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2021年6月6日日曜日

【6/6(日)予想】安田記念の全頭評価とねらい目レース(高山S)

[1]①サリオス(松山)

 陣営曰く右トモをケアしながらの調整で「一度追った後で疲れが抜けたことを確認して次の時計を出した」というニュアンスの堀師のコメント。それが証拠に1週前に強めに追って直前は馬なり調整。週ごとにしっかりトラックコースで負荷をかけていた前走時に比べるとトーンダウンは明らかで、毎日王冠の圧勝劇からこのコースは合うものの、この調整では食指は動きません。

[2]②ギベオン(西村淳)

 3歳時からパフォーマンスを上げられておらず、前々走はかなり恵まれての逃げ切り、前走は極端な前傾戦で相対的に差し有利の中での0.4差7着と額面ほどの強さではなく、今回さらに斤量が上がる点もプラスとは言えません。

[3]③ダイワキャグニー(石橋脩)

 東京の1800~2000mがスイートスポットでですが、重賞になると一歩足りないのはやはり時計面の課題が大きく、好走した重賞もエプソムCは不良馬場、毎日王冠は稍重馬場と時計のかかるコンディションが奏功した印象です。前走のマイラーズCは速い流れをしのいだように見えますが、ラップ自体は飛ばしたベステンダンク(シンガリ負け)が作ったものでこの馬自身は+1枚半くらいのペースで走っていて、相対的に外側が有利だったコンディションもあり額面通りの評価はしにくいと考えます。仮に雨が降ったとしても、府中のマイルでは位置を取り切るのは難しいと見ます。

[3]④カラテ(菅原明)

 東京新聞杯の1.32.4という勝ちタイムは、近10年ではインディチャンプの勝った2019年の1.31.9に次ぐ好時計でした。ですが今回は中間爪不安で一頓挫あり中間も本数は乗られてるものの普段50秒台をマークする坂路でも最高が53秒台というデキ。地力で見せ場を作れるかという一戦になるでしょう。

[4]⑤グランアレグリア(ルメール)

 中2週で既に態勢はできており、中間に速めをやる必要がないのは明らかですがやはり最終の併せ馬で遅れたのは気になります。相手関係でいえば明らかに前走のほうが「舐めプ」が許される状況だったわけで、詰まった間隔以上に「シーズン3戦目」が初めてである点も不安と言わざるを得ません。

[4]⑥ダノンプレミアム(池添)

 間隔を空けて使われた方が好走できる馬で、2か月以上の休み明けで敗れたのは中間順調さを欠いたダービーのみでそれも0.2差の6着ですから十分に走れていると言えます。

 但し、過去2回の安田記念は⑯⑬着と凡走続き。もともと2歳時にサウジアラビアRCを1.33.0で勝っているように時計対応ができないタイプではないはずで、19年はスタートでアオった上にロジクライに前をカットされたもので言い訳が立ちますが、昨年はイン3番手を進んでおきながら直線で全く伸びず。過去のレースを見たところ、鍵は「直線を向いたときに前が開いているか否か」にあると考えます。


 上段2つは1枠を引いて直線でも押し込められ、エンジンがかかりませんでした。一方で下段の2つのように4角から直線にかけてスムーズに進路を取れた時はしっかりと脚を使っています。この馬はスピードに勝るところがあり、川田Jも道中で意識的に前に馬を置いて折り合わせているシーンが見受けられましたが、学習能力が高いのか直線でもそうなるとスピードをセーブしているようで、直線向いたときにうまく進路を確保できる枠順と展開が必要という結論に達しました。

 それで言うと、トーラスジェミニ・ラウダシオンを行かせさえすればあとの先行勢は内枠に固まっているので番手の外はすんなり取れそうです。昨年池添Jがグランアレグリアで勝った時のような展開に持ち込めれば、十分に台頭が見込める舞台でしょう。

[5]⑦ラウダシオン(M.デムーロ)

 (3,1,0,0)の言わずと知れた東京巧者で、昨年のNHKマイルCは言うに及ばず富士Sでも前半33.8のペースを先行し2着に残しているように、スプリント寄りのスピードはワンターンのこのコースに合っています。コースが変わってもイン受難のレースが続きこの馬に向く馬場状況とは言い切れないものの、トーラスジェミニを行かせて馬場の真ん中に持ち出せればそう簡単には沈まないはずです。

[5]⑧インディチャンプ(福永)

 初のスプリント戦だった高松宮記念で3着したように、スピードに関しては相変わらずG1級でしょう。4歳時と比べるとキレの面では一枚落ちた感は否めないですが距離延長で位置を取るのも問題なく、連・複候補としては抑えが必要な存在と見ます。

[6]⑨トーラスジェミニ(戸崎)

 東京での好走歴は前半だいぶゆったり進んだ百日草特別①着と不良馬場のエプソムC③着のみ。まともな時計になった場合は上りの面で懸念が大きいです。

[6]⑩カデナ(武豊)

 好走歴は中山や阪神内回り、ローカルなど一瞬の脚をうまく活かせる舞台に集中しており、後方から構えたうえで前もなかなか止まらない今回となるとギリギリまで追い出しを待って着狙い、というレースにならざるを得ません。得意条件でも今一つというレースが続く近況では大きな期待は懸け難いです。

[7]⑪ダノンキングリー(川田)

 復調に手間取り久々の一戦となりますが、ここ数週はポリトラックやダートでの調整が続き完調とは言えない状態。もともと57kg以上では勝ち切れていない馬で、斤量面の対応も不安を残します。

[7]⑫ケイデンスコール(岩田康)

 昨秋のポートアイランドSで岩田康Jが乗った時から、馬にやる気が戻ってきたように見えます。このレース自体は不利もあり大敗していますが、その後は順調に着差を詰め重賞を2勝。前が残るレースで前目で進め、後方有利戦でしっかり控えてとここ3戦は位置取りが勝敗に直結している印象ですが、それができるようになった点も含め精神面での成長は目覚ましいと言えるでしょう。左回りワンターンのマイルはG1②着含め得意の舞台で、しっかりポジションを取れれば台頭できる1頭と見ます。

[8]⑬シュネルマイスター(横山武)

 古馬牡馬と比べて4kg減というのは大きいですが、流石に状態は前走がピークだったと見ます。本来前走もソングラインがまともに走っていれば2着だったレースで、時計は優秀でもここではさらに速い上りを使わなければ間に合わない舞台で、もう1段階上を望むのは今回は難しいと見ます。

[8]⑭カテドラル(田辺)

 思い切って末脚に賭けた方が結果の出るタイプで、ここ2戦は中団から運び直線で鋭く伸びるレースで連続②着。特に2走前の東京新聞杯は先ほど挙げたカラテとタイム差なしで走っており、2019年のNHKマイルCでも前半33.9の流れを中団から追走し33.7の上りで3着に食い込む走りを見せるなど、しっかり溜めるレースができればこのコースでは崩れていません。

 振り返れば、そのNHKマイルCではケイデンスコールとともにグランアレグリアを負かしているわけで、テンが流れやすく外差し傾向にある今の東京は向いている舞台でしょう。調教もここ2走以上に好タイムを出しており状態はシーズンで一番。グランアレグリアは被されるのを嫌うのでおそらく外に持ち出すと思われますが、そうなるとその内を突けるタイプの差し勢にチャンスが生まれます。流れが向かなければ出番は難しいですが、馬群の中で脚を溜めた方が良いこの馬にとってそう縦長にならないであろう今回のメンバーも好都合で一発を狙うならここからでしょう。

<予想>
◎カテドラル
○ダノンプレミアム
▲ラウダシオン
△グランアレグリア
△インディチャンプ
△ケイデンスコール

 現にグランアレグリアに先着したことのあるカテドラル。理想としてはダノンプレミアムの後ろに進路を取って叩きあいに持ち込んでもらえたら良さが活きると見ます。グランアレグリアは今年の初戦で大阪杯を使っておきながらマイルで連戦。中距離路線を見据えていたことを考えれば国内G1・8勝に届かせるために急遽参戦したように見え、ペースも激流とまでは行かないこの舞台では他の馬にも付け入るスキはあると見て連下までとしました。


■中京11R ニホンピロスクーロ

 他馬を気にするところがあり、逃げられれば2戦2勝。仮に逃げられなくても前半が60秒を回れば掲示板を外しておらず、程よくテンの時計がかかるレイアウトの中京芝2000mも好都合で。メンバー的には他に行きたさそうな馬はシャイニーゲールくらいで、飛ばす逃げ馬ではないのでうまく目標にして進めればここも即通用の期待は大きいです。

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