先行できるかどうかがカギを握る馬で、周回コースでの好走は全て4角3番手以内で通過した時のものでした。ここ2戦は他の馬も速く積極的に位置を取りにいかなかった分の敗戦で、前傾戦に強いタイプでこのコースでも好走実績があります。但し別定戦につき2勝クラスでも54kg背負わされてしまうのは分が悪く、この枠では1桁番手を取れるかどうかも怪しいので。
[1]②モメチョッタ(城戸)
2走前にこのコースで1番枠から③着したレースは見事なコース取りでした。但し荒れ馬場+稍重のコンディションにつき決着タイムが57秒8という超低速戦で、必要以上に外に馬が密集し下級条件戦ゆえにそれらがポツポツと脱落する中でうまく風を除けられたのも大きかったです。古馬につき斤量面での恩恵もないここでは。
[2]③ヒロイックアゲン(荻野極)
昨年10月のルミエールADで重馬場を逃げ切っておきながら、前走の韋駄天Sでは見せ場なく惨敗。ルミエールADでは18番枠から好発を決められたことに加え、この馬の走るコースだけが掘れることなく良い状態を保てていたことも大きかったです。一方韋駄天Sでは開催が進みほぼ土の上を走るようなコンディションで、まさしく雲泥の差がありました。韋駄天Sで力を出せなかった実績馬の評価は難しいところがありますが、この馬に関しては直千適性・夏の実績ともに十分な上、2走前のオーシャンSでも0.3差④着に入っているように力の衰えは皆無でしょう。
年齢と枠で人気を落とし気味ですが昨夏の稲妻S(3勝C)で1番枠から②着しており、加えて今回は古馬重賞としては史上最低レベルに近いメンバーで別定戦。ここまでメンバーが薄いとオープン馬にとって馬齢重量はむしろ逆ハンデで、うまく捌けさえすれば掲示板以上があっても。
[2]④ジュランビル(松若)
3歳夏までに3勝しましたがそこから3勝クラスで足踏みが続く現状。小倉を得意としておりHペースの前傾ラップは得意なのですが、前走はダート馬のピアシックを除けば実質6頭立ての3着で強調できる内容ではありませんでした。気になったのは、出ムチをくれてまでハナにこだわった割には最初の11.9-10.4の区間で前に行けなかったうえ、終始インの好位をキープしておきながら逃げたビアイを交わすのがやっとというレースぶり。本質的にはスローの前残りかHペースの前崩れでしか好走と言えるレースをしておらず、最初の2Fが21秒台で流れるここではそもそもレースに参加できるのかが怪しく…
[3]⑤リッチクレマチス(原)
テンのスピードはそれなりにあるタイプなのですが、ローレルゲレイロに母父メイショウサムソンという明らかなパワー型で2勝はいずれも馬場が渋った前傾戦。それなりに条件の揃った4走前の中山戦でさえ1秒以上負ける現状では…
[3]⑥モントライゼ(川田)
京王杯2歳Sを勝った時には優秀なスプリンターになると目していたのですが、3歳になってテンが速くなると③⑤着と取りこぼしが続いています。2歳時の2勝はイーブンペースないしは前傾戦を押し切ってのもので、最後に一足が使えるタイプでもないため前に行けないこの枠と馬場状態を考えるとこの人気で手は出し辛いです。
[4]⑦グレイトゲイナー(丸山)
前走のテレビユー福島賞で1桁番手にいた馬で掲示板を確保したのは②着のこの馬と③着のヴェントヴォーチェ。後者は土曜のTVh杯を快勝しましたが、当時は長欠明けで余裕残しの仕上げで力が違ったという見方ができるでしょう。故に、それに先着したからと言って高い評価はしにくく、むしろグレイトゲイナー自身前半3F33.0というレースは経験したことのないハイペースで、最後アカノニジュウイチに捕らえられたあたりはペースの問題が大きいと見ます。3勝はいずれも逃げか2番手で前半が34秒以上のレースであり、テンだけ速い馬は多数いるのでここでは理想の位置取りを得ることは難しいと見ます。
余談ですがロボットアニメにありそうな馬名です。但し富野由悠季の作品には「濁点」と「ン」が必ず入るためその要件は満たしておらず。東映あたりの作品で探せば出てきそう、グレイトゲイナー…
[4]⑧タマモメイトウ(津村)
前走は見事な末脚でしたが、32秒台前半が当たり前のこのコースで上り33.4というのは特筆する数字ではなく、荒れ馬場で先行勢が脱落した利も大きいレースでした。元々周回コースでも末脚が嵌るか否かという極端なレースしかできない馬で、開幕週でまともに斤量を背負うとなると再現性は薄いと見ます。
[5]⑨トキメキ(田辺)
昇級してペースの壁を打ち破れておらず、連勝中は前半34秒台のレースで好位から差し切ってきましたが3勝クラスで前半33秒台のレースになると着外続き。脚を溜めることが難しいこの舞台では。
[5]⑩アルミューテン(柴田大)
韋駄天Sは道中最後方で漁夫の利を得ての4着で、このコースでの好走歴がありますがいずれもハナを切れてのもの。元々周回コースでもハナを切れないと好走できない馬で、1200m戦で控えさせてからのこの舞台でハナを切れる確率は低いと見ます。
[6]⑪ロードエース(松山)
上りのかかる展開に強いダート馬らしく見せ場を作れたのが前走の韋駄天Sでした。ダートでもテンが32秒台になると追走できておらず、まっとうなスピード勝負では分が悪いです。
[6]⑫ライオンボス(鮫島駿)
荒れ馬場で58kgを背負いまともに先行した韋駄天Sは参考外とできるレースでした。それを除けばこのコースで(4,2,0,0)としており文字通りの「直線番長」。元々ダートを走っていた時の2勝も全て1000m戦で、一息で走り切れる舞台が合っているタイプ。昨年は同様にこのコースを得意としていたジョーカナチャンに足下を掬われましたが、今回は初顔合わせの3歳勢を除けば一通り勝負付けの済んだメンバーでだいぶ与しやすくなりました。直前の調教が軽いのは少し気がかりなのと、流石に31秒台で逃げ切った4歳時と比べるとバリバリ最強というほどではないですが、ここでなら外せない存在でしょう。
[7]⑬ビリーバー(杉原)
昨年3着となって以降良いところがありませんが、前走のパラダイスSでは32秒台の脚を遣いながら前残り展開に泣かされました。それ自体は3着のホープフルサインと同水準であるものの、前半36.2という明らかなスローペースにも拘らず直線向いてからゆっくり進路を探して400mから追い出すというレースをされては流石に敵いません。元々夏場は動ける馬で、直前手控えましたが1週前に負荷をかけたことを考慮すれば十分でしょう。追い込むにしても好位につけられるこの枠は好都合で、良馬場でやれさえすれば昨年の再現も十分考えられるでしょう。
[7]⑭オールアットワンス(石川)
この馬も3歳になりテンが速くなると詰めの甘さが露呈し出世が遅れていますが、バテない分着をまとめられています。但し前走の葵Sにしろその前のマーガレットSにしろ、この馬より後ろの着順だった馬は自己条件に帰って全く通用していません。2歳時の2勝も緩めのペースを押し切ったものと考えれば、いくら51kgとはいえこの舞台で持ち味を活かせるタイプとは見えないだけに。
[8]⑮セピアノーツ(藤田菜)
4走前のこのコースで未勝利戦を勝っていますが、この時の55.7という勝ちタイムは同年の開催では下から数えた方が早いレベルで、良馬場ということを考えてもクラスなりという評価の域は得ません。51kgですしハナを切れれば見せ場は作れると思いますが、流石に1勝クラスの馬が単勝10倍台前半では過剰人気の感もあり、押さえるなら連・複の相手として扱うのが妥当でしょう。
[8]⑯ルドラクシャ(斎藤)
ロジクライの取り消しで大外枠になりましたが、この舞台で勝った未勝利戦の55.8という時計はさして強調できるものではありません。自己条件の直千でも色々と注文がつく現状ではいくら絶好枠でもこの舞台では手は出し辛く。
<予想>
◎ヒロイックアゲン
○ライオンボス
▲ビリーバー
16頭中9頭が格上挑戦で、1勝クラスも3頭いるという古馬重賞は見たことがなく、メンバーのレベルだけで言えば史上最低と言っても差支えは無いでしょう。直線競馬という特殊条件に活路を見出したことも考えられますが、土曜の自己条件ではなくここを使ってきている陣営の中には重賞で10着以内でもらえる出走奨励金をアテにしている(=自己条件戦でも勝負になるか)ケースも少なくはないと考えられます。
先述した通り、枠のせいもあり◎ヒロイックアゲンはかなり舐められた人気になっていますが、枠の有利不利で1勝クラスの馬がOP馬を逆転できるとはさすがに思えず、内枠から好走している実績も踏まえて抜擢した次第です。
相手も昨年のアイビスSD好走組の2頭で。見た目の印象以上に格下馬が入り込む余地は薄いと見て、印はこの3頭に絞ります。
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