阪神開催への変更で考えるべきポイントは
①坂を2回上るタフなコース
②急なラップ変化に対応できるか
③変則開催の影響
と見ています。
①について、これは阪神に限った話ではないですがこのコースでは坂を2回上ります。
例年このレースが行われる京都の場合坂があるのは3コーナーの手前ですが、阪神ではゴール前に急坂を配しているため、最後のトップスピードのタイミングで坂を上ることになります。3000mを走って高低差200mの坂さらに200m坂を上るとなると、スタミナもそうですがスピードの持久力も問われてきます。曰く、一瞬の切れよりは長く良い脚を使えるタイプ、東京などの大箱コースで善戦している馬は評価したいです。
次に②ですが、これは同距離で行われた準OPである松籟Sのラップを基にした話です。
初めてのコースなので探り探りのペースになるかと思いきや、序盤からそれなりに流れました。コースレイアウトでわかる通り、向こう正面の中ほどからスタートしてすぐ外回りの下り坂があるので、惰性で走っていてもある程度のペースになってしまいます。
ゴール前の坂を上って1~2コーナーは径が小さいこともあり、ここで一気にペースが落ちます。長距離戦にはありがちなラップですが問題はここからで、向こう正面に出て次は内回りになるので、残り1200mの段階から一気にペースが上がります。そのまま下り坂に突入しますから、ほぼトップスピードに近いラップが5Fほど続きます。通常は前が止まりかねないのですが序盤のペースもあってか最後は皆脚が上がった様子で、勝ったディアスティマも直線では鞭1~2発程度で逃げ切っていました。
この松籟S、正直条件馬にはかなりの酷なラップで、天皇賞のメンバーが揃ってもおそらくこれより厳しいラップになるとは考えにくいです(それで勝ったら本当に強いです)。特に「1.0秒以上の減速と加速が発生する」ラップに対応できている馬は、折り合い面と加速性能という点でこのコースを走り切る力を備えていると見ます。
最後に③について。
京都開催の天皇賞では外枠不利が定説で、向こう正面の中ほどからスタートするコース形態は阪神とさほど変わりません。ですが今年は開催スケジュールがそもそも例年と違っていて
(例年)京都→京都→阪神→阪神→[京都]
(今年)中京―→阪神―→阪神――[阪神]
と、約2か月のインターバルを経た京都と連続12週開催の最終週の阪神とでは芝のコンディションがそもそも違うので、相対的な内枠有利は薄れていると見ます。外目の枠というだけで評価を下げる必要はなく、フラットに考えてよさそうです。
で、◎を打ったオーソリティですが、①は東京芝2500mのアルゼンチン共和国杯で完勝(しかも骨折明け)。②はデビューの函館戦で経験済とあって、大外枠も③を考えれば割り引く要素ではないと見ています。
有馬記念の敗戦で右回り不安説もありますがデビュー2連勝はいずれも右回りであり、当時は長休明け後の激走の反動に加え中6週はデビュー以来最短間隔で(NF天栄での)調整期間が足りなかった可能性が考えられます。川田Jはコンビ3戦目ですがオルフェーヴル産駒での複勝率は50%近くと抜群の安定感で、主役不在の今年のメンバーなら十分にチャンスありと見ます。
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