中央での2勝はいずれもダートでのもの。一見すると無謀な芝挑戦に見えそれが人気を落とす要因ともなっていますが、これは中央競馬の競走体系上の欠陥でもあります。
一般的に、足場の不安定なダートは体力勝負となることから牝馬より牡馬の方が好成績と言えます。これが下級条件であればまだ互角に伍せるのですが、滞留している馬の絶対数が多い3勝クラス以上になると一気に牝馬の勝率は下がります。
上記は昨年行われた全ダート戦におけるクラス別の牝馬の勝率です。牡馬は全てのクラスで6%後半~7%後半の勝率を保っている一方で、牝馬は3勝クラスでガクッと落ちます。層が厚く牡馬の壁を破れないことを示しており、逆にこれを勝った牝馬というのは相当強いわけで、即交流重賞クラスの活躍が期待できます。
この通り、牡馬の層が厚いことがダート牝馬の出世を狭めている一方で、「牝馬限定の3勝クラスのダート戦」というのは年に2鞍程度と極端に挙行数が少なくなっています(そもそも組まれるようになったのは昨年からで、1989年~2020年までは設定自体がありませんでした)。おまけに交流重賞も最低限3勝クラスを勝っていないと確実に除外対象になりますから、ダート牝馬というのはそもそも2勝クラスを勝ち上がるとその後の活躍が非常に難しくなります。
すなわち、2勝クラスをダートで勝ち上がった牝馬は必然的にダートで苦戦を強いられるか、芝に活路を見出すかしかなくなるわけです。このレースに出るリーピングリーズン・アドマイヤメティスに関してはいずれもそのような事情であることが推察され人気を落としていますが、中でも前走の同級戦で善戦したリーピングリーズンの一発に期待したいです。
前走の初音Sは皆がこぞって外を回す中、道中から最後までずっと馬場の悪い内を通った馬はいずれも2桁着順に沈んでいます。加えて外差し勢が台頭する流れにあって、道中3番手のインを進んだリーピングリーズンは⑫着大敗も0.7差に留まり、一定の評価はできるレースだったと見ています。年明けに増えた体をどこまで戻せるかがカギで良くなるのはまだ先の可能性もありますが、人気が見込まれるイズジョーノキセキと前走で0.4差だったことを考えればやれない相手関係ではないはずです。
■中京7R ナリノペッパー
ここ2戦はスタート後に進路を失くし後手を踏んだうえ、勝ち馬がいずれも次走で連勝するレベルに強かった分余計に負けていますが、現級では既に5回の掲示板実績がありこのクラスでやれるだけの力は見せています。ゲートが速くないため芝スタートの外枠は歓迎で、元々1200mで勝っている馬なので距離短縮も問題なし。ここ2戦に比べればだいぶ与しやすいメンバー構成で、ここは通用の可能性大と見ます。
■中山8R クローリスノキセキ
前走は中央で初のダート参戦でしたが、その後連勝で昇級したマイヨアポアに3kg減で出てこられてはどうしようもないというレース。⑥着でも0.5差は悲観しなくてよく、当時同様に先行し0.3差に粘った③④着馬は次走の自己条件で③②着と結果を出しています。使える脚が長くない分、中山でロスなく立ち回れる内枠は好材料。相手関係にも恵まれる今回は前進可能でしょう。
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