[1]①ホーエリート(北村友)
不器用かつ使える脚が一瞬というタイプにつき、外を回して間に合う展開にならないと好走が難しいのが現状です。前走の紫苑Sは時計が速くついていけなかったわけですが、引き続きコンディションの良い芝でそれなりに時計が求められる流れが見込まれるうえ、この最内枠は痛恨です。
[2]②ミアネーロ(津村)
前走の紫苑Sは最内枠から中団後ろを追走。馬郡の中で我慢させる走りができたことは収穫で、高速馬場で前を捕まえられなかっただけで勝ちに等しいレースはできました。きょうだいが早枯れ傾向にあることをオークス時に指摘しましたが、目覚ましい成長力を見せるドゥラメンテ産駒のせいなのか現状パフォーマンスの衰えは見られず。栗東前乗りで課題のテンションも落ち着いており、最終追いは3頭併せの最後方からステレンボッシュに先着。間隔が詰まる中時計を出しすぎた感もありますが、枠に恵まれた今回は捌き一つでチャンスがあっても。
[2]②クイーンズウォーク(川田)
前走のローズSは川田Jのコメントを借りれば「前哨戦のつくり」と明言した中で完勝。安全運転に徹した中で勝ち切ったのは確かに能力の証ではあるのですが、1週前にちゃんと50.9-11.1をやっており一定の仕上がりにはありました。それを踏まえての今回ですが、最終追いは前走時と変わらず坂路でサラッと。レースを使って仕上がっているという考えならよいのですが、1週前の動きは川田J曰く「あまり良くなかった」とのことですから、これまで一戦必勝で仕上げてきた中内田厩舎だけにこの調整法が奏功するかは未知数です。加えて不器用なタイプだけに内回りコースの内枠となると捌きも難しく、しまいは伸びるだけに外に出してどこまで、というレースになるでしょうか。
[3]④タガノエルピーダ(団野)
昨年の朝日杯③着。阪神JFを除外になりやむなく紅一点で出走した中、差し有利展開を3番手で追いかけジャンタルマンタルから0.2差に健闘した内容は高いポテンシャルを認められる内容でした。チューリップ賞は大外枠で壁を作れず、オークスは初の遠征とスタンド前発走が災いしたか向こう正面でガス欠の⑯着。前走のローズSは3~4コーナーで馬場の悪いラチ沿いを通ってしまい伸びきれず④着。何れも力負けではなく評価を下げる必要はないと見ます。前に壁を作るうえではベストな枠も引け、一発を狙える素養は十分です。
[3]⑤チェルヴィニア(ルメール)
アルテミスSからの直行&ルメールJが乗れなかった桜花賞を除けばオール連対。元々ハービンジャー産駒で適性がマイルにないのは明らかで、上で述べた理由から右回りがダメというのは早計な気がします。但し、陣営も認めるフットワークのきれいさ=跳びの大きさは本来大箱向きで、内回りのコース形態は必ずしもプラスとは言えません。
[4]⑥ラビットアイ(横山典)
前走のロースSは休み明けの分もあってか3.7秒差のシンガリ負け。鞍上が「自己条件から改めて」とコメントしたにもかかわらず、フルゲート割れで出られるからと言って再度格上挑戦で出てくるのは流石に…
[4]⑦チルカーノ(鮫島駿)
気性面の難しさを抱え、引っかかって大敗した次走はガスが抜けてスムーズに走れて①着、という戦歴を繰り返しています。裏を返せば折り合えれば底を見せていないわけで、ここは大外枠のセキトバイーストが逃げ宣言。クリスマスパレードなど前目につけたい馬が他にもおり、目標を置いて番手競馬が叶うとくれば見方は変わってきます。前走の長久手特別は少頭数の牝馬限定戦とあって緩い流れになってもおかしくないところ、1.59.2の好タイムで上りも33.8でまとめての勝利。最近の高野厩舎は坂路で軽めの調整で本番結果を出すパターンが多く、外傷性鼻出血で最終追いを木曜にスライドした影響も見られず、母アロマティコは12年にこのレースを③着、半兄にジオグリフがおりコーナー4つのコース・距離も本来は向くはずです。
[5]⑧コガネノソラ(丹内→坂井)
手替わり以降は距離の長かったオークスを除きパーフェクト。ただクイーンSも51kgで3歳馬ワンツーの決着の中で勝ったとなるとあまり強調できる戦歴ではなく、経験のない長距離輸送もネック。何せ菊沢徳厩舎は開業以来京都で(0,0,4,44)とJRA全10場で唯一勝っていないのがこの京都という鬼門。輸送の影響を考慮してか最終追いがポリトラックというのもクイーンSからの間隔を考えればプラスとは言えずで(ウッドが重かったため負荷をかけたくなかったという話ですがチェルヴィニアなどは普通に入っています)。
[5]⑨アドマイヤベル(横山武)
オークスは距離で止まってしまった⑨着。適距離はやはりこのくらいと見るべきで、左回りの大箱ばかり使われてきたものの姉のアドマイヤリードがそうであったように本来は一瞬の切れを活かしたいタイプだけにこの舞台は向いているはずです。しかしながら姉も父のスワーヴリチャードも間隔を詰めて好走するタイプで、特にアドマイヤリードは2か月以上の休み明けで(0,0,1,8)とからっきし。中間は十分に動けているだけにここで結果を出せれば今後の見方は変わってきそうですが…
[6]⑩ボンドガール(武豊)
調教の体たらくは各所に譲るとして、2歳時からの気性面の課題が未だに解消していない中で遠征+引き続き2000mというのは自爆に近いかと…
[6]⑪ランスオブクイーン(松山)
オークスは差し勢が上位を独占する中⑤着と健闘。相手なりに走れるタイプである一方で周りに馬がいないとファイトしにくく、キレのある馬にかっさらわてしまう点が上級戦での好走を妨げてもいます。前走にトライアルではなく自己条件を選んだあたりから目標がここになかったのは明らかで、ポリトラックでの最終追いも状態維持に努めている様子が伺えるだけに。
[7]⑫ラヴァンダ(岩田望)
シルヴァーステート産駒が鬼門とする東京でフローラS②着と健闘。ただ好位のインで追い出しをじっと我慢し絶好の展開だったにもかかわらずアドマイヤベルに差されてしまった点はいただけません。上りに限界がありもともと1勝クラス戦も勝ち切れていなかったことを踏まえると、賞金に現状の能力がまだ追い付いていないと見るべきかと。
[7]⑬クリスマスパレード(石川)
3勝は何れも中山。その前走の紫苑Sは超絶内前有利馬場でスピードに乗ってそのまま押し切ったという内容で、1勝クラスすら勝てていないレイククレセントと似たような位置取りで接戦になったことを考えればレースレベルとして強調はしにくいです。環境の変化にカリカリしやすいタイプで、栗東滞在でも気難しさを見せている中間。この枠からだと最初にある程度脚を遣わなければいけない点も気がかりです。
[8]⑭ステレンボッシュ(戸崎)
阪神JF・桜花賞とすでに2回の栗東滞在を経験。今回も最終で3頭併せを敢行しましたがミアネーロに劣勢でフィニッシュ。とはいえ桜花賞時が52.0-11.7という最終追いのタイムだったことを踏まえれば50.6-11.4は十分動けた部類で、相手が動きすぎたと見るべきでしょう。ただそれより問題なのは1週前が坂路だったという点(しかも木曜)。5か月ぶりのレースかつ美浦で乗り込んだわけでもなく手控える必要のない中でこの調整過程はやはり気がかりで、能力は認めてもこの枠も含めてどこまでやれるか、というのが正直なところでしょう。
[8]⑮セキトバイースト(藤岡佑)
元々中京2000mは前半が緩みやすく前有利の傾向があり、前走のローズSにしても楽にハナを叩けて単騎逃げが叶った分の③着でした。大外枠から逃げ宣言ですが他にも前につけたい馬はいるだけに前走ほど楽ができるのかというと疑問符です。
<予想>
◎チルカーノ
○タガノエルピーダ
▲クイーンズウォーク
△チェルヴィニア
△ステレンボッシュ
△アドマイヤベル
△ミアネーロ
■京都9R ドレシャス
関西圏の1200m戦では①⑤着と崩れず走れており、前走の1000m戦にしても距離短縮で行き切れなかった分。地元競馬に戻って得意距離、外枠なら見直せるはずです。
■東京10R/テレビ静岡賞 プラウドヘリテージ
5走前の2勝クラス戦でも紹介した通り、ダートスタートが得意なタイプ。前走の福島戦もスタートで脚を遣った割に0.9差⑧着に踏ん張れており、先行して押し切ったショウナンライシンがグリーンチャンネルCを勝ったことからも当時の先行勢は評価してよいと見ます。隣のユキマルが行こうと思えば行けそうですが、田辺Jがそのような積極策に出るとは思えずここは注文通りの展開に持ち込める公算大で狙いが立ちます。
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