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2023年5月28日日曜日

【5/28(日)予想】日本ダービーの全頭評価・目黒記念の注目馬とねらい目レース(與杼特別、安土城S)

■東京11R/東京優駿(日本ダービー)

[1]①ベラジオオペラ(横山和)

前走の皐月賞はグラニットの番手で収まろうとしたところでタッチウッドのまくりに遭い被される格好となり、息も入らず3コーナーで脱落。外枠を引いたうえ余計にスタミナを消費させられる馬場も堪えました。本来デビューからの2連勝時のように切れ味で勝負するタイプで東京は歓迎のクチ。血統背景から距離の不安はありますが前走だけではまだ見限れません。

[1]②スキルヴィング(ルメール)

前走の青葉賞はトライアルの性質上動き出しが早くなり、差し勢有利の展開にも恵まれたことも事実でしたがキタサンブラック産駒らしくじわっとアクセルを踏み加速するレースで強さを発揮しました。さらに評価できるのは2走前のゆりかもめ賞で、1角から4角までずっと12秒台が続き最後の直線部分のみの勝負となった中で後方2~3番手からの差し切りを見せ非凡な瞬発力を見せつけました。このどちらのパターンにも対応できるのは大きな強みで、距離の不安が無い分ポジションを取れれば頭があってもおかしくはありません。

[2]③ホウオウビスケッツ(丸田)

ここ2戦は精彩を欠く走りですが、2走前のスプリングSにしても前走の皐月賞にしてもグラニットが居たためハナを取れず、スピードを活かせない重馬場だったこともあり良さを出せませんでした。この馬の真骨頂は3走前のフリージア賞のパフォーマンスで、自ら逃げて「12.7-11.7-12.1-12.5-12.6-11.8-11.6-11.2-11.2-11.8」というラップを刻みました。後傾ラップであることは間違いないのですが、注目すべきは後半5Fずっと11秒台で走っている点。逃げ馬が自ら加速しなおかつ最後まで止まらないのであれば後ろは届くはずが無く、逆にここ2戦は重馬場で急坂の中山でしたのでこういった走りができなかったことも頷けます。近5年のダービー出走馬で同様に「後半5Fすべて11秒台のレースを勝ったことのある馬」は6頭いたのですが、それがそうそうたる顔ぶれ。

2022
イクイノックス②(東スポ杯)
アスクビクターモア③(未勝利@中山)

2021
シャフリヤール①(毎日杯)
バスラットレオン止(NZT)

2020
コントレイル①(東スポ杯)

2019
ニシノデイジー⑤(東スポ杯)

4頭のG1馬+海外G2勝ち馬+JG1勝ち馬というラインナップで、かつ(完走していれば)何れもダービーで掲示板という優秀な成績。ダービーのペースは「玉砕覚悟で逃げるマイラー」が居るかいないかで大きく左右されますが、パクスオトマニカは距離を考えて積極的にはハナを取らなさそうですのでスタートさえ決まればこの馬がハナを奪える可能性は高いです。3戦ぶりに良馬場の大箱で走れる点は間違いなくプラスで、持てるポテンシャルを出し切れれば大駆けがあっても。

[2]④トップナイフ(横山典)

前走の皐月賞ではスタートでトモを落とし後方から。大体ソールオリエンスと同じようなコースを進んで0.9差の⑦着でしたが、結果的には馬場の悪い内目を通った馬たちが全滅した中で終始馬場の良いところを走れたメリットがありました。それで⑦着となるとキレが求められる東京でさらに成績を上げてくるイメージは描けずで。

[3]⑤ソールオリエンス(横山武)

ここ2戦は上がりの掛かる展開を差し切っていますが、元々は東京でのデビュー戦で33.3の脚を使って勝っているだけに一概に中山巧者とは片づけられません。操縦の難しいところもあり大箱コースに替わるのもプラスで、皐月賞がロスの大きい競馬だったことを考えても距離延長にも問題は無いしょう。ただ、しいてケチを付けるとすればそのデビュー戦は②着に下したレーベンスティールの方が速い上りを使えていたわけで、良馬場の東京で前走と同じようなレースをしようと思ったときに果たしてそこまでキレるのか?というのは現時点で裏付けはなく、そのデビュー戦は前半5Fが65.0というドスローで繰り出した末脚。もしかしたら上がりの絶対値がさほど高くないタイプの可能性もあり、実力だけでは決まらないダービーで1倍台の人気となると積極的に買いたい馬ではないと言えます。

[3]⑥ショウナンバシット(M.デムーロ)

前走の皐月賞はスタートは無理に行かずインをそつなく進み、4角で外に進路を取ったレースぶりはドゥラメンテの再来かと見まがうほど。タスティエーラとの併せ馬に持ち込んだところまで完璧でしたが、馬場の悪いところを走った分最後は止まってしまいました。内目を通った馬の中では唯一掲示板を確保しており見た目以上にはコース取りの恩恵を受けたわけではなかったと考えれば善戦と言えます。33秒台の上がりを求められたレースで勝ち切れていないように本質的には東京向きではないのでしょうが、前目につけてひと脚というダービーで穴を開けうる適性は持っており位置を取れれば一概には。

[4]⑦フリームファクシ(吉田隼)

前走の皐月賞は道悪で進みが悪かったことも堪え、内枠から被されたタイミングで頭を上げ制御不能に。ルーラーシップ産駒らしく大トビで大箱の良馬場に替わるのはプラス材料で、前に馬を置く形で折り合えれば見直す手も。

[4]⑧メタルスピード(津村)

前走の皐月賞を含め一連の好走は何れも中山でのもの。東京コースは6走前に未勝利戦で③着していますが、重賞で歯が立たなかったシルバースペードを捉え損ねたもので評価は出来ず、折り合い面からも距離延長はプラスではないでしょう。

[5]⑨グリューネグリーン(石川)

5走前に東京で未勝利戦を勝っていますが、当時はエエヤンが暴走気味に逃げた前傾戦でこの馬が先頭に立った最後の2Fは25.2も掛かっていました。今回も誰かが掛からない限りはこのような特殊ラップになることは考えにくく、4走前の京都2歳Sのように恵まれたとしてもこれ以上の上がりを使える先行馬は多いだけに。

[5]⑩シャザーン(岩田望)

前走の皐月賞は自慢の末脚が繰り出せず⑥着に敗れましたが、やはりそれまでのレースよりも前半が5秒以上早くなったレースでそこまでの溜めを作れなかったと考えます。既にOPに上がってしまった以上、今後前半が64~65秒も掛かることは長距離戦以外では考えられず先行勢がやりあっての自滅展開に嵌るのを待つか、血統的に距離を短くしてスタミナを末脚に振り分けるくらいしかないかと…

[6]⑪ハーツコンチェルト(松山)

母ナスノシベリウスからは5頭JRA出走馬が出ていますが、内3頭がハーツクライ産駒(全きょうだい)+父父ハーツクライのジャスタウェイ産駒が1頭。そのいずれもが2か月以内の臨戦で勝ち星を挙げられていません。この馬は本来東スポ杯で賞金加算が出来ればもっとゆったりしたローテが組めたはずなのでしょうが、まだ成長が追い付いていない様子で止む無く青葉賞からの中3週。元々ダービーを意識していた馬なので意地でも出さざるを得なかったのでしょうが、このローテで結果を出せるのなら元々こんな成績にはなっていなかったはずで。

[6]⑫タスティエーラ(レーン)

前走の皐月賞は道中ギリギリ馬場の良いところを回ってこられましたが、先行勢が4角で止まったことで早めに脚を使わされた分最後は失速。それでも他の先行馬が全滅する流れの中で勝ちに行っての②着は立派でした。ただ共同通信杯で案外だったようにキレ勝負に持ち込まれると厳しく、折り合い面に気を付ける必要もある中で距離延長のこの局面でレーンJへの乗り替わりというのは明らかにマイナス。ここでパフォーマンスを上げる期待は持ちにくいです。

[7]⑬シーズンリッチ(戸崎)

今回の出走馬の中で戸崎Jが騎乗経験があるのはこの馬のほかにはソールオリエンスとメタルスピードのみ。確かに他2頭はここで戸崎Jに手戻りとなったら暴動が起きるレベルですし、絶妙なタイミングで角田河Jが騎乗停止になったこともあってのコンビ復活ですが、百日草特別、共同通信杯と末脚の限界を露呈しての負け方だっただけに再度の東京戻りはプラスとは言えずで。

[7]⑭ファントムシーフ(武豊)

前走の皐月賞は落鉄の影響がありながらの③着。そもそもコーナーを回りながらの加速はやはり苦手なようで、4角時点ではメタルスピードに対し劣勢。ルメールJが馬群を捌くのはよっぽど切羽詰まった時の戦法で、直線だけでよくあそこまで追い上げてきました。2走前の共同通信杯もラスト800-600m区間12.4から次の200mで一気に11.3まで加速するレースをモノにしており、大箱向きのギアチェンジ戦が得意なタイプ。ハービンジャー産駒だけに高速決着には課題を残しますが、距離適性が固まっていない世代限定戦ならば押さえは必要かと。

[7]⑮ノッキングポイント(北村宏)

2400mはおろか2000mの経験すらない中で、陣営はNHKマイルCに登録すらせずここへの参戦を選択。トビが大きいので距離延長の方が力を出せそうとの見解ですが、例えば東京1600→2000とかならまだしも単純にコーナー回る回数が増える2400mへの距離延長は理屈としてどうなのかと。北村宏J自体は良いのですが、急遽参戦が決まったわけでもないのに前走の毎日杯で乗った藤岡佑Jすら確保できなかった点からも本気度は見えません。

[8]⑯パクスオトマニカ(田辺)

前走のプリンシパルSは1996年の施行以来最少の7頭立て。前半62.4という超スローペースで逃げ切ったまでで、ここでどうこう言えるレベルにはないかと。

[8]⑰ドゥラエレーデ(坂井)

2走前のホープフルSは終始2番手を進み、トップナイフとの叩き合いを制し大金星。元々3走前の東スポ杯が差し決着を0.2差④着に残したように、自分の形に持ち込めればしぶといタイプです。キレでは劣るもののペースが落ち着き競り合いが長く続く展開になれば浮上の目も。

[8]⑱サトノグランツ(川田)

ここに来て取り口が安定しての3連勝。前走の京都新聞杯も先行勢がそのまま残そうかというところをまとめて差し切るレースぶりで、高い素質を感じさせる勝ち方でした。一方ここまでは中間もコースで早目の時計を出して追えていましたが、流石に今回は中2週というローテもあり調教は手控え気味。少なくとも前走以上の状態とは言えないうえ大外枠を引いたロスは大きく、菊花賞まで楽しみは取っておいた方が良さそうです。

<予想>
◎ホウオウビスケッツ
○スキルヴィング
▲ソールオリエンス
△ショウナンバシット
△ベラジオオペラ
△フリームファクシ
△タスティエーラ
△ファントムシーフ
△ドゥラエレーデ
△サトノグランツ


■東京12R/目黒記念 アーティット

東京2500mはダービーのスタート地点から100m4角寄りにゲートが移動するわけですが、そこは丁度坂の下。つまりレース中に2回坂を上る必要があり、ただの平坦巧者だと苦戦するコースでもあります。同様の形態を持つコースには中山・阪神の2000m以上戦も該当しますが、より東京に近いのが同じ左回りの中京2200mコース。阪神より下り坂に入るタイミングが早く、かつ中山より直線が長いので良い脚を持続できるかが問われます。故に先行馬は苦戦を強いられることが多いコースですが、アーティットはこのコースで2戦2勝。しかも何れも2番手から勝っており差し有利の恩恵を受けておらず、タフさと末脚を併せ持つタイプでこのコースは向いているはずです。この中間はヒートオンビート、ユーキャンスマイルとともに十分に負荷をかけられ好時計をマークしており出来も問題なし。今の調子と適性を考えればここでも十分にやれるはずです。


■京都9R/與杼特別 キタノセレナード

前走の阪神戦は重馬場発表も、内から乾き始めており実際にラチ沿いは稍重レベルまで回復していました。上位2頭は外の脚抜きの良いところを伸びた分でインを立ち回っての③着は十分に評価でき、おまけに勝ったエナハツホは次走の三条Sを連勝、当時の2~7着馬の次走も(2,1,1,1)とレベルの高いメンバー構成でした。函館で2勝しており平坦コースも問題なく、力量通りなら順当でしょう。


■京都10R/安土城S ルプリュフォール

京都コースは2戦2勝。得意の舞台に戻ってきたうえ折り合い面からも1400mへの距離短縮はプラスです。阪神の1400mは内回りですが京都は外回りで4角で助走をつけて加速できるコース形態も向いており、昨秋のスワンS③着の実績からも決め手は重賞級。距離を延ばしてくるレッドベルオーブが引き離して逃げる隊列が想定され、ゴール前の混戦を断ち切れるキレを持つこの馬の出番と見ます。

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