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2021年7月4日日曜日

【7/4(日)予想】W重賞の全頭評価とねらい目レース(函館11)

■小倉11R

[1]①タイセイビジョン(川田)

 前走に関しては位置取りが後ろになってしまい、直線でもなかなか前が開かずでまともに追えませんでした。こうなると前が止まらない流れでは厳しいですが、さほどペースも速くなかったので本来はもう少し積極的に位置を取りに行ってよかったはずで、なすすべなく敗戦したあたりはやはり絶対的な追走力という点ではOPレベルだと厳しいという見方になるでしょう。前半32秒台は必至とみられる今回は32秒台の脚でも使わないと届かなさそうで、57kgはかわいそうですしそもそもそういうタイプでもないだけに…

[2]②メイショウケイメイ(藤懸)

 紅梅S勝ち、フィリーズレビュー0.2差5着、21'京都牝馬S0.7差7着とベストパフォーマンスが発揮できるのは1400m戦。1200mで2勝してはいますがいずれも1分10秒台のレースで、同じ51kgでもこの舞台の適性では他の馬に譲ると見ます。

[3]③ファストフォース(鮫島駿)

 8か月ぶりのレースになりますが中間はじっくり乗られ、2週前の時点で坂路で54.6-11.9、1週前も53.2-11.8と好時計を連発。輸送を控えた当週こそ54.7-12.2といくらかセーブしての仕上げでしたが、この調教過程は昨年の夏に西部スポニチ賞(2勝クラス)を勝った時の流れと合致します。

 その西部スポニチ賞は稍重で1.08.3。同日に行われた北九州記念が1.07.8となると良馬場ならそおそらくもう半分は時計は詰まったでしょうが、仮にそのレベルの脚を持っていたとしても1分6秒台の決着が見込まれるここではもう少し時計を詰められないと厳しそうです。調教過程からはここを目標にしていることが伺えますが、格上挑戦で長欠明けと超えるべきハードルは多くて。

[4]④クリノアリエル(富田)

 形式上は格上挑戦ですが、既に3勝クラスで0.1差の接戦を2回も経験しており現級上位と言えるでしょう。3走前の大濠特別で先着したメリーメーキングは土曜の函館日刊スポーツ杯(3勝クラス)を勝利、2走前はビオグラフィーが逃げ切る流れを差し込んでの3着で価値の高いレースでした。しかも当時はビオグラフィー52kgに対しクリノアリエルが53kgと1kg貰っていた形。逆に3kg貰いとなるここはチャンスであるうえ、4走前にこのコースで1.07.0で勝っている点からも時計対応は問題ないと見ます。頭数もこの条件にしては手ごろで、馬群を捌ければ大金星の可能性も。

[4]⑤クーファウェヌス(酒井学)

 このコースは(1,1,2,2)と安定して走れており、着外の2回は稍重時。良馬場ならパーフェクトです。天気が心配されましたが前日時点での予報では本降りになるのは夕方以降とのことで、レース本番まで馬場は持つ見込みにつきこのメンバーなら1枚押さえは必要かと。

[5]⑥ビオグラフィー(藤岡康)

 前走の京王杯SCでは初の強敵相手もメドの立つレースができました。但し前半34秒台の単騎逃げとなるとG2ではかなり恵まれた方で、32秒台を踏まなければいけない今回はそう楽な競馬は望め無さそうです。古馬戦に使うようになってから掲示板を外した2回がいずれもこのコースで、テンが流れるレースはこの馬の本質的にも苦手と見るべきでしょう。

[5]⑦プリカジュール(角田)

 いくら49kgとはいえ芝で未勝利、下関Sの1.08.7の決着タイムでも残せなかった現状では通用可能性は見出せません。軽ハンデ・格上挑戦という存在がこの馬だけなら舐められて残せる目も考えられますが、色気を持った存在は他にも大勢いるだけに。

[6]⑧メイショウチタン(松若)

 前半が35秒くらいで流れてくれるのが理想で、1200mではそれを望みにくいことから現状良績は1400mに集中しています。但し2走前の鞍馬Sでも4着したように前崩れの展開でも残せており、スピードの持続力のあるタイプにつき望みどおりに前が流れれば残り目は期待できるでしょう。

[6]⑨ヨカヨカ(和田竜)

 スプリント適性の高さは証明済みで、前走の葵Sも位置取りの差を思えば勝ちに等しい内容でした。但しもともと差しが決まるコンディションで比較的後方待機勢に流れが向いたことも事実で、小差で走ったファルヴォーレ、フォイアーロートが次走2勝クラス戦で歯が立たなかったことを考えればこのレースのレベル自体は2勝クラス程度という可能性があります。2着に入ったフィリーズレビュー組のその後も考えれば、押さえる必要性は認めてもここでここまで人気するのはやや過剰に映ります。

[7]⑩アウィルアウェイ(松山)

 馬場状態でパフォーマンスが左右される馬で、良馬場(3,1,2,3)に対し稍重以下では(1,0,1,6)。良馬場で着外の3回の内1回は3歳時の京阪杯④着で不利を受けてのもの、その他2回は適性外のマイル戦ですから、スプリントでは崩れずに走れています。テンが流れるレースは得意で、昨年の北九州記念、スプリンターズSと連続③着は前半32秒台のハイペースを差し込んでのものでした。その北九州記念を基準に考えれば、ここはメンバーが大幅に易しくなるうえ斤量は55.5kgで据え置きですから、順当に走ればここは勝機でしょう。

[7]⑪ピクシーナイト(福永)

 気難しさが顕著になっており距離短縮はプラスで、音無師も語ってる通り3歳重賞を勝っておきながら53kgで出られるのは有難いでしょう。但し近走のレースぶりを考えればこの枠ではテンから飛ばしていってしまう懸念があり、ビオグラフィーの後ろに収まればよいですが前に馬を置けない展開になってしまうと最後まで脚が持つかの不安は残ります。

[8]⑫メイショウカリン(秋山真)

 3走前にこのコースで勝っているとはいえ当時の勝ちタイムは1.08.3で、2走前の北九州短距離Sで1.07.0の決着タイムとなると歯が立ちませんでした。とはいえ当時は内が悪くなっており、脚質的に大外を回される展開になったことも災いしました。OP馬にも拘らず準OPのクーファウェヌスと同じ51kgで出られる点は見逃せず、差しの巧い秋山真Jに手が変わるのであれば押さえは必要でしょう。

[8]⑬ノーワン(荻野極)

 かれこれ2年4か月勝ってないものの、終いは必ず一脚を使えるタイプで着差ほど負けているレースは多くはありません。但し、助走をつけて長く良い脚を使うタイプではなく馬群の中で脚を溜めて最後の一脚で決めるレースが理想で、阪神1400mのようなレイアウトのほうが力が発揮できるだけにこのコース、この枠では脚の使いどころが難しいと見ます。

<予想>
◎アウィルアウェイ
○クリノアリエル
▲メイショウカリン
△メイショウチタン
△ヨカヨカ
△クーファウェヌス
△ファストフォース

 脚質的にアテにしにくい馬であることは確かですが、スローペースは望めないだけに最終的には追い込み勢に流れが向くレースになるだろうという見立てでアウィルアウェイを含め後方待機組を上位にとりました。


■福島11R

[1]①デルマセイシ(菅原明)

 2勝はいずれも中京のマイル戦で、1000mが60秒以上かかる緩い流れを利してのものでした。他レースで大敗している点からも好走条件はかなり限られると見られ、開幕週でそれなりに逃げたい馬も居るここでは。

[1]②ヴァイスメテオール(丸山)

 デビューから3戦は超が付くスローペースで、まともなペースを経験したのは前走が初めてでした。とはいえそれでも東京2000mで前半60.3では前が残るのも仕方なしで、2桁番手から唯一掲示板に入ったレースぶりは評価できます。母のシャトーブランシュはマーメイドSでマリアライトを降すなど良績は6-9月の夏場に集中しており暖かい時期もプラス。なし崩し的に脚を使いたくないタイプだけに今の福島でどうかという点はありますが、食い込みには注意が必要かと。

[2]③アサマノイタズラ(嶋田)

 皐月賞ではまともに掛かってしまい勝負になりませんでした。但しG1のペースでかかってしまうとなるとこれは馬ではなく騎手の側の問題が大きく、嶋田Jにとっては3走前の水仙賞の敗戦が頭にあることは間違いないでしょう。となるとここもうまく壁を作って…というレースは期待できずで、トップハンデを背負うここではプレッシャーのほうが大きいでしょう。

[2]④プレイイットサム(M.デムーロ)

 前走の山藤賞では控える競馬で新味を出しましたが、当時のメンバーは次走自己条件ですらまともに走れておらず、高い評価はつけにくいのが正直なところです。

[3]⑤ボーデン(武藤)

 スプリングSは外を回した差し馬がこぞって上位に入るレースで、内を通ったこの馬の3着は着順、着差以上に強いレースでした。これで今回アサマノイタズラに対し1kgハンデの恩恵があるのであれば前進期待です。

 但し武藤Jはクラスが上がるごとに戦績を落とす傾向が強く、OP級以上で124戦(7/2時点)して未勝利というのは馬以上に騎手にクラスの壁があるように見受けられます。馬質と言えなくもないですが、5番人気以内の騎乗機会も16回ありながらこの数字ですので…


[3]⑥リッケンバッカー(幸)

 NHKマイルCの4着は後方勢に多分に流れが向いたものでしたが、馬群を気にしないタイプでうまく捌くことができた分の好走でもありました。但しこの馬がキャリアで唯一掲示板を外したのがコーナー4回の小倉1800m戦。この時は直線で外に大きく膨らんだかと思えば左ムチで内に飛ぶところを見せ、コーナーリングへの不安を覗かせるレースでした。その後一貫してワンターン、しかも直線の長いのマイル戦を使われている点からも、加速しながらのコーナーリングが求められるここでは能力全開とは行き辛く。

[4]⑦シュヴァリエローズ(吉田隼)

 萩Sを勝ったからという理由で55kgを背負わされていますが本来は1勝クラス相当のレースで、若葉Sでもアドマイヤハダルに0.5差つけられていることを考えればここでは酷な斤量と言えます。ホープフルS5着の実績を考えても押さえまでが妥当かと。

[4]⑧ロードトゥフェイム(木幡巧)

 コーナー4回のコースでは崩れなく走れていましたが、前走のスプリングSでは向こう正面で落鉄し0.8差の8着。ただでさえ走りにくい重馬場に加え馬体減、ソエを気にしながらの調整とマイナスが重なった中ではよく走れていました。この中間は十分な本数を乗られ態勢は整っており、通常の1勝クラス勝ちと同じ53kgで出られる点も好材料。4角から動かしていける脚質もこのコース向きで、台頭あっても驚けません。

[5]⑨スペシャルドラマ(戸崎)

 前走は比較的前有利の流れながら4角4番手通過から6着。使える上りに限界がありキレよりも粘り込みで勝負したいタイプで、適度に時計がかかる今の福島の馬場は合っていると言えるでしょう。但し実質7頭立ての2走前のレベルからはここで強調するには物足りないと言わざるを得ません。

[5]⑩ワールドリバイバル(津村)

 ここ2戦は流石に相手が強かったですが、スプリングSでも不利なインで逃げて0.7差6着なら悲観する内容ではありません。但し黄菊賞で前半62.6と恵まれながら残せなかったあたり上りが使えないタイプのようで「スローで流れてほしいけど一本調子で逃げ切れる」展開が理想で、3走前に小倉で逃げてスローで押し切ったようなレースができれば…という現状でしょうか。流石に重賞でそこまで恵まれる展開は望めないだけに。

[6]⑪タイソウ(三浦)

 道中13秒台の区間を作って息を入れられるペースであれば好走できますが、そうなると2000m未満だと厳しくなってしまいます。コーナー4つは歓迎ですが、この距離の重賞で13秒台の区間はできなさそうで。

[6]⑫アイコンテーラー(亀田)

 前でレースができればしぶとい馬で、前走の早苗賞は47.3-49.9の前傾戦を2番手で押し切る好内容でした。但し昨年の勝ち馬バビットが早苗賞を逃げ切った時が1.47.8で、稍重とはいえ1.49.3では時計対応に不安を残します。

[7]⑬ワザモノ(柴田善)

 前半が36秒以上かかる「スローの短距離戦」でしか勝てておらず、本来このくらいの落ち着いたペースが良いならもう少し長い距離に適性がありそうです。重賞OPでは大敗していますが絶対的なスピード値の差であり、距離さえ持てば紛れはあってもという期待はできるかと。

[7]⑭ノースブリッジ(岩田康)

 コーナー4つの2000m戦で2連勝しておりコース変わりは歓迎ですが、その2勝はいずれも前半63秒台の恵まれた流れであり距離が短くなるうえ時計ももう少し流れるとなると、逃げないまでも追走の面で不安を残します。

[8]⑮グランオフィシエ(大野)

 デビュー戦は不良馬場に脚を取られての4着、2戦目は前半4Fが49秒とスローになりトゥーフェイスの楽逃げを許した分の2着で、この2戦は型通りに実力を発揮して勝ったと言えるでしょう。但しいずれも東京芝2000m戦で、直線向いてのヨーイドンで間に合う舞台だったことも事実。福島芝1800mは3角から加速が始まるコースで、早めに動かしたときにこれまでと同じように脚を使えるかが鍵になるでしょう。2戦目の東京芝1800mの内容を見る限りでは、そちらの流れになると脆さを露呈する懸念の方が大きいです。

[8]⑯ヴェイルネビュラ(田辺)

 前走のNHKマイルCの時にも言及しましたがジュニアCは実質1勝クラスで、この実績を基に55kgを背負わされるのはかわいそうです。スプリングSの5着も外差し勢が有利だった展開を思えばさして強調できる内容ではなく、東京での2戦で敗れているようにキレ勝負にも向かないとなると内枠を取って先行して最後に一脚、というレースが理想ですがこの枠ではそれも望み薄で。

<予想>
◎ロードトゥフェイム
○ボーデン
▲ヴァイスメテオール
△シュヴァリエローズ
★ワザモノ

 落鉄しながらの前走内容を考えれば、ロードトゥフェイムが53kgなら通用の素地はあると考えます。ボーデンは鞍上で割り引きましたが実力通りに走れば対抗一番手は揺るがないかと。


■函館11R マドラスチェック

 まともにOPで走れていない馬の集まりで、実績馬と言えば昨年G3で2着が2回あるドゥオーモが目立つ程度。手ごろな頭数で行きそうな馬がいないとなれば、逃げて良績を残しているマドラスチェックの残り目は無いでしょうか。もともとデビュー勝ちは芝で、クイーンCでもクロノジェネシスから0.5差の6着と善戦していました。洋芝なら絶対的なスピードも補えますし、開幕週でうまく前を取れれば一発が期待できるでしょう。

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