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当ブログは、広尾サラブレッド倶楽部株式会社様のご厚意により、同倶楽部の所有する競走馬の写真及びWebサイト記載情報の転載許可を頂いております。

2023年2月26日日曜日

【2/26(日)予想】中山記念・阪急杯の全頭評価とねらい目レース(下関S)

■中山11R/中山記念

[1]①ダノンザキッド(北村友)

昨年の香港カップ②着以来となりますが、その香港Cは以前の気性面の脆さが感じられず距離延長でもしっかりと折り合いひと脚を繰り出せました。安田隆師は「現地で馬体が減っておりコンディションは良くなかった」と語っておりまさに地力で見せ場を作ったと言えますが、逆に言えば体調が万全でなかったがために大人しかったとも言えるかもしれません。今回は中間元気いっぱいとのことですが、休み明けはパフォーマンスを一枚落としている(2か月ぶり弥生賞③着、半年ぶり富士S④着、3か月ぶり中山記念⑦着/安田記念⑥着、2か月半ぶり関屋記念③着)だけに今回もむしろ元気が空回りするパターンかもしれません。力は認めますが脆さもある馬だけに。

[2]②ソロフレーズ(武士沢)

岩手を経て再転入になりますが、盛岡の芝レースというのは中央で通用しなくなった馬同士の集まりでそこでいくつか勝ったと言ってもこのメンバーで通用する根拠にはなりません。3年前に勝った日本海Sも2200m戦としては異例の59.3というハイラップのズブズブ決着で後方を進んでいただけの話で、中央時代の戦績からも推しにくく。

[3]③イルーシヴパンサー(M.デムーロ)

前走の京都金杯では発馬が決まり労せずして好位のインを取れたことが大きかったです。ダイワキャグニーの動き出しにつられて外を回った馬たちが速めに動いてきた分外差し勢が不発だったこともあり、立ち回りの良さでつかんだ勝利だったと言えるでしょう。これまでの5勝が全て東京と新潟外回りだったことを思えば、中京戦の内枠を捌けたことはこの馬なりの進境とも言えますが、今回は久々の右回り。距離延長でのデムーロJへの手替わりというのも溜めを作る観点からはプラスとは言えずで。

[3]④ドーブネ(武豊)

スピードの違いでハナに立つタイプで、変に抑えるより気分良く行かせた方が良いのはここ3戦で証明済。ただ前走の白富士Sでは最内枠から楽にハナを奪い道中で12.6までラップを落とすなど逃げ馬の理想的な流れを作っておきながら踏ん張れず②着。この内容からも距離は1800mまでが守備範囲でしょう。この舞台はスプリングSで出遅れて⑫着があるのみですが、これまでの経験がほとんどワンターン=スタートがスタンドと反対のレースに集中しているのが懸念材料。スタンド前発走で発馬を決められるかが鍵になりそうで、それさえこなせれば他の先行勢がクッションになって楽に逃げ切り…というシーンも考えられますが。

[4]⑤シュネルマイスター(バシュロ)

昨年の秋3戦は何れも右回りコース。良いところが無かったですが、最近では調教でも右回りでは手前を変えないようでそのあたりが影響している可能性がありそうです。立て直されて状態は良さそうですが、やはりここは叩きでもあり折り合い重視のレースをするでしょうからこのコースでは届かない公算が大きいです。

[4]⑥ソーヴァリアント(横山武)

心房細動明けの前走チャレンジCを快勝。骨折の影響も感じさせず、再び軌道に乗ってきたと見てよさそうです。ただ今回は相手関係で難儀しそうで、過去4角通過順が3番手以内であれば(5,1,0,0)とパーフェクトなのですが、今回は少なくともドーブネ、トーラスジェミニ、ショウナンマグマと逃げ馬が3頭おりこれらよりも後ろになることは確実な情勢。加えて末脚でカタをつけるのではなく前目から押し切るタイプにつき、仕掛けるタイミングが早くても遅くても何かに負けてしまう可能性のある馬です。先行勢が垂れてきたのを受けて早めに先頭に立つと後続の目標にされますからその3頭の間にもう1頭誰かを置いてレースしたいですが、その馬の頑張り次第で勝ち切れるか垂れるか差し損ねるかが左右されると言ってよいでしょう。力量は認めるので印は外せないですが…

[5]⑦ナイママ(柴田大)

先週の小倉大賞典を除外されてここへ。状態は維持出来てはいますが流石にここでは相手が強くて。

[5]⑧トーラスジェミニ(原)

昨年はいろいろと調教を工夫するも結果は変わらず。今回も3頭併せの真ん中で前を追いかける形の調教で動けてはいるのですがそれはいつものことで、逃げられなかったり早目に競られたりと少しでもケチがつくと脆さを見せる現状です。既に重賞を勝ってもおりこの先そこまで恵まれるようなレースはそうそうないでしょうし、今回は特に同型もおり開幕週で先行勢は目の敵にされるコンディション。すんなりとは行かせてくれないでしょう。

[6]⑨ショウナンマグマ(石橋脩)

1800mでは(3,1,0,0)、それ以外では(0,0,0,8)と完璧なまでの千八巧者。但し今回はハナを叩けそうもないうえ、高速決着に実績が無く開幕週の馬場もマイナスです。

[6]⑩モズベッロ(大野)

1年ぶりで乗りこみ量は豊富ですが、脚元の問題から中間は坂路とプール主体で馬体は絞れず。2000m未満のレースに出るのも3年半ぶりで、ここは公開調教でしょう。

[7]⑪ヒシイグアス(松山)

大健闘だった前走宝塚記念②着から8か月ぶり。元々体質的な弱さを抱えているうえ夏が苦手で、前走後は熱中症になったこともあり休養が長引きましたが、1週前にDWでの3頭併せで50.6の時計を出しており立て直しは問題なさそうです。長い休養の分馬体がどこまで絞れて来るかが鍵ですが、地力だけでも押さえる必要はありそうです。

[7]⑫スタニングローズ(吉田隼)

前走のエリザベス女王杯はいつも通りのレースに徹した結果、外差し有利展開に逆行するレース運びで⑭着。ロゼカラーから続く「薔薇一族」は基本的に良馬場でしか走れないことからも、馬場も合わなかったと見るべきでしょう。調教の動きは昨秋紫苑S、秋華賞を連勝した時と同様に53秒前後の全体時計から加速ラップを踏めており、この馬の力の出せる態勢にはなったと見ています。あとはその力を出したところで古馬勢にどこまで伍せるのかが気になる点ですが、現4歳世代の上位はイクイノックスやドウデュース等既に古馬通用級の実力を示しており総じてのレベルは高いはず。あとは牝馬のレベルがどうかというところですが、超絶差し有利レースのオークスで4角4番手から②着したのは世代の中でも高いポテンシャルの現れとみており、2戦2勝の中山コース替わりもプラス。ここでも通用する期待は十分です。

[8]⑬ラーグルフ(菅原明)

早目の動き出しから勝負をつけたいタイプで、このコースは合っています。ただ前走で勝った中山金杯と違い今回は開幕週の馬場という点で外まくりは決まりにくく、G1に出したいという狙いもあるでしょうし先を見据えた余所行きの競馬をするようなら期待値は下がります。

[8]⑭リューベック(田辺)

前走の但馬Sは開幕週の馬場を味方につけ、好位のインで宥めながら脚を溜め直線で前を捉える優等生の競馬でした。大外枠を引いた今回はここまで恵まれる期待は薄いうえ、タイトルホルダーでも逃げなかった田辺Jが中途半端に控えるレースをするようなら、伸びずバテずで見せ場を作れずに終わる可能性が高いです。

<予想>
◎スタニングローズ
○ソーヴァリアント
▲ヒシイグアス
△ダノンザキッド
△イルーシヴパンサー
△ドーブネ


■阪神11R/阪急杯

[1]①メイショウベンガル(高倉)※取消

[1]②メイショウチタン(高倉)

3走前のオーロCでは6F戦からの距離延長ローテでハナを切りタイム差なしの②着。陣営も現状では無理に抑えるのでなく行き切ったほうが良いとみており、内枠を引いた今回も積極策で行くでしょう。オーロCで勝ったウインシャーロットは先週の京都牝馬Sでも②着に好走しており力量は引けをとっておらず、アグリが番手に引くようならしぶとさを見せるチャンスは十分です。

[2]③サトノラムセス(池添)

上がりの掛かったほうが差し込めるタイプで、中京1400mは向いている条件でもありました。3走前にこのコースで⑧着がありますが、外差し勢には用なしとなったコンディションで進路を探して大外に持ち出さざるを得なかったもので度外視。この枠を引けたからには好位で溜めてレースができるはずで、開幕週の馬場がどうかもここも注意が必要でしょう。

[2]④ホープフルサイン(幸)

5歳シーズンから成績が安定し、前走の淀短距離Sでは約1年ぶりの実戦ながらOP初勝利。元々ダート勝ち上がりな上洋芝で実績があることからも時計を要した方が走れるタイプで、故に上級条件では1400mの方が向いているとみておりました。前走勝ったことで人気は上がってしまいそうですが、本来狙うならこの舞台のはずでうまく捌ければ改めて。

[3]⑤ダディーズビビッド(浜中)

どうも蹄を気にして走っているようで、前走の睦月Sも本気で走れていなかった模様。この中間も自ら加減して走っているようで、本数のわりになかなか絞れてこないのが現状。爪割れなどを気にしているのが問題ならば暖かくなるにつれ解消してくるとは思いますが、それでないとしたらメンタル面の問題は厄介です。いずれにしてもここは1回静観の番。

[3]⑥ロードベイリーフ(酒井)

久々の1400m戦ですが、過去3戦②④⑥着ながら常に小差で走れており距離自体は問題ないでしょう。ただ時計が求められると対応できないうえ後方からの展開待ちになってしまうため、ここでも恵まれる可能性は低そうです。

[4]⑦グレナディアガーズ(岩田望)

昨年の阪神Cでは距離延長ローテ+大外枠を克服しタイム差なしの②着と地力を見せました。朝日杯勝ちもありますが基本は1400m以下の馬で、このメンバーで57kgで出られるのはボーナスレースと言っていいレベル。本来叩かなくても高松宮記念には出られるはずで、それでもあえてここに出してきたということは間隔の詰まる高松宮記念はともかくまずはここを取りに来たと見るのが妥当でしょう。古馬になってから控えるレースをしているのは気になる点ですが、今回に限って言えば積極的に乗れる岩田望Jの方が手が合っているはずです。

[4]⑧ショウナンアレス(戸崎)

クラスが上がってからは溜めを作れず詰めの甘いレースが続いており、今回は格上挑戦でさらに厳しいペースになることを考えれば見せ場を作るのは難しいでしょう。

[5]⑨メイショウケイメイ(角田河)

いつも自分の脚は使っているのですが、古馬になってからは相手が強くなりなかなか届いていない現状。脚質的に前走の北九州短距離Sがチャンスだったわけですが、それでも0.3差⑪着とあってはここで上向く可能性は見出せず。

[5]⑩リレーションシップ(岩田康)

昨年のこのレースでは内枠から壁を作って進むも位置取りを下げてしまい、直線では外に持ち出さざるを得ないレースとなり④着。内を進んだ各馬が上位を独占する中では健闘した部類と言えるでしょう。1400mがベストではありますが、使える脚が長くないので阪神や新潟と言った内回りコースの方が向いており舞台替わりはプラスに。あとはこの枠を引いてしまったので岩田康Jの一か八かの強引なまくりをやられてしまうと自爆する懸念がありますが、うまく行ったときには侮れない存在です。

[6]⑪アグリ(横山和)

スタートセンスが良く、スピードでそのまま押し切れるタイプなので中身がついてきたこの3連勝は至極順当だったと言えます。前走で前傾戦を2番手から押し切っているのもポイントが高く、途中で誰かに絡まれるような展開にさえならなければここも安定勢力でしょう。

[6]⑫ミッキーブリランテ(和田竜)

間隔を詰めて身体を仕上げ、距離延長で位置を取り、内枠で溜めを作った時に好走できる馬で、強引にインを取りに行った京成杯AH以外は2桁枠番で結果を出せておらず。ローテも不向きなここは叩き台でしょう。

[7]⑬ラルナブリラーレ(鮫島駿)

先週の京都牝馬Sを除外になりここへ。ただその割には今週の最終追いは坂路で51.8-11.9とかなりの時計を出せており、むしろ先週より体調は上向いたとも言えます。陣営は上がり勝負に懸念を示していますが、3戦連続して33秒台の末脚を繰り出しており2走前には新潟1400mの信越Sで0.2差④着と直線の短いコースでも十分にやれるところを示しています。人気上位は安定した取り口を見せていますが、メイショウチタンやホウオウアマゾンがハナにこだわる姿勢を見せたうえでリレーションシップが途中で引っ搔き回すような展開を作ればグレナディアガーズやアグリも安穏とはしていられず、想定外に動き出しが早くなれば直線で脚を使えるタイプの台頭があっていいはずです。大外をぶん回すような無粋な真似はしないであろう鞍上だけに注意は必要です。

[7]⑭グレイイングリーン(団野)

距離は1400mがベストで、外を回すとどうしても末が甘くなってしまうタイプにつき内目が欲しかったのですが…同じ狙いを持つラルナブリラーレが隣にいることもあり、よほどうまく立ち回らないとイン突きは難しいでしょう。

[8]⑮ホウオウアマゾン(国分優)

前走の根岸Sでは行き脚もつかず⑫着。内目で砂を被ってしまったこともありますが、結果的に現状ダートは合っていなかったと見るべきでしょう。そのため前走がノーカウントではあるのですが、一時よりマシになったとはいえこの馬は調整が難しく遠征競馬で結果を出せてないのに加え連戦が苦手。過去、休み明けを叩いたあとは走るたびにパフォーマンスを落としており、ここは得意のローテではないだけに。

[8]⑯ルプリュフォール(横山典)

1400mを狙って使われ続け戦績が安定。内枠を引けば馬群で控えることもできますが、折り合いに難がある馬のためやはりじっくり後ろから行った方が良い馬です。こうなると横山典Jの戦法は一つ。ここでも通用する末脚は持っていますが、距離ロスを考慮すれば届かない懸念も。

<予想>
◎ラルナブリラーレ
○グレナディアガーズ
▲アグリ
△ホープフルサイン
△リレーションシップ
△メイショウチタン
△サトノラムセス
△ルプリュフォール


■小倉11R/下関S スイートクラウン

前走は馬場入場後除外となりましたが、歩様に硬さが見られ大事を取ってのものでした。この中間は問題なく乗り込めており、一昨年から昨年にかけ福島・札幌で連続好走した通り平坦コースが合っています。加えて今週の小倉芝1200mは外枠から好位につけた馬の好走が目立ち、昨日も3鞍あったこのコースで複勝圏に入った9頭のうち7頭が2桁馬番。ごちゃつかずに馬場のマシなところを通れる利が如実に出ている現状で、前目から押し切りたいこの馬にとってもプラスに働くと見ています。元々は現級でもマイネルジェロディの②着していたような実力馬で、近走の馬柱だけで軽視するのは危険でしょう。

2023年2月25日土曜日

【2/25(土)予想】ねらい目レース(仁川S・伊丹S・中山8R・阪神12R)

■阪神11R/仁川S ダンツキャッスル

阪神ダート2000mはホームストレッチ一杯を使って先行争いが繰り広げられるため前半が速くなりやすく、OP以上では5F通過が59~60秒台となることも珍しくありません。故に知らない内にオーバーペースに巻き込まれた先行馬が最後に止まることがあるうえ、それまで1800mや2100m戦で前半ゆったり入るタイプのレースで良績を収めてきた馬にとっても条件が異なります。ペースはメンバーによっても変わってきますが、ヒロイックテイルが去勢明け緒戦の前走で久々にハナを切れたことを考えればここも主張するはずで、緩いペースにはならないだろうと踏んでいます。

こうなると差し馬で速い流れにも対応できる馬を狙いたいのですが、1つの指標として今回の出走メンバーのうち「前半5Fが60秒未満のレースを勝った経験のある馬」を抜き出すとダンツキャッスル・グレートタイム・スレイマンの3頭。但し後者2頭は前回勝利後の調子落ちが激しく能力発揮は難しいとみており、それならば「馬体が絞れれば」の条件付きですが調教内容からも一変の可能性を秘めるダンツキャッスルとします。

一昨年に大沼Sを勝っており、5走前のマリーンSでも後にエルムSを勝つフルデプスリーダーから0.4差の④着と善戦。この馬は休養で馬体が増えてしまうのがネックで、2走前は+18kgの太目残り、前走の小倉戦もまだ馬体は絞れていなかったうえに60kg+前残り決着とすべてが向きませんでした。今回は約1か月かけてコースで乗りこまれシェイプアップが見込めるのに加え、斤量も4kg減の56kgになり前進可能。4走前だけ走れればこのメンバーでも足りるはずで、推定シンガリ人気ならば鞍上に目を瞑って押さえる手も。


■阪神10R/伊丹S ロッキーサンダー

前走は過去2回走っていずれも着外と相性の悪い中京コースで、0.6差⑨着も仕方ありません。阪神では21年12月以降9戦連続で掲示板を外していない安定株で、2走前にはプロミストウォリアの③着の実績もあり現級では優に通用級。ここはサンライズアリオンを筆頭に前目につけたい馬も多く、展開利も見込め台頭が期待できるでしょう。


■中山8R ローズピリオド

昇級後も安定して走れており、スタートで挟まれた3走前を除けば③②着。2走前は4角で進路が無くなり切り返すロスがあってのもので、前走はズブズブの不良馬場で前も止まらず致し方なしの敗戦でした。1完歩目が速くなく外枠を引けたのも好材料で、前を射程圏に入れながら運びたいこの馬に戸崎Jの手も合うでしょう。


■阪神12R ベルウッドブラボー

2歳時にダリア賞を勝った実績からも1400mがベストの舞台で、右に張る面があるうえ使える脚が短いタイプのため「右回り+内回り」は絶好の条件です。2走前の同条件では1番枠から理想的な立ち回りを見せましたが、直線で前が開かず不完全燃焼の④着。再度の西下で内枠を引け、二度目の騎乗となる吉田隼Jも今度は決めてくれるでしょう。

2023年2月19日日曜日

【2/19(日)予想】フェブラリーSの注目馬とねらい目レース(小倉大賞典)

■東京11R/フェブラリーS ケンシンコウ

3歳時にはユニコーンSでカフェファラオの③着とした後、レパードSを勝利した実力馬ですが気性難が付きまとい成績にムラがある現状。それでも前走の根岸Sではキャリアで初めて1400mを使われ最後方から脚を伸ばし⑥着と見どころがありました。その前走は陣営も位置取りを下げることは想定通りでしたが、元々4角10番手以下では(0,0,0,6)と後方一気のキャラクターではないだけに致し方のない敗戦でもありました。

そこから1Fの距離延長となる今回はある程度の位置が取れることが見込めるうえ、鞍上は積極的にポジションを取りに行くタイプのバシュロJ。先行タイプは何頭かいますが競り合って潰れるのを嫌いたい馬が大半であるうえ、大本命のレモンポップは距離不安と戦いながらの運びで必然的に後ろを気にしながら追わなければならず、自ずから前目を取れる馬にチャンスが生まれます。好位で壁を作って運べればこのメンバーなら十分通用するはずで。


■小倉11R/小倉大賞典 インテンスライト

勝ち味に遅いタイプで、毎度昇級するたびにクラス慣れの期間を置いて勝ち上がっています。現に2勝クラスで5戦、3勝クラスで6戦を要しており、昨春のOP昇級からも既に5戦を走って未勝利ですが3走前の京成杯AHでは0.3差の⑦着と健闘を見せており、徐々にG3の水になじみつつあります。前走のニューイヤーSは減った馬体を戻せたものの、終始中途半端にインにこだわった結果直線でも行き場を見つけられず不完全燃焼の⑦着でした。菊沢一Jは長らくこの馬の手綱を取ってはいますが、お手馬のクラリティスケールでさえも被せられたくない馬なのに4角で内に入れる判断ミスを犯すレベルの騎手につき、今回勝浦Jに手が替わるのはプラスでしょう。同じコースで行われた昨日の最終Rを7人気のヒルノエドワードで勝ったように、特に冬の小倉開催では勝浦Jの「伸びどころを熟知した騎乗」が目立ちます。

<表1>勝浦Jの開催場別成績(芝レースのみ)

<表2>うち、小倉芝における月別成績

<表3>さらに、1~3月の小倉芝における開催週次別成績
※「その他」は9日目以降の開催を指す。

千葉県出身・美浦所属の勝浦Jは関東メイン場を主戦場としますが、夏は北海道、そしてこの時期は小倉を拠点としています。関東以西の競馬場の中では最も成績が良いことに加え、特にこの冬開催、しかも開催が進むほどに成績が良くなっていることがデータから窺えます。冬の小倉は芝が傷みやすく、特に今開催は雨中でのレースが多く3角から傷みが大きくなっています。こうなると伸びどころの把握と、それを実現するためのポジショニングが求められ、勝浦Jの好成績はその点が奏功していると言えるでしょう。

勝浦Jが小倉大賞典に乗るのはこれが5回目で、成績自体も(0,1,0,3)と決して強調できる数字ではありません。しかし着外の4回は何れも先行してのもので、差し決着のバイアスに逆らっての敗戦でした。唯一の連対が20年②着のドゥオーモで、これがまさに小倉の乗り方を知っている人間と言わんばかりの4角まくりを見せ10番人気の低評価を覆しました。今回のインテンスライトも「出たなりでしまいを活かすレースを」陣営は画策しており、無理せず外目を回して馬場の良いところを伸びられればハンデG3なら食い込み注意でしょう。

2023年2月18日土曜日

【2/18(土)予想】ダイヤモンドSの注目馬とねらい目レース(金蹄S)

 ■東京11R/ダイヤモンドS タイセイモナーク

前走の万葉Sでは終始主導権を握り最後の最後にミクソロジーに交わされての②着でしたが、刻んだラップは59.9-63.6-59.9とまるで菊花賞のタイトルホルダーを思わせるような綺麗なラップでした。中京開催だったここ3年の中では一番速いタイムだったにも関わらず、過去2年は何れも差し決着で逃げ馬が垂れている中でこの馬は終始ハナを取り最後まで粘っており一定の評価が出来るでしょう。そもそも中京はコース形態から最後の坂で逃げ馬が止まりやすく差し有利なコースで、今回坂の緩い東京に替わるのもプラス。ミクソロジーが人気の中心になるようなメンツであればこの馬の通用可能性も十分と言えます。


■東京10R/金蹄S リーヴル

前走久々にダートに使われましたが、内枠を引いた上スタートで躓き後方から。元々キレるタイプで無いだけにダートでそれを補いたかったのですが、前目からじわじわ脚を使いたい馬なので自分の形に持ち込めませんでした。芝でも現級ではフライライクバード、グレンガリーといった相手と小差のレースをしており力自体は通用してよく、外目の枠を引いた今回は揉まれずに好位を取れれば一発も。


2023年2月12日日曜日

【2/12(日)予想】共同通信杯の注目馬

■東京11R/トキノミノル記念共同通信杯 シュタールヴィント

④着に敗れた初戦と前走の京都2歳Sは内枠で包まれる形。一方で2走前の未勝利戦は好位2番手の外をスムーズに運んでの快勝で、手ごろな頭数で外目の枠を引けた今回は陣営も2走前の再現を狙っています。マルセリーナの仔でありこの馬の上にはラストドラフト、ヒートオンビートが居ますが、いずれも脚の使いどころが難しいタイプで後方一気というよりは前目につけてひと脚、というのが好走パターンです。今の東京は外差しというよりはインから鋭い脚を使えることが好走要件で、良馬場まで回復した今日の馬場なら改めてこのセオリーにのっとって考えれば通用の余地はあっても。



2023年2月11日土曜日

【2/11(土・祝)予想】クイーンCの注目馬

■東京11R/デイリー杯クイーンC ウヴァロヴァイト

水はけの良い東京は朝からの好天で既に稍重まで回復。降雪の影響を感じさせず大きく予想を転換する必要はなさそうです。

ウヴァロヴァイトの前走・赤松賞は6頭立てにして4F50.3という超スローペース。こうなるといくら33.3の脚を使ったとしても、キャリアで勝るミスヨコハマには立ち回りで劣ってしまいます。今回はハイペースとまでは行かないものの、16頭立てで重賞らしいまともなペースで流れてさえくれれば末脚は通用するはずで、これまで最終追いは芝かポリトラックだったところデビュー以来初めてウッドで最終追いきりを消化できているのも好材料。出遅れさえなければここでも好勝負可能と見ます。


2023年2月5日日曜日

【2/5(日)予想】東京新聞杯の全頭評価

■東京11R/東京新聞杯

[1]①プリンスリターン(横山和)

OP・リステッド3連勝と充実一途の中で、昨年のこのレースを目指していた中屈腱炎で無念のリタイア。実戦ベースでは一昨年のキャピタルS以来となるので1年2か月ぶりですが、ストロングリターン産駒にしては450kg台とコンパクトな馬体をしており気性的にも久々は苦にしないタイプです。ただ追い切りの動きを見る限りでは良い頃と比べるともう一声欲しい時計で、シルエットもやや太目残りという印象。まずは復帰戦を無事に終えることが最優先でしょう。

[1]②ウインカーネリアン(三浦)

昨年3連勝した頃などは併用調教でバリバリ追えていましたが、今回は久々の割にはコース追いにプールを織り交ぜてというソフトな調教過程。蹄葉炎を患った経緯もあり冬場は慎重にならざるを得ないのでしょうが、元々休み明けが(0,0,0,5)という馬なだけに強気にはなりにくい臨戦です。

[2]③ジャスティンカフェ(福永)

今開催の東京は条件戦でも32秒台の上がりが出るコンディションで、とにかく速い上りが無いと勝負になりません。4走前の湘南Sで見せた32.9の末脚を考えれば、今の東京コースに最も嵌る存在と言えるでしょう。前走のマイルCSは馬場の悪いところに押し込められたうえ直線はまともに前が開かずという展開を最後の200mだけで⑥着まで持ってきたのですから十分と言え、2か月以上の休み明けでは(2,2,0,0)と実力を発揮できる臨戦も好材料。人気必至でもここは中心視。

[2]④ピンハイ(坂井)

前走のエリザベス女王杯は終始馬場の悪いところを走らされたこともありスタートからスムーズさを欠き、いつものキレも無く⑨着に敗れました。これまで最後にひと足を使って着を拾ってきたタイプなだけに、キレを削がれる重馬場は本質的に合わなかったかもしれません。この手のタイプは脚の使いどころが難しいですが、それだけに内枠を引けたのは好材料で試金石の一戦となるでしょう。

[3]⑤インダストリア(戸崎)

前走のカウントダウンSはギリギリまで壁を作り溜めた戸崎Jの好騎乗のおかげもあり見事な差し切りを見せましたが、久々の分上手くカッカさせられた面もありました。一度使われて同じような脚が使えるのかという点に加え、早目に馬群が広がる東京では前回と同じようには脚を使えない懸念も。

[3]⑥マテンロウオリオン(横山典)

スワンS0.5差⑦着、マイルCS0.7差⑩着と古馬相手でも着順程負けてはおらず、前走の京都金杯は後日談でゲート内で頭をぶつけていたとのこと。参考外の一戦なのは事実ですが、気になるのは横山典Jが今回の直前にこの馬ではなくプリンスリターンの稽古に回っていたこと。騎乗馬が居るのにわざわざ自分の乗らない馬の稽古をつける意図が判らず…アクシデント明けというのもありここは人気でも様子見したい局面です。

[4]⑦タイムトゥヘヴン(大野)

レース上りが速いとキレ負けするタイプで、全2勝が何れも中山という点からも上がりの掛かる展開が希望です。ここも見せ場は作れそうですが勝ち切るとなるともう1段階ギアが欲しいところです。

[4]⑧ファルコニア(吉田隼)

立ち回りで着を拾うタイプにつき内が活きているコンディション自体は良いのですが、よっぽど前半が緩まないと速い脚を使えないタイプだけにここではキレ負けの懸念があります。雨でも降れば話は別ですが…

[5]⑨ショウナンマグマ(M.デムーロ)

1800m戦で(3,1,0,0)、それ以外で(0,0,0,7)とはっきりしているタイプ。東京の1800m戦でも勝っておりワンターン自体は問題ないのですが、レース上りが早くなった時の対応力は未知数で。

[5]⑩ピースワンパラディ(菅原明)

昨夏に屈腱炎から1年半ぶりの復帰後、重賞で⑤⑥④着と差のないレースを続けています。地味ながらいつも最後は速い上りを使える馬で、3勝を挙げる東京はベストの舞台。使うたびに調子を上げているのも好材料で、「デビュー以来最も良い出来」と言われた前走の京都金杯時の最終追いが坂路2Fだったのに対し、今回はコースで52.7-11.9の併せ馬を消化。2走前の富士Sで⑥着だったことを考えれば力は足りてよく、末脚活きる舞台で浮上可能でしょう。

[6]⑪カイザーミノル(藤岡康)

体質面に難があり、間隔を空けた時の方が走れたり調教でもあまり強い負荷をかけられなかったりしたのですが今回は2週連続で併せ馬を消化するなどハードな調教過程。前走が中1週で⑤着してから中3週で続戦というローテにも、ここに来ての体質強化が伺えます。ただ、ここであえてテン乗りの藤岡康Jを起用してきたのは謎で、東京で乗る機会自体が滅多にない騎手なだけにたまたま関西の騎手で乗りに行く用がある(ゆりかもめ賞のラスハンメル)からお願いされたようにも見え本気度という点では?

[6]⑫シュリ(津村)

3走前の関屋記念のようにそこそこペースが流れキレを求められない展開になれば強いのですが、今の東京は先行馬にも33秒台前半の上がりが求められる状況につきこの馬向きのコンディションではなく。

[7]⑬サクラトゥジュール(田辺)

前走のニューイヤーSではラチ沿いを進んだ①③着馬に対し4角から外を回して②着。上り33.6の時計は自身の新馬戦以来の末脚でした。掛かるところがありペースが流れる東京マイルに替わるのは好材料で、外を回す形になるとどうかですがポテンシャルは重賞級でしょう。

[7]⑭エアロロノア(武豊)

この馬は前半が緩んだ方が脚を使えるタイプで、前半が35秒以上かかるペースになればチャンスがあるのですが、直近4年連続して前半3Fが35秒を切っているのが東京新聞杯。ここはショウナンマグマがハナを切りそうなうえにシュリもおり楽逃げにはならなさそうで、脚を溜める難易度は高そうです。

[8]⑮ナミュール(横山武)

末脚に長けたタイプではあるのですが、この馬はどちらかというと一瞬のキレを活かしたいタイプ。故に8枠を引いた2走は着外に敗れており、もう少し内目の枠が欲しかったというのは本音でしょう。絶対視は難しいですが、2か月以上の間隔を空けて使われたときは(2,1,0,0)と走れており無下には扱えません。

[8]⑯プレサージュリフト(ルメール)

前走の京都金杯では内枠で包まれまいとスタートから脚を使った分、最後は脚が上がり0.2差の③着。マイルでも勝ってはいますが途中で12秒台の区間ができるような溜めを作れる展開で脚を使える馬につき、前走同様に11秒台のラップを刻み続けるこの舞台ではガス欠の懸念が。

<予想>
◎ピースワンパラディ
○ジャスティンカフェ
▲サクラトゥジュール
△ピンハイ
△ナミュール
△インダストリア

◎○▲は私の中では同等の評価なのですが、その中で一番前にいそうなピースワンパラディを◎とし、後方待機勢の中では内枠を引き32秒台の脚を持つジャスティンカフェが○、次いでサクラトゥジュールを▲としました。

2023年2月4日土曜日

【2/4(土)予想】ねらい目レース(アルデバランS・東京12R)

■中京11R/アルデバランS トランスナショナル

前走の師走Sは道中後方に待機していた組が上位を独占する流れの中、好位4番手のインを追走し0.8差の⑧着と踏みとどまりました。直線で前が開いてからは脚は使えていたのですが、陣営曰く周りを気にする面があり確かに3~4角の途中で狭くなるシーンで怯むようなアクションをしていました。今回からパシュファイヤーを装着し臨む一戦となりますが、調教段階から手ごたえありとのことでここは一変が期待できそうです。中京は芝も含めて(1,1,0,0)と相性が良く、イン突きが奏功すれば一発も。


■東京12R シャーマンズケイブ

初ダートとなった2走前にこのコースで快勝を見せましたが、昇級初戦の前走は岩田康Jが被されまいと外に出してからの向こう正面での無茶なまくりで⑫着。全く参考外と言えるでしょう。中7週で立て直され再度芝スタートになるここは見直せるはずで、横山武Jがお手馬ともいえるフクウンではなくテン乗りのこちらを選択してきたのも期待の現れ。2走前に負かしたグリュースゴットよりも人気していないのであれば狙う価値ありです。