2回中山開催というのは前年12月~当年1月の2か月間の開催から1か月のインターバルを経ての2か月連続開催につき前開催の傷みのリカバリーが鍵となりますが、芝の生育管理技術の向上に伴い年々内外の不利は少なくなっています。このレースも昔は馬場の悪い内目を通らされた馬が苦戦してきましたが、近年ではモズスーパーフレアやハクサンムーンのようにハイペースを刻む逃げ馬の台頭も目立つようになりました。
但し逃げ馬が絶対有利かと言えばそういうわけでもなく、過去10年で(1,2,2,5)。むしろ頭妙味は2~4番手で(6,4,1,24)。今回のメンバーですとジャスパージャックはハナを主張するでしょうがその他は出たなりというタイプ。その中でも一番外枠を引け被される可能性の少ないキミワクイーンを本命としました。1200mに転戦してから(2,1,0,0)。唯一敗れた2走前の道頓堀Sは輸送減りで-14kgと体調が整わなかった中でジャスパージャックとタイム差なしというもので評価を落とす必要はなく、実績馬が本番に向けた試走という位置づけの中でここで賞金を確保したい思惑はわざわざ岩田康Jを関東に呼んだところからも十二分に伝わってきます(横山武Jがペリファーニアを断りにくいという事情もあるかと思いますが)。1200mでの3戦すべてで2~4番手を確保して好走できている点もこのレースにマッチしますし、ここはいきなりでも通用できるでしょう。
■阪神11R/チューリップ賞 ペリファーニア
桜花賞に限った話ではないですが、G1レースの前哨戦と言われてきた各レースの地位が低下してきているのは事実でしょう。それには複数の理由があると考えられますが、日本競馬全体のレベルの向上に伴い1レースあたりの消耗度が高くなったことで本番前に十分な間隔を取る必要があり、以前の考え方で本番1か月前等に設けられたトライアルレースを使ってしまうと本番に十分な体力を残すことができないというのが大きいです。加えて、JRA自体が新馬戦の早期化・2歳戦の充実などにより早くに賞金を稼ぐ方向に仕向けていることもあり、有力馬は早期にクラシック出走に十分な賞金を確保し本番に余裕のあるローテで臨むことが増えました。
結果として、昔の考え方で本番1か月前に設けられたままのトライアルレースは現代においては「2歳重賞に間に合わなかった馬」以外は「賞金が足りている馬の調教代わり」か「桜花賞に出くことが目的になっている馬」の出走にしかなっていないのが現状です。事実チューリップ賞で優先出走権を得た馬で実際に桜花賞を勝ったのは16年②着のジュエラー以来出ておらず、レースの立ち位置は確実に変化しています。こうなると、実績馬はここで全力を出さない可能性がある一方で、賞金の足りない馬の大半はここまで勝ちあぐねてきたわけで無敗のケースを除けばここで狙える馬は限られます。
血統的にも人気は必至でしょうが、ここは新馬戦からの伸びしろも含めてペリファーニアを本命とします。その新馬戦はスタート劣勢も中団に取りつき、向こう正面でもポジションを取ろうと鞍上が仕掛けるとすぐに反応し直線では楽に抜け出す強い内容。反応の良さ、立ち回りの巧さは半兄エフフォーリア同様で、初戦から16頭立てのレースを経験できたことも大きかったです。このレースセンスならば17番枠も克服できる可能性が高いと見ます。
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