■新潟11R/関屋記念
シュリ
中心視されそうなイルーシヴパンサーの扱いが難しいところですが、尋常に考えて乗り替わってから4連勝で重賞制覇までもっていった鞍上を変える理由はありません。巷では「安田記念で構え過ぎての敗戦に納得がいかず降ろされた」という言説も目にしますが、少なくとも前走までの時点で結果を出している待機策を崩すことはギャンブルですし、この馬自身も32.6の脚は使っており久保田師の言う通り「展開、位置取りすべてが向かなかった」という一言に尽きます。ここ2週田辺Jが騎乗していなかったことを考えれば公衆衛生上のやむを得ない措置だったと見られ、他に騎乗経験のあるJが居ない(大野Jはフランス遠征、横山典Jは小倉)事情もあってか早目に岩田望Jを確保したと見るのが妥当でしょう。それが結果的に木幡巧Jになってしまったのは陣営に同情を禁じえませんが…
さて、別の馬の話が長くなりましたが本命はシュリとします。
5走前に同舞台の谷川岳Sを勝ちましたが、それ以降は大きな着順が続いています。しかしながらこの馬は折り合いに難があり、谷川岳Sこそ小頭数の逃げ切りでしたが本来は前に壁を作って我慢させたいタイプです。4走前のエプソムCと2走前のマイラーズCは外枠で壁を作れず、前走のメイSも馬群に入れられず向こう正面で暴走。3走前の京都金杯こそ内目で我慢できましたが、直線でラチ沿いが渋滞し下がってきた先行馬のあおりを受けてまともに追えずの0.7差⑩着といずれも訳アリの敗戦でした。
この馬のかかるパターンは向こう正面で一時的に区間ラップが緩むタイミングであり、必然的に距離が長くなるほどそのリスクは高まります。マイルへの距離短縮がプラスなのはもちろんのこと、平坦な新潟コースは道中のペースも緩みにくく、実際に関屋記念は2013年から9年連続して2F目~7F目が11秒台以下となっています(うち逃げ切り勝ちも2回)。シュリが折り合うにはベストなラップが新潟マイルと言えます。
イルーシヴパンサーが先述の事情であり、ダノンザキッドは道中で溜めを作れないと脆いところがあります。先行馬が少ない分ウインカーネリアンは目標にされるリスクがあり、上位人気馬にそれぞれ不安要素がある今回はこの馬の一発があってもおかしくはないでしょう。
■小倉11R/小倉記念 アーデントリー
前走の中京記念の際に「使いながら良くなるタイプでもう1~2戦待った方が」という話をさせてもらいましたが、そこから中2週の再輸送で挑む今回は日曜に坂路で51.8-12.8の好時計をマーク。坂路調教で4Fが52秒を切るのは約3年ぶりで、休み明けを2回使われた後でここまで時計を出せるのは好調の証と言えるでしょう。
現に小倉コースは相性が良く、7回走って①③④④①①⑪。唯一崩れたのが前走の中京記念でしたが、好位の外目で溜めを作れなかったことが敗因でした。4走前の大阪城S②着時のように、馬群の中で溜めを作り最後のひと脚で勝負に持ち込むのが好走パターンにつき1番枠は好材料。陣営も今回は控える競馬を示唆しており、2週間のインターバルのあった小倉芝はインもまだ良好。経済コースを回っての一発は十分にあり得ます。
■札幌7R アスクビッグスター
レッツゴードンキ、ストレイトガール等活躍馬多数の廣崎利洋氏。両馬を管理した梅田・藤原の各厩舎への預託に加え、近年は矢作厩舎への預託数も増やしています。今年矢作厩舎所属の所有馬(廣崎利洋HD名義)は21走していますが、うち16走で手綱をとったのが所属の古川奈J。(3,1,3,9)と決して悪い成績ではないものの、ほぼ条件戦が中心で人気以下の着順が大半につき、馬質に見合った成績を上げているとは言い切れません。
今回、アスクビッグスターはそれまで3戦手綱をとった古川奈Jからテン乗りの横山武Jに乗り替わりますが、古川奈Jは札幌におり同レースへの騎乗も無く、本来特に降ろされる理由が無いはずです。とすればここは名を捨て実を取りに来たと見るべきで、2走前の函館戦と同じだけ走ることができれば順当に勝機でしょう。
■新潟10R/三面川特別 アラビアンナイト
前走の松島特別は、外枠を引いたことで最後までロスの多いレースになり0.3差の④着。それでも最後は脚を使えており、今回は内目の枠に加え良績のある左回りに替わるのも好材料。近走成績の良い馬が多いですが、人気ほど差は無いはずで。
■小倉12R/八女特別 ラルフ
荒川厩舎らしく使って使って調子を上げてくる馬で、再々輸送も中間は坂路でびっしり追われ体調は良好です。この条件も④③着と安定して走れており、連軸タイプではありますが内に控えたい馬が多く揃ったここは意外とスンナリ好位も取れそうで、頭期待も込めた買い方をしたいです。