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当ブログは、広尾サラブレッド倶楽部株式会社様のご厚意により、同倶楽部の所有する競走馬の写真及びWebサイト記載情報の転載許可を頂いております。

2022年7月31日日曜日

【7/31(日)予想】アイビスSD・クイーンSの注目馬とねらい目

■新潟11R/アイビスSD スティクス

前走のCBC賞でも◎推奨しましたが、テイエムスパーダがあのペースで逃げてしまい流石についていけずの⑦着。それでもあのハイペースを最後まで走り切ったのはやはり元来のスピード能力の証左と言えるでしょう。その時にも言及しましたが、この馬は被されずに自分の形で行けるかが好走のカギを握ります。決して逃げなければいけないわけではないのですが、短距離戦で単独の2,3番手を取れる馬群になるのはレアケースですから、揉まれないようにしようとなると逃げざるを得なくなります。逆を言えば馬群の中で折り合わせたり併せ馬に持ち込む必要がないからこそ、この枠を引いてしまったからには腹を括ってイン逃げ戦法で行けるところまで行ってほしいという淡い期待を込めての本命抜擢です。

それができると考える理由はいくつかあります。

①野芝オンリーで挙行される新潟は、夏開催が最も芝の生育が進むうえ春の開催で使っていなかったAコースを使用するため、開幕週は内ラチと外ラチの差が小さい。

②スティクスはゲートが抜群な一方、内に入ったライオンボス・オールアットワンスは必ずしもゲートの出で先手を取るタイプではないためポジショニングが容易。

③韋駄天Sでも内目の枠を引きハナを切ったが、外ラチに寄せて脚を使ったこともあり失速した経緯があり、2回目の直線競馬となる今回は戦法を変える可能性が高い。

④藤田Jは今回のメンバー中最多の千直騎乗経験&千直勝利数(下図)を有し、このコースの好走パターンをある程度理解している。


⑤内ラチ戦法が取れる馬は「他の馬が居なくてもちゃんと走れるかどうか」等限られるが、揉まれたくないスティクスの場合この戦法の方が合っている可能性が高い


土曜の新潟最終で④着したケイティレインボーも内ラチ作戦を敢行。ただこの馬は決してテンの速いタイプではなく、残り600mの地点から鞭を入れて走らせないといけないくらいのスピード能力でありながら最後は②着争いの一戦に踏みとどまる健闘を見せました。ゴール前で目標とする馬が居ない内ラチ作戦では、いかに前半に気分良く走らせお釣りを残せるかに成否がかかります。スピード能力ではメンバー随一と言っても良いにもかかわらず枠で人気を落とすのであれば、奇襲前提で狙ってみる価値はあると見ます。


■札幌11R/北海道新聞杯クイーンS メイショウミモザ

展開のカギを握るであろうローザノワールが内枠を引き、ハナをとるのはほぼ確実な情勢。しかし厄介なのが今回丹内Jに乗り替わるスライリーの存在です。ご存じのとおりスライリーは極度の気性難でこれまで14戦すべてで厩舎所属の石川Jが跨ってきましたが、出していくと掛かるしそれを恐れて控えると差し届かず…というレースの繰り返し。前走のメイSでも壁を作り中団待機を試みるも激しく行きたがってしまい、観念して向こう正面で暴走気味にハナに立ち⑥着。HBUのクラブ馬で、メイS後に会員向けに相沢師が語ったところによれば、石川Jの騎乗ミスだとしてお詫びしたうえで鞍上交代に言及したいたため今回の乗り替わり自体は既定路線だったと言えます。

但し、ここからは噂&憶測の域を得ないので話半分に聞いてほしいのですが…石川Jの騎乗を師が謝罪したのはこれが最初ではなく、3歳時のクイーンS⑩着の時にも同様の経緯があり鞍上交代が示唆されましたが結局フローラSでも石川Jが継続騎乗し、②着と結果を出していました。実はメイSの前から陣営は乗り役を探していたものの、田辺、津村、大野Jといった関東中堅に断られてしまい元さやに戻った…という話もあります。この馬の気性難は既に多くの人が知るところである故、気心知れた弟子以外今から他の人が乗るのは難しいという事情もあるでしょうが、クラブ馬である以上「気性難故高い能力を活かし切れていない」という状態で真っ先に採るべきは鞍上の交代であり、石川Jが同日の新潟でオールアットワンスに騎乗する事情も手伝い、結果を出すためというよりかは会員の不満を解消する目的で乗り替わったものと見ています。「2場開催にもかかわらず確保できたのが丹内J」というのはそうした事情を映しているとも取れ…

尤も、気性難の助け舟が丹内Jで良いのかというのは大いに疑問で、先日ヒメゴゼンの時にも言及した通り番手で折り合わせるというのは苦手なタイプ。抑えが効かずにローザノワールにちょっかいを出すことになる可能性が高く、そうなると前が速くなり後続の動き出しが早目になることで、後方待機勢が外を回らされることが考えられます。

こうなるとインへの意識のある人馬が台頭する流れが期待でき、そこから抜擢したのがメイショウミモザ&鮫島駿Jです。2走前の阪神牝馬Sはまさしくその運びが嵌っての①着で、ローザノワールの後ろのインを取れれば前述の事情からも労せずして先頭に立てるはずです。時計のかかる今の札幌芝は距離適性の紛れを生みやすく、高速決着が見込まれないからこそ短めの適性のこの馬にもチャンスがあると見ます。

2022年7月30日土曜日

【7/30(土)予想】ねらい目レース(関越S、新潟12R)

■新潟11R/関越S レッドフラヴィア

内枠を引いてラチ沿いを走らせたい馬で、1~2番枠を引いたときは(3,0,0,0)とパーフェクト。前走の小倉大賞典も3番枠につき枠は悪くありませんでしたが、流石に開催最終週の荒れ馬場につきラチ沿いを走るわけにはいかず。今回は開幕週で馬場は段違いに良くなるうえ、1番枠に入ったのが重度の出遅れ癖を持つホウオウイクセル。実質的に1番枠を引けたに等しく、走れる条件が揃ったここは一発も。


■新潟12R ルドラクシャ

新潟直千では(1,1,0,7)ですが枠順に恵まれないことが多く、2桁馬番を引けたときは(1,1,0,1)と堅実です。唯一の着外は昨年のアイビスSDの1.0差⑧着ですが、先手を取りライオンボスの直後につけ最後まで③着争いの一戦に踏みとどまった内容は1勝クラスの馬の格上挑戦としては十分すぎたと言えます。2か月半ぶりの実戦で陣営は慎重ムードも、直前のDWでは51.5-11.8と動けており態勢は整ったと見てよさそうです。時計勝負になった時の懸念はありますが、平場で52kgで出られるのは好材料。好枠から発馬を決めれば通用級の1頭です。

2022年7月24日日曜日

【7/24(日)予想】中京記念(小倉)の全頭評価とねらい目レース(福島8)

■小倉11R/中京記念

[1]①ベステンダンク(和田竜)

前走のマイラーズCではハナを叩いて④着。インが荒れた分他の馬が外を回し、併せ馬に持ち込ませなかった分もありましたが自身のレースができればまだやれるところを示した一戦でした。但し流石に10歳となり切れる脚が使えない分、天候などの助けが必要な近況です。前走は直前からの雨で表面が柔らかくなった芝コンディションの助けもありましたが、今週は降ってもにわか雨程度のようで勝ち切るまで恵まれるかはどうでしょうか。

[1]②ミスニューヨーク(M.デムーロ)

デムーロJに乗り替わってからは⑫①③⑩着。大敗した2走はいずれも東京戦で、走りのスムーズさを見ても右回りの平坦コースがあっています。それが証拠に小倉1800m戦は①②④③着と崩れなく走れており、前半置かれても最後に上りが掛かる展開になれば台頭は可能でしょう。

[2]③コルテジア(松山)

2年ぶりを叩いた前走のエプソムCは⑨着も、トーラスジェミニの2番手を追走し0.7差と踏ん張りました。一度使われたおかげか追い切りの動きも良くなっており、力を出せる出来にはあると見ます。とはいえ、仮に力を出したところでこの馬の勝ったきさらぎ賞のメンツを見ると当時②着のストーンリッジがこの前ようやく3勝クラスを勝ったというレベルで、通用の根拠とまではいかないのが正直なところです。

[2]④ダブルシャープ(幸)

絶対的なキレ勝負では分が悪いものの、上りが掛かる展開で突っ込んでくる小倉巧者。どうしても展開待ちになる部分はありますが、最後までしぶとく脚を使えるタイプです。但しその特徴も含め多頭数の時の捌きが難しく、故にこの枠では一旦下げて外を回すしかなさそうです。晴雨兼用タイプにつき、押さえは必要でしょう。

[3]⑤カイザーミノル(横山典)

一発を狙って逃げた天皇賞の⑭着以外は大崩れなく走れており、昨年の毎日王冠で0.3差の⑤着もあり距離自体に問題はありません。但し器用さに欠けるためワンターンのコースばかりを走っており、コーナー4回のコースはデビューの中山戦⑧着と19年8月の小倉芝1700m(!)①着の2回のみ。4角で勢いのつく小倉コースも本質的には苦手な部類でしょう。

[3]⑥アーデントリー(坂井)

使いながら仕上がるタイプで、一昨年、昨年と連戦の中で連続好走しています。1年2か月ぶりを1回叩いただけではまだ足りなさそうで、逆に一度好走できれば「もう一丁」がある馬。本領発揮にはもう1~2レース待った方が良いでしょう。

[4]⑦スーパーフェザー(川須)

川須Jはこれまで4頭の馬(エーシンジーライン、ダイワファルコン、エーシンメンフィス、レッドアリオン)で重賞6勝を挙げていますが、このうちの3頭はテン乗りでの重賞制覇でした。唯一テン乗りでなかったレッドアリオンも初騎乗機会のフローラルウォーク賞で勝利しており、テン乗りを苦にしない騎手と言えます。

但しこの馬自身が多頭数戦を苦手にしており、11頭立て以上で(1,1,2,12)。4歳春まではパーフェクトに走れていたのが、それ以降は全くもって走れず。現に昨年の小倉記念も取り消し込みの8頭立てで上手く立ち回っての③着ですから、捌く頭数が多いここでは。

[4]⑧モズナガレボシ(荻野極)

前走の七夕賞は流石に位置取りが後ろ過ぎて⑦着。名前のせいもあり人気していましたが、4角10番手以下では勝ち星なしという戦績が示すように元々速い上りを使える馬ではないだけに、奇策を好まない戸崎Jとはいえ結果的に自らノーチャンスの位置取りに陥ってしまいました。


今回は中1週での臨戦ですが、荒川厩舎は間隔を詰めて使えている方が成績が良く、上記の通り連闘~2週(=中1週)の時の成績が非常に高いです。昨年の小倉記念①着時も直前に新潟の自己条件を使ってからの中1週でした。但しその小倉記念当時は輸送トラブルに見舞われた他馬を尻目に金曜輸送で難を逃れたうえ頭数も手ごろでレベルも微妙、おまけに雨で重くなった外差し馬場というすべてが好転した結果で、道中が流れると前走同様に位置取りを落とす懸念があります。

[5]⑨ワールドウインズ(田中勝)

気性面の問題から、以前は極端な競馬でしか結果を出せていませんでしたが田中勝Jが一瞬の脚を活かすことを心掛けて乗るようになりプチ復活。昨秋のキャピタルS、前走のメイSと掲示板を確保する走りを見せています。小倉は(2,0,0,1)で得意としており、唯一敗れた昨年の関門橋Sは早目に追い出さざるを得ない展開でこの馬の力を発揮できるレースにならなかったことが大きいです。ブリンカーを外すとなると控えるレースをしたいのでしょうが、うまく馬群を捌けさえすればこのメンバーならワンチャンスはあるでしょう。

[5]⑩シャーレイポピー(福永)

前走の米子Sでは落鉄の影響もあり直線で伸びを欠き⑦着。4勝は全てマイル戦で、紫苑S④着時の止まり方を見ても距離はマイルまでがよさそうと見ております。ここはギリギリかと思われますが、一方で先週の降雨を経て小倉は再度時計が速くなっており、マイルでの高いパフォーマンスを思えばスピードが求められる舞台と考えれば注意が必要でしょう。

[6]⑪カテドラル(団野)

上りを要する展開かつ馬群の中でギリギリまで溜めを作れるときに好走できるタイプ。近4走大敗していますがうち3回はレースの上がりが34秒台前半以下で速すぎ、唯一35秒台だったダービー卿CTは15番枠だったこともあり縦長馬群の最後方で壁を作れず。馬群をうまく立ち回りたいこの馬にとっては絶好の枠を引けた今回、昨年はスムーズさを欠いた中でも②着したことを思えば十分それ以上は望める舞台と言えます。

[6]⑫ヴァリアメンテ(岩田望)

前走の米子Sは直線で行き場を失くし不完全燃焼の⑥着。スムーズならもっとやれていい馬ではありますが連戦でパフォーマンスを落とすタイプにつき、中4週で川田Jも乗らないここは前走以上は望みにくく。

[7]⑬カデナ(今村)

直前の坂路で4F49.8という猛時計。ラップタイムでは13.0-11.9-11.9-13.0と失速していますがこの馬が坂路に入った時は必ずと言っていいほど逆時計になるのがお約束です。


上記はカデナの坂路調教でラップが12.0を切った区間が1つ以上あったものを抜き出したものですが、5歳の夏以降逆時計が定番化していることが見て取れます。そのためこの時計の出方自体は特に気にするほどではないと考えており、今村J本人が騎乗し時計の出やすい追い切りだったことを加味しても状態は上がっていると言えます。

過去小倉コースはいずれも重賞で②①⑥③着。調教時計が示す通り助走をつけて4角から加速しかつ最後の1Fが掛かるコース形態が嵌っているタイプです。今の小倉は流れが速くなりがちですが、開幕週のきれいな馬場というわけではなく先週踏み固められたラチ沿いを中心に硬化が進んでおり、特に上級戦になれば必ずしも行ったもの勝ちではない状態です。加えて今回は上手く立ち回りたいタイプが多数おり、スムーズに外を上がってくることのできるメンバー構成に恵まれたことも大きいです。雨が心配でしたが降雨は夕方以降の予報につき、能力を出し切れば好勝負可能です。

[7]⑭ベレヌス(西村淳)

前半が60秒を切る流れでは(0,0,1,5)。スローの逃げ馬タイプにつき、同型がおりかつ時計が速くなりそうな今の小倉は厳しいでしょう。

[8]⑮ファルコニア(川田)

前走のマイラーズCでは③着に好走。本来渋った馬場は得意ではないですが、道中はギリギリ馬場の良いところを通らせる理想的な競馬が叶いました。直線でホウオウアマゾンの外に出せたのも理想通りで、こういう操縦性の高いタイプはキッチリ走らせられる川田Jが合っています。但しそれゆえ好枠を取れないと厳しいことも事実で、現に全成績(5,4,4,4)のうち15番より大きな馬番の時は(0,0,0,2)。同じように立ち回りたい馬も多い中で、この枠から好位のインを取れるかは少々難易度が高いと言わざるを得ません。尤も、川田Jにはそれができると見られているからこそこの人気なのであり、押さえる必要性はあるでしょう。

[8]⑯レインボーフラッグ(小牧太)

調教からも以前のキレが鳴りを潜めており、新味を求めての距離延長ですが浮上できる要素は見当たりません。小牧太Jが芝の古馬重賞に乗るのは1年ぶりですが、近年は乗鞍を絞っているうえダートでズブい馬を追って追って届かせる騎乗に活路を見出しており、2016年以降は乗鞍に占めるダートの割合が芝を逆転。恐らくここも追って追って…の騎乗で馬に喝を入れるのでしょうが、先行する奇策を演じようにも同型が居るここではそれも難しく。

<予想>
◎カデナ
○ミスニューヨーク
▲カテドラル
△ファルコニア
△カイザーミノル
△シャーレイポピー
△ワールドウインズ
△ダブルシャープ


■福島8R リヴェット

前走の1勝クラス戦はスタート直後に落馬したカラ馬を気にしてか終始スムーズでない走りで、直線に向いた段階ですでにガス欠という状態で⑧着。ただこのレース自体は勝ったマイネルクロンヌが次走で連勝を決め、ほか掲示板に入った上位5頭が何れも次走でも掲示板を確保するなど好メンバーが揃っていました。休み明けは3度走りいずれも現級で②④②着。前走時後れを取っていた中間の併せ馬も今回は併入に持ち込んでおり、現級のメドを立てている立場で巻き返しに期待です。

2022年7月23日土曜日

【7/23(土)予想】ねらい目レース(福島7、8)

■福島7R ヒメゴゼン

前走は逃げて僅差の②着でしたが、元々逃げなくても良いタイプ。結果的にその前走は前半が61.9というスローに落とせたことが奏功しました。一方で主戦の柴田大Jは同じくラフィアン馬の騎乗の多い丹内Jとともに番手で折り合わせるということが苦手なタイプで、きょうだいのマイネルプリンチペ(柴田大⑫→宮崎③)、ステラドーロ(丹内④→斎藤①)、ヒットザシーン(丹内⑥→森裕②)とこぞって「乗り替わって好成績」のケースが多いです。

今回は柴田大J自ら体調不良で今週の騎乗をすべてキャンセルしていますが、土曜の福島では早速2Rでゴールデンハインド(戸崎)、3Rでラブミードゥ(M.デムーロ)と柴田大Jから乗り替わった馬が連勝、早くもボーナスステージの様相を呈しています。このレースにはもう1頭同騎手から乗り替わるチューウィーもおりますが、こちらは初の1800mで良績も東京に集中しており、コーナー4つのレースへの対応力が未知という点で一枚割引。先に決めるのはこちらと見ます。


■福島8R ニシノコニャック

前走は勝ったイグザルトが強すぎたレース。そのイグザルトに直後につけられた先行勢にとっては厳しい展開で、2.4差の⑬着とはいえ悲観する内容ではありませんでした。このとき1.7差の⑦着だったゼンカイテンも次走を快勝しており、逃げて1.9差⑨着のニシノアナも次走で④着。この馬自身1200mでは(1,1,1,0)でもあり、大敗は1300m以上のレース。距離短縮と斤量減で前進可能でしょう。

2022年7月17日日曜日

【7/17(日)予想】函館記念の全頭評価

■函館11R/函館記念

[1]①ハヤヤッコ(浜中)

ダートでもレパードS以降は距離不足気味で東京2100m以外では勝ち切れず。流石に天皇賞は距離が長すぎましたが、適距離だった2走前の日経賞でもコースロスなく完璧に立ち回って0.4差⑤着。勝ったタイトルホルダーが完調でなかったことを考えれば本来はもっと差が開いていてもおかしくはなく、現状2200~2500mくらいの距離でじっくり運べないと厳しいでしょう。

[1]②ジェネラーレウーノ(丹内)

長欠明け以降は本来のパフォーマンスを取り戻せておらず、加えて元々間隔を空けて使えた方が良いタイプ。中1週で相手も強化されるここでは。

[2]③フェアリーポルカ(武豊)

紫苑S②着、愛知杯④着と2000mで走れないことはないのですが、小回りコースで立ち回りを活かすというこの馬の得意条件を考えればどうしても挙行距離は1800mがメインとなってきます。ここがポイントで、本来牝馬なら無理してここを使わなくてもあと2週待てばクイーンSが行われるのでそれを待てばよいはずですが、切れる脚のないこの馬が自身のセールスポイントで勝ち負けに持ち込むためには(主戦の三浦Jが乗れなくても)コーナー径の大きい札幌より函館を使った方が勝負になるという判断あってのものでしょう。

但し、気になるのがだんだんと末が甘くなっている点。前走の福島牝馬Sでは確かに直線で最後に2回ほどブレーキを踏んだのが直線の敗因でしたが、それ以前に4角から押し上げるでもなく直線に向いてからカタをつけようとしているのでは間に合わず、意図的に溜めるレースをさせてあの結果だった可能性が考えられます(意図しない位置取りだったとしたらもっと焦って早目に追い出すはず)。そもそも絶好の条件だった昨年のクイーンSでも、出して言ったせいか末が甘くなり④着、力量的にはやや陰りが見えていると考えます。キレ勝負になりやすい牝馬戦を避けた意図はここにもあると思われますが、好位のインから抜け出したいこの馬にとっては内が残せる馬場かどうかが取捨のカギとなるでしょう。

[2]④アイスバブル(水口)

昨年②着。その昨年は結果的には勝ったトーセンスーリヤの力が抜けていたわけですが、例年の函館記念の傾向とやや異なり差し有利の決着になった点も後押しでした。カギとなるのは「開催週とコース替わり」です。


表で示したのは函館記念の上位入線馬と開催週およびコース替わりの図です。注目していただきたいのは上位入線馬の位置取りで、開催日程の変更で一昨年はBコース2週目、昨年はAコース3週目の開催となり4角10番手以下の差し勢も台頭するレースになりました(14年、12年も同様)。それまではBコース替わりの最初の週に函館記念が行われており、4角5番手以内でないと上位には来られませんでした。

今年も結局五輪対策を引き継ぎ真夏は2場開催となり、函館2歳Sと函館記念が同じ週に行われるスケジュールも変わらず。Bコース替わり2週目で差し勢の台頭が見込まれる舞台となります。その昨年よりは与しやすいであろう相手に加え、何故か昨年より1kg軽い54kgのハンデも考えれば注意が必要でしょう。

[3]⑤マイネルウィルトス(M.デムーロ)

昨夏までは折り合いの関係で2000m以内を使われてきましたが、その後2500mの重賞で2度の②着。馬の成長、鞍上強化というのは確かですがそれ以上にこの馬の苦手とするキレ勝負に持ち込まれにくい距離だったことも大きいと見ます。決して不器用というタイプではないのですが、現状2000mでは距離不足で追走に脚を使う懸念があり、何かにやられる可能性は懸念しておく必要がありそうです。

[3]⑥タイセイモンストル(高倉)

典型的な叩き良化型で好走歴は中3週以下の臨戦時に集中。ここは叩きで、中2週で臨める札幌日経OPが本線でしょう(昨年のタイセイトレイルの時も同じ話をしましたが…)。

[4]⑦スマイル(坂井)

4勝はいずれも前半が62秒以上かかった時のもの。機敏に動けるタイプでもなく、距離はもう少しあった方が良いでしょう。

[4]⑧スカーフェイス(岩田康)

前走の大阪杯はザ・岩田父という騎乗で0.5差の⑥着でした。元々最後の1Fがかかる展開が得意なわけですが、それは道悪だったり最後の直線に坂があったりで物理的に時計のかかる状況ができた時です。馬場はタフになりそうですが、コース形態的には平坦の函館は本来合う舞台とは言えずで。

[5]⑨アラタ(横山武)

函館で2戦2勝。自在性の高さが売りで昨年の福島記念でも③着に入ったようにペース不問で走れるタイプです。但し裏を返せば重賞で勝ち切るにはパンチ不足は否めずで、重馬場になり決め手を削がれる展開になれば台頭は可能でしょう。逆に決め手が活きるまっとうな馬場になると脆い可能性はありますが…

[5]⑩ウインイクシード(藤岡佑)

賞金不足で満足に使えずにいませんでしたが、ポジションを取れなかった福島民報杯以外は安定して走れています。前走の巴賞では先行馬群から垂れてきた馬を冷静に捌いて④着でしたが、馬場差などを考えれば本来もう少し良い着順であったべきかと思います。流石に8歳を迎え衰えは否めずですが、ブリンカーとひと叩きの効果に期待です。

[6]⑪レッドライデン(丸山)

逃げ切って連勝した2戦はいずれも62秒台のスローペースを逃げ切ってのもの。ハナを切れる可能性こそありますが流石にこのメンバーで62秒で楽逃げできるとは思えずで。

[6]⑫サンレイポケット(鮫島駿)

左回り+上がりのかかる展開が理想で、今回右回りではありますが馬場次第ではタフな上がりは期待できそうです。3走前の京都記念は久々の右回りながらメンバー弱化にも助けられ③着。今回のメンバーを考えれば右回りだからと言って切るのは早計でしょう。

[7]⑬ギベオン(池添)

逃げ切った昨年の金鯱賞は、デアリングタクトにマークが集中して前半が61.4という楽逃げが叶った結果でした。いずれにしても流れが向かないと好走できておらず、今回の追い切りも芝コースで57.2-12.3とまるで追い切りと呼べないレベルの調整でしかなく、本領発揮すら怪しく。

[7]⑭サトノクロニクル(斎藤)

前走の巴賞でも最後に見せ場を作ったように、今もなお条件が嚙み合えば上位台頭は可能な実力の持ち主ではあります。但し斎藤Jの傾向として逃げ先行以外では信頼度がガクンと下がるため、この条件で来るかどうかは相当なギャンブルと言わざるを得ません。

[8]⑮アドマイヤジャスタ(吉田隼)

一昨年の勝ち馬。今年はノドの手術明けを叩いて、当時と同様に鳴尾記念から中5週のローテで臨んできました。外差しが決まる展開であればやれるだけの力はありますが、何分前走が何も出来ずの敗戦で、中間の本数もさして重ねている気配もなく中身が戻ってるかは微妙です。

[8]⑯ランフォザローゼス(柴山)

超ハイレベルメンバーで0.6差⑤着だった3歳時(2019年)の毎日王冠がベストパフォーマンスでしたが、元々切れるタイプというよりしぶとさが売りの馬。ダイヤモンドS②着も長距離戦でその良さが活きた結果でした。前走の巴賞は直線で外に出そうとしたところをロードマックスに阻まれ内に切り返すロスがあり0.4差の⑥着。一瞬のキレに乏しいこの馬にとっては致命的な展開をよく盛り返しました。成績が低迷してからは藤沢和厩舎出身騎手の練習台のような使われ方が多かったですが、粘り強く伸び脚を引き出す柴山Jはこの馬に合っていると言えるでしょう。このメンバーなら展開一つで台頭もあるでしょう。但し今日再び雨が降る予報につき、再度の馬場悪化はプラスではなく…

<予想>
◎アイスバブル
○マイネルウィルトス
▲ランフォザローゼス
△サンレイポケット
△スカーフェイス
△ウインイクシード
△アラタ
△サトノクロニクル

2022年7月16日土曜日

【7/16(土)予想】函館2歳Sの注目馬

■函館11R/函館2歳S ブトンドール

週末の函館は金曜から断続的に雨が降る予報で、この最終週はタフな芝コンディションになりそうです。人気を分け合うであろう2頭について、クリダームは良馬場でスピードが活きるタイプでしょうしスプレモフレイバーも然り。新馬戦をタフなコンディションで勝ち切ったブトンドールを中心視します。

その新馬戦ではまだ馬がレースを覚えていないのか道中追っつけながらの追走で、4角から早くも手が動く等だいぶ忙しそうな走りでしたが時計は水準級。伸びしろを感じさせる内容で一度使っての上積みは大きいと見ます。このレースでは前走鮫島駿Jが手綱をとって勝った馬が4頭いるのですが、そこから選ばれたのがこの馬でもあり「最も選べる立場」にある鞍上のチョイスを信じたいです。

2022年7月10日日曜日

【7/10(日)予想】七夕賞の全頭評価とプロキオンSの注目馬

■福島11R/七夕賞

[1]①シークレットラン(柴田善)

約1年ぶり。元々順調に使えない馬ではありましたが、球節の不安から長期休養していた経緯がありました。コーナー4つの小回りコースが得意で、3走前の中山金杯は好メンバーの中で唯一大外から足を伸ばし0.7差の⑦着。本来この馬はもう少し前につけて勝負したいタイプで、枠順や4角でスムーズさを欠いたことを考えれば評価できるものでした。当時だけ走れればこの舞台でなら勝負になるかと思いますが、問題はどこまで中身が戻っているか。ここ3週コースで追われ格下馬にやっとこ併入という追い切りですが、元々調教ではあまりよく見せない馬でその3走前の金杯の時も手ごたえからして見劣りしており、マイナスに扱う必要は無さそうです。枠自体は絶好につき、ポジションを取れればいきなりがあっても。

[1]②ロザムール(丸田)

前走の福島牝馬Sでは外差し有利展開にして自ら58.6のラップを刻んでしまい自滅。ただこの馬は「他の馬が苦労するような変な馬場」で好走する特徴があり、昨年のこのレースも雨が残る内前有利展開を味方につけてのものでした。とにかく行くことが前提ですが、今年はトーラスジェミニは控えない想定でこの馬のレースに持ち込むのは難しそうです。

[2]③ヒュミドール(M.デムーロ)

G1~G2では流石に厳しいですが、G3やメンツの薄い長距離戦では小差の好走を続けています。但し3走前の福島記念にしろ5走前の小倉記念にしろ、馬券圏内に来たレースは展開利もしくは外差し有利バイアスを味方につけてのもの。長くいい脚を使いたいタイプにつき多頭数の内枠も本来はベターではなく。

[2]④エヴァーガーデン(松岡)

一見、善戦タイプに見えますが好走のためには4角で3番手以内にいることが絶対条件で、それ未満だと⑪⑬着。関東の2~3勝クラスは中距離戦の頭数が少なくこの馬でも与しやすかったですが、流石に重賞となるとそうもいかずで。

[3]⑤マウントゴールド(永野)

この馬もまた先行できるかが好走のカギで、芝のレースで4角3番手以内なら(4,2,2,3)。ただ本来休み明けは苦にしないこの馬が、間隔を空けて使われたここ2戦は精彩を欠く内容。年齢的なものもありここで再度先手を奪うのは難しいと見ます。

[3]⑥ヒートオンビート(池添)

前走の天皇賞は流れを読んだ池添Jのファインプレーもあり④着。器用さがあり大崩れしないタイプの一方で、使える脚が一瞬のため取りこぼしも多く昇級後7戦して(0,3,2,2)。大味な競馬では届かない懸念があるだけに立ち回りが求められるこの舞台は合っており、極端なスローも見込まれないこのメンバーなら上位評価はできるでしょう。但し繰り返しますが勝ち切れないタイプにつき…

[4]⑦レッドジェネシス(三浦)

特殊な馬場だった昨年の神戸新聞杯を除き、休み明けは(0,0,0,3)。強敵相手のレースが続き自らやめる面も出てきているため、ここはまずキッカケづくりが優先でしょう。

[4]⑧フォルコメン(石橋脩)

前走のダービー卿CTでは最内枠から思い切って下げ、ストレスのかからない乗り方に徹しての②着でした。陣営は距離適性を重視しての参戦を明言しておりますが、ポジションを取りに行く戦法を示唆しており馬群の中ではストレスをためてしまう懸念があること、一方で大外を回そうとすれば距離ロスが大きく、いずれにしても立ち回りが難しい一戦です。

[5]⑨ショウナンバルディ(菅原明)

緩いペースで前付けできるかが好走条件ですが、昨年のこのレースでは同型が多く展開不利が見込まれた中で、岩田康Jが前目のインを確保し直線で差を詰めての③着と好走しました。ただ昨年は雨が残り内前しか残せない特殊なコンディションになったことも幸いし、それほどの降雨も見込まれない今年は再現は難しそうです。

[5]⑩ヤマニンデンファレ(江田照)

先週のCBC賞のおかげで軽ハンデの先行馬が人気する傾向は頷けるのですが、この馬の場合勝った3戦は前半1000mの通過が61.7以上というスローペースの逃げ切りないしは押し切りで、60秒を切るようなレースでは控えても大敗。同型もいる今回はそう楽な展開は望めないでしょう。

[6]⑪アンティシペイト(武藤)

前走の福島民報杯ではウインアグライアが暴走気味に逃げ57.7という乱ペースに。後方待機していた馬たちが上位独占した中で、スタミナと持久力で勝るこの馬が大勝したという背景もありました。パンサラッサでもいれば話は別ですが、馬も人も前走とは大きく違う中で同じようなハマり方をする可能性は低いと言わざるを得ません。ただでさえ重賞で(0,1,4,58)という武藤Jゆえ…

[6]⑫モズナガレボシ(戸崎)

前走の目黒記念は着順だけ見れば大敗も、直線入り口では見せ場を作り苦手な上がり勝負で0.8差に踏ん張りました。元々レースの上がりが36~37秒台に乗るような展開が向いている馬で、距離もありますが東京のキレ勝負は向いていませんでした。

昨年の小倉記念は陣営も語っている通り頭数、ハンデ、馬場、ペースすべてが嵌っての①着。重賞を勝っていないヒュミドール・ヴァンケドミンゴよりもハンデが軽い55kgというのもそこがフロック視されている証左ですが、その後のレースはいずれも訳アリの敗戦でした。5走前の福島記念は乱ペースで後方待機勢にはノーチャンス、4走前のチャレンジCと前走目黒記念は苦手な上がり勝負、3走前の日経新春杯は差し有利コースで先行してのもので2走前の新潟大賞典は差し勢有利の流れを0.3差④着ですから十分に走れています。昨日のレースを見る限り外差しにもチャンスが出てきており、前に行った馬が垂れて直線で馬群が広がればひと差しが決まる期待も。

[7]⑬プリマヴィスタ(内田)

1勝クラス以降の3勝は重馬場、乱ペースと特殊条件でのもの。途中からなし崩し的に脚を使わされる持久力争いなら台頭の目もありますが、まっとうに流れる2000mの重賞では流石に間に合わないでしょう。

[7]⑭トーラスジェミニ(原)

前走のエプソムCはしっかりハナを叩け、1000mも59.7と理想的なラップを刻みながら残せず⑪着。ただ先行勢の中でも外目を回したノースブリッジが勝ったのに対しラチ沿いを進んだ馬はこの馬含めコルテジアなども大敗しており、もとよりゲリラ豪雨後の上滑りする馬場を考えれば結果的にはペースが速かった可能性も捨てきれません。内有利と言い切れないうえロザムールが主張すればハナは難しいですが、復調気配はうかがえるが故ノーマークまでは危険でしょうか。

[8]⑮ヴァンケドミンゴ(津村)

4勝は全て福島。4走前・昨年の七夕賞は特殊馬場でノーチャンス、2走前の福島記念も乱ペースで後方待機勢に出番なしのレースで止む無しの敗戦でした。じわっとポジションを上げていきたいタイプにつき枠は不問で、小回り向きの一瞬のキレも持ち合わせています。流石に絶好調だった一昨年の頃の勢いとまではいきませんが、極端なハイペースにならなければ押さえは必要でしょう。

[8]⑯エヒト(田中勝)

昇級後の2戦が⑨⑦着ですが、AJCCは伸びかけたところで前が壁になり京都記念はスローペースのノーチャンス戦。タイム差は小さく善戦は可能と見ます。但しこの馬の好走パターンは内目で脚を溜める形が取れた時で、2桁馬番では(0,0,0,4)。思い切って下げて内を取れれば話は別ですが、そうすると今度は後ろ過ぎて一瞬の脚では届かない懸念もあります。

<予想>
◎モズナガレボシ
○ヒートオンビート
▲シークレットラン
△ヒュミドール
△ヴァンケドミンゴ
△エヒト
△トーラスジェミニ


■小倉11R/プロキオンS エクレアスパークル

メイショウウズマサ、トップウイナーが飛ばす想定なうえ、被されたくないエアアルマスも積極策をとる可能性。ただでさえコース形態的に前半が流れ短距離戦のようなペースになりやすい小倉ダート1700mですから、芝の1200~1400mあたりで好走したことのあるくらいの馬の方が与しやすいコースです。今回該当条件の好走歴があるのはこの馬とエアアルマスのみですが、痛恨の最内枠を引いたあちらに対し前を見ながら運べるエクレアスパークルは絶好枠と言えるでしょう。良馬場ダート1700mなら(2,1,0,0)。馬場の回復が急ピッチで進み、レースまでには良馬場が見込まれるこのコンディションなら狙いが立ちます。

2022年7月9日土曜日

【7/9(土)予想】ねらい目レース(函館4)

■函館4R マルアズール

前走は初めて試したダートが合わず大敗。それまでは芝を4回走って⑤④⑦⑥着、いずれも1.0差以内に着をまとめています。特に4走前の東京戦は勝ったのがラズベリームース(アネモネS②着)で②着がニシノラブウインク(フラワーC②着)、③着のファロロジーも既に2勝を挙げており④着のこの馬がいつ勝ち上がってもおかしくはありません。

加えて今回内に入ったユイ、シャノワールは先行タイプ。フレイムリリーも菱田Jなら積極策が見込まれ、岩田康Jのお家芸であるインベタが叶いそうな枠の並び。函館は今週からBコース替わりでラチ沿いの傷みがカバーされ、経済コースから一押しを効かせるには絶好のコンディションです。血統的にも1F延長は問題ないはずで、芝の未勝利戦は挙行数も限られます。決めるなら今回でしょう。

2022年7月3日日曜日

【7/3(日)予想】ラジオNIKKEI賞・CBC賞の全頭評価

■福島11R/ラジオNIKKEI賞

[1]①サトノヘリオス(岩田望)

前走の皐月賞では中3週での再輸送と苦手な多頭数戦ということもあり⑰着大敗。13頭立ては微妙なところですが内枠は有難いところで、皐月賞以来で十分に間隔を取られており体調面の不安はないと見てよいでしょう。ただ臨戦過程を踏まえれば前走の方が調教の動きは良く、輸送も込みでの仕上げかと思いますが当日の馬体を見ないと何とも。

[1]②ホウオウノーサイド(永野)

母ツーデイズノーチスは同じ斎藤誠厩舎の所属で、アネモネSを制し牝馬クラシックに駒を進めました。ただ距離実績はその1600mまでで、ホウオウノーサイドもここまで1400m以下を中心に使われてきており、1400m戦で中距離戦のようなラップを先行した前走の内容からもこの距離を克服できる道筋は描けません。

[2]③フェーングロッテン(松若)

白百合Sは近年地盤沈下が激しく、先ずここ3年連続して8頭以下と頭数が揃わないことに加えて特に中京開催のここ2年は実質1勝クラスのようなメンバー構成。実際に20年の勝ち馬ヒュッゲ、21年の勝ち馬セファーラジエルはその後1勝も出来ずで、事実今年の白百合S組もここまで次走の自己条件(1勝クラス)でいずれも⑤着以下。リステッド勝ち馬にも拘らずハンデが55kgと前走より軽くなっているのは白百合Sの相手関係を考えれば妥当な判断ですが、1勝クラスを勝ってきた馬がもっと軽くなっていることを踏まえればここで足りるかは怪しいと言わざるを得ません。

[4]④オウケンボルト(M.デムーロ)

2走前のスプリングSでは出遅れもさることながら距離不足も露呈した格好。前走の青葉賞はディライトバローズの暴走でペースが上がったもので度外視できますが、いずれにしても開幕週のこの距離では追走は厳しいでしょう。

[4]⑤クロスマジェスティ(三浦)

この馬の勝った2走前のアネモネSもほとんどが1勝馬という「名ばかりリステッド」。但し掛かり気味に上がってきたヴィズグレイスを凌いで押し切った内容は評価でき、今回は上級戦でからっきしの武藤Jから三浦Jへの乗り替わり。距離延長で位置取りが改善すれば一発は見込めるでしょう。ますが内田博Jは1600m以上では基本的に「行くか溜めるか」の両極端な競馬でしか結果を残せないタイプです。折り合わせて距離を持たせるという細工は苦手で、仕方ないにしてもこのチョイスは少々ミスマッチかと。

[5]⑥ボーンディスウェイ(石橋脩)

前走の皐月賞は自分の競馬に徹した結果残らない内を通り⑭着。同じような位置にいたアスクビクターモアはダービーで③着しており、こちらは4角で囲まれ動けない場面がありながらそれでも1.0差にまとめた内容は評価できます。皐月賞後一息入れて立て直され、1週前にはDWでしまい11.1秒の好時計をマーク。元々先行力があるうえ課題だったキレが出てくれば開幕週の時計勝負にも対応可能で、このメンバーなら堂々の中心を張れる存在です。

[5]⑦ショウナンマグマ(菅原明)

OP級に出走した2回はいずれも気の悪さを見せ大敗も、ハナにこだわらなくなってきた点は成長と言えます。多頭数で極端な内枠だった前走を度外視すれば見限れず、2走前のように気分良く行けさえすればチャンスも。

[6]⑧タガノフィナーレ(吉田豊)

前走の1勝クラス戦はスローペースの単騎逃げ。開幕週のマイル戦で5F60.3というのは恵まれ過ぎで、距離も伸び強力な同型も多いここでは厳しく。

[6]⑨ベジャール(戸崎)

前走の毎日杯は向こう正面でペースが落ち、ステップレースという性質もあってそこからギリギリまでペースが上がらなかった結果内前の2頭によるワンツーが決まったという内容。あまり評価できるレースではなく、フットワークの大きいタイプでもあり小回りコースでパフォーマンスを上げられるかと言われると…?

[7]⑩ミッキーブンブン(菊沢)

1年前にこのコースで新馬戦を勝ったもののその後は尻すぼみ。昨秋に増えた体重が3歳になってからは横ばいで、2か月半ぶりのこの中間も特に変わってはいない様子。走るたびに成績を落とす格好になっているのは成長力で他の馬の後塵を拝している証左で。

[8]⑪ソネットフレーズ(津村)

前走のNHKマイルCは脚部不安で春のひと叩きを自重しての一戦で、直前の動き自体は悪くなかったもののまだ良化途上という出来でした。加えて2番枠ですぐに囲まれてしまいスムーズさを欠き、直線ではお釣りなく⑰着大敗。これ自体は度外視できるものの、デイリー杯の頃からどれだけの成長があるのかという点がポイントです。足元を気遣いながらの調整だった前走ですら+8kgに留まっていたことを踏まえれば、当時からの顕著な成長は見られずで1F延長も低くないハードルに映ります。

[8]⑫グランディア(坂井)

ピースオブエイトが勝ちボルドグフーシュが③着だった新馬戦②着が実質的に一番良いパフォーマンスでした。この辺りは一発勝負に強い中内田厩舎らしく、当時のパフォーマンスを考えれば若駒SもプリンシパルSも物足りない内容。そこからの続戦で上積みが見込みにくいとなると、重賞好走組もいるここでは。

[8]⑬ゴーゴーユタカ(田辺)

ここまで4戦すべて中山マイルを使われてきました。中山マイルはコーナー3つのトリッキーなコースで、東京や阪神のワンターンのマイルとは明らかに性質が異なる故上手く潜り込めれば距離は何とかなるでしょう。ただ、この中間の動きは確かにやや不安で、1週前のグランシエロは動きすぎと言えますが最終の2頭併せはデビュー前の2歳馬2頭が相手。先着したとはいえ内のハルオーブには途中まで劣勢で最後に仕掛けてようやく交わしたという内容。相手なりと言えばそれまでですが、重賞となると善戦マンでは押し切れずで。

<予想>
◎ボーンディスウェイ
○サトノヘリオス
▲ショウナンマグマ


■小倉11R/CBC賞

[1]①レインボーフラッグ(国分優)

ベストは左回りの平坦。右回りは割引なうえ1200mでは追走にも苦労しそうです。

[1]②アネゴハダ(藤懸)

桜花賞は1F長かった分で、前走は実績のある距離でもあり完勝と言える内容でした。ただそこからさらに1F短縮が良いかと言われると必ずしもそうではなく、昨年の小倉2歳Sが1.08.5だったことを考えればそこから一回り以上の時計短縮は必要でしょう。当時から5kgも軽い斤量であればそれも可能と見ることもできますが…

[2]③レジェーロ(団野)

ここ12戦の戦績が②⑨⑰⑭①⑨⑭⑪②⑯⑯⑯と4走ごとに好走する不思議な並び。この流れなら今回は好走の番ですが、いずれも速めの時計で決着するタイミングで馬格のないこの馬にとって走りやすいレースであったとも言えます。今回も開幕週の高速馬場で走れる条件ではあり、アクシデント起因ではありますが団野Jへの乗り替わり自体はプラスでしょう。但し前半が32秒台になるようなレースでは⑭⑨着と好走実績がなく、追走力に不安の残る舞台です。

[2]④シホノレジーナ(角田河)

色々と注文のつく馬で、マイペースでスムーズに先行したうえで被されないのが理想。そのため芝ではスピードが足りず、ダートでは砂被りのリスクと戦わなければいけないという現状でここでそれができる可能性は限りなく低いでしょう。

[3]⑤テイエムスパーダ(今村)

2走前の葵Sでは内枠から被され直線で行き場を失くしての⑪着。それ以外芝の1200mでは(3,1,0,0)と崩れていません。ただ今回は外枠にハナを叩きたい馬が多く、いくら48kgとはいえスムーズに前目を運びたいこの馬にとっては試練の枠順です。尤も、今村Jであれば前目にこだわらずラチ沿いのエアポケットを進み最後にひと脚使わせる騎乗も可能そうで、腕を見込んで買う選択肢もありますがそれにしては人気し過ぎで。

[3]⑥メイショウケイメイ(小沢)

シンガリ一気の嵌り待ちタイプ。前が早くなるのは良いですが全体の決着時計も速いので間に合うかと言われると…

[4]⑦スナークスター(富田)

ダート短距離は恒常的に供給過少で、出られそうな番組に出るということ自体は間違いではないのですが芝コースもこの時計も対応できる根拠に乏しく…

[4]⑧タイセイビジョン(川田)

昨年の超高速決着を④着していますが、前提としてここまで時計が速くなると体力的に牝馬や格下馬が淘汰されるわけで、現に前走の春雷Sも超高速決着を差し込んでの②着。スタートに難のあるこの馬は後ろから行ってバテた馬を交わしてどこまでという戦い方にならざるを得ません。複の相手にマークは必要ですが、頭があるタイプかと言われると…?

[5]⑨ロードベイリーフ(和田竜)

このコースでは4回走って④①②⑯。⑯着としたのは今年の北九州短距離Sですが、これは馬場の悪い内を避けて進む展開をコースロスを嫌って1頭だけ内を進んだもの。当然伸びるはずもなく度外視していいレースでした。

前走の韋駄天Sでは待機策から勝ち馬の後ろを通り末脚を伸ばしての②着。今回はその前走同様にテンの入りは32秒台が見込まれるレースにつき持ち味の活かせるレースにはなるでしょう。気になるのは夏場の実績がないこと。3歳以降は梅雨明け後の酷暑を避けて使われており、良績も冬~春に集中。直前の調整がだいぶ軽いことも含め、コンディションの不安は残ります。

[5]⑩メイショウチタン(荻野極)

休み明けは4回走っていずれも着外。現状1400mの方が置かれずにレースができることも含め、この舞台では。

[6]⑪カリボール(西村淳)

前走は初の1200m戦で決め手を活かし久々の勝利。この馬は菊花賞に使われたあたりから気性難が酷くなった印象で、その後は距離短縮局面でしか好走できていません。前走にしても②着以下の馬のほとんどは次走で着外となっておりレベルの高いメンバーとは言えず、同距離でメンバーが強化されるここで通用するかと言われると?

[6]⑫スマートリアン(秋山真)

本来は先週のパラダイスSが本線だったものの除外の憂き目に遭いここへ。折り合いの難しい馬で距離短縮はプラスに作用しそうですが、よりによって激流の小倉で1200mとなると流石に1600~1800mを主戦場としているこの馬にとっては楽ではないでしょう。

[7]⑬モントライゼ(北村友)

3歳以降は精彩を欠く内容。いろいろと条件を変えながら使われていますが、京王杯を勝った時の体重が496kgで4歳春の前走が500kgと、馬体の成長が一向に見られないことが気がかりです。やはりこの馬も成長力のアドバンテージの消失に伴い成績を下げているという見方ができるでしょう。

[7]⑭タマモティータイム(国分恭)

格上挑戦ですがこのコースに良績が集中しており、先行馬総崩れになるような展開以外ではしっかり走れています。ただ昨年の冬の小倉までは厳しいペースでも踏ん張れていたのですが、以降は注文がつくことが多くなった印象。前走のダートは度外視しても久しくハナを叩けていないのが懸念点で、テンの速い馬の多いここは楽なレースは出来なさそうで。

[8]⑮スティクス(幸)

このコースで3戦2勝と相性良く、3走前の北九州短距離Sこそ⑱着に大敗しましたが、元々被されると脆いところがあり2番枠からのスタートでは厳しいものがありました。勝っている2回はそれぞれ18/18番、12/14番と外目の枠を引けたときで、今回も15/17番と外目の好枠。元々このコースで1勝クラスを1.06.9という驚異的な時計で勝っており、開幕週の速い馬場は大好物。OP実績がなくハンデ据え置きの52kgも好材料で、発馬決めて自分の形に持ち込めれば巻き返しは必至でしょう。あとは雨は苦手なので天気が持ちこたえてくれれば…

[8]⑯アンコールプリュ(藤岡康)

4年半勝ってないうえ重賞に出てくるのも3年半ぶりですが、7歳の今年もOPで小差のレースを続けています。前走の韋駄天Sは直線では前が詰まりながらも盛り返し32.7の末脚。スムーズなら掲示板もあったのではと思えますし、最後まで前に目標を置けたことで近走見せていた舌を出して走る悪癖が見られなかったことも大きいです。

中間の負荷自体は軽めですが前走後1か月間丹念に乗られ、1週前には重いウッドで51.3-11.2と単走ながら好時計をマーク。両隣がハナを主張するタイプにつきスタートで難儀する懸念が少なく、距離延長で流れに乗れればこのメンバーでも引けは取らないでしょう。

[8]⑰ファストフォース(松山)

昨年は究極の時計勝負を逃げ切りましたが、頭数が落ち着いたうえ内目の枠を引け、52kgの軽量で体力勝負を凌ぎ切れたことも大きかったです。今年もハナを主張すると見られますが、斤量も増え大外枠、他に行きたい馬も複数いるとなると自分の形に持ち込むには少々難易度が高そうです。

<予想>
◎スティクス
○タイセイビジョン
▲アンコールプリュ
△ロードベイリーフ
△ファストフォース

2022年7月2日土曜日

【7/2(土)予想】ねらい目レース(小倉3、函館12)

■小倉3R イダマンテ


上記の通り好走と凡走を繰り返すタイプで、このコースは2回走って0.2差、0.4差と小差で走れています。この時期の未勝利戦はただでさえ頭数が多いのですがここもご多分に漏れず18頭立てで、内枠を引けたのは好材料。幸いにして前走同距離で逃げている馬はおらずポジションは比較的楽に取れそうで、メンバーも手ごろなここはチャンスでしょう。


■函館12R シャインフォール

前走で勝ったイグザルトは次走2勝クラスを連勝。当時⑦着のゼンカイテンも次走で勝ち上がったのをはじめ②④⑨着馬も次走で掲示板を確保する好メンバーでした。その中でこの馬はあおり気味のスタートから後手を踏み、直線でも外を回すロスがありながら⑤着まで追い上げてきました。発馬がカギですが、前走の内容からも小回り1700mに対応できるスピードは持っておりまともなら頭まで。