G3格付けを得た14年以降、良馬場で行われた8回の内上がり最速の馬は(6,2,0,0)。一にも二にも末脚がモノを言うレースになっています。逆に上がり最速でなかったにもかかわらず勝ったのは16年のリスグラシューと20年のソダシで、先行策で勝てるのは歴史的名牝クラスというわけです。ここはチェルヴィニアが番手から抜け出すレースをしに来るでしょうが、これに出し抜けを食らわせられる存在を考えた時に浮上するのが新潟の新馬戦を32.8の末脚で差し切ったライトバックです。
その新馬戦はスタートで寄れて後方から。終始後方馬群の中で我慢させるレースをさせ、直線でも進路を確保したのは内回りとの合流点を過ぎた300m少々の地点。そこから鋭く伸びたレースぶりは評価してよく、また前走で1800mを経験しているのも好材料。過去10年で距離短縮馬は(5,1,3,20)で勝率17.2%/複勝率31.0%で同距離(勝率6.7%/複勝率22.7%)・距離延長(勝率0.0%/複勝率10.0%)よりも結果の出るローテーションとなっており、大箱の末脚比べならここでも引けは取らないはずで。
■京都11R/MBS賞スワンステークス インダストリア
この馬は爆発力がある一方ダラっと脚を使ってしまうところがあり、理想としては3走前のダービー卿CTのようにギリギリまで追い出しを我慢する競馬が向いています。馬群でレースできる戸崎Jとは手が合っていましたが、ここ2戦の手綱を取ったルメールJはストレスフリーで伸び伸びと脚を使わせる競馬が得意なタイプ。エプソムCは馬場の影響があったとしても前走の京成杯AHのように外を回って進出するような優等生競馬をされてしまい、結果として末脚不発に終わりました。
で、今回はテン乗り丸山Jが宮田厩舎の2頭(新馬戦とスワンS)に乗るためだけに京都遠征。サンデーRの覚えのいい同騎手ですが、騎乗スタイルは「詰まり上等の馬群突っ込み」が特徴です。芝でもダートでも安易に外に出そうとせず馬群をこじ開けるレースができるタイプですが、それだけに末脚の絶対値の高い社台系の有力馬で取りこぼすシーンも少なくありません。ただ今回のインダストリアに限って言えば、詰まって脚が溜まり最後に進路が出来た瞬間に一気に伸びてこられるタイプですから丸山Jと手が合う可能性は高く、ここは名コンビ誕生の瞬間が見られるかもしれません。
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