3歳限定のハンデ戦というのは年間を通じこのレースしかありませんが、そもそもハンデ戦というのが「力量差を補正するために斤量に差をつける」ことが趣旨と考えれば、戦歴が浅く力量差がはっきりしない3歳馬同士のレースというのは、そのハンデが本当の力量を表しているのか疑ってかかる必要があります。なぜならばハンデは「力量差」という建前ですが実際には「実績差」でしかなく、一定の戦歴を経て力のない馬が上級条件から淘汰された古馬戦と違って3歳の重賞は「実際に重賞を走ったことがあって結果を残せなかった馬」と「まだ上級条件を走ったことがないだけの馬」が同列で扱われるために歪みが生じる、というわけです。
例えば今回のメンバーで言えば、京成杯・スプリングSで何れも人気を裏切ったジュンゴールドと1勝クラスを勝ったばかりのヤマニンアドホックが同じ54kg。人気が示す通り、上級戦をまだ戦ったことのないヤマニンアドホックは未知の魅力も込みで評価されている節があるわけで、もしこれがトップハンデのセットアップ相手に圧勝しようものなら「ハンデが軽すぎた」ということで「全馬が横一線でゴールすることが理想」と言われるハンデ戦の趣旨としては大失敗なわけです。これが、ハンデ差はあくまで「実績差」でしかない、という証左です。
もう一つ、好配当を狙ううえで考えるべきは「その敗戦は本当に力負けだったのか?」という観点です。上記の例を見てもわかる通り、同じハンデならより戦歴の浅い(=底を見せていない)馬が人気になる傾向があります。では重賞を勝てなかったからと言ってむやみに嫌うべきかどうかは考える必要があります。
ログラールは2走前のスプリングSでも◎を打ちましたが、当時は直線で進路に前の馬が被さってきた上スローペースで後方待機勢には出番のないレースでした。重賞挑戦はこの1回だけで、これで人気を落としているのであれば盲点と言えます。前向きな気性故距離短縮はプラスで、最低人気に甘んじる馬ではないはずです。
■小倉11R/北九州記念 ディヴィナシオン
スタートが決まらなくなってからはすっかり「ハイペースの追い込み馬」という地位を確立しつつあり、前半が流れた時ほど善戦しています。追い込み馬ゆえにコースロスをもろに受けることも多く、今回4角で前がばらけやすい小倉で最内枠を引けたのは大チャンスでしょう。昨年のオーシャンSで穴をあけたときも1番枠。ここは再現を期待して狙いたいです。
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