■福島11R/ラジオNIKKEI賞
[1]①サトノヘリオス(岩田望)
前走の皐月賞では中3週での再輸送と苦手な多頭数戦ということもあり⑰着大敗。13頭立ては微妙なところですが内枠は有難いところで、皐月賞以来で十分に間隔を取られており体調面の不安はないと見てよいでしょう。ただ臨戦過程を踏まえれば前走の方が調教の動きは良く、輸送も込みでの仕上げかと思いますが当日の馬体を見ないと何とも。
[1]②ホウオウノーサイド(永野)
母ツーデイズノーチスは同じ斎藤誠厩舎の所属で、アネモネSを制し牝馬クラシックに駒を進めました。ただ距離実績はその1600mまでで、ホウオウノーサイドもここまで1400m以下を中心に使われてきており、1400m戦で中距離戦のようなラップを先行した前走の内容からもこの距離を克服できる道筋は描けません。
[2]③フェーングロッテン(松若)
白百合Sは近年地盤沈下が激しく、先ずここ3年連続して8頭以下と頭数が揃わないことに加えて特に中京開催のここ2年は実質1勝クラスのようなメンバー構成。実際に20年の勝ち馬ヒュッゲ、21年の勝ち馬セファーラジエルはその後1勝も出来ずで、事実今年の白百合S組もここまで次走の自己条件(1勝クラス)でいずれも⑤着以下。リステッド勝ち馬にも拘らずハンデが55kgと前走より軽くなっているのは白百合Sの相手関係を考えれば妥当な判断ですが、1勝クラスを勝ってきた馬がもっと軽くなっていることを踏まえればここで足りるかは怪しいと言わざるを得ません。
[4]④オウケンボルト(M.デムーロ)
2走前のスプリングSでは出遅れもさることながら距離不足も露呈した格好。前走の青葉賞はディライトバローズの暴走でペースが上がったもので度外視できますが、いずれにしても開幕週のこの距離では追走は厳しいでしょう。
[4]⑤クロスマジェスティ(三浦)
この馬の勝った2走前のアネモネSもほとんどが1勝馬という「名ばかりリステッド」。但し掛かり気味に上がってきたヴィズグレイスを凌いで押し切った内容は評価でき、今回は上級戦でからっきしの武藤Jから三浦Jへの乗り替わり。距離延長で位置取りが改善すれば一発は見込めるでしょう。ますが内田博Jは1600m以上では基本的に「行くか溜めるか」の両極端な競馬でしか結果を残せないタイプです。折り合わせて距離を持たせるという細工は苦手で、仕方ないにしてもこのチョイスは少々ミスマッチかと。
[5]⑥ボーンディスウェイ(石橋脩)
前走の皐月賞は自分の競馬に徹した結果残らない内を通り⑭着。同じような位置にいたアスクビクターモアはダービーで③着しており、こちらは4角で囲まれ動けない場面がありながらそれでも1.0差にまとめた内容は評価できます。皐月賞後一息入れて立て直され、1週前にはDWでしまい11.1秒の好時計をマーク。元々先行力があるうえ課題だったキレが出てくれば開幕週の時計勝負にも対応可能で、このメンバーなら堂々の中心を張れる存在です。
[5]⑦ショウナンマグマ(菅原明)
OP級に出走した2回はいずれも気の悪さを見せ大敗も、ハナにこだわらなくなってきた点は成長と言えます。多頭数で極端な内枠だった前走を度外視すれば見限れず、2走前のように気分良く行けさえすればチャンスも。
[6]⑧タガノフィナーレ(吉田豊)
前走の1勝クラス戦はスローペースの単騎逃げ。開幕週のマイル戦で5F60.3というのは恵まれ過ぎで、距離も伸び強力な同型も多いここでは厳しく。
[6]⑨ベジャール(戸崎)
前走の毎日杯は向こう正面でペースが落ち、ステップレースという性質もあってそこからギリギリまでペースが上がらなかった結果内前の2頭によるワンツーが決まったという内容。あまり評価できるレースではなく、フットワークの大きいタイプでもあり小回りコースでパフォーマンスを上げられるかと言われると…?
[7]⑩ミッキーブンブン(菊沢)
1年前にこのコースで新馬戦を勝ったもののその後は尻すぼみ。昨秋に増えた体重が3歳になってからは横ばいで、2か月半ぶりのこの中間も特に変わってはいない様子。走るたびに成績を落とす格好になっているのは成長力で他の馬の後塵を拝している証左で。
[8]⑪ソネットフレーズ(津村)
前走のNHKマイルCは脚部不安で春のひと叩きを自重しての一戦で、直前の動き自体は悪くなかったもののまだ良化途上という出来でした。加えて2番枠ですぐに囲まれてしまいスムーズさを欠き、直線ではお釣りなく⑰着大敗。これ自体は度外視できるものの、デイリー杯の頃からどれだけの成長があるのかという点がポイントです。足元を気遣いながらの調整だった前走ですら+8kgに留まっていたことを踏まえれば、当時からの顕著な成長は見られずで1F延長も低くないハードルに映ります。
[8]⑫グランディア(坂井)
ピースオブエイトが勝ちボルドグフーシュが③着だった新馬戦②着が実質的に一番良いパフォーマンスでした。この辺りは一発勝負に強い中内田厩舎らしく、当時のパフォーマンスを考えれば若駒SもプリンシパルSも物足りない内容。そこからの続戦で上積みが見込みにくいとなると、重賞好走組もいるここでは。
[8]⑬ゴーゴーユタカ(田辺)
ここまで4戦すべて中山マイルを使われてきました。中山マイルはコーナー3つのトリッキーなコースで、東京や阪神のワンターンのマイルとは明らかに性質が異なる故上手く潜り込めれば距離は何とかなるでしょう。ただ、この中間の動きは確かにやや不安で、1週前のグランシエロは動きすぎと言えますが最終の2頭併せはデビュー前の2歳馬2頭が相手。先着したとはいえ内のハルオーブには途中まで劣勢で最後に仕掛けてようやく交わしたという内容。相手なりと言えばそれまでですが、重賞となると善戦マンでは押し切れずで。
<予想>
◎ボーンディスウェイ
○サトノヘリオス
▲ショウナンマグマ
■小倉11R/CBC賞
[1]①レインボーフラッグ(国分優)
ベストは左回りの平坦。右回りは割引なうえ1200mでは追走にも苦労しそうです。
[1]②アネゴハダ(藤懸)
桜花賞は1F長かった分で、前走は実績のある距離でもあり完勝と言える内容でした。ただそこからさらに1F短縮が良いかと言われると必ずしもそうではなく、昨年の小倉2歳Sが1.08.5だったことを考えればそこから一回り以上の時計短縮は必要でしょう。当時から5kgも軽い斤量であればそれも可能と見ることもできますが…
[2]③レジェーロ(団野)
ここ12戦の戦績が②⑨⑰⑭①⑨⑭⑪②⑯⑯⑯と4走ごとに好走する不思議な並び。この流れなら今回は好走の番ですが、いずれも速めの時計で決着するタイミングで馬格のないこの馬にとって走りやすいレースであったとも言えます。今回も開幕週の高速馬場で走れる条件ではあり、アクシデント起因ではありますが団野Jへの乗り替わり自体はプラスでしょう。但し前半が32秒台になるようなレースでは⑭⑨着と好走実績がなく、追走力に不安の残る舞台です。
[2]④シホノレジーナ(角田河)
色々と注文のつく馬で、マイペースでスムーズに先行したうえで被されないのが理想。そのため芝ではスピードが足りず、ダートでは砂被りのリスクと戦わなければいけないという現状でここでそれができる可能性は限りなく低いでしょう。
[3]⑤テイエムスパーダ(今村)
2走前の葵Sでは内枠から被され直線で行き場を失くしての⑪着。それ以外芝の1200mでは(3,1,0,0)と崩れていません。ただ今回は外枠にハナを叩きたい馬が多く、いくら48kgとはいえスムーズに前目を運びたいこの馬にとっては試練の枠順です。尤も、今村Jであれば前目にこだわらずラチ沿いのエアポケットを進み最後にひと脚使わせる騎乗も可能そうで、腕を見込んで買う選択肢もありますがそれにしては人気し過ぎで。
[3]⑥メイショウケイメイ(小沢)
シンガリ一気の嵌り待ちタイプ。前が早くなるのは良いですが全体の決着時計も速いので間に合うかと言われると…
[4]⑦スナークスター(富田)
ダート短距離は恒常的に供給過少で、出られそうな番組に出るということ自体は間違いではないのですが芝コースもこの時計も対応できる根拠に乏しく…
[4]⑧タイセイビジョン(川田)
昨年の超高速決着を④着していますが、前提としてここまで時計が速くなると体力的に牝馬や格下馬が淘汰されるわけで、現に前走の春雷Sも超高速決着を差し込んでの②着。スタートに難のあるこの馬は後ろから行ってバテた馬を交わしてどこまでという戦い方にならざるを得ません。複の相手にマークは必要ですが、頭があるタイプかと言われると…?
[5]⑨ロードベイリーフ(和田竜)
このコースでは4回走って④①②⑯。⑯着としたのは今年の北九州短距離Sですが、これは馬場の悪い内を避けて進む展開をコースロスを嫌って1頭だけ内を進んだもの。当然伸びるはずもなく度外視していいレースでした。
前走の韋駄天Sでは待機策から勝ち馬の後ろを通り末脚を伸ばしての②着。今回はその前走同様にテンの入りは32秒台が見込まれるレースにつき持ち味の活かせるレースにはなるでしょう。気になるのは夏場の実績がないこと。3歳以降は梅雨明け後の酷暑を避けて使われており、良績も冬~春に集中。直前の調整がだいぶ軽いことも含め、コンディションの不安は残ります。
[5]⑩メイショウチタン(荻野極)
休み明けは4回走っていずれも着外。現状1400mの方が置かれずにレースができることも含め、この舞台では。
[6]⑪カリボール(西村淳)
前走は初の1200m戦で決め手を活かし久々の勝利。この馬は菊花賞に使われたあたりから気性難が酷くなった印象で、その後は距離短縮局面でしか好走できていません。前走にしても②着以下の馬のほとんどは次走で着外となっておりレベルの高いメンバーとは言えず、同距離でメンバーが強化されるここで通用するかと言われると?
[6]⑫スマートリアン(秋山真)
本来は先週のパラダイスSが本線だったものの除外の憂き目に遭いここへ。折り合いの難しい馬で距離短縮はプラスに作用しそうですが、よりによって激流の小倉で1200mとなると流石に1600~1800mを主戦場としているこの馬にとっては楽ではないでしょう。
[7]⑬モントライゼ(北村友)
3歳以降は精彩を欠く内容。いろいろと条件を変えながら使われていますが、京王杯を勝った時の体重が496kgで4歳春の前走が500kgと、馬体の成長が一向に見られないことが気がかりです。やはりこの馬も成長力のアドバンテージの消失に伴い成績を下げているという見方ができるでしょう。
[7]⑭タマモティータイム(国分恭)
格上挑戦ですがこのコースに良績が集中しており、先行馬総崩れになるような展開以外ではしっかり走れています。ただ昨年の冬の小倉までは厳しいペースでも踏ん張れていたのですが、以降は注文がつくことが多くなった印象。前走のダートは度外視しても久しくハナを叩けていないのが懸念点で、テンの速い馬の多いここは楽なレースは出来なさそうで。
[8]⑮スティクス(幸)
このコースで3戦2勝と相性良く、3走前の北九州短距離Sこそ⑱着に大敗しましたが、元々被されると脆いところがあり2番枠からのスタートでは厳しいものがありました。勝っている2回はそれぞれ18/18番、12/14番と外目の枠を引けたときで、今回も15/17番と外目の好枠。元々このコースで1勝クラスを1.06.9という驚異的な時計で勝っており、開幕週の速い馬場は大好物。OP実績がなくハンデ据え置きの52kgも好材料で、発馬決めて自分の形に持ち込めれば巻き返しは必至でしょう。あとは雨は苦手なので天気が持ちこたえてくれれば…
[8]⑯アンコールプリュ(藤岡康)
4年半勝ってないうえ重賞に出てくるのも3年半ぶりですが、7歳の今年もOPで小差のレースを続けています。前走の韋駄天Sは直線では前が詰まりながらも盛り返し32.7の末脚。スムーズなら掲示板もあったのではと思えますし、最後まで前に目標を置けたことで近走見せていた舌を出して走る悪癖が見られなかったことも大きいです。
中間の負荷自体は軽めですが前走後1か月間丹念に乗られ、1週前には重いウッドで51.3-11.2と単走ながら好時計をマーク。両隣がハナを主張するタイプにつきスタートで難儀する懸念が少なく、距離延長で流れに乗れればこのメンバーでも引けは取らないでしょう。
[8]⑰ファストフォース(松山)
昨年は究極の時計勝負を逃げ切りましたが、頭数が落ち着いたうえ内目の枠を引け、52kgの軽量で体力勝負を凌ぎ切れたことも大きかったです。今年もハナを主張すると見られますが、斤量も増え大外枠、他に行きたい馬も複数いるとなると自分の形に持ち込むには少々難易度が高そうです。
<予想>
◎スティクス
○タイセイビジョン
▲アンコールプリュ
△ロードベイリーフ
△ファストフォース