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当ブログは、広尾サラブレッド倶楽部株式会社様のご厚意により、同倶楽部の所有する競走馬の写真及びWebサイト記載情報の転載許可を頂いております。

2024年6月30日日曜日

【6/30(日)予想】ラジオNIKKEI賞・北九州記念の注目馬

■福島11R/ラジオNIKKEI賞 ログラール

3歳限定のハンデ戦というのは年間を通じこのレースしかありませんが、そもそもハンデ戦というのが「力量差を補正するために斤量に差をつける」ことが趣旨と考えれば、戦歴が浅く力量差がはっきりしない3歳馬同士のレースというのは、そのハンデが本当の力量を表しているのか疑ってかかる必要があります。なぜならばハンデは「力量差」という建前ですが実際には「実績差」でしかなく、一定の戦歴を経て力のない馬が上級条件から淘汰された古馬戦と違って3歳の重賞は「実際に重賞を走ったことがあって結果を残せなかった馬」と「まだ上級条件を走ったことがないだけの馬」が同列で扱われるために歪みが生じる、というわけです。

例えば今回のメンバーで言えば、京成杯・スプリングSで何れも人気を裏切ったジュンゴールドと1勝クラスを勝ったばかりのヤマニンアドホックが同じ54kg。人気が示す通り、上級戦をまだ戦ったことのないヤマニンアドホックは未知の魅力も込みで評価されている節があるわけで、もしこれがトップハンデのセットアップ相手に圧勝しようものなら「ハンデが軽すぎた」ということで「全馬が横一線でゴールすることが理想」と言われるハンデ戦の趣旨としては大失敗なわけです。これが、ハンデ差はあくまで「実績差」でしかない、という証左です。

もう一つ、好配当を狙ううえで考えるべきは「その敗戦は本当に力負けだったのか?」という観点です。上記の例を見てもわかる通り、同じハンデならより戦歴の浅い(=底を見せていない)馬が人気になる傾向があります。では重賞を勝てなかったからと言ってむやみに嫌うべきかどうかは考える必要があります。

ログラールは2走前のスプリングSでも◎を打ちましたが、当時は直線で進路に前の馬が被さってきた上スローペースで後方待機勢には出番のないレースでした。重賞挑戦はこの1回だけで、これで人気を落としているのであれば盲点と言えます。前向きな気性故距離短縮はプラスで、最低人気に甘んじる馬ではないはずです。


■小倉11R/北九州記念 ディヴィナシオン

スタートが決まらなくなってからはすっかり「ハイペースの追い込み馬」という地位を確立しつつあり、前半が流れた時ほど善戦しています。追い込み馬ゆえにコースロスをもろに受けることも多く、今回4角で前がばらけやすい小倉で最内枠を引けたのは大チャンスでしょう。昨年のオーシャンSで穴をあけたときも1番枠。ここは再現を期待して狙いたいです。

2024年6月29日土曜日

【6/29(土)予想】TVh杯の注目馬

■函館11R/TVh杯 エイシンフェンサー

使い詰めかつ久々のダートだった前走は参考外。4走前のカウントダウンSは前が狭くなり直線でまともに追えなかった分の⑩着で、それ以外は芝で8戦してすべて掲示板という安定株です。現級でも3度の③着があり通用の素地は見せており、洋芝も①③①着と得意のクチ。適度に時計がかかるようになってきた今なら見劣りはしないはずです。

2024年6月23日日曜日

【6/23(日)予想】宝塚記念の全頭評価

■京都11R/宝塚記念

[1]①シュトルーヴェ(レーン)

3連勝でG1初挑戦。緩い流れの上り勝負に強く、その点逃げ馬不在の今回のメンバーは展開が向きそうなのですが、いかんせん京都の2200mコースとなると4角から脚を遣わないと差し勢は厳しいです。加えてこれまでで最長距離の輸送となる点も未知数で。

[2]②ジャスティンパレス(ルメール)

パレスルーマーの仔は時計のかかる馬場が得意ではなく、前走のドバイシーマCも日本との芝の違いもあってか④着に敗れています。尤も、国内でもクラシックディスタンスでは善戦どまりで勝ち切ったのは長距離戦という戦歴からも中距離の純粋な切れ勝負では分が悪く、不器用さを補える大箱もしくは長距離で台頭するというタイプであることを考えればここで強くは推しにくいのは事実です。それでもこのメンバーなら外せはしませんが…

[3]③ベラジオオペラ(横山和)

前走の大阪杯はインが生きる舞台で好位を立ち回れたことが大きく、デビューから1800m戦を3連勝してきた内容からも本質的には1600~2000mが守備範囲の馬とみています。距離延長に加え馬場の悪化が予想されるこの舞台条件はプラスとは言えずで。

[4]④ドウデュース(武豊)

重馬場では(0,0,0,2)。ただし何れもロンシャンでのもので、単純に馬場が合わなかったというのが正しいでしょう。昨年の有馬記念、またその前の勝ち星である京都記念ではいずれも展開不利をものともしない勝利で、現状このメンバーでは力が抜けていることは事実です。本来は位置を取りに行っても差し支えないタイプですし、マイルG1を勝っているように機敏さも備えているとなればこのコースでは信頼度が高い存在と言えます。

[4]⑤ディープボンド(幸)

このコースでは2020年に京都新聞杯を勝っており、前走の天皇賞③着が示す通りタフな展開も向いています。ただ、それなりに流れての体力勝負ならよいのですがスローのよーいドンのレースになってしまうとそこまでの上りを繰り出せないだけに、馬場が重くなった時の抑え要員でしょうか。

[5]⑥ヒートオンビート(坂井)

もともと使える脚が長くないため、前走の目黒記念のようにギリギリまで我慢して脚を遣わせないと止まってしまいます。その前走は詰まった結果の⑦着でそれ自体は度外視できますが、京都でそのような乗り方はできないだけに。

[5]⑦プラダリア(池添)

4角から加速して前をとらえるレースが合っており、京都で重賞2勝という実績も頷けます。3歳時に勝った青葉賞も、大逃げを打ったディライトバローズのおかげで前傾ラップになってはいますが実質的には3角から動き出すレースで、この馬の良さが活きた形になったのが大きかったです。ただ、気性の勝ったタイプで前走の大阪杯は距離短縮で見せ場を作れるかと思いましたが⑥着。さらにメンバーが強化されるここでは。

[6]⑧カラテ(岩田望)

重賞3勝はいずれもワンターンのコース。得意なはずの新潟でも見せ場を作れなかった現状に加え、爪が伸びやすく夏場は調整が難しいタイプでもあります。かつての坂路番長もここ最近は平凡な調教タイムに終始している点からも、ピークアウトの懸念は拭えません。

[6]⑨ソールオリエンス(横山武)

前が止まって一網打尽にした皐月賞以来勝てておらず、負けて強しといえるレースも3走前の有馬記念まで。年明け2戦は成長力の乏しさを示す内容で、母スキアの仔は4歳秋に富士Sを制したヴァンドギャルドを除き古馬になり尻すぼみで終わった馬ばかり。ここから再度日が昇るというシナリオは現状では描けません。

[7]⑩ローシャムパーク(戸崎)

2走前の香港Cで日本馬2頭に大きく後れを取った⑧着という内容からも、現時点では力の差があると言わざるを得ません。大阪杯はメンバーに恵まれた中での②着で、そこからさらにメンバーが強くなるここでは。

[7]⑪ヤマニンサンパ(団野)

前走の鳴尾記念は前が流れて差しが利く展開になった中での④着。OP特別でも足踏みが続く現状ではここを正攻法で勝つのは苦しいでしょう。尤も、思い切りのよい鞍上だけに逃げ馬不在のこのメンバーで主導権を握るようなレースに出れば話は別ですが…

[8]⑫ブローザホーン(菅原明)

ここ2戦は長距離戦を使われてきましたが、いずれも折り合いの不安がある中で③②着と健闘を見せました。日経新春杯を完勝しているように本質的にはこのくらいの距離が向いてもおり、このコースで道悪を勝った経験もあり。キレが求められない舞台条件であれば警戒必要でしょう。

[8]⑬ルージュエヴァイユ(川田)

川田Jは勝率を重視するタイプのため、たとえG1であっても縁がなかったり望みがなかったりする馬には基本的には乗りません。この春は騎乗経験があったり縁の深い中内田厩舎ということでG1の乗鞍が決まっていましたが、今回は特にめぼしいお手馬がいない中で関東馬でテン乗りのルージュエヴァイユを選択。このパターンで思い起こされるのは2021年に安田記念をダノンキングリーで制した時です。当時もテン乗りの関東馬、同じ馬主のダノンプレミアムがいるにも関わらずこちらを選択したのには様々な憶測が飛び交いましたが、終わってみれば川田Jなりに勝つための選択をしたというわけでした。この中間は坂路で抑えきれない手ごたえで余裕の登坂。前走の大阪杯は本来の形ではないイン強襲で③着と健闘しましたが、前が残す流れを考えれば最も強いレースをしたと言ってよく、外差しバイアスが生まれつつある最終週の京都ならむしろこの枠の方がレースしやすいでしょう。

<予想>
◎ルージュエヴァイユ
○ドウデュース
▲ジャスティンパレス
△ブローザホーン

2024年6月22日土曜日

【6/22(土)予想】ねらい目レース(青函S/天保山S/京都8R)

■函館11R/青函ステークス カワキタレヴリー

1200m戦に転じて⑩⑩⑦着と着順こそ冴えませんが、着差・走破時計ともに走るたびに詰められており適応を見せています。前走の春雷Sは外差しの高速決着を内を突いて追い上げての0.3差⑦着。外枠を引いた今回は被されずに運べそうで、スムーズに脚を使えれば通用可能でしょう。


■京都11R/天保山ステークス メイショウテンスイ

脚抜きの良い馬場が向いており、重馬場以下なら(3,1,2,2)とハイアベレージ。サマーチャンピオンで③着があるように暑い時期も向いており、スンナリハナに立てそうな内枠変わりも好都合。外にはピンシャンがいますが以前ほどのテンの速さがない現状では競りかける可能性は低そうで、斤量も落ち着いたここはチャンスと見ます。


■京都8R ナッカーフェイス

一本調子なところがあり、押し引きの必要ないワンターンが向いているタイプ。かつテンションが高くなりやすいため、距離短縮ないしは流れが速くなりやすい時の方が好走しやすいという現状です。3走前の1勝クラス戦もワンターン替わり+距離短縮でインを立ち回って③着に食い込んでおり、今回は距離こそ一緒ですが脚抜きの良い馬場で流れが速くなることは必至。気性的にいきなりも問題なく、スタートさえ決まれば食い込み余地はあると見ます。

2024年6月16日日曜日

【6/16(日)予想】マーメイドSの注目馬

■京都11R/マーメイドステークス ファユエン

最内を引いたベリーヴィーナスは何としても行きたいところですが、すでにハイペース逃げが板についたアリスヴェリテも50kgと来ればそう簡単には引いてくれないでしょう。全体の流れが速くなり前が早めに押し出される展開になると内では渋滞が発生し、外目をスムーズに回った馬が台頭する目が浮上してきます。

ファユエンは道中置かれるところがあり、本来はコーナー4つの小回りがベター。前走の新潟大賞典は牡馬相手、必ずしも得意とは言えないワンターンで0.6差の⑥着と健闘を見せました。気温の上昇とともに調子を上げるタイプでもあり、牝馬限定かつ外差しの期待値の高いこの舞台でこそ改めて狙いたいです。

2024年6月15日土曜日

【6/15(土)予想お休みします】

今週外出につき、今日の予想はお休みさせていただきます。現地行かれる皆さんは暑さにご注意くださいませ。

2024年6月9日日曜日

【6/9(日)予想】エプソムC・函館スプリントSの注目馬とねらい目レース(東京12R)

■東京11R/エプソムカップ セルバーグ

前走の新潟大賞典は出だしで躓いたことが全て。この馬の場合、開幕週のきれいな馬場を利して逃げ切るというよりはコンディションに関わらず自分の形に持ち込めるかが鍵となるため、めぼしい同型がシルトホルンしかいないここは再度期待をかけられる舞台と見ます。多少の出負けもリカバリーできるワンターンの大外枠はかえってプラスで、流石に前走のあれがあっても継続して丸山Jを配してくるとなれば作戦は決まったも同然。これでダメなら仕方ありません。


■函館11R/函館スプリントS カルネアサーダ

ペースガン無視で逃げてくるであろうアサカラキングの外を引けたのは僥倖で、前走の春雷Sは番手追走から1.07.1の高速決着を0.1差の④着と健闘したようにこちらは元々逃げなくていいタイプ。大外枠+差し決着を先行した昨年のこのレースは度外視できるうえ、福永厩舎への転厩を機にこの馬もまた気持ちの面の成長が見られフラットコースでの動きが良化。福永師を「目標とする騎手」に挙げていた鮫島駿Jの管理馬初騎乗。燃えないわけはないでしょう。


■東京12R カルツァクライン

新馬勝ちの後腱鞘炎での離脱を挟み、前走の1勝クラス戦は7か月ぶりの実戦。ゲートでソワソワしスタートで後手、おまけにスローペースで33秒台の脚を遣っても追いつけない流れで⑩着と色々向きませんでしたが、モタレ癖からデビュー時に着けていたブリンカーも外して走れるなど心身の成長を感じる内容。新馬戦ではエコロブルームを下すなど素質は確かで、その新馬勝ちしたマイルに戻るここは見直せる舞台です。

2024年6月8日土曜日

【6/8(土)予想】ねらい目レース(函館日刊スポーツ杯/京都4R)

■函館11R/函館日刊スポーツ杯 ニシノコウダイ

1Rの未勝利戦が1.07.9の逃げ切り決着と、ご多分に漏れず高速決着の函館開幕週。今回のメンバーで1分7秒台で勝ったことがある2頭のうち、ナリタローゼの勝った未勝利戦はインが悪く外枠でかえってスタートが決まった分の逃げ切りと恵まれた形。ならばHペースながらあわや前残りという流れを差し切って1.07.9のタイムを持つニシノコウダイを上に取りたいです。激化する先行争いを尻目に外目をスムーズに運べれば搔っ攫うシーンもあるでしょう。


■京都4R ムーンセット

1200m戦に慣れてきたかと思ったところで、2走前はデビュー週の吉村誠Jが伸びない内を突くチグハグな内容(あくまで判断ミスであって内を突く度胸自体は評価したいですが)で⑨着、前走はダートで大敗と噛み合わないレースが続いています。西塚Jはテン乗りですが既に昨年の15勝を上回る21勝を挙げており、勝率も倍以上と確変モード。連続開催で差しも決まる今の京都芝であれば見直す手も。

2024年6月2日日曜日

【6/2(日)予想】安田記念の全頭評価

■東京11R/安田記念

[1]①カテドラル(斎藤)

マイルで掲示板に入ったのは21年の京成杯AH①着が最後。他の馬が最後に止まる展開では強いですが、まっとうに流れる東京では厳しいでしょう。

[1]②ガイアフォース(長岡)

スピードに乗れるワンターンのマイルが一番合うタイプで、初ダートとなった前走のフェブラリーSでも②着と健闘しました。ここも舞台は良いですが、何せ長岡Jが重賞で馬券になるケースはぽっかり空いた内を差すか外を回して伸びてくるパターンのみ。インで我慢して最後にちょっと外に出す、というレースが出来ればよいですが、フルゲートでその難易度も高いとなると…

[2]③レッドモンレーヴ(横山和)

前走の京王杯SCは距離短縮で折り合えた部分が大きかったですが、休み明けの分もありウインマーベルを捉えきれず。叩いての上積みが見込める一方で、OP昇級後はマイルでは不完全燃焼のレースが続いており、上級戦に必要な末脚が溜まり切らないのだと推察されます。かといって雨が降るとダメなので…

[2]④ジオグリフ(北村宏)

相変わらず出来はいいのですが、関東圏で展開が向いたはずの中山記念で最後脚が鈍り③着という現状には皐月賞を勝って以降の成長が感じられません。ノドの不安を持つ馬でもあり、ルメールJも戸崎Jも他を選んだという時点で期待度もうかがい知れるだけに。

[3]⑤ナミュール(武豊)

前走のヴィクトリアMは少し伸びあがるようなスタートにもなり、位置取りを落とし⑧着。届かなかったのは仕方がないとはいえ、前にいたテンハッピーローズの方がいい脚を遣っていたとなると本調子ではなかったことが考えられます。中2週という臨戦過程を考えれば元々こうなることは織り込んでいたとも見え、中間は軽めも動き自体は問題ないように見えます。ただその前走のヴィクトリアM自体、ドバイターフからの中5週での参戦で中間は坂路2本のみという過程だったことを考えると良くも悪くも変わっていないわけで、良績が秋から冬に集中していることも考えるとこの時期の調整に苦労している可能性も考えられます。

[3]⑥ドーブネ(菱田)

前半4Fが47~8秒で流れれば残せますが、それより速いと止まってしまう現状。マイルのG1ではペースが厳しいでしょう。

[4]⑦[外]ロマンチックウォリアー(マクドナルド)

QE2を3連覇、昨秋はコックスプレートも勝利するなど今や香港最強馬と言える存在です。但し重賞タイトルは何れも2000m以上でのもので、マイル自体が約1年半ぶり。直前になって陣営は「宝塚記念は登録だけ」という趣旨のコメントをしていますが、本来1戦だけ使うならあちらの方が適鞍のはず。レース間隔や滞在馬房が使えるなどの理由でマイルを選択したのであれば、必ずしも額面通りの評価はしにくいかもしれません。

[4]⑧エアロロノア(幸)

前半が緩まないと好走できないのは相変わらずで、G3でもワンパンチ足りない現状では。

[5]⑨パラレルヴィジョン(ルメール)

中山マイルで連勝中ですが、ニューイヤーSは4角から突然雪が降り出した中でインが開いたもの、ダービー卿CTも渋った馬場での勝利で本質的にはキレ勝負は向かないタイプです。3勝クラス勝ちはダートでのもので、一雨降れば一考、と言ったところでしょうか。

[5]⑩ソウルラッシュ(モレイラ)

時計勝負は対応可能ですが、マイルでの純粋なキレ勝負では他に上りを使える馬が多くあと一歩という状況です。今開催の東京は比較的天候に恵まれたこともあり馬場の傷みは少なく、雨が降っても表面が荒れていないためそれなりに時計が出ることが想定されます。良馬場では善戦候補ですが、雨が降ればその分評価を上げてよいでしょう。

[6]⑪ウインカーネリアン(三浦)

前走高松宮記念は2番手追走から④着と頑張りましたが、内前有利の展開に加え渋ってもマイナスが少ない利点が活きた格好です。距離延長で前に行けはするでしょうが、キレ勝負の東京マイルは基本的には向かないだけに雨が降った時の押さえ候補でしょうか。

[6]⑫フィアスプライド(坂井)

前走のヴィクトリアMでは1400mに近いハイペースを好位3番手から立ち回り②着と、先行勢で唯一上位入線を果たしました。ただ最後の直線で右ムチが入るも右に流れていたように最後にやや苦しくなったのも事実で、ここ1年半ほど2か月以上の間隔で使われ続けてきただけにそこからの中2週は馬にとっては楽ではありません。最終追い後の木曜日に馬場に入らなかったあたりも、疲労の回復を優先していることが見て取れます。

[7]⑬ステラヴェローチェ(横山典)

前走の大阪杯ではG前で前を捉えきれず④着。決して速くない流れの中で位置を取りに行かず、直線でもインが活きるところを外差しして届かずというレースで、器用なタイプではないことは確かですが終始後手に回った印象でした。前走で一発回答した酒井Jを続けて乗せるのは理解できますがOP特別とは舞台が違うわけで、申し訳ないですがG1で買うべき騎手では無かったという話でしょう。ここは鞍上強化となり東京マイルも勝ち鞍がありますが、何せバゴ産駒だけにまっとうなマイルのキレ勝負では分が悪いので雨が降ってどこまで。

[7]⑭コレペティトール(岩田康)

マイルで勝ち切ったのは上がりの掛かる展開の時のみ。京都金杯のようにボコボコ掘れる馬場になれば話は別ですが、きれいな馬場では上りが足りないのが現状です。

[7]⑮[地]ヴォイッジバブル(パートン)

前走のチャンピオンズマイルではゴールデンシックスティに先着する③着と好走。このレース自体は内前有利展開で前々を立ち回ってのものですから過度な評価は出来ませんが、6歳シーズンになって1分33秒台で勝ち切るようになるなど充実ぶりが垣間見える近況。ドバイターフの大敗は直線で隣を走るキャットニップが落馬した際に右後脚を引っかけられたもので、遠征がダメというタイプでもないはずです。来日後はソフト調整に専念も環境の変化に対応できており、ロマンチックウォリアーと違って短距離が主戦場というタイプだけにここが本線。マイル適性だけなら逆転可能で、翻って日本馬がロマンチックウォリアーと勝負付け済と考えるならこの馬の方が上に来るケースも十分考えられます。

[8]⑯エルトンバローズ(西村淳)

元々左回りはスムーズでなく、ラチを頼らせて走らせたいのが本音。枠番決定後に杉山晴師が「どこかで内に入れたい」と言っていたのもそうした事情からでしょう。加えて今回は香港帰国後東京に滞在しての調整で、調教方法も芝ダートに限られる中調子を上げられているのかは怪しく。

[8]⑰セリフォス(川田)

前走のマイラーズCは+12kgと明らかに調整途上という仕上がりの中②着。中内田厩舎もこうした仕上げをするようになってきたのかと思いきや、師曰く「古馬になって良化がスローになっている」というコメント。どうやら思っていた通りの上昇カーブではなかった様子。それでもここに向けては軽めの調整ながら状態は良さそうで、あとは川田Jですら引っ掛かるくらいの前向きさを上手くコントロールできるかにかかっています。

[8]⑱ダノンスコーピオン(戸崎)

前走の京王杯SCでは復活の兆しを見せる④着でしたが、気性面の問題を抱えていたこの馬が中間ウッドで好時計を出せるようになっており転厩効果は大きいと思料されます。加えてこの中間は美浦滞在にもかかわらずわざわざ福永師が駆けつけ、前走同様に自ら調教をつける力の入りよう。復調気配を大いに感じる近況ではありますが、稍重は共同通信杯で⑦着、時計の掛かる香港でも1秒差以上で敗れている経緯からもキレイな良馬場でやりたいタイプなだけに。

<予想>
◎ヴォイッジバブル
○ソウルラッシュ
▲ロマンチックウォリアー
△パラレルヴィジョン
△ステラヴェローチェ
△セリフォス

2024年6月1日土曜日

【6/1(土)予想】鳴尾記念・アハルテケSの注目馬とねらい目レース(京都6R)

■京都11R/鳴尾記念 アウスヴァール

少々ペースが速くなっても行き切れた方が力を出せる馬。先行争いが見込まれるバビットは最近往時の行きっぷりになく、外枠を引いたエアサージュも前走で強引に逃げて止まった反省から無理に競り掛けることはしないでしょう。昨年の但馬Sではリューベック・ゼッフィーロと好走しており通用の素地はあると見ており、コーナー4つの平坦小回りは逃げ馬にとって絶好の舞台。先行力がモノを言う設定なら台頭可能でしょう。


■東京11R/アハルテケS サンライズジーク

前走の欅Sで長欠明けの1400mを叩かれてからの連闘。距離延長でスンナリ前に行けそうなうえ、このコースではユニコーンS②着を含む(2,1,0,0)と好相性。矢作厩舎の連闘策というだけでも警戒は必要ですが、気になるのはオシェアJが直前にはパライバトルマリンの追い切りに乗っていた点。今回三浦Jからの乗り替わりとなるわけですが、当人は前走乗っていた馬が2頭いる中でレオノーレを選択。パライバトルマリンが丸山Jということを考えればオシェアJが最終的にこちらを選んだと考えられ、鞍上の期待度も高いここは一発の気配。


■京都6R スライスヘリテージ

骨折休養明けですが、4歳で未勝利のため節があっても1勝クラスの馬が優先されることから「出られるところに出る」という出走戦略を採らざるを得ません。そのせいもあり前走は牡馬に混じってダート2400mを走るというかなりの無理筋ながら⑤着に踏ん張っており、2走前は今回と同じ牝馬限定の1勝クラス戦で0.4差の④着と現級でもやれるところは見せています。4月中旬に帰厩後は坂路主体の調整も、いつ出られるかわからない中で今の負荷の掛かる美浦の坂路で時計を5本消化できていれば十分。牝馬限定戦なら十分やれるはずです。