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2023年10月22日日曜日

【10/22(日)予想】菊花賞の全頭評価とねらい目レース(妙高特別)

■京都11R/菊花賞

[1]①トップナイフ(横山典)

クラシック2走は折り合い面を重視してか後方から運びましたが、元々切れる脚を持っていないだけにこの馬の上がりでは追いつくことができませんでした。前走の札幌記念はスタートはソロっと出すも雨上がりで他の馬が避けるラチ沿いを通ってショートカット、ほぼほぼコーナーワークだけで先頭に立ちましたが最後はプログノーシスに突き放されての②着に敗れました。元々位置取り不問で結果を出してきた馬であり、気分良く走れさえすればキレの問われない舞台なら好走可能なポテンシャルを有してはいますが、一気の距離延長となる今回は皐月賞・ダービー同様の後ろポツンが想定されるだけに、皐月賞でも0.9差⑦着が限界だったことを踏まえれば平坦の京都で捕まえられるかは半信半疑で。

[1]②ウインオーディン(三浦)

2走前の阿賀野川特別はハイペースで折り合いがつき、まくりが決まりやすい展開にも乗じて②着を確保しましたが、前走のセントライト記念では序盤収めるのに苦労しほぼ何も出来ずの⑥着。3000m戦で前走(60.1)以上のハイペースになることは考えにくく、序盤で消耗する懸念が大きいです。

[2]③シーズンリッチ(角田河)

折り合いに難があり、これまでの2勝は何れもワンターンでのもの。前走の神戸新聞杯も序盤から口を割って競馬にならずの⑩着で、距離短縮局面で狙いたい馬につき。

[2]④ダノントルネード(西村淳)

前走の日本海Sは積極策で運ぶも追ってから案外で、デビュー以来最低の1.1差⑪着。ドスローで溜めに溜めて直線向いてから脚を使うレースでは結果を残せていますが、ペースが流れたりなし崩し的に脚を使うレースは向いておらず、ここもコーナーからの仕掛けが必要な舞台につき。

[3]⑤パクスオトマニカ(田辺)

ダービーは最後バッタリ止まってしまい⑬着でしたが、控えても味のないタイプにつき前に行くしか戦法はないでしょう。但しヴィクトワールピサ産駒は長距離実績が皆無で、2600m以上では(0,0,0,4)。ここでどうにかするのは難しそうで。

[3]⑥リビアングラス(坂井)

2013年以降の京都開催で2度複穴を輩出している阿賀野川特別の勝ち馬。その前走は前半58.9というかなりのハイラップを逃げ切る強い内容でした。実はデータが取れる1986年以降で、「芝2200m以上のレースで前半58秒台以下で逃げ切った」例はこのレースを含めたったの4例(減量騎手騎乗を除く)しかなく

1998/7/12 宝塚記念 阪神芝2200m サイレンススズカ 58南井 58.6
2004/9/19 セントライト記念 中山芝2200m コスモバルク 56五十嵐冬 58.8
2007/12/1 美浦特別(3歳上1000万下) 中山芝2500m ネヴァキングダム 55ペリエ 58.3
2023/8/20 阿賀野川特別(3歳上2勝C) 新潟芝2200m リビアングラス 55吉田豊 58.9

と歴史的名馬にも匹敵する好タイムでありました。長い距離のレースは騎手がスタミナを意識してかスローになりがちで本来の力が見えにくい展開が多く、今よりもペース意識が低かった一昔前はステイヤーズSなどの長距離戦はさながら高齢馬の同窓会でありました。逆を言えば、長い距離のレースでもそれなりのスピードで走り切れるということは本質的な強さの証でもあり、これが先行勢が上位を占める決着であったなら馬場に恵まれたという見方もできますがそうではなく、実際このレースは②着以下はまくりか追い込みの馬ばかりで、序盤に先手を取った馬はことごとく沈んでいます。本来後方勢が有利になる展開で逃げ切った価値は大きく、強気に乗れれば十分にチャンスはあるでしょう。

[4]⑦タスティエーラ(モレイラ)

結果的に皐月賞はソラを使った分の②着で、前にも横にも馬を置いて理想的に追い出せたダービーのパフォーマンスが本来のこの馬の強さだったといえます。それだけに真ん中の枠を引けたのは好材料で、状態面から前哨戦を自重した経緯はあるとはいえこの中間は2週連続でウッドで軽快な動きを見せており、ここに向けての仕上がりに問題は無さそうです。

問題は菊花賞が「ぶっつけ本番は来ない」レースだということ。過去10年の勝ち馬の内最も間隔が空いていたのは18年勝ち馬のフィエールマンが辿ったラジオNIKKEI賞からのローテで「中10週」。そもそもダービーからの直行は1例(21年ディープモンスター⑯→⑤着)だけで、どちらかと言えば菊花賞の前哨戦は「賞金が足りないので権利が欲しい」か「距離が問題ないか確認したい」という意図での参戦が多く、この馬自身の能力に問題が無ければ直行ローテ自体は問題視しなくても良いでしょう。仮にそれが理由で人気が落ちているのであればむしろ買いという考え方も。

[4]⑧サヴォーナ(池添)

位置を取る競馬にチェンジして取り口が安定しており、前走の神戸新聞杯も緩い流れで②着に踏ん張りました。但しトライアルで他馬の仕掛けがギリギリになった分もあり、ここは早めに動かざるを得ないレースになることが見込まれるだけに。

[5]⑨ノッキングポイント(北村宏)

前走の新潟記念では広いコースのワンターン、得意の左回りで能力全開と言った走り。コーナー6つの右回りに替わるのはプラスではなく、モーリス産駒も出世した馬の大半は短中距離馬という現状につき。

[5]⑩マイネルラウレア(岩田望)

若駒S後頓挫があり、春2冠は十分とは言えない態勢で⑭⑤着。坂路オンリーの調整過程には攻め切れないもどかしさも滲んでいましたが、復帰してからは前走の神戸新聞杯も含めウッドでの追い切りを再開。状態は良い頃に戻りつつあります。但し気になるのが、2連勝していたころは最終の坂路で加速ラップを踏めていたところ、前走も今回も逆時計になっている点。完調とまでは言えないのか、気持ちの問題なのかは何とも言えませんが、まだ諸手を挙げて買える段階には至っていないと見ます。

[5]⑪サトノグランツ(川田)

前走の神戸新聞杯の時も十分に負荷をかけられての臨戦で勝ち切りましたが、今回も1週前にウッドで3頭併せの真ん中、直前は坂路で52秒台をマークするなど、2走前のダービーより3走前の京都新聞杯に近い調整過程。その京都新聞杯も、前走の神戸新聞杯同様に絶体絶命と思われた位置から馬群をこじ開けての差し切り勝ち。これが出来るのが川田Jの強みであり、理想はもう少し内目かもしれませんがコーナー6つで立ち回りを要求される舞台は得意とするはず。3歳秋に旬を迎えたサトノダイヤモンド産駒らしく、ここでの成長に期待する手は十分にあるでしょう。

[6]⑫ハーツコンチェルト(松山)

前走の神戸新聞杯ではやはり右回りを克服できず⑤着。ダービー時にも述べた通り母ナスノシベリウスの子たちはゆったりローテで結果を出してきており、休み明けという言い訳は通用しなかったはずです。引き続きの右回り+相手強化では手を出しづらく。

[7]⑬ナイトインロンドン(和田竜)

前走の神戸新聞杯はパドックから入れ込み気味で、レースでも直線失速し⑪着。これまで好走は輸送距離の少ない関東圏か滞在で臨める札幌に限られ、輸送をこなす京都で平常心で臨めるかはハードルが高いです。

[7]⑭ソールオリエンス(横山武)

前走のセントライト記念自体は安全策で外を回した分の②着で、勝ったレーベンスティールとは枠も通ったコースも違いました。距離が延びる本番を見据え、気持ちを入れ過ぎないレースをしたと見るべきでここに向けての準備として減点材料ではないでしょう。ただ、ダービーでタスティエーラを目標に進んでおきながら最後差し切れなかった点を踏まえれば、少なくともこの馬の末脚が他より頭一つ抜けているというわけではないことはハッキリしたと思います。距離を考えればあまり最初からポジションは取りたくないですが、かといって控えると間に合わない懸念があり、難しいかじ取りを迫られる舞台ではあります。

[8]⑮ファントムシーフ(武豊)

皐月賞、ダービーで言及した通りなし崩し的に加速するのではなく直線向いての加速が得意な大箱向きタイプです。ハービンジャー産駒なので距離は良いでしょうが、下り坂からの加速が課題につきこの外枠はロスが大きい懸念が。

[8]⑯ショウナンバシット(M.デムーロ)

皐月賞は渋った馬場のわりにペースが速く、後方のインを進み最後はタスティエーラと併せ馬に持ち込むシーンも見せての⑤着と健闘しました。ただダービーはスタートから全く進んでいかず、ほぼ流れ込むだけの⑯着。陣営曰く連戦+輸送続きの疲労を原因に挙げており、-12kgという馬体にもそれは現れていました。前走の神戸新聞杯も夏負けの影響でダービー後の立て直しに時間がかかり、良化途上の中で0.4差⑦着。ただスローの前有利展開で4角10番手から33.2の上がりを使って差を詰めており、状態面も踏まえれば一概に悲観する内容ではありませんでした。ひと叩きされた今回、状態は格段にアップしておりウッドでの最終追いで馬なりで50.9-11.6をマーク。最終でここまで時計が出るのは7走前の未勝利戦時以来で、それも当時は3頭併せの内で強めに追ってのもの。絶対的な上がり勝負では分が悪く、本来なし崩し的に脚を使うレースが向いているタイプで、この枠はどうかも今度こそちゃんと位置を取れれば巻き返しは可能なはずです。

[8]⑰ドゥレッツァ(ルメール)

稍重馬場で取りこぼした新馬戦以降4連勝。連勝中は何れも上がり最速の脚を使えており、良馬場でこそというタイプでしょう。この中間もウッドで好時計を連発しており今の調子と勢いなら同世代戦でなら通用してもおかしくはないですが、2走前と3走前はスローの前付けで勝っておりそれなりにペースが流れるここは後方からのレースになりそうで、そこから届くかどうかは未知数です。

<予想>
◎リビアングラス
○サトノグランツ
▲タスティエーラ
△ソールオリエンス
△ショウナンバシット
△トップナイフ
△ドゥレッツァ
△ファントムシーフ


■新潟10R/妙高特別 オーガスタスカイ

外目の枠を引けることの多い幸運も手伝ってかこのコースは(2,0,1,0)と得意にしており、2走前の新潟戦は不良馬場で先行押し切りと今日の馬場も合っています。おまけに富田Jは今年このコースで(4,1,2,4)と勝ちまくっており、単回289/複回201と妙味も十分。コース実績ある馬が多く人気がばらけそうなのも好都合で、ここはチャンスでしょう。

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