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2024年11月10日日曜日

【11/10(日)予想】エリザベス女王杯の全頭評価と福島記念の注目馬

■京都11R/エリザベス女王杯

[1]①ホールネス(坂井)

新潟牝馬Sはこの馬を含め上位3頭は格上挑戦馬が占める結果に。とてもリステッドとは言えないメンバーでイヤサカが飛ばした分中団待機勢に流れが向くレースになったのも幸いしました。2走前のマーメイドSにしても逃げ切ったアリスヴェリテに紛れていますが、58秒台のペースで他の先行馬は総崩れした中で着を拾っての③着でした。戦績的に底を見せてないとはいえ流石に今回ここまで恵まれる期待は薄いうえ調整も軽め。藤原厩舎は調子が悪いとあからさまに調教をセーブするきらいがあり、上積みが望めない点も含めて人気ほどの信頼は置けずで。

[1]②ライラック(石川)

今年に入ってから直線でエンジンの掛からないレースが続いており、前走の府中牝馬Sでも道中ハミを噛んでしまい直線でも流れ込むだけの⑬着と見せ場のない内容。そこからの距離延長となると折り合いの懸念もあるだけに。

[2]③ルージュリナージュ(池添)

良績は左回りに集中。得意なはずの東京1800mで行われた前走の府中牝馬Sで⑤着が精いっぱいとなるとここでさらに上というのは難しく、宗像厩舎が鬼門としている遠征競馬もマイナスです。

[2]④コンクシェル(岩田望)

気性的に思い切ったレースをしないと良さが出ないタイプ。中山牝馬Sまでは逃げればパーフェクトという成績でしたが、ここ2戦は行き切るも粘れずという内容。確かに前走の府中牝馬Sは前半4Fが46.9とハイペースを刻んだのは事実ですが、過去にはこれより速いペースで逃げ切ったこともあっただけにここに来てのピークアウトは否めずで…

[3]⑤モリアーナ(岩田康)

前走の府中牝馬Sでは終始力んだ走りになってしまい自慢の末脚を繰り出せず⑧着。現状ではやはり距離が延びるのはプラスではなく、そもそも「マイルくらいがいい」と鞍上も言っていたにもかかわらずここに参戦。継続騎乗とはいえ前走と違い中間は乗っておらず、上向く要素は見当たりません。

[3]⑥ピースオブライフ(団野)

芝は1勝クラスで2回走るも1秒以上の大敗。牝馬限定のダート中距離戦は他路線と比べてレベル差が大きい条件であり、そこでの実績をもって古馬芝中距離のG1で通用するかと言われると…

[4]⑦レガレイラ(ルメール)

皐月賞0.5差⑥着、ダービーでも0.7差⑤着という実績はここに入れば十分大いばりできるもので、前走のローズSにしてもハナからトライアルと割り切ったレースをしての⑤着ですから悲観する内容ではありませんでした。ただそのローズSは上位入着勢が軒並み秋華賞で見せ場なく敗れ、その他もその後1勝クラスさえ勝ち切れないというメンバー。そこからの上積みを期待したいところではあるのですが、どうも陣営のトーンは上がらず。前走時はウッドに週2で入っていたところこの中間は週1回に留まっており、見た目には仕上がっているものの完調と言えるほどではないと見るべきでしょう。尤もこのメンバーですからアッサリ勝たれても不思議はないですが…

[4]⑧シンリョクカ(木幡初)

自分のペースで行ければ強く、実際に前走の新潟記念も前半58秒台とやや速目のペースを2番手で追走したものの、直線で後続を封じる完勝。ただ、この時もそうですし2歳時に阪神JFでリバティアイランドの②着に入った時も共通するのがワンターンの競馬だという点。同じようなペースで行けた今年の日経新春杯では⑩着と止まっており、コーナー4つにこの距離と乗り越えるべきハードルは小さくありません。

[5]⑨キミノナハマリア(鮫島駿)

キャリアで大敗したのは遠征競馬となったフローラS・オークスと故障馬の影響を受けた福島牝馬Sのみ。良績が北海道と京都に集中していることにも現れている通り坂は苦手で、切れる脚も無いため出世が遅れてきましたがその分スタミナは豊富。前走の札幌日経OPでも牡馬に交じって③着(勝ったショウナンバシットとは2kg差で実質同斤)するなど健闘を見せています。外回りとはいえ末脚勝負では分が悪いので後ろ過ぎるとノーチャンスですが、前目で立ち回って体力勝負に持ち込めた際には浮上の目があっても。何より、牝馬重賞の主流が1400~2000mである以上この馬の力量を測るのにちょうどいいレースが無く、力量差がマスキングされている今が買い時という考え方もできるわけで(もちろん普通に足りない可能性もありますが)。

[5]⑩エリカヴィータ(藤岡佑)

3歳時にフローラSを勝ってから長いトンネルを抜け出せておらず、前走の新潟牝馬Sは格下の条件馬の後塵を拝する⑥着。気性面の難しさも相変わらずで距離延長のここでは。

[6]⑪スタニングローズ(C.デムーロ)

この馬もまた昨年の秋華賞以来勝ち星から見放されていますが、直後のエリザベス女王杯は紫苑S・秋華賞からの続戦で状態がギリギリだった中での⑭着で、以降も長期休養明けだったり牡馬混合戦に使われたりと理由は明らかなものでした。クイーンSを使ってからここまでじっくり仕上げるローテは織り込み済みで、強い相手とやってきた分戦績はさえませんがここに入れば十分通用の目はあるでしょう。

[6]⑫シンティレーション(マーカンド)

前走の府中牝馬Sでは32.8の末脚を繰り出して②着。どこにこんなギアを隠し持っていたんだというのが正直な感想ですが、翻って戦績をさかのぼるとほぼ徹底して芝1800mに使われ続け(4,3,2,2)の成績。遠征競馬は3走前にパールSで⑥着と今一つで、今回は距離も未知の2200m。このメンバーでこの戦績なら人気にならざるを得ませんが、ひと溜めさせたいタイプでもありアグレッシブ騎乗を是とするマーカンドJとの相性もあまり良いとは言え無さそうで。

[7]⑬サリエラ(ムーア)

3走前のダイヤモンドSでタイム差なしの②着と健闘したかと思ったら、次走の天皇賞で⑫着大敗。当時騎乗した武豊Jは「コーナー6回の競馬に慣れていない」との見解を示していましたが、元々この一族が不器用さもありなし崩し的に脚を遣うより直線でしっかりキレを活かすレースが向いているタイプ。最後の3Fだけ脚を遣えばいい東京と下り坂で加速が必要な京都とでは求められる適性は異なるわけで、後者に必要なロンスパ適性に欠けるだけにここでは強調できません。

[7]⑭ハーパー(武豊)

好位から粘り強く脚を遣えるのがセールスポイントでしたが、今年に入ってから馬が走る気を失くしたかのようなレースが続いています。前走の府中牝馬Sにしても4角から促すも全く反応せずブービーから大きく離されての最下位といいところがなく、今回は初めてブリンカーを着用。1週前のウッドでの3頭併せは素晴らしい動きでこの雰囲気だけなら狙いたいところではあるのですが…

[8]⑮ゴールドエクリプス(田口)

昨年のこのレースでも指摘した通り、使える脚に限界があり重賞では伸びきれません。OP入り後は斤量の恩恵も無くなり苦戦している現状では。

[8]⑯ラヴェル(川田)

リバティアイランドに先着した唯一の牝馬。ただ好走するには「左回り」「マイル前後の距離」「カイ食いの具合」など諸々がかみ合う必要があり、前走のオクトーバーSは馬体増で左回りと好条件が揃っての⑥着。折り合いの難しさもある馬で距離延長、右回りと条件は良くなく、川田Jが乗ると選択した以外に買い要素は見当たりません。

[8]⑰コスタボニータ(松山)

前付けして最後にひと脚、というレースが得意なタイプで、OP入りを決めた初音Sにしても4走前の福島牝馬Sにしても直線まで前を射程圏に入れて運びゴール前で捕らえる理想形で勝ち切っています。2走前の小倉記念(中京)では前半57.6という中京にしてはかなりのハイペースを2番手で追いかけレコード決着から0.1差の②着と健闘、しかも当時56kgを背負っており57kgの勝ち馬より実質重いハンデでのこれですから価値は高いです。この距離が持つかは鍵ですが、距離延長ローテかつこの枠なら好位の外目をスンナリ取れそうなだけに一概に軽視は出来ないでしょう。

<予想>
◎コスタボニータ
○キミノナハマリア
▲スタニングローズ
△レガレイラ
△ラヴェル
△ハーパー
△モリアーナ


■福島11R/福島記念 エンパイアウエスト

前走の函館記念では滞在競馬が合わなかったのか-8kgと体を減らし、スタートから行きっぷりも悪く⑮着敗退。そこから新潟を自重して立て直された今回は、最終追いを併せ馬で消化するなどいつもの順調さを取り戻しています。位置を主張したい馬がいるのでそれらを行かせて好位集団のインを運ぶ競馬が理想で、暑くない時期に機動力を活かしたいこの馬にとってはここが絶好の舞台と言えるでしょう。

2024年11月9日土曜日

【11/9(土)予想】武蔵野Sの注目馬とねらい目レース(オキザリス賞)

■東京11R/東京中日スポーツ杯武蔵野ステークス ショウナンライシン

ワンターンの東京ダート1600mらしく差し追い込みが有利なレース。過去10年で逃げ・先行はわずか2勝にとどまり、4角10番手以下が4勝もしていることからもここは素直に後ろから行く馬を狙いたいです。但しここで重要なのは「前半が流れても末脚を遣えるか」で、今回差し追い込みタイプが揃ったものの前半が緩んだ時にしか脚を遣えないタイプが少なくありません。「前半3Fが35秒以下のレースを4角10番手以下から差し切った馬」で絞るとビヨンドザファザーとショウナンライシンの2頭が該当しますが、ビヨンドザファザーは鬼門の内枠に入った分割り引かざるを得ず、軸として信頼したいのはショウナンライシンの方でしょう。柴田善Jに手替わりして以来①②①着と覚醒。ここに来て動きの迫力が増しており、前走、今回と1週前にウッドで好時計をマーク。前回坂路で単走だった最終追いも今回は併せ馬で一段と負荷をかけられており、今の充実ぶりなら重賞でも。


■東京9R/オキザリス賞 サノノワンダー

2歳のダート戦は番組数の制約から仕方ないのですが、1200~1400mを勝ってきた馬がスタミナ不足を露呈し案外、というケースが少なくありません。事実過去10年のオキザリス賞では距離延長組(2,2,4,44)、同距離組(4,5,6,64)に対し距離短縮組が(4,3,0,18)で単回103/複回100と回収率も優秀。ここは今回唯一の距離短縮ローテに該当するサノノワンダーが狙い目です。


2024年11月3日日曜日

【11/03(日・祝)予想】アルゼンチン共和国杯・みやこSの注目馬

■東京11R/アルゼンチン共和国杯 アドマイヤハレー

昨日そこそこの雨量があったにもかかわらず、朝6:30の時点で東京の芝は既に良馬場発表。日中は気温も上がる想定で、かなり良いコンディションになっていくことが見込まれます。これなら、上位人気勢に匹敵する末脚を有しながらなぜか人気していないアドマイヤハレーから入りたいです。

東京コースでは(2,1,2,1)と安定した取り口で、唯一の着外も一昨年の鷹巣山特別でジャスティンスカイから0.4差⑥着なら悲観する内容ではありません。ペースが速くても遅くても33秒台の脚を遣えるのがセールスポイントで、ここ最近は暑いのが苦手なのと番組の都合もあり中山や札幌でのレースが続いていましたが、本来は最後の600mで勝負を決められる東京コースが持ち味を最大限に発揮できる舞台です。2走前の日経賞では途中から動く形になりながらもシュトルーヴェから0.4差の⑥着と健闘しており、ここも流れ一つで台頭余地はあると見ます。


■京都11R/みやこステークス ミッキーヌチバナ

馬群を縫って伸びてこられる強みがある馬なのですが、元来スタートがあまり良くなかった面がありどうしてもロスの大きい競馬を強いられてきました。2走前のアンタレスSでは中団外を走っていたところ、3角で前を走るヴィクティファルスが外に張ったことで太宰Jが内を選択。この判断が奏功し直線で追い比べに持ち込んでの勝利でした。前走の平安Sでは安全運転の後方外目追走からの⑥着でしたが、前残り展開を0.5差まで追い上げたのであれば力は示したと言ってよいでしょう。デムーロJの弟来日ブーストにも期待して。

2024年11月2日土曜日

【11/2(土)予想】ファンタジーSの注目馬とねらい目レース(神奈川新聞杯)

■京都11R/KBC京都賞ファンタジーステークス ラヴェンデル

ザナの仔は渋った馬場が得意な馬が多く、稍重の中山牝馬Sを逃げ切ったコンクシェル、雨のフローラSで③着に粘ったシンシアウィッシュ、重・不良で(3,0,0,0)だったマリーナと重馬場巧者揃いの血統です。良馬場のデビュー戦ではそこまで目立つパフォーマンスではなかったものの、この天候を味方につけられれば通用の目は十分でしょう。


■東京9R/神奈川新聞杯 ピュアキアン

ダート中距離戦における上級戦と下級戦の違いは「強力な先行馬がいるかどうか」に現れます。芝レースのような後方一気が決まりにくく体力勝負の色合いが強いダート中距離以上の条件では、体力に劣る展開待ちの後方待機タイプより自らペースを作って勝負に持ち込める先行馬が先に出世しがちです。結果として上級条件では強力な先行馬が揃いがちで、ピュアキアンも早々に2勝したがためにここ2戦は重賞を走って自分の形に持ち込めませんでした。3戦ぶりに自己条件に戻るここはスンナリ先行が叶いそうで。