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当ブログは、広尾サラブレッド倶楽部株式会社様のご厚意により、同倶楽部の所有する競走馬の写真及びWebサイト記載情報の転載許可を頂いております。

2021年6月27日日曜日

【6/27(日)予想】宝塚記念の全頭評価とねらい目レース(東京11)

■阪神11R

[1]①ユニコーンライオン(坂井)

 宝塚記念はコースレイアウトの関係もあり、テンがさほど速くならない傾向にあります。強力な先行馬が居れば話は別ですが、押し出されるように先行するパターンでは62-58程度の後傾戦もあり得ます。この馬もハナにはこだわらないのでマイペースで運べれば通用可能性は見出せますが、流石に余勢を駆っての休み明け4戦目で上積みは望みにくく、隣のレイパパレのプレッシャーを受けながらの先行も楽とは言えません。充実度は評価できてもここでは紐まででしょうか。

[2]②レイパパレ(川田)

 前走は不良に近い重馬場ながら1000mを59.8で逃げ後続を完封。一見強さを見せたように思えましたが、後半で思いっきり時計がかかってもあのコンディションでは誰も脚を伸ばせなかったわけで、椅子取りゲームの側面の強いレースでした。但しどこにいてもそれなりに脚は使えるので、ユニコーンライオンを行かせて番手からプレッシャーをかけて進めば直線入り口で楽に先頭に立つこともできるポジションであることから相手としてはやはり押さえが必要かと。

[3]③メロディーレーン(幸)

 無尽蔵のスタミナが武器で、昨年のような展開になれば最後の最後で浮上の可能性もありますが今回は同タイプのOP馬も複数おり、準OPで1秒以上負けている現状では…

[4]④ワイプティアーズ(和田竜)

 鳴尾記念の時に紹介した通り上りのかかるレースで好走できるタイプ。前走の時は「OPでそこまで恵まれるのは稀」と話をしましたが、近5年の宝塚記念のうちレースの上りが36.0以上かかったのが実に3回。天候次第では恵まれうる舞台でもあります。ただし当初予報より天候が良い方向に運びそうで、良馬場想定でまっとうなキレ勝負になるとやはり分が悪いと言わざるを得ません。

[4]⑤アドマイヤアルバ(酒井)

 前走の目黒記念については位置取りがそのまま着順になるレースで「たまたまそこにいたから」以外の好走理由が見当たらないのが正直なところです。ハンデ戦でもないここでは。

[5]⑥シロニイ(松若)

 阪神大賞典のようにスローで前につけられても大きく離される現状。もう1ハロン長ければ紛れも期待できますが、芝2200m以下では準OPでも苦戦するだけに…

[5]⑦クロノジェネシス(ルメール)

 馬体を増やせるかが好走のカギを握る馬で

 馬体増(5,0,0,0)
 増減なし(0,1,1,0)
 馬体減(1,1,2,1)

 という明らかな傾向が出ています。今回は調教後段階で482kgということですが、前走が海外なのでジャッジが難しいところです。尋常に考えれば海外遠征で大きく馬体を増やすということは考えにくく、良くて2走前の有馬記念(474kg)を維持したと仮定すれば関西圏のレースでもあるここはプラスに持ってこられる計算は立ったと見てよいでしょう。中間はコースでしっかり負荷をかけ仕上がりも問題なく、ライバルも少ないここはやはり中心視。

[6]⑧カデナ(松山)

 上りがかかること自体は歓迎ですが良馬場で走りたいクチで、天候悪化が見込まれる日曜の阪神では不得手なコンディションにならざるを得ず…

[6]⑨アリストテレス(武豊)

 結果的に春2戦の敗戦はステイヤー適性の差と見てよいでしょうが、それを差し引けばメンバーレベルに疑問符の付くAJCCを勝ったのみで、不良馬場に適性の高いモズベッロを除けば前にいた馬同士で決まった椅子取りゲームに過ぎません。3歳時のリステッド好走もおよそ1勝クラスレベルのメンバーで強調できず、中距離一線級の実力の持ち主なのか未知数な段階でこの人気というのはやや過剰に映ります。

 加えて気になるのが、騎乗する武豊Jが今週この馬ではなく札幌の新馬戦に出るヴォルケニックの稽古を優先したこと(ヴォルケニックは4着)。2週前、1週前に跨っているとはいえ、関西のリーディング常連厩舎のグランプリより今年ようやく重賞を勝った関東の厩舎の新馬を取ったということで、よほど高柳瑞師と仲が良いのか…

[7]⑩カレンブーケドール(戸崎)

 勝ち身に遅いタイプではありますが、ここ最近取りこぼしが目立つ背景には爪を気遣って坂路での調整しかできていない点が挙げられます。それでもこれまでは最終まで併せ馬を使ってなるべく負荷をかけようとしていたところ、今回の最終追いは坂路で単走。国枝師の言葉を借りれば「何かあってはまずいので」という意味合いでソフト調教を課されることが多く、それでも掲示板内を確保しているのは強いの一言なのですが、ここまで最終が軽いとさすがに今回は買えても紐までかなと。

[7]⑪モズベッロ(池添)

 最終追いの時計自体は地味でも、2週前にCWで51.1-11.4のハードワークをこなしており予定通りの調整ではありました。36秒台の上りで足りる展開になれば押さえは必要ですが純粋な切れ味勝負では分が悪く、想定より馬場が良くなりそうな状況では手は出しにくいです。

[8]⑫ミスマンマミーア(岩田望)

 前走に関しては逃げ馬が33.2の脚を使うレースで出番がなく、この馬も33.2の脚は使えていました。戦法がどうしても極端になるため流れが向けば台頭は可能ですが、定量戦かつ馬場も重くなるとなると切れ味だけで面倒を見切るのは難しそうで。

[8]⑬キセキ(福永)

 キレる脚がない分持続力があるタイプなので逃げないしはまくりで好成績を収めており、他馬が苦にするような重たい馬場でもタフに走り切れるのが身上。一方で国内で良馬場で好走したのは一昨年の宝塚記念まで遡り、これも先行決着を前目で運んだ分に過ぎず、今の状態では逃げ戦法は望めないだけに後ろから運ぶようでは届いても掲示板がやっとでしょうか。

<予想>
◎クロノジェネシス
△レイパパレ
△カレンブーケドール
★ユニコーンライオン

 馬場が渋ればクロノジェネシス鉄板+穴馬の台頭も期待して買うので良かったですが、降っても小雨程度となると恵まれうる存在が減るうえクロノジェネシスが取りこぼしてもおかしくはないと考えます。オッズ以上に予想難易度の高いレースになりそうで、雨量が増えない限りは個人的には馬券は買わずに観ていようと思います。


■東京11 ビッククインバイオ

 東京芝1400mは全4勝のうち3勝を挙げている得意コース。前走の京王杯SCはスタートで内に押し込められ本来の位置を取れなかったものの、最後は脚を伸ばして0.6差まで詰めてきており力のあるところを見せたレースでした。

 東京はロングラン開催の最終週ですが、昨日のレースを見ても内を差した馬の台頭が目立っており直線部分に関しては内外の差は無さそうです。めぼしい逃げ馬はランスオブプラーナ程度で位置取りの懸念も少なく、人気の差し勢を向こうに回して内を巧く立ち回れれば。

2021年6月26日土曜日

【6/26(土)予想】

■東京9R ソラン

 全2勝はいずれも東京でのもので、切れる脚がない分前半に置かれる中山では厳しく、今回5戦ぶりに東京に戻ってくる点をプラスに捉えたいです。好走するためには前半が36秒以上かかる展開にならないと厳しいですが、今回はリュクスウォリアーに競りかけそうな馬は見当たらず、そのリュクスウォリアーが前走の三浦特別で前半36.1で逃げて2着だったことから、同程度のペースで運びたいとなれば流れは落ち着くと見ます。

 過去休み明けは大敗していますが重馬場でのもの。今日の東京は昼にかけて晴天+30度近い陽気が見込まれ、ダートコースも良への回復が期待できることから、好走条件が揃いそうなここは一発の期待を込めたいです。


■札幌11R タイセイアベニール


 前走の函館SSではスタートで躓いたうえ4角で狭くなり立ち上がるレベルの不利。これで0.5差であれば3~6着の一線とは差はないか上回れるレベルのパフォーマンスと見ています。今回は内枠で再度立ち回りが鍵となりますが、ポジションを取れれば自ずから直線では好位を取れるチャンス。07秒台の高速決着にも強いタイプであり、ワケあり大敗で人気を落とすようならここはチャンスです。


■阪神12R ダノンハーロック

 前走、ラペルーズの勝った1勝クラス戦で5着。当時の2~4着はおろか先着した6,7,10着馬も既に1勝クラスを勝ち上がっており、相当高いレベルのレースでありました。2走前のもちの木賞ではゴッドセレクションに先着しておりクラスでの力量上位は明らか。人気は必至でも信頼に足ると見ます。


2021年6月20日日曜日

【6/20(日)】ユニコーンS&マーメイドSの全頭評価

■東京11R

[1]①ゲンパチフォルツァ(木幡巧)

 切れる脚がないため前目から長く足を使うレースが理想で、現に端午Sでは後方勢の台頭の中1.0差の4着に敗れましたが前走の青竜Sでは先行策で押し切り。同条件で5着だったヒヤシンスSが48.3-48.5のイーブンペースだったのに対し47.3-48.8と1.5秒前傾の流れを2番手で勝ち切った内容は評価できるものでした。行きたい馬もちらほらいるメンバー構成、好位をキープできればここもチャンスありと見ます。

[1]②スマッシャー(坂井)

 流れの向いた前走の端午Sより、2走前の1勝クラス戦を評価したいです。上りのかかるレースで前に行ったもの勝ちの展開をキッチリ差し込んできました。そのレースで同じような位置にいたジョディ―ズマロンもその後1勝クラスを勝ち上がりましたがその差1.0秒。結果的には自己条件では力が違ったという内容でした。

 前走もルーチェドーロとの0.4差は4角での位置の差。今回この枠なので4角から進出するには立ち回りが難しいところですが、追走に苦労するところがあり距離延長は歓迎のクチ。ここもこなす可能性はあるでしょう。

[2]③ティアップリオン(内田博)

 前走は初の東京戦で上り最速の35.9の脚を使い4着に入りましたが、外を回す他馬をよそに内に進路を取り、伸び伸び脚を遣えた中でむしろ突き抜けられなかったのは不満と見ています。もともとダートコースは多くの馬が通ることで走り易くなる内側が有利なのが一般的で、内を利してもこの程度、ということであれば相手強化で大望はしにくいというのが正直なところです。

[2]④ラペルーズ(ルメール)

 前走の敗因について陣営は「スタートで挟まれてやる気を失くした」と語っており、確かに芝での新馬戦を見てもわかるようにピンかパーという気性の持ち主であることは間違いなさそうです。ただ一方で、前走最後までファイトバックしなかったのはルメールJがあえて外に進路を取ったことも影響していると考えます。


 左は前走の青竜S、右は2走前のヒヤシンスSでの直線入り口のパトロールです。似たような陣形で内に進路を取ることもできたはずですが、ルメールJは勝ったヒヤシンスSの時のようには内に入れず外を選択。馬がすでにレースをやめており無理しなかったという見方もできますが、それまでの2連勝がいずれも馬群の中を突いてのものであったことから、あえて外を回して反応がどうなるかを見る狙いがあったのではないかと見ています。

 結果的に垂れた馬を交わす程度の脚しか遣えず大敗しましたが、これで内を回した方が良い馬だということが再確認できたと思います。ヒヤシンスSは上り35.0の脚で差し切ったように能力は十分。東京のダート1600mの3歳戦で良馬場で上り35.0以下だったのはこれを含み3例で、他の2つは20年ヒヤシンスSのタガノビューティー(2着)と15年青竜Sのノンコノユメ(1着)。過去の2例よりも前半のタイムが早いことを思えば、最後に脚を使えるたは高い潜在能力の現われでしょう。外枠を引いたらどうしようと思ってましたが、この枠であればスタートを無難にさえ決めれば中心視。

[3]⑤イグナイター(武藤雅)

 早々にダートで勝ち上がった馬が出番を求めて南関に移籍するのは珍しいことではなく、そこで結果を残せば中央重賞でも優先的に出られる(ダート重賞やクラシックトライアルなどの特別指定交流競走)ことから活用が進んでいる一面もあります。この馬もデビュー戦(昨年11月)では1.1秒差の圧勝劇を見せましたが、当時走った馬は最近になってようやく未勝利を勝ち上がったという馬が多数。ここは直近でOPや1勝クラスで勝ち負けしている馬の集まりであり、捲って返り討ちに遭った1勝クラスの内容を見ても流石にここでは…

[3]⑥クリーンスレイト(田辺)

 前走は45.7-50.7と前後半で5秒もの前傾戦で流れが向いたことは確かですが、唯一の36秒台を使って勝ったことからも能力の高さは疑いようがないでしょう。実際、ユニコーンS自体も重馬場であれば2019年のように4F-4Fが4秒近い前傾になることもあり、それなりに前に行きたい馬が揃っている今回もその再現は考え得るシナリオと見ています。流石に前回のように前の馬がきれいに皆止まってくれるレースにはならないでしょうが、この枠からでも立ち回りをクリアできれば面白い存在です。

[4]⑦ケイアイロベージ(三浦)

 3戦すべて1800m戦で、レースの上りが37秒台では取りこぼし38秒台以上のレースで2連勝となると、ここでの適性を見出すのは難しいです。

[4]⑧サンライズウルス(藤井)

 3戦すべて1400m以下で(2,1,0,0)。本来、距離経験のない馬はここでは不利と考えておりますが、この馬の場合はスピードで押し切るのでなく追い込みで結果を残しており、特に前走の1勝クラス戦が秀逸でした。


 なかなか進路を作れず残り400m地点(左)では10馬身はあろうかという差をあっという間に差し切りましたが、青○が2着のケイツーマルカ。他の馬も脚を使っている中でこの馬だけが違う脚だったというわけで、手元の計測ではおそらく最後の2Fは22秒台後半~23秒前後。連続で11秒台を刻んでいたと推察されます。

 2走前は内に入り進路を探しながらの直線で、脚を余しての2着。前走のパフォーマンスからも今回はしっかり外に出すレースをしてくるでしょう。このメンバーで外を回してどこまで、というのはありますがポテンシャルは相当と見ています。

[5]⑨ブラックアーメット(津村)

 ティアップリオンの項で触れた前走の青竜Sで外を回して3着。キレ不足の感はありますが前走のように中団から運んで好走できたのは収穫で、他の馬を見ながら進める枠でもあり自分のレースができれば自在性で残り目も。

[5]⑩プロバーティオ(M.デムーロ)

 行き切ってどこまで、というレースしかしておらず、一息入れてからもう一つ脚が使えないタイプでここで残すのは難しいと見ます。

[6]⑪ヴィゴーレ(丸山)

 初ダートに加え距離1800m以上しか経験がなく、詰めが甘いタイプというわけでもないので舞台変わりで特に前進を見込める要素には乏しい印象です。

[6]⑫ローウェル(団野)

 前走で逃げなくても勝てたことが大きく、ハナを譲って脚を使う勝ち方は今後の幅が広がったと言えるでしょう。関西ではダートの1600mの番組がないため適性は未知数ですが、上にはラウダシオン、アンブロジオとマイルで実績のある馬が並ぶ血統。恐らくメンバー中最重量(540kg近く?)で出てくるであろうここでは押さえが必要かと。

[7]⑬ピンクカメハメハ(北村宏)

 サンバサウジダービーが行われたキング・アブドゥルアジーズ競馬場はオールウェザーで純粋なダートではなく、この結果を以て日本のダートで走れるとは結論付け難いというのが正直なところです。そもそも芝でももう一つという戦績であり、このメンバーで伍せるかと言われると…

[7]⑭カレンロマチェンコ(松若)

 前傾戦をスピードで押し切る競馬しか経験しておらず、ここで残すにはもう一足使えないと厳しいと見ます。

[8]⑮サヴァ(石川)

 前目で粘り込む競馬でしか勝てておらず、勝ち鞍も1400mのみ。ここでの通用可能性を見出す要素に乏しいです。

[8]⑯ルーチェドーロ(戸崎)

 前走が恵まれたというのもそうですが、関東馬なのにわざわざ3戦連続して関西圏に遠征して1400mを使われ続けたローテからも陣営もベストは1400m以下と判断していると見られます。ここは試金石という意味合いが強く、仮に前走のように前が止まる展開になったとしてもこの馬以上に切れる馬はいっぱいいるわけで…

<予想>
◎ラペルーズ
○サンライズウルス
▲クリーンスレイト
△スマッシャー
△ゲンパチフォルツァ
△ローウェル
△ブラックアーメット

 能力を信じラペルーズを抜擢しましたが、東京ダートは朝の時点で不良にまで悪化。昼過ぎからは晴天+夏日の暖かさで回復が見込めますが、雨が残れば1400m寄りの適性が求められサンライズウルスの逆転まであると見ます。


■阪神11R

[1]①シャムロックヒル(藤懸)

 全3勝は前半5Fが62秒前後の2000m戦を逃げ切りor前目で押し切ったもの。牝馬限定戦で2000mは長距離に区分されるレベルで、基本的に牝馬はこれより短いところを走ってきている馬が殆どなため道中はどんなに緩んでも61秒前後程度にはなりそうで、準OPのペースでも残せていない現状では手は出しにくく。

[1]②アブレイズ(浜中)

 ここ2戦はしっかり脚を使えており、福島牝馬Sはスローで差し届かずでしたがキッチリポジションを取りに行ったメイSは快勝。2桁着順に敗れたレースはG1、不適距離、馬体絞れず、不良馬場、と敗因がはっきりしています。遠征がない分馬体増が心配なのとこの枠で包まれるようなことがなければとは思いますが、ここに入れば力量上位なのは間違いありません。

[2]③ホウオウエミーズ(丸田)

 芝1800mで3勝していますが、いずれも1分50秒台の決着。同様に時計のかかった紫苑Sで0.8差11着だったことを思えばここで強調するのは難しく、初の関西輸送も気がかりで。

[2]④カセドラルベル(和田竜)

 前走の都大路Sは4角通過順がそのまま着順になるような流れで。4番手からの4着に価値は見出せません。しかしながらこの馬は前傾戦を先行して残すレースを得意としており、昨夏に2連勝したのはいずれも芝2000m戦で「58.4-60.5」「58.4-59.5」という流れを番手先行から押し切っています。中間は2週連続で坂路で併せて遅れていますが、16秒台から入ってしまい11秒台というのは丁度2連勝した昨夏と同じ水準の動き。負荷を強めて継続して乗れていることからも体調は良さそうで、自分のレースができればここなら十分狙いは立つと見ます。

[3]⑤シャドウディーヴァ(福永)

 2か月以上の間隔を空けて使われたときは(0,2,2,2)と大崩れなく走れています。但し過去3度の阪神遠征では(0,0,0,3)であるうえ、本来はヴィクトリアMを使いたかったところ骨瘤で回避して不得手の右回りに参戦という臨戦過程。夏場のレースも経験がなく、比較的涼しい時期に好走が集中している点からもここでは不安要素が多いと見ています。

[3]⑥フィリアプーラ(菊沢)

 出していく競馬で進境を見せた前走の福島牝馬Sでしたが、先行馬にとって格好のペースになったことも大きく、長らく差しに回っていて結果を残せなかったことを考えれば前後半のペースがが入れ替わるであろうこの舞台では。

[4]⑦レッドベルディエス(幸)

 東京TCゆかりのレッドファンタジアの一族。母自身がそうであったようにスピードと鋭いキレを身上としており、デイリー杯を後方一気で差し切ったレッドベルジュールを弟に持ちます。そのためか、中途半端に出すレースでは勝ちきれない一方でしっかり溜めれば(届くかは別として)切れる脚は使えます。

 一昨年の紫苑Sが好内容で、先行勢の決着の中道中後方から徐々にポジションを上げ0.3差の4着。フェアリーポルカやカレンブーケドールといった面々と接戦しており、世代の中でも決して見劣らない能力を持っています。ここも中途半端な位置取りでは難しいですが、前傾戦で最後に内前の先行勢の脚が止まるような展開となれば、直線で一刀両断というシーンも十分に狙えるでしょう。

[4]⑧ソフトフルート(横山和)

 昨秋の夕月特別で逃げ馬-2番手の決着になりそうなところを中団からぶっこ抜いて0.7差の圧勝。返す刀で秋華賞3着、エリザベス女王杯6着と健闘を見せました。その後のグレイトフルSは終始荒れた内を走らされ見せ場なく5着、2走前の京橋Sはデビュー以来最少タイの464kg(-12)と馬体を減らして5着と足踏みしましたが、前走では馬体を戻して快勝。マイナス体重で出てきたときは(0,0,0,4)であることからも馬体は増えて出てくることが最低条件ですが、G1での健闘ぶりを考えればここでは力量上位で、押さえは必要でしょう。

[5]⑨イズジョーノキセキ(西村淳)

 前走2着した京橋Sからはソフトフルート、ジェットモーションと2頭が次走で即勝ち上がり。レベルの低いレースでなかったことは確かですが、4角まで引っ張り通しで内で巧みに立ち回り直線では1頭分のスペースを抜けてきたという岩田康Jらしい騎乗のおかげでもありました。本来、比較的ペースが恵まれたここ2戦のいずれかは決めておきたかったはずで、多頭数でレース運びの難易度が上がる今回は立ち回りだけでどうこう言える舞台ではないだろうと見ています。

[5]⑩キングスタイル(高倉)

 スローのまくりでしか結果を残せておらず、本来スローで前が止まるというケース自体下級条件でしか起こりえないもので、流石にOPのここでは。

[6]⑪パッシングスルー(荻野極)

 一昨年の紫苑S以降パフォーマンスが上げられておらず、唯一掲示板に載ったのは交流重賞のみ。前から行って粘れる脚はなく、かといって後ろから行ってもバテた馬を交わす程度には脚は使えますが、他にも切れ者が揃ったこの舞台ではどうにも中途半端。重賞勝っていて斤量を背負わされるのもあり、復調を待ってからでも。

[6]⑫アンドラステ(岩田望)

 間隔を空けてもしっかり走れるのは流石中内田厩舎仕上げ。半年以上の休み明けでも(2,0,0,0)としており、1週前には栗東CWで49秒台をマークし仕上げに不安はないでしょう。揉まれるとカッカするところがありやはり理想は東京や新潟など直線の長いワンターンのコースでしたが、この枠ならスムーズに運べそうで直線の短さを位置取りでカバーできれば十分届くでしょう。

[7]⑬クラヴェル(横山典)

 キレ負けするタイプで、前走のシドニーTも前半62秒台で運んでおきながら残せなかったあたりは牝馬同士のレースにおいては斤量や展開面で恵まれないと厳しいでしょう。ですがここは斤量は51kg、前傾戦が見込まれここ数戦とは明らかに流れが違うレースになる点はプラスで、この枠ですが位置を取れれば残せる目はあると見ます。

[7]⑭サンクテュエール(川田)

 フィリアプーラの項でも触れましたが、福島牝馬Sは展開が向いてのものでこの馬のパフォーマンスが戻ったとは評価できないレースでした。シンザン記念を勝った後のパフォーマンスは調子落ちもありますが、それまで完成度の高さでリードしていたところが成長力で逆転された現状と見るのが今のところ妥当と考えます。

[8]⑮ミスニューヨーク(加藤)

 上りのかかるレースでの好走が多く、これまではクラシック戦線や極度の後傾戦であと一歩という戦績でしたが、今回は牝馬限定の2000m戦で最後に坂を上るレイアウトと流れが向きそうです。重馬場で(2,0,0,0)につき雨が残ればなおよく、外を回し過ぎると絶対的な上りの速さが足りず届きませんが立ち回り一つで争覇圏まであると見ます。

[8]⑯アッシェンプッテル(太宰)

 太宰Jは昨年9月から芝で109連敗中。この馬自身は軽いダートのほうが良いので芝でもやれそうではありますが、ダートの実績でここで54kgを背負うのでは流石にかわいそうです。

<予想>
◎カセドラルベル
○アンドラステ
▲ミスニューヨーク
△ソフトフルート
△アブレイズ
△レッドベルディエス
△クラヴェル

 例年と違い阪神は今週が開幕週。内が活きていることを考えればポジションを取れる馬が有利と考えカセドラルベルを上位に取りました。

2021年6月19日土曜日

【6/19(土)予想】

■東京9R タケルラスティ

 前走は久々の芝戦を叩いて7着でしたが、最内枠でスタートタイミングが合わず後手を踏んたレースでした。道中で脚を使った分坂上で垂れましたが、0.6差に踏みとどまったあたりは調子の良さをうかがえました。今回はそこからダートに戻し距離延長となればハナは叩けるはずで、加えて他に先行馬が居ないメンバー構成。遠征競馬で過去結果が出ていない点がどうかですが、矢作厩舎の短期続戦ローテでもありここは好戦期待と見ます。


■東京11R サトノティターン

 このコースは(4,1,2,1)。1000m級のレースや芝ではコロッと負けてしまうように、ゆったり運べるコース条件は合っています。ヒロイックテイルはじめ他にもこのコースで高いパフォーマンスを発揮する馬は多いですが、今回は展開が鍵になると見ます。

 恐らくはメイショウワザシがハナを切り、バンクオブクラウズ、ヒロイックテイルが番手につける展開。これらにタイサイ、バスカヴィルあたりが続いていくものと見られますが、東京はすっきりしない天気でおそらく馬場は稍重~重で行われると見られます。こうなるとある程度道中は流れ、2分8秒台の決着になる可能性があると見ています。

 このコースで2分8秒台のタイムを持っているのはサトノティターン(2.08.0、重)とハヤヤッコ(2.08.8、良)の2頭のみ。但しハヤヤッコは割と極端なレースをしないとスパッと切れないタイプで、10頭前後くらいのレースでシンガリ一気が理想。今回は少し頭数が揃い過ぎました。対してサトノティターンは中団から運べるタイプで、外目の枠も引けた今回は位置取りに苦労することはないでしょう。

 加えて今回は石橋脩Jに手替わり。大型馬の扱いを心得ているという件については以前マーチSの展望で触れたとおりですが、ダート戦での体重別の生涯成績もなかなかのものです。


 馬体重と成績が比例するのはダート戦の常ですが、超大型馬であれば買い続けて(ほぼ)儲かるレベル。少なくとも580kg台で出てくるであろうこの馬とはマーチSの勝利も含めて(3,0,0,3)で、敗れた3回は「芝レース」「2000m未満レース」「内で包まれ追い出し遅れ」と敗因が明確。59kgでは昨年のこのレースで3着しており、エルデュクラージュ、マスターフェンサーと先着を許した2頭は交流重賞でも好走できるレベルの馬。8歳ですがまだ18戦しかしておらず、直近2戦の大敗で人気を落とすうえ相手関係的には昨年と同様か若干薄くなる今年のメンバーなら妙味ありと見ます。

2021年6月13日日曜日

【6/13(日)予想】W重賞の全頭評価とねらい目レース(東京6)

■東京11R

[1]①プレシャスブルー(柴田善)

 前走の福島民報杯は不良馬場にも拘らず前半58.9とペースが流れ、バテ合いの様相の中後方で力を温存した馬が残るという特殊な展開。本来1.8秒も負けてたらシンガリでもおかしくないわけで、悪い意味で度外視するべきレースと考えます。とかくこの馬は馬体の増減が激しく、3走前の昨夏の函館記念では-20kg、前走は+10kgと2桁増減を繰り返しています。その中でも3勝クラス昇級以降では440kg以上に乗せられるかが好走のカギとなっており、3着した昨年の新潟大賞典時は過去最高の450kg。中間暑い日が続いたので微妙なところですが、少なくとも馬体増で出てこない限りは通用の目は薄いかと。

[1]②マイラプソディ(武豊)

 前走は4角通過順がほぼそのまま着順になる展開で流れ込んだだけのレース。3歳以降の戦績から同世代との力量差も明らかで、2歳時の賞金でここに出られてこそいますが昔なら1600万下に降級していたわけで、往時のキレを見せられていない現状では。

[2]③ヴェロックス(浜中)

 好位からスッと伸びることのできる馬でそれがクラシックでも好走できていた要因だったのですが、2走前の中日新聞杯は割とペース的に恵まれたにもかかわらずキレ負けし伸びきれませんでした。大トビなタイプで広い東京コースは合いますが、インが有利とも言えないコンディションでもあり粘り込みは厳しいと見ます。

[2]④セダブリランテス(石川)

 脚元の問題があり休み休み使われていますが重賞2勝。ウインブライトやスワーヴリチャードといったG1馬と好戦してきた戦歴からも実績はこのメンバーでは抜群でしょう。但し、最終追いが坂路だったというのは評価の分かれるところ。過去好走時は最終はCWでしっかり負荷をかけており、今回は美浦坂路で52.7-12.7となるとさして強調できる内容ではありません。叩き2戦目でこの程度で十分という見方もできますが、そもそも長欠明けの前走も最終は坂路での調整だったことを考えれば本来の力を出せる出来ではない可能性もあり、地力頼みの一戦になりそうです。

[3]⑤エアアルマス(三浦)

 この馬は被されると走る気を失くすタイプで、外に馬を置かない形で追走できれば高いパフォーマンスを見せてくれます。久々の芝レースとなった前走は最悪の1番枠でなすすべなし。芝でも条件戦時代にはサウンドキアラに勝っているように高いポテンシャルを秘めた存在ではありますが、今回ももう少し外が良かったというのが本音であるうえテン乗りの三浦Jがどこまで対応できるかとなると、大きくは狙いにくいのが正直なところです。

[3]⑥ヒュミドール(吉田豊)

 昨秋のノベンバーSは馬群の中を割っての差し切りで、より馬場の良い外を回した馬も抑えて33.4で上りもまとめた好内容。距離よりもペースが好走のカギを握るタイプで、芝でもダートでも道中キレイにハロン12秒前後を刻めるレースではキッチリ走れています。前走の新潟大賞典は前後半で5秒も前傾となるかなり特殊なペースで追走で手一杯という感じでしたが、エプソムCは良馬場で行われる年でもキッチリ36-48-60に近いラップを刻むレースで今年も行くのがアトミックフォースと考えればこの範疇に収まるものと見られます。重賞でも前走を除けば④⑤⑤着と連続好走しており、得意な流れに戻りそうな今回は巻き返しの期待ができそうです。

[4]⑦ファルコニア(川田)

 前走の難波Sは縦長のスローペースを2番手で進んだもので、何より位置取りがモノをいうレースでした。それを中団待機のスマートリアンや追い込みのコマノウインクルに迫られて何とかしのいだというレベルでは、流石に川田Jが選んだとはいえ重賞でどうにかなるレベルにはまだないと見ます。

[4]⑧アルジャンナ(ルメール)

 マイラーズCは前が塞がらなければ勝ちまであったと言える内容で、やはり前が流れやすいワンターンの競馬は合うタイプです。但しそのマイラーズCは33.3-44.5-55.8と自ずから後方待機勢が有利になるペースで進んだ分もあっての好走で額面以上の評価はしにくく、掲示板はあってもこの人気で評価を上げるのは少し躊躇するというのが正直なところです。

[5]⑨ヤシャマル(木幡巧)

 ここ3戦は流れに乗るレースをして3連勝。スローなら前目につけ、流れれば控えるという両方のペースに対応できるのは自在性の高さとキレがあってのもので、ここに来て勝ち切れなさが解消してきた印象もあります。但し流石にここは一気の相手強化で、良馬場開催であればもう2~3枚時計を詰める必要があります。昔のようにハンデ戦ならまだしも別定戦ではいきなりでどこまで、といったところでしょうか。

[5]⑩ワンダープチュック(田辺)

 メイSでは一歩前にいたアブレイズにキレで負けており、OPで好走していた3年前と比べるとさすがに上積みは見られません。仮に当時だけ走れたとしても、平地時代のマサハヤドリームに負けるレベルではここでは通用の見通しは立てられず。最終の坂路では久々に51秒台を記録しましたが見習い騎手を載せてのもので、ラストの伸びがいつもと同じ程度になってることからもこれを以て強調材料にはしにくいです。

[6]⑪ニシノデイジー(江田照)

 ここ最近は直線に入ると止めてしまうようなところがあり、ブリンカー装着で最後まで真面目に走らせたいという意図を感じます。今回は追切からブリンカーを着けて挑みましたが馬が戸惑っているような感じで、やや外に張って走っているのも気になりました。

 余談ですが、ハービンジャー産駒はJRA全体で7%程度の勝率ですが、ブリンカー着用時の勝率は3.2%と半分以下に落ちます。例えばこれがオルフェーヴル産駒ですと、全体勝率8.8%に対し着用時勝率9.0%と効果があることがわかります。こういうデータを以てしても、ブリンカーのみでこの不調を脱せるかとなると少々疑問符で…

[6]⑫ミラアイトーン(菊沢)

 元々1200mを主戦場としていたこともあり、コーナー2回のコースでは安定して走れています。中でも昨夏の関屋記念0.4差⑤着が好内容で、「飛ばし屋」のトロワゼトワルを除けば上位入線馬は中団・後方待機勢が占める流れを2番手から踏ん張って残しました。勝ったサトノアーサーは道中17番手追走だったことを考えれば、高く評価していいレースでした。

 中間はダートでの追い切りでしたがこれは前走同様。ダートを除けば7戦連続して0.4差以内で掲示板を確保している安定株で、出来落ちの心配のない関東圏のレースであれば十分好走は見込めるでしょう。

[7]⑬サトノフラッグ(戸崎)

 好走実績は重馬場か長距離と時計のかかるレースに集中しており、初の1800m戦でしかもワンターンの東京となると道中の追走からして不安が残ります。よほど雨が降らない限りは…

[7]⑭ガロアクリーク(野中)

 スプリングSの末脚のイメージが強いですが、当時は前半4Fが50.5もかかった特殊なペースでその分脚が溜まったというのもありました。本質的にはコーナー4回で息を入れられる展開のほうがよく、淀みなく流れるうえ最低でも34秒台の脚が求められるここではもう一押し足りないと見ます。

[7]⑮ザダル(石橋脩)

 昨夏の関越Sが秀逸で、1桁番手で進んだ馬としては破格の32.8の上りを使っての勝利。当時の上り2番手、3番手はそれぞれ13番手、11番手を進んだ馬でそれでも33秒台。長い直線でエンジンを温められるコースは合っているタイプでしょう。

 前走の毎日王冠はペースだけ見れば平均ですが、前の2頭が引き離す縦長の展開で実際にはスローに近い流れでした。サリオスをマークする形で控えて進みましたが、結果としてあの流れでは前を捉えられなかったレースでした。8か月ぶりのレースですが中間は本数を乗られ、最終こそソーヴァリアントに後れを取りましたが51秒台で運び、前週に50秒台で走ったことを思えば十分でしょう。得意コースでこのメンバーであれば台頭の余地は十分と見ます。

[8]⑯シュリ(M.デムーロ)

 全成績(6-1-0-3)ですが敗れた4回はいずれも2桁馬番か大外枠(9頭立ての9番)で、前に壁を作って進めないと折り合いに苦慮するタイプです。8枠は歓迎ではないですが、前走馬の気に任せて行かせた分でガス抜きができていること、最近のデムーロJが道中前に壁を作るレースで好成績を収めていること、さらに外に行きたい馬がいることを考えればそう悪い並びではないでしょう。中間の調整も前走以上に時計を出せており、再度の輸送がどうかですがここでもやれる可能性は十分でしょう。

[8]⑰アドマイヤビルゴ(岩田望)

 初輸送でもあり、実質的な最終追いは1週前に済ませていることから中間が軽めであること自体は問題ないと見ます。但しこのように馬体に気を遣いながらの調整を未だに強いられているのは成長が見られないことの裏返しでもあり、現にデビュー時の馬体重(434kg)を上回って出てきたことはなし。ここまでの古馬混合戦は54kgとハンデをもらう立場でしたがそれも無くなり、今回は力試しの意味合いが大きい一戦と言えます。

[8]⑱アトミックフォース(武藤)

 前走は向こう正面でフランツに絡まれた分最後に着を落としましたが、流石にOPであれ以上のスローを許してもらえるほど甘くはありません。昨年の新潟大賞典にしても、ワンターン2000mにして前半59.7で単騎逃げというのはかなり恵まれた部類で、それでも勝ちきれなかったあたりはやはり重賞ではあと一歩、というのが現状であると見るべきでしょう。

<予想>
◎ザダル
○ヒュミドール
▲ミラアイトーン
△アルジャンナ
△シュリ

 多くの馬が外を回す展開となれば馬群の中でも勝負できる差し馬であるザダル、内枠を引けたヒュミドールを上位に取りたいです。


■札幌11R

[1]①アスタールビー(池添)

 いつもスタートは速い馬で洋芝で3勝を挙げており好相性、昨年のキーンランドCも差し決着を4着に残すなど実績的には通用級のものを持っています。但し今年の札幌はエアレーション効果か初日から比較的差しが決まっており、イン前を取らないと勝負にならないというレベルではない中で先行争いに飛び込んでいくとなるとどこまでお釣りを残せるか一抹の不安はありますが…

[1]②マイネルアルケミー(黛)

 好位差しで2連勝を決めていますが、いずれも稍重+荒れ馬場で上りがかかる展開を差し込んでのもので、黛Jもかなりシャカリキに追ってようやく追いついた、という内容でした。直線でスッと外に出せる位置取りであればよいのですが、開幕週の内枠となると馬群が密集するのはほぼ確実で、上りもかかりにくいとなるとここ2戦のように運べるかは難しいところです。

[2]③シゲルピンクルビー(泉谷)

 フィリーズレビューは前傾ラップでスプリント寄りの適性が求められたレースで、道中内に押し込められた上に4角でも一瞬ブレーキを踏むところがあり、前が開いた一瞬で決めました。ヨカヨカやミニーアイル同様に1200mでパフォーマンスを伸ばしてくる期待は持てそうですが、この枠でどうやり過ごすかが課題です。


 上記は泉谷Jのデビュー以来の「芝1400m以下」での枠順別成績です。短距離戦は先行争いが激しく、内枠は距離ロスの面で有利な分手綱さばきに左右される部分が大きいです。泉谷Jは若手らしからぬ差し競馬で実績を重ねていますが、この数字を見る限り短距離戦の内枠は鬼門のようです。これが差し馬であれば思い切って下げて外に回すこともできなくはないですが、それで間に合うタイプの馬ではないだけにどのように運ぶかが鍵になってくるでしょう。

[2]④ジャスティン(坂井)

 芝での勝ち鞍は1400m以上。1200m戦では一本調子にならざるを得ず、ダートならそれでも良いですが芝ではギアチェンジできる脚力が必要で、成長に期待する手はありますがそれでも一昨年の葵Sで2.0秒負けとなると仮に巻き返せていてもどこまで、という計算は立てにくいのが正直なところです。

[3]⑤ケープコッド(吉田隼)

 1200m戦では崩れていない上、2歳戦だけとはいえ北海道では(2,1,0,0)と洋芝も合っています。速い流れでも前目から脚を使えるタイプで、前走の鞍馬Sも差し決着の中唯一先行勢で掲示板(⑤着)に残しました。但し発馬があまり良いタイプでないため、この枠ではスムーズに運べない懸念があります。

[3]⑥リンゴアメ(秋山稔)

 1200mでは最内枠で出負けした前走を除けば①①④と崩れなく走れてはいます。但し前走の出を見る限りでは古馬重賞で内枠を引くと位置を取れない懸念は大きく、今回ももう少し外枠が欲しかったというのが本音です。函館2歳Sも上りが36.3もかかる展開に助けられてのもので、最低でも34秒台の上りが求められるこの舞台では通用可能性は見出しにくいです。

[4]⑦ミッキーブリランテ(和田竜)

 高松宮記念は大外枠+馬場もあり位置を取れませんでしたが、3走前の阪急杯のように内で良い位置を取れれば終いもしっかり脚は使えます。但し前半33秒台のレースが未経験な分置かれる懸念があるのと、追い切りの動きだけ言えば前走のほうが良かっただけに初の北海道輸送がどう出るかでしょう。

[4]⑧カツジ(岩田康)

 スワンSの激走以降は1秒以上の大敗が続いていますが、そもそもスワンS自体前半3Fが35.5というスローに近い流れでハナを取れたもので、このメンツでハナを切れる脚力はないタイプです。その分終いに賭ければ脚は使えますが、陣営は好位からの競馬を示唆しています。但しそんなことをお構いなしに乗るのが岩田康Jであると言えばそれまであり、買うとすれば指示無視の追い込み策を取る可能性に賭ける、という視点でしょう。

[5]⑨タイセイアベニール(小崎)

 前崩れの展開で最後まで脚を使えるタフさが持ち味で、北海道でも(1,3,0,1)と走れています。前走の3着は前を走るクリノガウディ―が内の馬をきれいに掃除()してくれたおかげもありますが良い頃の末脚が戻ってきており、近2走分の時計だけ走れれば台頭の余地はあると見ます。

[5]⑩ジョーアラビカ(横山和)

 暑い時期に走れておらず、6~8月は(1,1,0,5)。連対は未勝利・500万下といずれも下級条件でのもので、平坦より坂のあるコースが合っている戦歴からもここでは強くは推せないかと。

[6]⑪コントラチェック(丸山)

 札幌は未勝利勝ちもある舞台ですが当時は1800m。前走のオーシャンSは稍重の影響もあり前に行った組がそのまま押し切れるレースでしたが、今回はそこから1枚は時計が早くはなりそうで最後の1Fでどこまで持ちこたえられるかが鍵になりそうです。

[6]⑫ロードアクア(田中健)

 発馬が良いタイプで、内でごちゃつくよりは外目からスムーズに先行できた方が結果を出せています。但し、前走は不利を受けた大敗とはいえクリノガウディーに被された時点で既にお釣りはなく、33秒台以下の入りとなった場合には上りが35秒以上かかることが求められます。昨日の2勝クラスでも33.5-35.1ですから、そこまで恵まれることは考えにくいというのが現状です。

[7]⑬センショウユウト(中井)

 前崩れ専門の差し馬かと思いきや、昨秋の福島の2戦のように前が残す流れを差し込んでくるレースもできる馬です。前走不良馬場を差し切ったこととも関連するのですがエンジンのかかりが遅く4角から加速できる展開にならないと差し届かないタイプで、現に2走前は1番枠に入ってしまいうまく助走をつけられなかった分エンジンがかからず、その前は16番枠で外から加速し3着しています。

 今回は13番枠で外は行きたい馬が揃ったことでスムーズに位置は取れそうです。ここで通用するのかというと微妙なところではありますが、例年の函館と違いコーナーの半径が大きく助走がつけやすいうえ、エアレーションでバンバン差しが決まる今の札幌であれば可能性は見いだせると見ます。

[7]⑭ビアンフェ(藤岡佑)

 去勢初戦で-12kgで出てきた前走のオーシャンSで最後まで見せ場を作っての3着。逃げられないと難しいところはありますが、内の先行馬はハナにはこだわらないタイプでポジション取りはそこまで苦労はしないでしょう。但しこの枠ですのでそれなりに出脚を使うことになり、ゴール前で踏ん張りがきくかは他の先行馬と同様にリスクであると考える必要がありそうです。

[8]⑮アルピニズム(団野)

 33秒台の入りで34秒台の上りを求められるとなるともう一押しが足りない印象で、1200mで1分08秒台のレース経験がない点からもOPではもう少し慣れが必要と見ています。

[8]⑯カレンモエ(鮫島駿)

 スピードの塊という馬で、前が残っても崩れても堅実に走るあたりは血は争えないという戦歴を見せています。出世を妨げているのは最後の一押しで、常に人気を背負い目標にされる存在でもあり最後に何かに差されるというレースが多いのも致し方のないところです。ハナにはこだわらないタイプなのでこの枠でも支障はないですが、前だけで決まらない展開になった場合に踏ん張れるか、ここは真価が問われる一戦になりそうです。

<予想>
◎タイセイアベニール
○カレンモエ
▲センショウユウト
△ビアンフェ
△コントラチェック
△ミッキーブリランテ
△カツジ

 前もそれなりに流れる中で差しを期待するとなると、中団からいい脚を使えるタイプがねらい目と見て中枠を引けたタイセイアベニールを抜擢します。


(ねらい目レース)

■東京6R エレフセリア

 前走は4角通過順がそのまま着順になるような流れを差し込んでの4着と善戦しましたが、ジリ脚タイプで後ろ過ぎても届かないという微妙な匙加減が求められる馬です。今回東京に変わるうえデムーロJに乗り替わるのは大きく、中団で脚を溜めて脚を伸ばすレースができればこのメンバーでも大きく差はないと見ます。

2021年6月12日土曜日

【6/12(土)予想】

■東京7R フィナールショコラ

 前走が前半34.5で逃げての2着。クラスを考えればハイペースの部類で、気分良く逃げて持ち味を発揮できた形でした。勝ったヘライアは次走2勝クラスを連勝しており、メンバーレベル的にも決して低くはないレースでした。今回もこの馬より内の各馬は控えたいクチで、行かせるにしてもチェスナットロールくらいでしょうからインの二番手は十分に伺える位置でしょう。人気の中心の3歳馬は前走ペースに恵まれた馬が多数で、この相手関係なら十分に頭を狙えると見ます。

2021年6月6日日曜日

【6/6(日)予想】安田記念の全頭評価とねらい目レース(高山S)

[1]①サリオス(松山)

 陣営曰く右トモをケアしながらの調整で「一度追った後で疲れが抜けたことを確認して次の時計を出した」というニュアンスの堀師のコメント。それが証拠に1週前に強めに追って直前は馬なり調整。週ごとにしっかりトラックコースで負荷をかけていた前走時に比べるとトーンダウンは明らかで、毎日王冠の圧勝劇からこのコースは合うものの、この調整では食指は動きません。

[2]②ギベオン(西村淳)

 3歳時からパフォーマンスを上げられておらず、前々走はかなり恵まれての逃げ切り、前走は極端な前傾戦で相対的に差し有利の中での0.4差7着と額面ほどの強さではなく、今回さらに斤量が上がる点もプラスとは言えません。

[3]③ダイワキャグニー(石橋脩)

 東京の1800~2000mがスイートスポットでですが、重賞になると一歩足りないのはやはり時計面の課題が大きく、好走した重賞もエプソムCは不良馬場、毎日王冠は稍重馬場と時計のかかるコンディションが奏功した印象です。前走のマイラーズCは速い流れをしのいだように見えますが、ラップ自体は飛ばしたベステンダンク(シンガリ負け)が作ったものでこの馬自身は+1枚半くらいのペースで走っていて、相対的に外側が有利だったコンディションもあり額面通りの評価はしにくいと考えます。仮に雨が降ったとしても、府中のマイルでは位置を取り切るのは難しいと見ます。

[3]④カラテ(菅原明)

 東京新聞杯の1.32.4という勝ちタイムは、近10年ではインディチャンプの勝った2019年の1.31.9に次ぐ好時計でした。ですが今回は中間爪不安で一頓挫あり中間も本数は乗られてるものの普段50秒台をマークする坂路でも最高が53秒台というデキ。地力で見せ場を作れるかという一戦になるでしょう。

[4]⑤グランアレグリア(ルメール)

 中2週で既に態勢はできており、中間に速めをやる必要がないのは明らかですがやはり最終の併せ馬で遅れたのは気になります。相手関係でいえば明らかに前走のほうが「舐めプ」が許される状況だったわけで、詰まった間隔以上に「シーズン3戦目」が初めてである点も不安と言わざるを得ません。

[4]⑥ダノンプレミアム(池添)

 間隔を空けて使われた方が好走できる馬で、2か月以上の休み明けで敗れたのは中間順調さを欠いたダービーのみでそれも0.2差の6着ですから十分に走れていると言えます。

 但し、過去2回の安田記念は⑯⑬着と凡走続き。もともと2歳時にサウジアラビアRCを1.33.0で勝っているように時計対応ができないタイプではないはずで、19年はスタートでアオった上にロジクライに前をカットされたもので言い訳が立ちますが、昨年はイン3番手を進んでおきながら直線で全く伸びず。過去のレースを見たところ、鍵は「直線を向いたときに前が開いているか否か」にあると考えます。


 上段2つは1枠を引いて直線でも押し込められ、エンジンがかかりませんでした。一方で下段の2つのように4角から直線にかけてスムーズに進路を取れた時はしっかりと脚を使っています。この馬はスピードに勝るところがあり、川田Jも道中で意識的に前に馬を置いて折り合わせているシーンが見受けられましたが、学習能力が高いのか直線でもそうなるとスピードをセーブしているようで、直線向いたときにうまく進路を確保できる枠順と展開が必要という結論に達しました。

 それで言うと、トーラスジェミニ・ラウダシオンを行かせさえすればあとの先行勢は内枠に固まっているので番手の外はすんなり取れそうです。昨年池添Jがグランアレグリアで勝った時のような展開に持ち込めれば、十分に台頭が見込める舞台でしょう。

[5]⑦ラウダシオン(M.デムーロ)

 (3,1,0,0)の言わずと知れた東京巧者で、昨年のNHKマイルCは言うに及ばず富士Sでも前半33.8のペースを先行し2着に残しているように、スプリント寄りのスピードはワンターンのこのコースに合っています。コースが変わってもイン受難のレースが続きこの馬に向く馬場状況とは言い切れないものの、トーラスジェミニを行かせて馬場の真ん中に持ち出せればそう簡単には沈まないはずです。

[5]⑧インディチャンプ(福永)

 初のスプリント戦だった高松宮記念で3着したように、スピードに関しては相変わらずG1級でしょう。4歳時と比べるとキレの面では一枚落ちた感は否めないですが距離延長で位置を取るのも問題なく、連・複候補としては抑えが必要な存在と見ます。

[6]⑨トーラスジェミニ(戸崎)

 東京での好走歴は前半だいぶゆったり進んだ百日草特別①着と不良馬場のエプソムC③着のみ。まともな時計になった場合は上りの面で懸念が大きいです。

[6]⑩カデナ(武豊)

 好走歴は中山や阪神内回り、ローカルなど一瞬の脚をうまく活かせる舞台に集中しており、後方から構えたうえで前もなかなか止まらない今回となるとギリギリまで追い出しを待って着狙い、というレースにならざるを得ません。得意条件でも今一つというレースが続く近況では大きな期待は懸け難いです。

[7]⑪ダノンキングリー(川田)

 復調に手間取り久々の一戦となりますが、ここ数週はポリトラックやダートでの調整が続き完調とは言えない状態。もともと57kg以上では勝ち切れていない馬で、斤量面の対応も不安を残します。

[7]⑫ケイデンスコール(岩田康)

 昨秋のポートアイランドSで岩田康Jが乗った時から、馬にやる気が戻ってきたように見えます。このレース自体は不利もあり大敗していますが、その後は順調に着差を詰め重賞を2勝。前が残るレースで前目で進め、後方有利戦でしっかり控えてとここ3戦は位置取りが勝敗に直結している印象ですが、それができるようになった点も含め精神面での成長は目覚ましいと言えるでしょう。左回りワンターンのマイルはG1②着含め得意の舞台で、しっかりポジションを取れれば台頭できる1頭と見ます。

[8]⑬シュネルマイスター(横山武)

 古馬牡馬と比べて4kg減というのは大きいですが、流石に状態は前走がピークだったと見ます。本来前走もソングラインがまともに走っていれば2着だったレースで、時計は優秀でもここではさらに速い上りを使わなければ間に合わない舞台で、もう1段階上を望むのは今回は難しいと見ます。

[8]⑭カテドラル(田辺)

 思い切って末脚に賭けた方が結果の出るタイプで、ここ2戦は中団から運び直線で鋭く伸びるレースで連続②着。特に2走前の東京新聞杯は先ほど挙げたカラテとタイム差なしで走っており、2019年のNHKマイルCでも前半33.9の流れを中団から追走し33.7の上りで3着に食い込む走りを見せるなど、しっかり溜めるレースができればこのコースでは崩れていません。

 振り返れば、そのNHKマイルCではケイデンスコールとともにグランアレグリアを負かしているわけで、テンが流れやすく外差し傾向にある今の東京は向いている舞台でしょう。調教もここ2走以上に好タイムを出しており状態はシーズンで一番。グランアレグリアは被されるのを嫌うのでおそらく外に持ち出すと思われますが、そうなるとその内を突けるタイプの差し勢にチャンスが生まれます。流れが向かなければ出番は難しいですが、馬群の中で脚を溜めた方が良いこの馬にとってそう縦長にならないであろう今回のメンバーも好都合で一発を狙うならここからでしょう。

<予想>
◎カテドラル
○ダノンプレミアム
▲ラウダシオン
△グランアレグリア
△インディチャンプ
△ケイデンスコール

 現にグランアレグリアに先着したことのあるカテドラル。理想としてはダノンプレミアムの後ろに進路を取って叩きあいに持ち込んでもらえたら良さが活きると見ます。グランアレグリアは今年の初戦で大阪杯を使っておきながらマイルで連戦。中距離路線を見据えていたことを考えれば国内G1・8勝に届かせるために急遽参戦したように見え、ペースも激流とまでは行かないこの舞台では他の馬にも付け入るスキはあると見て連下までとしました。


■中京11R ニホンピロスクーロ

 他馬を気にするところがあり、逃げられれば2戦2勝。仮に逃げられなくても前半が60秒を回れば掲示板を外しておらず、程よくテンの時計がかかるレイアウトの中京芝2000mも好都合で。メンバー的には他に行きたさそうな馬はシャイニーゲールくらいで、飛ばす逃げ馬ではないのでうまく目標にして進めればここも即通用の期待は大きいです。

2021年6月5日土曜日

【6/5(土)予想】鳴尾記念の全頭評価

■中京11R

 東海地方では金曜に記録的な大雨がありましたが、朝の時点で稍重まで回復。水はけがよくなったと感じます。

[1]①ブラストワンピース(岩田康)

 馬体回復に時間を要し半年ぶりの復帰戦ですが、陣営は太目残りであることに言及しており「この一追いでどこまで」という状況。ご存知の通り体重が増えやすく減りにくい馬で、直前に急激にシェイプアップすると着を落とす傾向にあります。下記は調教後馬体重と本番の体重を示したものですが、概ね10kg以上の体重減があると凡走する傾向にあります。

20'天皇賞秋 560→550(1.7差⑪着)
20'宝塚記念 558→542(4.5差⑯着)
20'大阪杯  552→542(0.6差⑦着)
19'大阪杯  545→530(0.3差⑥着)
18'有馬記念 540→534(0.0差①着)
18'菊花賞  537→530(0.4差④着)
18'ダービー 539→532(0.2差⑤着)

 昨年のAJCC(①着)が546kg。今回は帰厩時560kgとのことで、そこからあまり絞れてないとなると550kg台前半まで持ってこれているかは微妙なライン。流石にここはメンバーが違うので八分程度でも押し切る可能性はありますが…

[2]②アフリカンゴールド(藤岡康)

 出していくとキレ負けし、かといって溜めても差し切れるほどの脚はないという難しい馬。白富士Sの0.2差4着は評価できるものですが、仮にそれと同じだけ走ったとしてもこのメンバーでは足りないと見ざるを得ません。

[3]③ユニコーンライオン(坂井)

 2走前は最後の一脚で激走しましたが、本来は前走のように前目から押し切る方が合っている馬。長期休養を経て、ソラを使うなど精神面の幼さが解消しており中間も前走同様にしっかり乗り込めているのは好材料。何より矢作厩舎が間隔を詰めて使ってくるときは好調のサインで、2018年以降中2週以内なら単回124/複回95。これが坂井J騎乗時だと単回114/複回113と安定感抜群(しかも該当条件20-20-28-132で断トツの騎乗回数)で、ショウナンバルディを見ながら運べる今回もスンナリ先行が叶いそうで好走の目は十分あると見ます。

[4]④ペルシアンナイト(幸)

 マイルCS、有馬記念ともに0.6差の⑦着に好走しており、このメンバーの中に入れば断トツの実績と言えます。本質的にはスピードを活かしたいタイプで、ここ2走は重馬場に泣かされました。馬場は回復が見込まれ、中間の動きも抜群。左回りさえこなせればアッサリの可能性も。

[4]⑤ワイプティアーズ(松若)

 上りがかかるときに好走するタイプで、芝でレースの上りが36.0以上なら(3,1,0,0)、それ未満だと(1,1,2,18)。後者での好走歴は下級条件時代と前崩れの逆瀬川S(②着)で、やはりOPではそこまで恵まれることは稀と言わざるを得ず馬場も回復しているとなると台頭は難しいと見ます。

[5]⑥ブラヴァス(武豊)

 ペルシアンナイトと同じ臨戦過程につきここ2走の敗因は馬場と見ることができますが、この馬の場合昨年の七夕賞で荒れ馬場&重馬場を2着している実績があり、そこが敗因というのを額面通り受け入れられるかは微妙なところです。金鯱賞は先行勢が恵まれる中3角で手ごたえを失くしずるずると後退。気温の上昇でコンディションを戻している期待もできますが、1週前はコースで併せて遅れ、最終はポリトラックでの調整となると本来の調子を取り戻せているかは疑念が残ります。

[5]⑦サトノソルタス(川田)

 この馬は休み明けでこそ走るタイプで、2か月以上の間隔を開けたレースは(1,2,2,2)に対しそれ以外は(0,0,0,4)。後者に該当する今回は前走以上のパフォーマンスは望みにくく、メンバーも落ちるわけではないここでは大きな期待は懸け難く。

[6]⑧ショウナンバルディ(池添)

 前走や6走前の関ケ原Sのように、前半が60秒を回るような流れで先行できれば残せるだけの力はあります。そういった意味ではスタート後坂になる中京2000mコースは合っている舞台です。同型が居ないここではスムーズに先行できそうで、押さえる必要性はあると見ます。

[6]⑨ヒンドゥタイムズ(福永)

 後ろ過ぎると届かず好位で壁を作りギリギリまで仕掛けを待つやり方が合っている馬で、ペースが落ち着きそうな今回もこの馬向きの陣形になると見ます。同じ舞台で行われた3走前のケフェウスS(④着)は包まれて動きたいところで動けなかったことに加え、相対的に後方外が有利の展開も向きませんでした。2走前のチャレンジCのようなキレ勝負になると厳しいですが、一瞬の脚をうまく生かす展開に持ち込めれば好走できるでしょう。

 但し、陣営が言及しているように中間気温が上がったことにより中間夏負けがあったことは懸念材料。天気が回復し夏日予想のコンディションでは体調面の不安が残ります。

[7]⑩ペプチドオーキッド(富田)

 前走は稍重の割に芝2200m戦で前半59.4秒と流れ、外差し傾向もあり36秒台の脚でも間に合うレースでした。ここ4戦連続連対ですがいずれも前傾戦or重馬場で上りがかかっており、落ち着いたペースで35秒程度の上りが必要となるとここではまだ厳しそうです。

[7]⑪クラージュゲリエ(松山)

 4角6番手以内なら(1,1,2,0)で、いかに好位を取れるかが鍵になる馬です。そのためには道中が60秒以上で流れることが理想で、前走は距離短縮ローテで位置を下げてしまったことが敗因でした。休養明けで太目残りの気はあるものの中間の本数は十分で、急坂で甘くなる懸念はありますが距離延長+今回のメンバーなら位置取りは問題なさそうで、極端なキレ勝負にならなければ。

[8]⑫アメリカズカップ(西村淳)

 他の馬が嫌がるような雨・重馬場でも力を出せる点がセールスポイントですが、なかなかその条件に巡り合わないことから戦績は地味なものになっています。衰えているわけではないですが、晴れの良馬場が見込まれるここでは。

[8]⑬サンレイポケット(鮫島駿)

 左回りは安定していますし長くいい脚を使えるタイプですが、直近の2つの勝ち鞍はいずれも極端に上りがかかったレースでした。前走の新潟大賞典は前半3Fが34.2とマイル戦のような流れで最後は37.6もかかりましたし、昨年のジューンSは大雨の影響でラストが37.8。中京はそれなりに上りがかかりますから好走は可能と見ますが、流れ一つで着を上げ下げしてしまうタイプなだけに極端に流れることはなさそうなこのメンバーでは取りこぼしの懸念もあります。

<予想>
◎ユニコーンライオン
○ペルシアンナイト
▲クラージュゲリエ
△ヒンドゥタイムズ
△サンレイポケット
△ショウナンバルディ

 体調さえ整えばヒンドゥタイムズ中心で問題ないと踏んでいたのですが、天候を考え押さえまでとしました。上位3頭の印を繰り上げる形でユニコーンライオンを中心視。