[1]①マッドクール(坂井)
昨年の覇者。その昨年は2番枠から好位のインを立ち回り、直線では荒れた見た目を気にして各馬が外を回す中インを貫き通しナムラクレアの猛追を振り切りました。スプリンターズSはピューロマジックの乱ペースについていけず、前走の阪神C(京都)は外差し有利のコンディションでナムラクレアの差し切りを許した格好で共に敗因ははっきりしています。気温が上がりすぎたり乱ペースになると良くないですが、今回は32秒台で引っ張りそうな馬は見当たらないうえ気温も10度前後の予想。おまけにこの好枠を引いたとあっては無視はできません。
[1]②ウイングレイテスト(松岡)
8歳でもスピード負けしないところは優秀で、前走のオーシャンSでも1分7秒台の決着の中を③着。ただいかんせん荒れた馬場を気にするタイプで、2走前の阪神C(京都)では連続開催終盤の荒れた芝が合わず⑰着大敗。今回も荒れ馬場、しかもインコースを走るとなると相当やりにくいはずです。
[2]③ビッグシーザー(北村友)
昨年は内枠からマッドクールの後ろを通る理想的な運びを見せましたが⑦着。格下相手のレースでは無双できても強い相手と走ると脆いところがあり、初速が付かないタイプであることを考えると位置取りを落としそうなこの枠はマイナスとなる可能性も。
[2]④トゥラヴェスーラ(丸山)
2年ぶりの出走。過去3回出走し、21年④着・22年④着・23年③着とこの舞台に高い適性を見せてきました。馬群で我慢させて直線で脚を遣うレースが得意なクチでこの枠も問題ありませんが、このブログでも再三触れてきたように常に鼻出血のリスクと戦う必要があるのに加え、追い切りの動きも流石に全盛期には及ばずの現状では。
[3]⑤オフトレイル(菱田)
鋭い決め手と折り合いの難しさが同居し、距離を詰める必要があるうえどうしても後ろからになってしまいます。前走のオーシャンSは開幕週の前有利展開に加え序盤位置を取りに行った分もあっての⑨着、2走前の東京新聞杯は距離延長で行きたがった分もあり⑧着と敗れましたが、3走前の阪神C(京都)では直線進路を切り替えるロスがありながらの③着で、それもきれいな外目ではなく荒れた内側に突っ込んで脚を遣った内容で評価できます。当時の走りから馬群を割って荒れた馬場を突っ込ませても問題ないことは証明済みで、距離不足の懸念はあるものの騎手意識が外に向きがちなこのレースで度胸良くインにこだわれれば一発も。
[3]⑥ルガル(西村淳)
昨年のスプリンターズSは超ハイペースを前目から押し切って勝利。4走前のシルクロードSでも1分7秒台の決着を圧勝していただけに、元来スピード勝負に強いタイプです。今回は荒れ馬場で時計がかかる舞台となるのと左回りの芝では勝ち切れていないだけに実績通りの評価はしにくいですが、芝の短距離では理由ありの敗戦以外は安定して走れているだけに評価は落とせません。
[4]⑦モズメイメイ(松若)
夏場に復調したかと思えば、サマースプリントシリーズ以降の4戦は再び低迷。昨年もこのレースで⑮着に敗れた後北九州記念で③着しているように、気温の上昇とともに調子を上げるタイプと推察されます。寒さが戻ってくる日曜の中京は合わないでしょう。
[4]⑧カンチェンジュンガ(武豊)
前走の阪急杯(京都)では外差し展開にも乗じての差し切り勝ち。しまいはいつも脚を遣いますが、良績は右回りの平坦コースに集中しており、距離短縮で位置取りを落とす懸念もあり。
[5]⑨キタノエクスプレス(国分恭)
3走前のCBC賞は直線で進路がカットされる不利があり⑦着、2走前のオパールSは出していった分に加え+12kgも響いて⑦着と敗れましたが、それ以外は芝1200mで(3,3,0,0)とパーフェクト。見た目のイメージより溜めた方が切れるタイプなものの、前走のように時計がかかる決着でも勝ち切れたのは収穫でした。中京ではダートで勝ち星もあり左回りや急坂を苦にすることもなく、足りない可能性はあるもののここまでの戦績だけを見れば底を見せておらずケチの付け所が無いだけに、来られてもおかしくはありません。
[5]⑩サトノレーヴ(モレイラ)
スプリンターズSは夏負けの影響が尾を引き十分な負荷がかけられなかったうえ、スタートで後手を踏み間に合わずの⑦着。前走の香港スプリントは地元勢に屈し③着も、今の香港短距離界は世界トップレベルと言っていい馬質。敵地で善戦したと言ってよいでしょう。ここに向けては1週前にモレイラJが跨り想定以上の時計が出てしまい、直前は馬体回復とのバランスを見ながらの軽めの調整。それでも坂路ではなくいつものパターンであるウッドで追えている点は心配なく、初の左回りに戸惑わなければ十分に勝負になるはずです。
[6]⑪スズハローム(佐々木)
ここ3戦は右回りで大きな着順続きも、左回りでは複勝率80%のサウスポー。4走前のCBC賞は好発から下げてしまった分ドロップオブライトを捕まえきれませんでしたが、タイム差なしの②着と適性を示しました。下り坂からの最後の急坂という中京1200mのコース形態は純粋なスプリンターには厳しく、1400mを主戦場とする馬の方が最後まで脚を遣えます。この馬も中京コースではそのCBC賞を含め1400mで①着・1200mで②着とパーフェクトに走れており、母父には09年にスプリントG1を完全制覇したローレルゲレイロを持つ血統面もプラス。もう少し内目の枠が理想でしたが、イン突きの意識を十分に持っている佐々木Jならうまく誘導できるはずで、得意舞台で巻き返す魅力は十分です。
[6]⑫トウシンマカオ(横山武)
スプリンターズSは位置取りの差で②着だっただけで、馬自身はあのような高速戦にも対応できるスピードを持っています。ただ、当時跨った菅原明J曰く左回りだとコーナーリングがスムースでないところがあり、かつきれいな馬場でスピードを活かしたいタイプ。左回りの荒れ馬場では昨秋のようにはなかなかいかなさそうで。
[7]⑬エイシンフェンサー(川又)
抜け出すとフワッとするところがあり、馬群がタイトになるローカル場や中山、あるいは内回りコースが向いています。前走のシルクロードSもハイペースで前が止まったところでいい位置につけていた分流れ込んだ中での最先着、というレースで、荒れ馬場で馬群が広がりやすい大箱では脚の遣いどころが相当難しく。
[7]⑭ナムラクレア(ルメール)
仕上がりが早くいつも前哨戦で高いパフォーマンスを見せるものの、本番では反動もあってか届かないというレースが続いてきました。陣営もその反省に立ってか今回は暮れの阪神カップから3か月ぶりのぶっつけで臨んできており、これまでのG1挑戦と比べれば状態面のプラスは確実です。坂路での最終追いは持ったままでラスト2Fともに11.7を計時する抜群の動きで、タフな馬場も荒れた馬場も苦にしないメンタルの強さは牡馬顔負け。強いて言えばルメールJなので馬群をこじ開けるようなレースはしないであろうところで、昨年のように内から何かに掬われる可能性はゼロではない分全幅とまではいきませんが、これまでで最もG1に近づいていると言えるでしょう。
[7]⑮ママコチャ(川田)
前走のオーシャンSは完調とは言い切れない中でも勝ち切り、スピード適性の高さを見せつける内容。ただ暑い時期の方が調子を上げるタイプで、昨年は雨もあり動ききれずの⑧着でしたが今年も気温は低そうで。
[8]⑯バルサムノート(亀田)
マイルでは長いものの、スタートが悪くゲートが命のスプリント戦では安定しない現状。ベストは左回りの1400mで、内に潜り込むことも難しそうなこの枠からでは。
[8]⑰ドロップオブライト(幸)
3走前のCBC賞では最内枠からこれ以上ない立ち回りで後続を完封。コース適性はあるものの前走の淀短距離S(中京)のように外枠からだと良さが出ず、今回も外枠を引いてしまった故。
[8]⑱ペアポルックス(岩田康)
自分でレースを決める脚が無い分前目で流れに乗りたいところですが、かといってあまりにハイペースだとその脚も繰り出せないという難しさ。絶対ハナというタイプは今回見当たらないだけに果敢に先手を主張する可能性はありますが、序盤の下り坂で脚を遣いすぎると残せない懸念が。
<予想>
◎スズハローム
○オフトレイル
▲ナムラクレア
△マッドクール
△サトノレーヴ
△ルガル
△キタノエクスプレス
■中山11R/マーチS キタノリューオー
寒い時期に調子を上げるタイプですが、昨年のこのレースでは⑫着。当時原Jは「外に進路を求めたが案外だった。馬群の中で詰まってカッカさせた方が脚を遣える」とのコメントを残しており、内枠を引いたうえその原Jが1年ぶりに手綱を取るとなれば好走パターンの再現が期待できます。脚抜きが良く差しが決まりにくいコンディションは気がかりも、ここはピュアキアンが先手を主張し流れは速くなりそう。最後に前の脚が止まる展開になれば一発も。
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