2歳戦の充実化に伴い、近年は牡馬・牝馬共にトライアルレースの地位低下が顕著です。かつて桜花賞への最重要ステップとされたチューリップ賞も、16年②着だったジュエラーを最後に桜花賞馬を輩出できていません。ひとえにローテーションの多様化がレベルの低下を引き起こしており、具体的には「阪神JF→チューリップ賞→桜花賞」というかつての王道ローテを歩む馬が少なくなったことが挙げられます。そしてそれはそのまま展開にも結び付いていると考えられ、レベルが高ければ瞬発力を持つ馬の出番が増える⇔逆に低ければ緩いペースで前残りになりやすい、という傾向が見て取れます。
【前走阪神JF組の頭数と③着内馬の4角通過位置】
23年 1頭 1-6-3
22年 4頭 8-8-4
21年 1頭 1-3-2
20年 4頭 2-4-1(※)
19年 3頭 3-12-10
20年だけハイレベルかつ前残りでしたが、この時は上位3頭(マルターズディオサ、クラヴァシュドール、レシステンシア)が力量が抜けていた結果であり、そこから0.2差の範囲にいた④~⑥着馬は「13-10-7」番手にそれぞれいましたので後方待機勢に向く流れであったとは言えます。
それで言うと今年は阪神JF組の参戦は「0頭」。抽選除外で朝日杯に回ったタガノエルピーダをカウントしてもわずか1頭ですから、今年は前残りの展開が期待できそうです。ただ、3歳春の段階で積極策を仕掛けるのは後の折り合いを考えるとリスクが高く、あまりやりたがる陣営は居ません。それでも先行しようとする馬はすなわち「逃げた方が良いと実績で証明している」タイプなわけで、今回のメンバーで言えば逃げて新潟2歳S②着しているショウナンマヌエラがそれに該当します。溜めて切れる脚を使えるわけではないためここも積極策を取ることが想定され、間隔を開けた方がいいタイプなだけに本番よりもむしろここでの賞金加算が本音でもあるでしょう。スタートさえ決まれば粘り込みの目も。
■中山11R/夕刊フジ賞オーシャンステークス ジュビリーヘッド
3角で挟まれたスプリンターズSと重馬場で前残りの決着となった昨年の春雷S以外はこのコースで堅実に走れており、そもそも1番人気⑤着だった昨年のこのレースでも4角から直線にかけ進路をカットされる不利を受けており、近走の着順が振るわないのも適条件に使われていないことが本質です。得意コースでG3クラスであれば十分やれるはずで、ここまで人気を落としているなら狙う価値はあるでしょう。
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