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2021年9月26日日曜日

【9/26(日)予想】オールカマーの全頭評価&ねらい目レース(神戸新聞杯)

■中山11R

[1]①ウインマリリン(横山武)

 伸びずバテずが身上の馬で、前走の天皇賞(春)もじっとしていたが故の⑤着。③着争いとは0.4離れていましたし、明らかな格下が半分を占めるメンバー構成では相対的にこのくらいの着順でないと辻褄も合いません。但しその分横山武Jの積極騎乗が嵌るタイプで、立ち回りが要求される中山で絶好の1番枠と来れば押さえは必要でしょう。

[1]②ウインキートス(丹内)

 目黒記念圧勝の余勢を駆って参戦した札幌記念では、3角で進出するタイミングを窺っていたところブラストワンピースが捲りながら内に切れ込んできたために一旦引かざるを得ませんでした。じわっと進出するこの馬の形を作れなかった上、気持ちも切れてしまったのかそこからズルズルと後退。ただそれにしても目黒記念のパフォーマンスを考えれば止まり過ぎ。やはり本質的に前半60秒前後のペースではお釣りを残せなかったと見るべきで、強力な先行馬もいるここでは恵まれは望みにくく。

[2]③セダブリランテス(石川)

 ここ2戦を含め、着外に敗れた3回はいずれもワンターンのコース。中山では18年の金杯でウインブライトを撃破しており、その前のアルゼンチン共和国杯でもスワーヴリチャードの0.6差③着とG1級との好走経験を有するなど、実績ではG1馬2頭に引けを取りません。休み休みの起用で7歳秋にしてこれがまだ10戦目ですが、今回は好走パターンのCW追いで最終調整しており、坂路調整だった過去2戦からの上昇は明らかで今年では一番の出来と言えるでしょう。ポジションを取りたい馬はいますが飛ばすタイプではなく、61秒ぐらいで運べそうなこの舞台なら通用があっても驚けません。

[2]④アドマイヤアルバ(柴田善)

 2走前の目黒記念はウインキートス同様異次元のスローペースに助けられての好走で、宝塚記念で前半が60.0で流れるといつもの通りポジションを取れませんでした。現状ではOP特別レベルでようやく掲示板に載れるかという馬で、ここで通用する根拠には乏しいです。

[3]⑤ソッサスブレイ(柴田大)

 関屋記念の内容を見れば重賞でのパンチ不足は明らか。関越Sのように良いポジションで最後に進路を作れれば一瞬の脚は持っていますが、相手も強くなりよほど作戦を工夫しないことには見せ場は作りにくいかと…

[3]⑥ランブリングアレー(戸崎)

 前走のヴィクトリアマイルでは道中後方のインでじっと構え、直線では外目を主張して進路を確保。丁度ディアンドルの通っていたあたりが伸びる/伸びないの境目で、キレで劣ると見られていた同馬をうまく導いた吉田隼Jの好騎乗もありました。

 しかしもう一つ好走要因としてあげたいのが「休み明けローテ」。過去2か月以上の間隔を空けて臨んだレースでは(2,2,1,0)とパーフェクトに走れており、昨秋のカシオペアSも2か月半ぶりの実戦でボッケリーニらを一蹴。今回は4か月半ぶりのレースですが中間入念に乗られ、最終追いではCWで馬なりで49.4-12.2と抜群の時計をマーク。本来中山向きで条件も相手関係も良くなるここでなら上位評価は必至でしょう。

[4]⑦ブレステイキング(石橋脩→内田博)

 このコースでは18年にセントライト記念④着があるものの、母シユーマの兄弟は慢性的に足下に不安を抱えこの馬以外の5頭の兄弟のうち4頭が半年以上の休養歴を持っています(1頭は1戦で引退)。上には準OPのヘリファルテが居ましたが、3度にわたる長期休養を余儀なくされ結局4歳秋の本栖湖特別が最後の勝利に。この馬も年明けに約7か月ぶりに復帰するも1秒以上負けており、ピークは過ぎたと判断せざるを得ません。

[4]⑧サトノソルタス(大野)

 前走鳴尾記念時の見解がこちら。

 この馬は休み明けでこそ走るタイプで、2か月以上の間隔を開けたレースは(1,2,2,2)に対しそれ以外は(0,0,0,4)。後者に該当する今回は前走以上のパフォーマンスは望みにくく、メンバーも落ちるわけではないここでは大きな期待は懸け難く。

 結果的に中3週の鳴尾記念は道中4番手を進むも伸びきれず1.0差の⑦着。実績で言えば昨年の金鯱賞でサートゥルナーリアの0.3差③着がありますが、前半63.6秒超スローを3番手追走でしたからむしろ差される方がおかしいレベル(勝ち馬は強いですが)。恵まれてこの程度となると、休み明けでも買えても紐程度でしょうか。

[5]⑨マウントゴールド(岩田望)

 前走の七夕賞は結果的に行ったもの勝ちのレースで、そこで1番枠を引いて4番手を進んで4着では本質的な価値は見出せません。重賞になると今一つ信頼度が落ちる岩田望Jの手綱さばきに期待するにしては先行勢が揃いすぎた印象で。

[5]⑩キングオブコージ(横山典)

 約1年ぶり。目黒記念勝ちから大箱コース得意の印象ありますが、中山は2戦2勝で立ち回りの良さを活かしてひと足で決めるレースも対応可能です。調教も休養前同様にCWでの最終追いを消化し49.8-118の好時計で動けてもいます。

 但しやはり中身がどうかという点は気になるのと、横山典Jは近年特に長欠明けの馬で無理をさせない傾向が強いのがマイナス要素です。



 上記は同騎手がデビュー以来、中49週以上で出走した馬に騎乗した際の成績です。一見すると悪くないように見えますが10勝のうち8勝は2001年以前のもので、最後に馬券内に入ったのは2015年まで遡ります。特に近年は馬本位の騎乗スタイルで、位置を無理に取りに行かないor馬と喧嘩しないことを優先するが故まるで勝負なならずに帰ってくることもしばしば(それは長欠明けの馬に限りませんが…)。ここも賞金自体は足りている故、ひと叩きして天皇賞orアル共→JCというのが理想ではないかと見ます。

[6]⑪グローリーヴェイズ(M.デムーロ)

 香港ヴァーズ勝利、昨年のJCでも3強に肉薄しての⑤着と実力は現役トップクラスであるものの、メジロ牝系らしくエンジンの掛かりはワンテンポ遅い印象で東京や京都といった大箱コースで紛れなしの勝負でこそ強さを発揮できるタイプなのも事実。事実、今年の金鯱賞ではスローに持ち込まれギベオンの逃げ切りを許し、阪神内回りの宝塚記念では大敗。トリッキーなこのコースでは紛れの憂き目に遭う可能性が高いと見ます。

[6]⑫レイパパレ(川田)

 前走の宝塚記念はそう厳しい流れではなかったものの、回復途上の馬場コンディションもあってかゴール前でユニコーンライオンに差し返されての3着。やはり阪神内回りで雨が残るとディープ系は厳しく、その中ではよく残した方と言えるかもしれません。

 ここは飛ばす馬もおらず61秒~62秒くらいの運びが出来そうですが、前走の物足りなさが56kgという斤量なのか2200mという距離なのかという可能性も否定できず、そのいずれもが再現となる今回は試金石と言えるでしょう。

[7]⑬ゴールドギア(田辺)

 前走の目黒記念はスローペースを見越し早めの進出を見せるも先行勢の返り討ちに遭って1.1差の⑤着。レースの上りが32.8となっては追い込み馬に厳しい展開だったことは事実で致し方ないにしても、2走前にメトロポリタンSを勝った時にCWで50秒、51秒を連発していたのと比べると今回の調教時計は二回りは足りず、目標はやはりアル共でしょう。

[7]⑭アールスター(長岡)

 連覇を狙った小倉記念は感冒により取り消し。立て直された今回ですが、その小倉記念の直前同様に坂路で52秒台をマークし、OP昇級後では最速の時計を出しています。但し脚質的にはどうしても展開の利がないと難しいタイプにつき、嵌り待ちの騎乗を得意とする長岡Jとの組み合わせでは信頼は置きにくいです。

[8]⑮ロザムール(三浦)

 重賞で2度の波乱を演出していますが、そのいずれもが雨の影響の残る特殊なコンディションでした。脚元が悪くても変わらずに走れるタイプであるのでそのような状態では相対的に優位に立てますが、降雨予想のない今回は望み薄でしょう。

[8]⑯ステイフーリッシュ(横山和)

 前走は心房細動で無念の競走中止。この中間は久々という点も加味し、心肺機能の強化を図ってしっかり負荷をかけてきました。ただ、調教素人の意見としては一杯に追われた割に最後の1Fは動きがやや緩慢に映り、神戸新聞杯に騎乗のない藤岡佑Jが遠征することなくテン乗りの横山和Jを配した点からも、ここを叩いて次走以降が矢作厩舎の本領発揮と見るべきでしょうか。

<予想>
◎セダブリランテス
○ランブリングアレー
▲レイパパレ
△グローリーヴェイズ
△ウインマリリン


■中京11R イクスプロージョン

 母ファシネイションは3代母グレースアドマイヤから続く名牝系なのですが、この一族は中京が得意。兄アプルーヴァル(牡6、父オルフェーヴル)は全3勝が中京芝1400mで挙げたもので、近親にはフランツ(ケフェウスS②着)、エスポワール(シンガポールTC賞)、アリストテレス(小牧特別)、アールドヴィーヴル(ローズS③着)と中京コースで好走した馬がズラリと揃います。

 中京に限らず、東京や阪神などでもよく好走する一族なのですが共通する特徴は「左回りや坂のあるコースが得意」という点。グレースアドマイヤは父トニービン、母は日本で大成功を収めた繁殖として名高いバレークイーンという血統で「エプソムダービーモデル」として上記コースを得意とする馬が多数出てきたのも頷けます。

 グレースアドマイヤの後継繁殖となった本場の2代母グローリアスデイズ(フローラS②着など)が父にサンデーを持つ関係でしばらく父はキンカメ系などに限られ、中距離以上の適性馬が多い傾向にありましたが、本馬の父オルフェーヴルやエピファネイアなど「サンデーの孫」が種牡馬入りしたことでサンデー3×3の配合が可能になり、中距離以下の活躍馬も出始めています。

 閑話休題…

 同馬のオーナーの近藤英子氏と言えば、言わずと知れた「アドマイヤ」の故・近藤利一氏の前妻ですが、セレクトセールで高額馬を競り落とす利一氏とは対照的に英子氏は自らの牝系を大事にし、配合相手などの選定を自ら行ったうえでそのほとんどを自己所有しています。同じ基礎牝馬をベースにしている以上、所有馬の傾向が似通るのは当然と言えます。そういえば利一氏の持ち馬の権利を継承した後妻の旬子氏が、某税理士に所有馬を売り渡すという噂はどうなっちゃったんですかね(すっとぼけ)

 イクスプロージョンに話を戻すと、中京芝2200mで③②①着。特に2走前の春日井特別では2番手追走から2.11.9の好タイムでの勝利でした。今年この条件で勝ちタイムが2分12秒を切ったのはこのレースを含め4レースしかなく、他3つは日経新春杯・京都新聞杯の両重賞と2勝クラスの長良川特別と格上戦ばかり。加えて上りがかかりやすい中京で自身の上りが35秒を切った勝ち馬はイクスプロージョンのみで、差しの効く舞台にして2番手から押し切った内容も評価できこの舞台への適性は相当高いと見込まれます。

 当然、今回はダービー馬シャフリヤールをめぐる争いなわけで、ダービー3着のステラヴェローチェを含めこの2頭が人気の中心になることは疑いようはありません。これが例年通り阪神芝2400mであれば波乱の余地はあまりないと思いますが、小頭数でめぼしい先行馬も居ない中でかわいがられるようなことがあれば…上記2頭と違って賞金加算・権利獲得を目指すイクスプロージョンが積極騎乗で一泡吹かせるシーンがあっても驚けません。

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