2走前のミモザ賞は重馬場で前が飛ばす特殊展開。外差し優位のコンディションも相まって派手な勝利でしたが、その次のオークスでは先行勢総崩れの流れの中で後方待機から0.7差⑨着と物足りない内容。内が伸びなかったとはいえ、コースロスも無く直線ではポッカリ前が開いたにも関わらず伸びなかった点を考えれば、現状同じ3歳牝馬同士のレースでは劣勢と言わざるを得ません。
[1]②トウシンモンブラン(三浦)
2走前に小倉の1勝クラス戦で②着した際の勝ち馬ジェラルディーナは2勝クラスを連勝。この馬も次走で直ぐに勝ち上がったように一定の評価ができるレースでした。但しその時も含めここ2戦は、小倉の乗り方を知っている松山Jが冷静に捌いてロスなく導いての好走。発馬は今一つにつき、フルゲートで外の先行勢にドッと来られると窮屈になる懸念があります。助走をつけて加速できる阪神や小倉のようなコースが向いているタイプで、急加速が求められる中山も特性を発揮しにくく。
[2]③ミスフィガロ(津村)
2走前の未勝利勝ちはスローペースを自ら動き前を潰しに行ったもので、前走は一転1分58秒台の決着を中団から差し切る内容。ペースもコースも違う舞台で2連勝は素質開花を伺わせるものです。ウッドでの追い切りができていない点はもう1段階の成長を待ちたいところですが、1週前に速めの時計を出し直前に軽く、という調教パターン自体は連勝中のここ2戦と同じで好調を維持できている模様。但しこの枠では序盤に包まれる懸念があり、これまで福永、武豊、ルメール、川田とトップクラスの各騎手が跨ってこれだけの結果を残せている中津村Jがどこまでうまく捌けるか、でしょう。
[2]④エクランドール(ルメール)
デビュー2連勝で4か月ぶりの一戦。前走の1勝クラス戦は8頭のうち4頭が未勝利馬というメンバー構成で、前半61.8秒のスローペースを2番手から押し切る楽な内容で正直ここで強調できるレベルにはありません。但し春に比べ楽に調教時計が出るようになっている点は成長を伺わせ、ポジションを取れさえすれば通用の目はあっても。
[3]⑤キヨラ(内田博)
地元(盛岡/水沢)所属の牝馬がオパールCを勝ったのは2001年のセイントリーフ(セイクリムズンの姉)以来20年ぶりという快挙でした。ただセイントリーフは福島3歳S(2000年、旧馬齢表記)でも②着するほどの実績があったのに対し、キヨラの中央在籍時の新馬・未勝利の2戦はいずれも1秒以上の大敗。格上挑戦組が多いとはいえ、流石にこのメンバーで伍せるかと言われると…
[3]⑥シャーレイポピー(鮫島駿)
初の1800m戦となった前走は前残りの流れを4番手から流れ込んでの④着と特に強調できる内容ではありませんでした。0.1差で③着だったハギノアレスと5kgの斤量差があったことを思えばそれと同じだけの脚しか遣えなかったのでは、距離延長はプラスではなかったと見るべきでしょう。さらなる距離延長に初のコーナー4つのコースと、克服すべきハードルは多くて。
[4]⑦パープルレディー(田辺)
初戦の新潟内回り戦以降は全て東京の2000m以上戦を使われ、気性面・器用さで乗り難しさを残す現状。前走のオークスは調整過程も順調でなかったですが根本的にペースについていけてなかった印象で、よほど時計がかからないことにはこの距離では忙しいかと。
[4]⑧メイサウザンアワー(石橋脩)
前走のカーネーションCは前半4Fが50.0秒のスローペースを2番手から押し切ったもので、どこから行っても33秒台の上りを使えた馬が上位に来るというレース。それよりは2走前のフローラSの0.2差④着の方が評価できる内容で、直線でスライリーに進路をカットされ切り替えるロスもあった中での接戦でした。外の先行勢との兼ね合いが鍵ですが、好位を取れれば粘り込みの目はあっても。
[5]⑨アイリッシュムーン(富田)
2勝はいずれも1800m戦。2000mではポジションを取れても取れなくても末が甘くなる現状で、適距離からは外れているという見解です。
[5]⑩エイシンチラー(M.デムーロ)
前走の三面川特別は前半4Fが49.5秒とかなりのスローで、本来なら後方待機勢にはノーチャンスのレースを差し切った強い内容でした。但し新潟の芝1800mはワンターンで実質的に1600mに近いレイアウト。リアルインパクト産駒が得意とする「左回りのマイル」とほぼほぼイコールのコースと見ることもできます。3走前のミモザ賞は特殊な馬場で飛ばした逃げ馬を追いかけすぎたもので仕方ないにしても、本来の適性を考えれば距離延長はプラスとは言い難く。
[6]⑪ファインルージュ(福永)
一部ではルメールJが秋波を送っている?とも噂のこの馬ですが、本番に乗れない(サトノレイナスに騎乗予定)前提で乗り替わることは流石にありませんでした。
状態面の不安を語っていたオークス時と違い今回は1か月前から十分に乗られ、日曜には坂路で53.2-11.9をマーク。最終もウッド3頭併せの真ん中で先着し素軽い動きを見せました。元々クイーンCを勝っているとはいえ桜花賞では促しながら追走するシーンがあるなどマイルはやや忙しく、状態面の不安もない今回は改めての期待をかけられそうです。
加えて今回は岩戸厩舎への転厩初戦。調教停止となった木村師の管理馬が移って3週間ほどになりますが、元木村厩舎の所属馬の成績がこちら。
転厩前後の戦績比較ができない新馬戦は除いているうえサンプルが少ないので何ともですが、この平均人気にしてこの複勝回収率は驚異的。オレンジフィズ以外は2か月以上の休み明けであり、オーナーサイドで上位騎手を引っ張ってこられるようになった結果とも言えますが、美浦で仕上げて新潟に輸送するケースでも安定して走れている点は図らずも「登録師」との格の違いと見てよいでしょう。ここも人気ですが素直に信頼できる1頭と見ます。
[6]⑫アビッグチア(嶋田)
3勝クラスで走った経験があるのはこの馬だけで、水無月Sの0.3差⑤着はまずまずの内容。但しフラワーCでの自滅を見れば1400mから2000mへの一気の距離延長はプラスとは言い難く、アサマノイタズラでさえポカを繰り返した嶋田Jが鞍上では御せる期待は薄いと言わざるを得ず…
[7]⑬ハギノピリナ(藤懸)
オークスはペースが緩い3角の内に進出を開始し、直線でも馬場の良い大外に出せたことが好走要因でした。2走前の矢車賞に続いて藤懸Jの好判断が光った内容でしたが、外差し優勢の馬場にも助けられた感は否めずで、デビュー以来阪神と東京でしか走ってこなかった点を考えても中山に求められる急加速という点ではやや物足りない現状です。2月のデビューから3か月で5戦を消化したのち、初の休み明けという点も不確定要素です。
[7]⑭ホウオウイクセル(丸田)
小柄な馬体を活かした立ち回りの良さがセールスポイントで、コーナー4つのコースでは2戦2勝。いずれも1800mにつきルーラーシップ産駒のスイートスポットという見方もできますが、ワンターンで流れてしまう展開よりは息の入るこの舞台の方がパフォーマンスを上げられるでしょう。調子や展開のアヤがあったとはいえフラワーCではユーバーレーベン、クールキャットに先着しており、久々も先週そして今週とウッドで意欲的に併せ馬を消化。最終調整が坂路で単走だった桜花賞時とは歴然の出来と見え、再度の重賞好走が期待できるでしょう。
[7]⑮スライリー(石川)
折り合いが難しい一方でスムーズに前目を取れればしぶとく、2走前のフローラS②着はもとより4走前の菜の花賞もアナザーリリックやストゥーティといった骨っぽいところを相手に勝利。やや急仕上げの感はありますが気の良いタイプで仕上がりは早く、嵌った時の走りはここでも通用するはずで押さえに。
[8]⑯クリーンスイープ(戸崎)
前走は唯一の3歳牝馬でただ貰いの側面が強かったレースでした。2走前のカーネーションCを見れば、内をロスなく立ち回って直線もうまく前が開いたにもかかわらずいったんは交わしたメイサウザンアワーに差し返されるという物足りない内容。最後の100m位で急に内にモタれる仕草もあり、本質的にはやや距離が長かったかもしれません。追い切りの動きは悪くないものの、マイルで切れ味を活かしたいタイプと見ています。
[8]⑰ホウオウラスカーズ(横山和)
ここ2戦は安定した取り口で2連勝。4角3番手以内であれば(3,1,0,0)で、スムーズに運べそうな外枠は好材料です。但し2走前は外枠から荒れた内をうまく避けての運びで、前走は最内からロスなく運んでの勝利。いずれも枠とコースコンディションが嵌った部分もあり、今回は開幕週の外枠+距離延長につき折り合って運べるかが鍵となります。直前が強めであったことでかえって馬に気が入り過ぎなければ良いのですが…
[8]⑱プレミアエンブレム(横山武)
前走は上手く立ち回れた分の快勝でしたが2走前の1勝クラス戦がハイレベルで、この馬と当時の③④⑦⑨着がいずれも勝ち上がり済。コース経験もあり位置取りは問いませんが理想は前目で、この枠なら無理せずポジションを取れそうで、条件馬同士の比較でなら上位にランクできるでしょう。
<予想>
◎ファインルージュ
○ホウオウイクセル
▲プレミアエンブレム
△スライリー
△メイサウザンアワー
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