中央競馬でダート1400mの重賞というのはそもそもプロキオンSとこのレースの2つしかなく、地方交流競走は枠も限られることから実績馬が揃う上、ペースも流れやすい舞台設定となっています。イメージとしては34秒台で入り35秒台で出てくるようなスピードとキレが求められ、故に上り37秒くらいでスピードだけで押し切るタイプや、前半の位置取りを落とす他力本願の末脚特化型の馬は厳しくなります。
かつては末脚特化型だったタガノビューティーですが、昨年のこのレースからブリンカーを装着し速い流れでもついていき確実に末脚を使うようになってから成績が安定。その昨年こそ強い上位勢の前に④着に屈しましたが、その後コーラルSで2年ぶりの勝利を挙げるとかしわ記念でも②着、昨年の武蔵野Sでも②着に好走。連を外した2走前の南部杯は前が止まらない短距離馬向きの展開の中④着、その前のプロキオンSは異常歩様で参考外と言えます。元々朝日杯FSでも④着の実績がありスピード勝負に対応しうる素地はある上、東京コースでは5勝の実績。強力先行勢の中でも確実に脚を使える存在として、人気でも中心視でしょう。
■京都11R/シルクロードS トゥラヴェスーラ
連続開催の京都は先週・今週とBコースを使用。重馬場の先週ほどではないにせよ依然として時計は掛かっており、今日の最終レースの1.21.7という勝ち時計は昨秋の開催最終盤の2歳未勝利戦と同水準の勝ちタイム。京都開催のシルクロードSは年を追うごとに時計がかかっており、前回2020年のアウィルアウェイの1.09.0という水準を考えれば、限りなく1分10秒台に近い決着が見込まれます。
トゥラヴェスーラのここ3戦は1分7秒台前半の決着が続き④⑥④着。大きくは負けていないものの時計面の限界もあり善戦どまりとなっています。過去3年、重以下で行われた高松宮記念で④④③着と時計の掛かる決着は得意とするところで、かつドリームジャーニー産駒で荒れたタフな馬場にも実績十分で、左回りかつもう少し内目の枠がベストでしたが今回は久々に時計的には間に合うチャンスと見ます。9歳馬に重賞未勝利の鞍上と人気を落とす要素は満載も、決して弟子への温情ではなく師が「今なら合う」と満を持して永島Jを起用してきました。2週前、1週前と坂路で好時計からの当週軽めはいつものパターン。鼻出血持ちのこの馬にとっては一戦一戦が落とせないレースで、陣営の本気度を見誤らずに狙いたいです。