Special Thanks

当ブログは、広尾サラブレッド倶楽部株式会社様のご厚意により、同倶楽部の所有する競走馬の写真及びWebサイト記載情報の転載許可を頂いております。

2024年3月24日日曜日

【3/24(日)予想】高松宮記念の全頭評価とマーチSの注目馬

[1]①ビッグシーザー(吉田隼)

2歳から3歳にかけOP級を3連勝し将来を嘱望されましたが、古馬戦になって一見苦戦しているように見えます。しかしながら初の古馬戦となったセントウルSは休み明け+時計が速すぎた分、オパールSは直線で詰まりまくって何も出来ず、京阪杯は終始ヴァトレニに絡まれたうえ外伸び展開を内から踏ん張っての⑤着と、何れも理由のある敗戦でした。元々二の足が速くなく、前走のオーシャンSはデビュー以来初めて2桁枠番を引いてしまった分もあり位置取りを落としましたが、最後はトウシンマカオと同じだけの脚を使っての②着と力は見せました。最内枠を引け時計が求められないこの舞台であれば注意は必要かと。

[1]②マッドクール(坂井)

昨年のスプリンターズSでは好位のインを立ち回り②着。元々暑い時期が良くなくその前CBC賞では熱中症のような症状を見せ大敗、当時の最終追いも右に寄れながら逆時計を踏むラップで決して状態が良さそうには見えませんでした。レース自体もポジションを主張した先行勢が自滅する流れの中でスピードの絶対値で残せたもの。今回調整は格段に良くなっていますが、どちらかというと1400m向きの距離適性と末脚が求められるこの舞台は向いているとは言えず。

[2]③ナムラクレア(浜中)

休み明け緒戦から全力で走るタイプ故、これまで「前哨戦で高いパフォーマンス→本番で着を落とす」という戦績が続いてきました。流石に今回はぶっつけで来るのかと思いきや、よせばいいのに京都牝馬Sを叩いての参戦(②着)。その前走は明らかに余裕残しの仕上げでここに向けお釣りを残そうという陣営の意図はよくわかりましたが、その思惑通りには馬が仕上がらなかったようで1週前追い切りでは格下に後れを取る内容。見かねた長谷川師が最終追いで自ら跨り一杯に追いましたが、そもそも2週前の時点でも同様に負荷をかけており「そこまでやるか?」という調整過程。力量は認めますが、やはりこれまでと同様に前走からの上積みとなると疑問符が。

[2]④モズメイメイ(藤岡佑)

久々に1400mを使われた前走の京都牝馬Sは⑫着。陣営は距離を敗因に挙げていますが、そもそも古馬戦は5回走って何れも2桁着順と対応できるスピードが付いてきていないと考えるのが妥当でしょう。

[3]⑤トウシンマカオ(ルメール)

右回りで高いパフォーマンスを発揮できる一方で、陣営も左回りが課題と認めています。これまでは間隔を詰めてもそれなりに時計を出していましたが、今回はかなりソフトな調整過程でもあり状態面でもプラスは見込めません。

[3]⑥ルガル(西村淳)

スタートが決まれば強い馬で、現に3勝いずれも0.5差以上の大差をつけて勝っています。芝で唯一複勝圏内を外した3走前のスワンSは、ゲートで後ろに突っ張るような格好のタイミングでスタートが切られたものでやむを得ない敗戦でした。但し裏を返せばそのようなリスクを常に抱えているわけでもあり、加えて芝を使われてからは平坦コース(京都・新潟)しか経験がありません。不良馬場は橘Sで勝っているように問題にならないものの、力のいる馬場で急坂対応がどう出るかという一抹の不安は付きまといます。

[4]⑦テイエムスパーダ(富田)

中京芝1200mコースはスタートして100mほど進むとすぐに下り坂となり、最後の300m付近で急坂が待っています。故に下り坂が占める割合の大きくスタミナを削がれやすいコースで、スピードで押し切りたいタイプには不利と言えます。テイエムスパーダ自身も過去中京では(0,0,0,3)。控えて味のないタイプでもあり自分のレースをするだけですが、ビクターザウイナーが超絶スタートの上手い馬でありハナを叩くまでにかなり苦労するはずで、そこに最後の急坂となると楽ではありません。

[4]⑧ソーダズリング(武豊)

折り合いに怪しいところを抱える馬が距離短縮で力を発揮できるように。前走の京都牝馬Sにしても、スプリンター上がりのスピード自慢が上位を独占する中で中団から脚を伸ばし勝ち切った内容は評価できます。さらなる距離短縮ローテとなる点も好感ですが、一つ気がかりなのは中間の速めの本数が2本とこれまでより少ないこと。過去連戦でも3本以上は速めをやっていたことを考えると、前走の京都の馬場が想定以上にタフだった可能性もあります。時計自体はいつも通り十分すぎるほど出ているだけに判断が難しいですが、見えない疲れ云々で言い訳をされても決して文句は言えないというのは確かかと。

[5]⑨シャンパンカラー(吉田豊)

3走前のNHKマイルCでは得意の東京コースで時計がかかった分間に合ったという色合いが強く、焦らず控える選択をした内田博Jの好判断も大きい勝利でした。安田記念の敗戦を見る限りまっとうなスピード争いでは分が悪いうえ、前走フェブラリーSで復帰する過程も不透明なものでした。ここに来ての手替わりはゲートの改善を狙ってのものでしょうが、いきなり2Fの短縮となると首尾よく出せても追走は簡単ではありません。万が一ドロドロの不良馬場にでもなれば出番はありそうですが、例年と違いまた今年2週しか使われていない中京の芝コンディションも考えれば、勝負というよりはこの路線で戦えるかどうかの確認作業と見た方が良さそうです。

[5]⑩[外]ビクターザウイナー(リョン)

前走の香港G1・センテナリースプリントCを逃げ切りG1初制覇(重賞勝ち自体初めて)。ですが4走前にはジョッキークラブスプリントで香港スプリントの覇者ラッキースワイネスとタイム差なしの②着に善戦しており、元々香港スプリント戦線で主役を張れるだけの実力があったと言えます。この馬の最大の特徴はゲートセンス。スタートした瞬間1馬身は抜け出すかという抜群の出の早さと二の足を持っており、3走前の香港スプリントでもジャスパークローネがハナを叩くのに苦労するほど。それほどまでにゲートは上手いです。

しかしながら、裏を返せば控えて味が無いというタイプでもあり、実際その香港スプリントではジャスパークローネにハナを譲りましたが直線では伸びきれず0.3差の④着。近年では珍しい「スタートから先手を奪い押し切る」タイプの、一昔前のスプリンターとでも言いましょうか現状では行けてこその馬であり、ここもテイエムスパーダが何が何でもハナを叩くとなれば相当のハイペースの中で番手追走を強いられるはず。レーティングが示す通りここに入れば本来主役級の存在ですが、左回り・坂のあるコースへの対応も未知数となるとあとは相手関係でどこまで残せるかでしょう。

[6]⑪メイケイエール(池添)

左回りは絶好の舞台で、良馬場想定であれば本命も打てるかと考えましたがあいにくの空模様。加えてこの中間は逆時計を連発しており、やはり今年から折り返し手綱が使えなくなった影響は小さくなさそうです。

[6]⑫ロータスランド(岩田康)

ここ3戦は連続して8枠を引く不運に見舞われながら小差の好走。但しベストの1400m戦でも掲示板に載るか載らないかというレベルに留まっていることを考えるとやはりピークは過ぎたと言わざるを得ず、一回りメンバーが強くなるここでさらに前進となると?

[7]⑬ウインカーネリアン(三浦)

前走の東京新聞杯は得意コースに加えコーナー径の大きいDコース開催でもあり、内目の枠から自分のレースが出来た分の②着でした。ただ同じペースだった昨年はそれで逃げ切れており、やはり年齢を重ねた分の割引は必要なことに加え前走はブリンカーを着用してようやく逃げられたという現状。前半33秒台のペースはそもそも未経験で、控えて味が出るタイプでも無し。一気に2Fの短縮となると良さを出せずに終わってしまう可能性が大きいです。

[7]⑭ママコチャ(川田)

この馬もまた距離を詰めながら折り合いをつけられておりますが、昨年のスプリンターズSでは飛ばした先行勢が揃って自滅した中スピード能力の違いで押し切った格好でした。前走で1400m戦を使ったのもここで折り合わせるための逆算ローテであり敗戦自体は度外視できますが、その前走も600mが33.1とかなりのハイペースで本来流れはママコチャ向きでした。末脚が使えるタイプでなく、33秒を切るようなペースでも行きたがってしまう気性の持ち主ゆえ、それよりは落ち着くであろう中京のラップにどこまで対応できるかが鍵になりそうです。

[7]⑮ディヴィーナ(M.デムーロ)

ハルーワスウィートの一族らしく左回りは得意で、特に中京では(4,2,0,1)と抜群の成績。但し1200mは初めてで、位置取りを落とすと良さの出ないタイプでもありここで自分のパターンに持ち込むのはかなり難しいでしょう。

[8]⑯ウインマーベル(松山)

1400m戦で2連勝。以前はブリンカーを着けても馬込みを怖がる面があり苦戦していましたが、内枠でもしっかり勝てるようになり精神面での成長がうかがえます。中京では3歳時に葵Sを勝っており、前走の阪急杯のように上がりが掛かるタフな展開でも勝ち切れる脚も持っています。ただしゲート難を抱えるこの馬にとってこの外枠はプラスではなく、加えて気がかりなのが2週前までポリトラック調整で加減しておきながら1週前と日曜にウッドで速めを乗っているその調整過程。タフな馬場を走った後のダメージを気にかけたのでしょうが、結果として追い切り不足で慌てて対応した面は否めず、これまでの臨戦と比較してプラスとまでは言えない状態です。

[8]⑰マテンロウオリオン(横山典)

前走のオーシャンSが初めてのスプリント戦。スタートから特に押さず行く気に任せた格好でしたが、道中は前がかりになる面を見せながらも後方待機からひと脚を使い⑧着でした。但し前傾戦のわりに最後も止まらず、道中10番手以下の馬はショウナンハクラクの⑥着が最高だったことを踏まえれば悪くない内容でした。NHKマイルC②着など実績のある左回りに替わるのは好材料で、現に中京もシンザン記念を勝った舞台です。


加えてダイワメジャー産駒は「重>稍重>良>不良」という性質(上図)を持ち、昼からの降雨が予想されている今日の中京は重より良くなることは無さそう。体力勝負の度合いが増すコンディションで大外ポツンが嵌れば一発も。

[8]⑱シュバルツカイザー(大野)

OPでの2勝は何れも1分7秒台の勝ちタイムで、時計勝負に対応できるスピードは持っています。ただこれまでの戦歴自体がほとんど右回りで、左回りは(0,0,0,3)。ローカル回りが長く経験が少ないとも言えますが、ダークエンジェル産駒自体が右回りと左回りでは好走率がダブルスコアで違う(下図)という事実からも、ここでは推しにくいです。


<予想>
◎マテンロウオリオン
○ソーダズリング
▲ビッグシーザー
△ビクターザウイナー
△ルガル
△ナムラクレア
△ウインマーベル
△ママコチャ
△マッドクール


■中山11R/マーチS ウェルカムニュース

前走の仁川Sではスタートが良すぎて掛かり気味に。あれだけ行けるのであれば先行勢の少ない今回も楽にポジションを取れるでしょう。3走前にはペプチドナイル等を下してカノープスSを勝っているようにOP級なら上位の存在で、比較的メンバーに恵まれることの多い関東圏のOP特別を勝ってきた人気勢との比較でも上位争いは必至と見ます。

0 件のコメント:

コメントを投稿