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2021年7月18日日曜日

【7/18(日)予想】W重賞の全頭評価とねらい目レース(福島テレビOP)

■函館10R

[1]①カフェファラオ(ルメール)

 力の違いで押し切った新馬・ヒヤシンスSを除いて、重賞では「テンのペースが上がると好走⇔落ち着くと凡走」という傾向が見て取れます。

・前半3Fタイムと着順
 ユニコーンS(1着)12.1-10.9-11.2→34.2
 JDD(7着)12.2-11.4-12.3→35.9
 シリウスS(1着)7.2-11.0-10.9-13.1→35.7(1900m戦のため推定)
 チャンピオンズC(6着)12.7-11.1-12.7→36.5
 フェブラリーS(1着)12.5-10.8-11.4→34.7
 かしわ記念(5着)12.0-12.0-12.3→36.3

 かねてから言われているストライドの大きさ故小回りコースでは走りにくいという点も頷けますが、個人的にはこの馬に関しては気性的な部分が大きいと見ています。例えばシリウスSやヒヤシンスSで後方から外を回して勝ったように、あるいはフェブラリーSのように周りに馬がいない環境で速めのラップを折り合うなどしてストレスなく進めるかが鍵になるでしょう。

 その点でいえば、コーナーの径の小さい函館で最内というのは最悪で、もう下げて外を回すしか勝ち目はないでしょう。ペースについても通常は35秒台中盤位の入りになるのですが、今年に関しては確たる逃げ馬が不在で誰かが行くにしてもペースは落ち着いてしまいそうで、気分良く運べる淀みないペースというのは期待が難しいでしょう。

[1]②ハナズレジェンド(藤岡佑)

 使える脚が一瞬で、ギリギリまで馬群の中で溜めて抜け出したいタイプのこの馬にとってはこの枠は歓迎です。但し理想は前が引っ張って直線で団子になる展開ですが、ペースが落ち着いた場合動き出しが早くなることから3~4角で置かれてしまう懸念があり、射程圏で直線を迎えるというのは難しくなってしまいます。かといって追走のためにコーナーで動くと末が甘くなるので、じっとして展開が向くのを待たざるを得ないのが現状です。

[2]③ワールドウインズ(武豊)

 遠征競馬で(3,1,0,1)と結果を残していますが、うち2勝の小倉は直前入厩で滞在では落ち着ぎ過ぎてしまう点があると陣営は語っており、前走の凡走もその点紐づく部分があります。

 但し前走に関してはこの馬が苦手とする馬群の中の競馬を強いられたことも原因と見ています。勝ち上がり以降連対した5回はいずれも逃げか外に馬を置かずに追走できたレースで、逆に馬群の中に入ってしまった六甲Sと前走の巴賞は力を出せませんでした。今回好位につけたい馬は複数おり、フルゲートのハンデ戦でこの枠からうまく外を突ける位置に導けるかが課題です。

[2]④アイスバブル(水口)

 大箱の中長距離戦でしか走れてない上、モレイラ、アブドゥラといった追える短期外人Jの騎乗時に良績が集中しています。ここ3戦の手綱を取った石川Jもどちらかと言えばそっちよりではあるものの、それでもメトロポリタンSで流れ込んでの6着がやっとという現状。あらゆる条件が上向かないここでは。

[3]⑤ジェットモーション(横山武)

 脱腸ののち去勢といろいろと受難続きだったこの馬が、約2年の休養を経て本格化。注意力に欠けるところがあり、ブリンカーを着用の上道中は馬群に入れて直線でひょっこり外に出すという戦法が理想ですが復帰後の3勝はいずれもその形。6着に敗れた京橋Sは小頭数で縦長馬群になりそれが叶わなかったものでした。前走は壁は作れましたがG前で前が狭くなり追えずで参考外。16頭立てでうまく馬群に入れられる可能性は高いうえ、連勝した小倉戦のように速い動きだしにも対応できる脚質につき、立ち回り一つでチャンスはあるでしょう。

[3]⑥タイセイトレイル(菱田)

 500kg級の馬にしては休み明け(0,1,2,2)とまずまず走れていますし、函館は初コースも札幌で(0,0,3,0)と洋芝も問題ないでしょう。但し主戦場は2400m超の長距離で、2000m以下のレースに出るのは実に3年半ぶり(18年12月の芝1600m戦/1勝クラスで⑧着)。矢作厩舎はこの馬しか出さないにもかかわらず所属の坂井Jをレッドジェニアルに譲っている点からもここでの勝負度合いは低そうで、札幌日経OPに向けた叩きと見るのが妥当かと。

[4]⑦ドゥオーモ(勝浦)

 昨年の小倉大賞典も函館記念も、上りのかかる展開を利しての好走でした。ここ5戦は展開が向かずハンデも昨年と据え置きになったのは良かったですが、今回もなかなか前が止まら無さそうで…

[4]⑧トーセンスーリヤ(横山和)

 休み明けは④②②③①⑤と堅実なうえ負けも小差。前に馬を置いて進む形が理想で、前走はハイペースでわずかに残せませんでしたが差し決着を0.1差④着なら十分に走れています。中間は美浦で十分に乗ったうえで、最終のタイミングで函館に輸送しダートで負荷をかけての追切と体調面も問題ないでしょう。但し陣営は熱さの不安を口にしているだけに、最高気温28度の予想が出ている函館はギリギリでしょうか。

[5]⑨サトノエルドール(亀田)

 前走に限らず、この馬の勝ちパターンは3~4角で捲り上げていくスタイルにつきペースが落ち着きそうなここは流れが向きそうな舞台と言えます。カフェファラオの態度がギリギリまで決まらなかったがためにソデにされた格好ではありますが、3場開催でW重賞がある週であることを考えれば亀田Jを確保できたのは良い方だと思います。

 不思議なことに亀田Jの芝での良績は根幹距離に集中しています。


 上記は今年の亀田Jの芝レースの距離別成績ですが、1400、1800といった非根幹距離で芳しくない一方で1200、2000では信頼に足ると言える数字を残しています。藤井Jの真逆とでも言いましょうか…

[5]⑩マイネルウィルトス(丹内)

 元々平坦コースで4角4番手以内を取れれば高い確率で好走する馬であるわけで、ここでも条件は揃うはずです。ただ2走前の壇之浦Sは他馬が外に振られる中インベタで労せずしてポジションを上げられたがための勝利で、前走は直線でのスピードアップが難しいコンディションでうまく風除けしながら進めた分で、色々と恵まれた側面が大きいです。凱旋門賞への壮行戦となり人気もしていますが、休み明け自体が久々というのとここに来て陣営が体重減に言及しており調整が上手くいくかどうかも不透明な状況です。


 上記は2010年以降の宮厩舎の前走間隔別成績ですが、回収率はともかくとして絶対的な勝率他は間隔の短い方が好走できています(5~8週の回収率が良いのは2度の単勝万馬券で数値が跳ね上がっている側面あり)。早めに動き出す展開は丹内Jと手が合っているとも言えますが、現状のオッズがこの馬の実力を真に示しているとは言い難く…

[6]⑪ディアマンミノル(泉谷)

 前走は見せ場なく敗れましたが、4角からずっと狭いところを走らされた分でした。左回りのコーナーリングもスムーズではない様子で、エンジンのかかりが遅い分長く良い脚を使えるのでやはり理想は右回りの大箱(=京都、阪神)コースの低速戦となるわけです。立ち回りが要求される函館では、エンジンがかかる前に終戦する可能性が高そうで…

[6]⑫アドマイヤジャスタ(吉田隼)

 昨年のこのレースにしろ今年の小倉大賞典にしろ、前が流れて脱落した先行勢を拾うレースで台頭している現状です。ペースが落ち着くうえ例年より開催開始が後ろ倒しになった分まだ内が活きている今回、斤量2kg増というのも歓迎材料とは言えません。

[7]⑬ワセダインブルー(大野)

 未勝利~2勝クラスまでは「長距離戦で馬場が渋った時」に勝ち上がっていた馬で、4走前のオホーツクSで洋芝+2000m戦を克服して勝っていますが札幌の開催後半で外差し傾向が出ていたタイミングでの勝利でありました。3走前の福島記念は直線で一瞬前が塞がったうえ位置取りを思えば0.5差6着は善戦の部類かとは思いますが、4角から鞭を入れる動き出しで最後は脚が上がってしまった様子を見るにここではかなり恵まれないとまだ厳しいと見ます。

[7]⑭マイネルファンロン(秋山稔)

 メンバー的にはスンナリ先行できそうな構成で、昨年は体調面の問題もあり全く見せ場が作れませんでしたが今年は休み明けの巴賞をひと叩きして体調上向き。スプリングS3着の実績もあり小回りコースが合っており、60秒前後くらいまでで流れてくれれば一昨年の再現があっても驚けません。

[8]⑮バイオスパーク(池添)

 昨年は外有利馬場を内で先行して3着。今年はその点条件は好転するのですがこの枠を引いてしまったのは大きな痛手です。2桁馬番では(1,1,1,5)で、馬券圏内に入った3度は10番枠or11番枠と「中枠」カテゴリでの好走と内に入れられるかで成績が変わってくるタイプにつき、よほど積極的に運ばない限りはインを取れなさそうで。

[8]⑯レッドジェニアル(坂井)

 良績が京都に偏っているように平坦コースは合っており、京都開催が無くなったうえG2勝ちにつき斤量面で気を遣う必要から適鞍探しに苦労していましたが、久々に平坦コースの重賞に出られるチャンスとなりました。

 但し状態面では明らかに途上で、絞れていないにもかかわらず最終追いが軽いというチグハグな内容。芝コース追い切りで51.6-12.2というのも特に強調できる時計ではなく、ここを叩いて札幌記念…と行きたいところでしょうか。

<予想>
◎ジェットモーション
○マイネルファンロン
▲サトノエルドール
△トーセンスーリヤ
△ハナズレジェンド
△ワールドウインズ

 好位で壁を作って運べそうなジェットモーションから入ります。前ないしは内で運べそうな各馬を相手に。


■小倉11R

[1]①ミスニューヨーク(加藤)

 1800mでは(4,1,1,1)で、唯一の着外は前残り決着を外差しした福島牝馬Sでそれも0.5差⑨着ですから内容のあるレースではありました。小倉や芝の重馬場のように上りがかかる展開を得意としており、理想は一雨ですが良馬場でも立ち回り一つで台頭の余地はありそうです。

[2]②ダノンチェイサー(岩田望)

 骨折明け後は手薄なOPでも勝ちきれない体たらくで、同じ舞台で行われた昨夏の小倉日経OPは後方有利な展開だったとはいえ外に持ち出した割には止まり過ぎという内容。元々きさらぎ賞も前有利展開があっての勝利で、ローカルとはいえ現状ではベストを尽くしても重賞で勝ち負けとまでは。

[3]③アンドラステ(川田)

 前走のマーメイドSでは距離延長でまともに掛かってしまい、外目で壁も作れず最後に止まってしまいました。その点今回はテンも流れるし距離は短くなるしで条件は明らかに好転しますが、馬の特徴なのか厩舎の特徴なのか間隔が詰まると必ずと言っていいほどパフォーマンスを落としており中3週の今回は強調しにくいのも事実です。

[4]④ドリームソルジャー(鮫島駿)

 4走前の阿武隈Sの際にご紹介したのが下記。

 ドリームソルジャーは「平坦」「右回り」「コーナー4回」のコースに良績が集中しており、過去6回の連対歴(3勝②着3回)は全てこの条件に該当します。

 上記に当てはまった阿武隈Sは、鞍上の好騎乗もあり見事に①着。昇級後3戦はパッとしませんがいずれも左回りのうえ「坂あり」か「ワンターン」で好走条件に合致しませんでした。今回久々に適条件に出られるうえ頭数・ハンデも手ごろで、開催上旬で内も活きているコンディション。内を捌ける鮫島駿Jなら直線でインにできたスペースを突いて一発、という期待は十分に持てるでしょう。

[5]⑤ロータスランド(藤岡康)

 台風の日のもみじSでラウダシオンの2着している経歴もあり、小脚が使えるタイプで他馬が苦手とする道悪でもスイスイ走れる強みがあります。この3連勝中は稍重or重でのレースが続きその点も大きかったと見ています。コーナーで加速の付く小倉は大トビ馬よりこのような馬の方が走り易い舞台ではありますが、まともにペースが流れた時の追走力は未知数であるうえムチに敏感なところがあり(前走も鞭を入れるたびに逆方向に飛んでいた)、位置を落とすと直線でかなり追いにくい展開になることが懸念されます。

[5]⑥メイケイダイハード(酒井)

 前走の米子Sは重馬場を思えば58kgを背負い4角2桁番手で唯一掲示板に食い込んだ走りは評価できるものでした。但し輸送で体が減ってしまうタイプにつき遠征競馬で結果を出せていない点が気がかりで、好走歴のほとんどは阪神という点からも昨年と舞台が変わる点はプラスとは言えないでしょう。

[6]⑦アメリカズカップ(松若)

 昨年の小倉記念ではマイル戦のようなハイペースが幸いし、後ろにいたことで漁夫の利を得られた4着でした。前が早くなると言っても今回そこまで捨て身の逃げを打ちそうな馬も見当たらず、現状のコンディションでは後方待機で35秒台の上りでは間に合わないだけに…

[6]⑧カテドラル(福永)

 前走の安田記念ではペースが思ったほど速くならなかった上、結局外を回す形になり良さが生きませんでした。前半が流れ自然と折り合いがつく小倉1800mであれば距離延長も対応可能でしょうし、コースロスを避け内を捌ければチャンスはあるでしょう。

[7]⑨ボッケリーニ(浜中)

 道中でしっかり脚を溜められればキレるタイプで、今年の中日新聞杯を含め前半4Fが48秒以上かかれば(4,0,0,2)に対し47秒台以下だと(1,4,1,2)とやや詰めの甘いところが出てしまいます。ワンターンの新潟外2000mからコーナー4つの小倉1800mに変わる点は好材料ですが、ある程度流れも速くなるので今年の小倉大賞典のように何かに負ける可能性は否定できないかと…

[7]⑩ディアンドル(団野)

 前走のヴィクトリアマイルでは道中のペースが11秒台後半になったことで一息入れることができ、中距離向きの馬に展開が向いたレースでした。コーナー4つの小倉大賞典で3着していることもあり、キャリア序盤は気性面の懸念から短距離戦を使わざるを得なかっただけでこの路線でも十分にやれることを示す近走となっています。当時よりも内が走り易く、他に行きたい馬も居ない今回は自分の形に持ち込めそうで型通り走れば好戦期待。

[8]⑪クラヴェル(横山典)

 前走のマーメイドSは外差しが嵌った格好ですが、牝馬で2000mを走れる馬がそもそも多くないこともあり軽ハンデでスムーズに運べた馬同士の決着ということを考えれば本質的な評価は高くはありません。ハンデキャッパーもそれがわかっての52kgであるわけですが、上りがそれなりに掛かる小倉であれば立ち回り次第で台頭の目はあっても良いでしょう。

[8]⑫アバルラータ(西村淳)

 8走前に勝ったオークランドRCTは丁度1年前に阪神で行われた中京記念の1つ前のレースで、インは砂埃が上がるほどのバッドコンディション。前が流れる展開もありましたが昇級後同様の流れでも通用していない点を考えれば、外有利馬場のお膳立ては欲しいところ。今の小倉はまだそこまでとは言い切れないだけに…

<予想>
◎ドリームソルジャー
○ディアンドル
▲ボッケリーニ
△ロータスランド
△カテドラル
△ミスニューヨーク
△アンドラステ
△クラヴェル

 ハンデ戦らしい混戦が見込まれる故、相手は広く取りたいです。


■福島11R マリアズハート

 良績が「右回りの1200m戦」に集中しており、3戦ぶりに得意舞台に出る格好。その3走前の春雷Sは最内枠から得意のイン突きで伸びましたが、外有利のバイアスもあり②着どまり。馬群の中を運ばせてインを突く戦法が合っており、包まれにくい枠を引き今の福島は内が活きるコンディションと来れば、巻き返しは可能と見ます。


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