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2021年6月13日日曜日

【6/13(日)予想】W重賞の全頭評価とねらい目レース(東京6)

■東京11R

[1]①プレシャスブルー(柴田善)

 前走の福島民報杯は不良馬場にも拘らず前半58.9とペースが流れ、バテ合いの様相の中後方で力を温存した馬が残るという特殊な展開。本来1.8秒も負けてたらシンガリでもおかしくないわけで、悪い意味で度外視するべきレースと考えます。とかくこの馬は馬体の増減が激しく、3走前の昨夏の函館記念では-20kg、前走は+10kgと2桁増減を繰り返しています。その中でも3勝クラス昇級以降では440kg以上に乗せられるかが好走のカギとなっており、3着した昨年の新潟大賞典時は過去最高の450kg。中間暑い日が続いたので微妙なところですが、少なくとも馬体増で出てこない限りは通用の目は薄いかと。

[1]②マイラプソディ(武豊)

 前走は4角通過順がほぼそのまま着順になる展開で流れ込んだだけのレース。3歳以降の戦績から同世代との力量差も明らかで、2歳時の賞金でここに出られてこそいますが昔なら1600万下に降級していたわけで、往時のキレを見せられていない現状では。

[2]③ヴェロックス(浜中)

 好位からスッと伸びることのできる馬でそれがクラシックでも好走できていた要因だったのですが、2走前の中日新聞杯は割とペース的に恵まれたにもかかわらずキレ負けし伸びきれませんでした。大トビなタイプで広い東京コースは合いますが、インが有利とも言えないコンディションでもあり粘り込みは厳しいと見ます。

[2]④セダブリランテス(石川)

 脚元の問題があり休み休み使われていますが重賞2勝。ウインブライトやスワーヴリチャードといったG1馬と好戦してきた戦歴からも実績はこのメンバーでは抜群でしょう。但し、最終追いが坂路だったというのは評価の分かれるところ。過去好走時は最終はCWでしっかり負荷をかけており、今回は美浦坂路で52.7-12.7となるとさして強調できる内容ではありません。叩き2戦目でこの程度で十分という見方もできますが、そもそも長欠明けの前走も最終は坂路での調整だったことを考えれば本来の力を出せる出来ではない可能性もあり、地力頼みの一戦になりそうです。

[3]⑤エアアルマス(三浦)

 この馬は被されると走る気を失くすタイプで、外に馬を置かない形で追走できれば高いパフォーマンスを見せてくれます。久々の芝レースとなった前走は最悪の1番枠でなすすべなし。芝でも条件戦時代にはサウンドキアラに勝っているように高いポテンシャルを秘めた存在ではありますが、今回ももう少し外が良かったというのが本音であるうえテン乗りの三浦Jがどこまで対応できるかとなると、大きくは狙いにくいのが正直なところです。

[3]⑥ヒュミドール(吉田豊)

 昨秋のノベンバーSは馬群の中を割っての差し切りで、より馬場の良い外を回した馬も抑えて33.4で上りもまとめた好内容。距離よりもペースが好走のカギを握るタイプで、芝でもダートでも道中キレイにハロン12秒前後を刻めるレースではキッチリ走れています。前走の新潟大賞典は前後半で5秒も前傾となるかなり特殊なペースで追走で手一杯という感じでしたが、エプソムCは良馬場で行われる年でもキッチリ36-48-60に近いラップを刻むレースで今年も行くのがアトミックフォースと考えればこの範疇に収まるものと見られます。重賞でも前走を除けば④⑤⑤着と連続好走しており、得意な流れに戻りそうな今回は巻き返しの期待ができそうです。

[4]⑦ファルコニア(川田)

 前走の難波Sは縦長のスローペースを2番手で進んだもので、何より位置取りがモノをいうレースでした。それを中団待機のスマートリアンや追い込みのコマノウインクルに迫られて何とかしのいだというレベルでは、流石に川田Jが選んだとはいえ重賞でどうにかなるレベルにはまだないと見ます。

[4]⑧アルジャンナ(ルメール)

 マイラーズCは前が塞がらなければ勝ちまであったと言える内容で、やはり前が流れやすいワンターンの競馬は合うタイプです。但しそのマイラーズCは33.3-44.5-55.8と自ずから後方待機勢が有利になるペースで進んだ分もあっての好走で額面以上の評価はしにくく、掲示板はあってもこの人気で評価を上げるのは少し躊躇するというのが正直なところです。

[5]⑨ヤシャマル(木幡巧)

 ここ3戦は流れに乗るレースをして3連勝。スローなら前目につけ、流れれば控えるという両方のペースに対応できるのは自在性の高さとキレがあってのもので、ここに来て勝ち切れなさが解消してきた印象もあります。但し流石にここは一気の相手強化で、良馬場開催であればもう2~3枚時計を詰める必要があります。昔のようにハンデ戦ならまだしも別定戦ではいきなりでどこまで、といったところでしょうか。

[5]⑩ワンダープチュック(田辺)

 メイSでは一歩前にいたアブレイズにキレで負けており、OPで好走していた3年前と比べるとさすがに上積みは見られません。仮に当時だけ走れたとしても、平地時代のマサハヤドリームに負けるレベルではここでは通用の見通しは立てられず。最終の坂路では久々に51秒台を記録しましたが見習い騎手を載せてのもので、ラストの伸びがいつもと同じ程度になってることからもこれを以て強調材料にはしにくいです。

[6]⑪ニシノデイジー(江田照)

 ここ最近は直線に入ると止めてしまうようなところがあり、ブリンカー装着で最後まで真面目に走らせたいという意図を感じます。今回は追切からブリンカーを着けて挑みましたが馬が戸惑っているような感じで、やや外に張って走っているのも気になりました。

 余談ですが、ハービンジャー産駒はJRA全体で7%程度の勝率ですが、ブリンカー着用時の勝率は3.2%と半分以下に落ちます。例えばこれがオルフェーヴル産駒ですと、全体勝率8.8%に対し着用時勝率9.0%と効果があることがわかります。こういうデータを以てしても、ブリンカーのみでこの不調を脱せるかとなると少々疑問符で…

[6]⑫ミラアイトーン(菊沢)

 元々1200mを主戦場としていたこともあり、コーナー2回のコースでは安定して走れています。中でも昨夏の関屋記念0.4差⑤着が好内容で、「飛ばし屋」のトロワゼトワルを除けば上位入線馬は中団・後方待機勢が占める流れを2番手から踏ん張って残しました。勝ったサトノアーサーは道中17番手追走だったことを考えれば、高く評価していいレースでした。

 中間はダートでの追い切りでしたがこれは前走同様。ダートを除けば7戦連続して0.4差以内で掲示板を確保している安定株で、出来落ちの心配のない関東圏のレースであれば十分好走は見込めるでしょう。

[7]⑬サトノフラッグ(戸崎)

 好走実績は重馬場か長距離と時計のかかるレースに集中しており、初の1800m戦でしかもワンターンの東京となると道中の追走からして不安が残ります。よほど雨が降らない限りは…

[7]⑭ガロアクリーク(野中)

 スプリングSの末脚のイメージが強いですが、当時は前半4Fが50.5もかかった特殊なペースでその分脚が溜まったというのもありました。本質的にはコーナー4回で息を入れられる展開のほうがよく、淀みなく流れるうえ最低でも34秒台の脚が求められるここではもう一押し足りないと見ます。

[7]⑮ザダル(石橋脩)

 昨夏の関越Sが秀逸で、1桁番手で進んだ馬としては破格の32.8の上りを使っての勝利。当時の上り2番手、3番手はそれぞれ13番手、11番手を進んだ馬でそれでも33秒台。長い直線でエンジンを温められるコースは合っているタイプでしょう。

 前走の毎日王冠はペースだけ見れば平均ですが、前の2頭が引き離す縦長の展開で実際にはスローに近い流れでした。サリオスをマークする形で控えて進みましたが、結果としてあの流れでは前を捉えられなかったレースでした。8か月ぶりのレースですが中間は本数を乗られ、最終こそソーヴァリアントに後れを取りましたが51秒台で運び、前週に50秒台で走ったことを思えば十分でしょう。得意コースでこのメンバーであれば台頭の余地は十分と見ます。

[8]⑯シュリ(M.デムーロ)

 全成績(6-1-0-3)ですが敗れた4回はいずれも2桁馬番か大外枠(9頭立ての9番)で、前に壁を作って進めないと折り合いに苦慮するタイプです。8枠は歓迎ではないですが、前走馬の気に任せて行かせた分でガス抜きができていること、最近のデムーロJが道中前に壁を作るレースで好成績を収めていること、さらに外に行きたい馬がいることを考えればそう悪い並びではないでしょう。中間の調整も前走以上に時計を出せており、再度の輸送がどうかですがここでもやれる可能性は十分でしょう。

[8]⑰アドマイヤビルゴ(岩田望)

 初輸送でもあり、実質的な最終追いは1週前に済ませていることから中間が軽めであること自体は問題ないと見ます。但しこのように馬体に気を遣いながらの調整を未だに強いられているのは成長が見られないことの裏返しでもあり、現にデビュー時の馬体重(434kg)を上回って出てきたことはなし。ここまでの古馬混合戦は54kgとハンデをもらう立場でしたがそれも無くなり、今回は力試しの意味合いが大きい一戦と言えます。

[8]⑱アトミックフォース(武藤)

 前走は向こう正面でフランツに絡まれた分最後に着を落としましたが、流石にOPであれ以上のスローを許してもらえるほど甘くはありません。昨年の新潟大賞典にしても、ワンターン2000mにして前半59.7で単騎逃げというのはかなり恵まれた部類で、それでも勝ちきれなかったあたりはやはり重賞ではあと一歩、というのが現状であると見るべきでしょう。

<予想>
◎ザダル
○ヒュミドール
▲ミラアイトーン
△アルジャンナ
△シュリ

 多くの馬が外を回す展開となれば馬群の中でも勝負できる差し馬であるザダル、内枠を引けたヒュミドールを上位に取りたいです。


■札幌11R

[1]①アスタールビー(池添)

 いつもスタートは速い馬で洋芝で3勝を挙げており好相性、昨年のキーンランドCも差し決着を4着に残すなど実績的には通用級のものを持っています。但し今年の札幌はエアレーション効果か初日から比較的差しが決まっており、イン前を取らないと勝負にならないというレベルではない中で先行争いに飛び込んでいくとなるとどこまでお釣りを残せるか一抹の不安はありますが…

[1]②マイネルアルケミー(黛)

 好位差しで2連勝を決めていますが、いずれも稍重+荒れ馬場で上りがかかる展開を差し込んでのもので、黛Jもかなりシャカリキに追ってようやく追いついた、という内容でした。直線でスッと外に出せる位置取りであればよいのですが、開幕週の内枠となると馬群が密集するのはほぼ確実で、上りもかかりにくいとなるとここ2戦のように運べるかは難しいところです。

[2]③シゲルピンクルビー(泉谷)

 フィリーズレビューは前傾ラップでスプリント寄りの適性が求められたレースで、道中内に押し込められた上に4角でも一瞬ブレーキを踏むところがあり、前が開いた一瞬で決めました。ヨカヨカやミニーアイル同様に1200mでパフォーマンスを伸ばしてくる期待は持てそうですが、この枠でどうやり過ごすかが課題です。


 上記は泉谷Jのデビュー以来の「芝1400m以下」での枠順別成績です。短距離戦は先行争いが激しく、内枠は距離ロスの面で有利な分手綱さばきに左右される部分が大きいです。泉谷Jは若手らしからぬ差し競馬で実績を重ねていますが、この数字を見る限り短距離戦の内枠は鬼門のようです。これが差し馬であれば思い切って下げて外に回すこともできなくはないですが、それで間に合うタイプの馬ではないだけにどのように運ぶかが鍵になってくるでしょう。

[2]④ジャスティン(坂井)

 芝での勝ち鞍は1400m以上。1200m戦では一本調子にならざるを得ず、ダートならそれでも良いですが芝ではギアチェンジできる脚力が必要で、成長に期待する手はありますがそれでも一昨年の葵Sで2.0秒負けとなると仮に巻き返せていてもどこまで、という計算は立てにくいのが正直なところです。

[3]⑤ケープコッド(吉田隼)

 1200m戦では崩れていない上、2歳戦だけとはいえ北海道では(2,1,0,0)と洋芝も合っています。速い流れでも前目から脚を使えるタイプで、前走の鞍馬Sも差し決着の中唯一先行勢で掲示板(⑤着)に残しました。但し発馬があまり良いタイプでないため、この枠ではスムーズに運べない懸念があります。

[3]⑥リンゴアメ(秋山稔)

 1200mでは最内枠で出負けした前走を除けば①①④と崩れなく走れてはいます。但し前走の出を見る限りでは古馬重賞で内枠を引くと位置を取れない懸念は大きく、今回ももう少し外枠が欲しかったというのが本音です。函館2歳Sも上りが36.3もかかる展開に助けられてのもので、最低でも34秒台の上りが求められるこの舞台では通用可能性は見出しにくいです。

[4]⑦ミッキーブリランテ(和田竜)

 高松宮記念は大外枠+馬場もあり位置を取れませんでしたが、3走前の阪急杯のように内で良い位置を取れれば終いもしっかり脚は使えます。但し前半33秒台のレースが未経験な分置かれる懸念があるのと、追い切りの動きだけ言えば前走のほうが良かっただけに初の北海道輸送がどう出るかでしょう。

[4]⑧カツジ(岩田康)

 スワンSの激走以降は1秒以上の大敗が続いていますが、そもそもスワンS自体前半3Fが35.5というスローに近い流れでハナを取れたもので、このメンツでハナを切れる脚力はないタイプです。その分終いに賭ければ脚は使えますが、陣営は好位からの競馬を示唆しています。但しそんなことをお構いなしに乗るのが岩田康Jであると言えばそれまであり、買うとすれば指示無視の追い込み策を取る可能性に賭ける、という視点でしょう。

[5]⑨タイセイアベニール(小崎)

 前崩れの展開で最後まで脚を使えるタフさが持ち味で、北海道でも(1,3,0,1)と走れています。前走の3着は前を走るクリノガウディ―が内の馬をきれいに掃除()してくれたおかげもありますが良い頃の末脚が戻ってきており、近2走分の時計だけ走れれば台頭の余地はあると見ます。

[5]⑩ジョーアラビカ(横山和)

 暑い時期に走れておらず、6~8月は(1,1,0,5)。連対は未勝利・500万下といずれも下級条件でのもので、平坦より坂のあるコースが合っている戦歴からもここでは強くは推せないかと。

[6]⑪コントラチェック(丸山)

 札幌は未勝利勝ちもある舞台ですが当時は1800m。前走のオーシャンSは稍重の影響もあり前に行った組がそのまま押し切れるレースでしたが、今回はそこから1枚は時計が早くはなりそうで最後の1Fでどこまで持ちこたえられるかが鍵になりそうです。

[6]⑫ロードアクア(田中健)

 発馬が良いタイプで、内でごちゃつくよりは外目からスムーズに先行できた方が結果を出せています。但し、前走は不利を受けた大敗とはいえクリノガウディーに被された時点で既にお釣りはなく、33秒台以下の入りとなった場合には上りが35秒以上かかることが求められます。昨日の2勝クラスでも33.5-35.1ですから、そこまで恵まれることは考えにくいというのが現状です。

[7]⑬センショウユウト(中井)

 前崩れ専門の差し馬かと思いきや、昨秋の福島の2戦のように前が残す流れを差し込んでくるレースもできる馬です。前走不良馬場を差し切ったこととも関連するのですがエンジンのかかりが遅く4角から加速できる展開にならないと差し届かないタイプで、現に2走前は1番枠に入ってしまいうまく助走をつけられなかった分エンジンがかからず、その前は16番枠で外から加速し3着しています。

 今回は13番枠で外は行きたい馬が揃ったことでスムーズに位置は取れそうです。ここで通用するのかというと微妙なところではありますが、例年の函館と違いコーナーの半径が大きく助走がつけやすいうえ、エアレーションでバンバン差しが決まる今の札幌であれば可能性は見いだせると見ます。

[7]⑭ビアンフェ(藤岡佑)

 去勢初戦で-12kgで出てきた前走のオーシャンSで最後まで見せ場を作っての3着。逃げられないと難しいところはありますが、内の先行馬はハナにはこだわらないタイプでポジション取りはそこまで苦労はしないでしょう。但しこの枠ですのでそれなりに出脚を使うことになり、ゴール前で踏ん張りがきくかは他の先行馬と同様にリスクであると考える必要がありそうです。

[8]⑮アルピニズム(団野)

 33秒台の入りで34秒台の上りを求められるとなるともう一押しが足りない印象で、1200mで1分08秒台のレース経験がない点からもOPではもう少し慣れが必要と見ています。

[8]⑯カレンモエ(鮫島駿)

 スピードの塊という馬で、前が残っても崩れても堅実に走るあたりは血は争えないという戦歴を見せています。出世を妨げているのは最後の一押しで、常に人気を背負い目標にされる存在でもあり最後に何かに差されるというレースが多いのも致し方のないところです。ハナにはこだわらないタイプなのでこの枠でも支障はないですが、前だけで決まらない展開になった場合に踏ん張れるか、ここは真価が問われる一戦になりそうです。

<予想>
◎タイセイアベニール
○カレンモエ
▲センショウユウト
△ビアンフェ
△コントラチェック
△ミッキーブリランテ
△カツジ

 前もそれなりに流れる中で差しを期待するとなると、中団からいい脚を使えるタイプがねらい目と見て中枠を引けたタイセイアベニールを抜擢します。


(ねらい目レース)

■東京6R エレフセリア

 前走は4角通過順がそのまま着順になるような流れを差し込んでの4着と善戦しましたが、ジリ脚タイプで後ろ過ぎても届かないという微妙な匙加減が求められる馬です。今回東京に変わるうえデムーロJに乗り替わるのは大きく、中団で脚を溜めて脚を伸ばすレースができればこのメンバーでも大きく差はないと見ます。

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