端な戦法を好まないモレイラJと手が合うのかというのは疑問ですし、この中間は週末の追い切りをスキップしたうえ最終は坂路で逆時計。美浦の坂路は傾斜がきついうえこの馬自身逆時計はいつものことですが、これまで最終追いをウッドで行ってきたことを考えれば明らかにソフトな調整過程。完調とは言えないうえ流石にシンガリから追い込んで届くような馬場状態では無さそうなだけに。

[7]⑬シュトラウス(北村宏)

暴走した朝日杯FSからの距離短縮で前進を図った前走のファルコンSでしたが、馬群から離して最後方を走らせるもやはり行きたがる面は抑えられず。⑨着という結果自体は詰まったためなので度外視できるのですが、距離延長は明らかにマイナスでしかなく。

[7]⑭アスコリピチェーノ(ルメール)

③着に敗れた前走の桜花賞は位置取りがどうのという声が聞かれますが、素人目にはそこまで問題のある位置では無かったかと思います。むしろ馬群に収まってからはよく持ちこたえていましたし、阪神JFとほぼ同じ走破時計かつ上がりだったことを考えれば、単純に他の馬に成長力で追い越されたと見るのが妥当でしょう。情状酌量の余地があるとすれば、下り坂からなし崩し的に脚を遣わされたことでその分脚を溜められなかったことが考えられますが、緩まずに運ぶのはこのレースも一緒。自分のレースに徹してどこまで、という舞台になるでしょう。

[7]⑮マスクオールウィン(岩田康)

前走の桜花賞では外を突いた差し馬が上位をにぎわす中、外差しに回るも伸びず⑭着。フェアリーSは急坂の中山での体力勝負で相対有利だった②着で、本質的には1f長いでしょう。

[8]⑯ジャンタルマンタル(川田)

前走の皐月賞はまさに朝日杯FSと同じような形で、前が垂れて早目に先頭に立ってしまった分の③着。若干距離が長いと思われた中レコード決着のペースに助けられたのも事実ですが、小細工なしで2000mを走り切った内容は高いスピード能力の証明でもありました。この外枠が鍵ではありますが距離短縮となる今回は上手く目標を置いて運べそうで、あとは馬自身が直線でしっかり追い出しを我慢できるかでしょう。

[8]⑰ユキノロイヤル(石橋脩)

前走のニュージーランドトロフィーは最初の3Fを36.0とスローで入れたにもかかわらず残せずの③着。ハナにはこだわらないタイプですが控えてもキレるというほどの脚は無く、スタートの信頼度の低い鞍上も懸念点。

[8]⑱アルセナール(横山武)

前走のクイーンCでは外差し勢に混じって内から馬群を割って②着と好走。しかしながらルメールJがこのような乗り方をするのは馬の調子が良くないと感じている証左で、実際に陣営も当時はまだひ弱さが残るとコメントしていました。桜花賞をパスしたこともあり体質は改善されてきたようで、1週前にはウッドで50.5-11.3の自己ベストをマークするなど負荷をかけられるようになってきました。大外枠で壁を作れるかは課題ですが、前走以上に走れれば食い込む余地はあっても。

<予想>
◎キャプテンシー
○ディスペランツァ
▲ジャンタルマンタル
△ボンドガール
△ダノンマッキンリー
△アルセナール
△アスコリピチェーノ
△ゴンバデカーブース


■新潟11R/新潟大賞典 セルバーグ

このレースは2000mとはいえワンターンのコース形状につきペースが流れやすいのがポイントで、前半が58秒を切ることも珍しくありません。普通そんなペースで飛ばせば長い直線で垂れるわけで誰も逃げたくはないのですが、そのようなペースでこそ力を発揮しそうなのがセルバーグです。前走の小倉大賞典では前半57.2というハイペースを逃げて③着に健闘。それもただのハイペースではなく、2コーナーを立ち上がった下り坂の始まる地点で11.0とレースで最速のラップを刻んでおり、中盤が最もキツいレースをしての③着ですから評価できます。ここも前半が速くなることは必至ですが、道中が下り坂の小倉に比べれば平坦の新潟はレースがしやすいはず。先行馬は何頭かいますがどれも控えても良いタイプで、再度の単騎逃げが叶いそうなここなら狙えるでしょう。

2024年5月4日土曜日

【5/4(土・祝)予想】ねらい目レース(プリンシパルS)

■東京11R/プリンシパルS キャントウェイト

デビューからずっと厳しい相手関係で走っており、新馬戦は京都新聞杯で上位人気が目されるヴェローチェエラを下しての勝利、前走のひめさゆり賞にしても京都新聞杯で人気の一角を占めそうなキープカルムとタイム差なしの②着と健闘しました。プリンシパルSは①着にしかダービーの優先出走権を与えられず、しかも中2週での参戦が前提のトライアルにつき社台系の良血馬はハナからここを狙っての参戦はあり得ません。それでも人気してしまうのは彼らの方なわけですが、先週のスイートピーSをコガネノソラ(ビッグレッドF生産)が制したことからもこのようなレースでは非社台がその本気度から低評価を覆すことが起こり得ます。接戦してきた相手関係で言えば遜色無く、ここはねらい目になるでしょう。