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2021年9月5日日曜日

【9/5(日)予想】新潟記念の全頭評価とねらい目レース(新潟8、丹頂S)

■新潟11R

[1]①サトノアーサー(石川)

 前走の関屋記念は半年ぶりのレースで頓挫明けと強気になれない臨戦過程で0.7差の⑪着。ですが道中は手ごたえ十分にガッチリ折り合い、直線でも一向に前が開かずまともに追えなかった中で33.9の末脚で上がってきた点は密かに評価できるレースだったと考えます。中2週での再輸送がどうかですが、18年のエプソムC①着時もメイSから中2週で再輸送して勝っており苦にしないタイプ。菊花賞以降ワンターンのコースにこだわって使われており距離も問題なく、直線でばらけそうなここは脚の使いどころひとつでチャンスでしょう。

[1]②ザダル(石橋脩)

 ローテありきで間隔の詰まった菊花賞以外は崩れずに走れており、今回も2か月の休養ののち先月中旬に帰厩。その時点ではまだ手塚厩舎の管理下でしたが順調に登坂を重ね、大竹厩舎に戻った1週前には南DWで併せ51.6-11.5をマーク。但し、前走のエプソムC(①着)時は1週前の時点で同じ南DWでの併せ馬で50.6-11.8で走っており、自動計時が導入されて以後の時計の出方を考えれば一回りから二回りは物足りない数字です。直前は輸送を考慮しての軽めと割り切っても、斤量が57.5kgに増えることも加味すると前走以上とは?

[2]③ショウナンバルディ(戸崎)

 前走の小倉記念は外差しに振り切った2頭のワンツー決着。それを思えば0.9差⑤着とはいえ3着争いからは0.4差と悲観する内容ではありませんでした。但しこの馬は前半ゆったり入れた方が良いタイプにつき、ワンターンの新潟2000mでテンが流れるとなるとパフォーマンスを上げる期待は薄いです。

[2]④レッドサイオン(杉原)

 昨春にOP入りするまでは順調だったのですが、自分で止めてしまうような点が出てきてしまい昇級後わずか2戦で去勢。その後障害を3戦するも走るたびに着を落とし結局平地に戻しましたが、前走の札幌日経OP(函館)では4角で抜いた相手に直線で抜き返される始末でまだ戻っているとは言えない状況。去勢から1年になり、馬体が戻ってくればポテンシャルを取り戻せる期待はありますが元々それ以前もOPでの好走歴は無いだけに、検討は馬体回復を待ってからでも。

[3]⑤リアアメリア(川田)

 前走VM(⑬着)時の見解がこちら↓

 昨年のローズS勝ち、オークス4着と世代上位の実績の持ち主ではありますが2歳時に勝ったアルテミスS含め「途中で一呼吸置けるレース」ではしっかりギアを入れて走れる一方、ワンターンのマイルなど息が入らず流れるレースでは苦戦しています。前走の反省からある程度ポジションを取りに来るでしょうが、流石にアルテミスSのような緩い流れは期待できずで。

 結果的に終始11秒台以下のラップでは末脚を繰り出せず。あれでも近年のVMと比べれば緩んだ方ではありましたが…今回は距離が延びる点は良いものの、ワンターンの新潟2000m戦ではやはり息を入れにくい故、嵌り待ちという舞台にはなってしまいます。

[3]⑥パルティアーモ(横山武)

 新潟では(3,1,1,1)。理想は溜めてひと脚、で前走はスローを見越してか意識的に出していった分最後に捕まりましたが勝ちに行っての競馬で好内容でした。ただ相手関係としては必ずしも強調できるほどではない上、ここ2戦手綱を取ったルメールJが重賞も新馬戦も無い札幌での騎乗を優先したという点は気になり、この人気で買うべき馬ではない可能性もあると見ます。

[4]⑦マイネルサーパス(柴田大)

 パフォーマンスのピークはアンドロメダSを勝った3歳秋で、ハンデを背負わされるようになってからは今一つの内容。休み明けをひと叩きした今回、久々に56kgに戻る点は良いですが動きも今年の金杯(⑯着)とさほど変わらずで強調材料には乏しいです。

[4]⑧ギベオン(岩田望)

 切れる脚に欠ける分3走前のように舐められた逃げが打てれば良いのですが、流石にここは頭数も揃っており斤量も背負わされる分プラス評価はしにくいです。

[5]⑨アドマイヤポラリス(三浦)

 前走目黒記念(⑬着)時の評価がこちら↓

 純粋な切れ味勝負では分が悪いものの、道中でじわっと進出し直線で前を捉えるレースが得意なタイプでこの2連勝も自分の持ち味を発揮したレースでした。詰めの甘さも解消されつつあり、外回りコースだった2走前の阪神2400m戦で34.2で上りをまとめていることからもここにきての充実度は目を見張るものがあります。ただ今回はスロー必至のメンバー構成で、似たような位置から切れ味を繰り出せる同型馬も少なからずおりどこまで踏ん張れるかが鍵でしょう。

 このレースは4角でどこにいたかが大事で、後ろだと物理的に届かないので必然的に先行orまくり勢が着を上げたのですが、この馬に関しては6番手にいたにもかかわらず急加速が苦手なため4角で呑まれてしまい、直線では前も開かずに終わってしまいました。結果的に、離れた3番手集団を進んだことで自らヨーイドンの流れに入ってしまったことが敗因でしょう。多少時計がかかってくれそうなのは幸いですが、本来はもう少し距離があった方が良いタイプでワンターンの2000mでパフォーマンスを上げてくるイメージは湧きにくいです。

[5]⑩ラーゴム(池添)

 元来の気性難で、きさらぎ賞までは相手のレベルにも助けられ何とかなっていましたが流石にクラシックではごまかし切れませんでした。「いくらかマシになった」と陣営は語っているものの、現状併せ馬ができておらずこの中間は単走5Fで時計を出すのが精一杯。動きは良いですしワンターンの2000mで流れる分にはいいですが、G1のペースでも掛かってしまうようではこの距離では信頼は置きにくいかと。

[6]⑪ラインベック(津村)

 母系譲りの気の良さで逃げるとしぶとく、理想は前走や5走前のようにひきつけた逃げが打てる展開です。一方で多頭数のレースを苦手にしており、9頭立て以下では(3,0,2,0)なのに対し10頭立て以上だと(1,0,0,6)(←①着時は11頭立て)と成績の差が顕著に出ます。ひきつければ切れ味のある馬にかっさらわれ、かといって飛ばすと持たない、というタイプにつき今回は流れが向かない懸念が大きいです。

[6]⑫ヤシャマル(菅原明)

 前走初の重賞挑戦となったエプソムCは一気の相手強化の上定量戦。加えて差し決着を3番手で進む厳しい展開を0.7差⑨着ですから健闘の部類でしょう。今回は控える競馬を示唆していますが、前目につけたい馬は何頭か他にもいるうえ時計がかかりそうなコンディションは好都合。この中間も十分に乗られ、併走相手のザスリーサーティ(土曜新潟12Rで②着)が一杯に追うところを馬なりで併入と仕上がりも良好。斤量減も後押しに押さえは必要と見ます。

[7]⑬クラヴェル(横山典)

 ひと押しに欠ける一方自在性が強みで、横山典Jはまさに手が合っていると言えるでしょう。ただ今回は開催最終週につき内を突くオプションは難しく、ポツンからの大外一気も馬群がばらけると不発の懸念があります。理想は先行して33秒台の脚を繰り出せればよいのですが、出すと甘くなるタイプにつき勝ち切れるかと言われると…

[7]⑭エフェクトオン(木幡巧)

 新潟での2勝はいずれも内回り2400mでのもの。前走の阿武隈Sは空いた内を巧くついた田辺Jの好騎乗が大きく、本来は一瞬の脚で決めきるレースが理想です。

 この馬の全4勝のうち3勝が田辺Jなのですが、今回同騎手は新潟記念に騎乗なし。元々53kgはギリギリの斤量で、2016年以降の5年間で僅か6回しか騎乗がありません。


 基本的にG1ないしは勝負が見込める上位人気馬でないと乗っておらず(ゴールドギアは謎ですが同年の目黒記念で三浦Jに乗り替わって⑤着した経緯もあったかと)、今回に関しては見込み薄と判断したと推察されます。かと言ってこの成績を見る限りでは乗ってきたところで有力、とまでも言い切れないのですが…。

[8]⑮プレシャスブルー(柴田善)

 馬体を増やせるかが鍵になる馬で、理想は450kg近くまで持ってこれればよいのですがこの中間夏負けしたとの言及があり、ここ数日で涼しくはなったもののどこまで増やせるかは少々疑問符です。前走(442kg)からいくらかでも増えていれば紐にはあっても。

[8]⑯マイネルファンロン(M.デムーロ)

 前走の函館記念はまともに掛かってしまったうえ、レッドジェニアルに絡まれレースになりませんでした。この中間は美浦に戻り、最終は重めの南DWで単走馬なりで51.8-12.7をマークしており体調も上々です。力量的にどこまで、というのはあるのですが、手塚師がデムーロJを手配するのは「手替わりさえすれば勝ってくれそう」という見込みがあるサインです(ユーバーレーベンはまさにその例)。手塚厩舎の馬の騎手別成績を調べたところ

 M.デムーロ(5-3-6-12)勝率19.2% 複勝率53.8% 単回112/複回113
 ルメール(33-15-17-49)勝率28.9% 複勝率57.0% 単回77/複回82
 ※何れも短期免許での騎乗(~2014年)を含む。

となっており、信頼度が高いばかりか馬券的には寧ろおいしいというレベルになっています。社台系の有力馬も多く抱える厩舎につき絶対的な騎乗数は多くないですが、逆に言うとデムーロJが手塚厩舎の馬に乗るときは陣営の推薦に基づく起用と見てよいでしょう(実際オークス以降ラフィアン系列の騎乗依頼が急増しましたがすべて他厩舎で、手塚厩舎のラフィアン馬に乗るのはオークス以来)。

 事実、この馬にあれだけ乗っている柴田大Jが(1,2,3,6)で丹内Jが(1,2,0,6)なのに対し、たった2回しか乗っていないモレイラJが(2,0,0,0)というのがこの馬の現状を雄弁に物語っています。時計がかかればより良いですが、この乗り替わりだけでも十分に買う価値はあると見ています。

[8]⑰トーセンスーリヤ(横山和)

 前走の函館記念は前の2頭(レッドジェニアル・マイネルファンロン)が勝手に飛ばして労せずに折り合えた上、勝手に潰れたおかげでギリギリまで追い出しを我慢できた分最後は突き放す余裕を見せての勝利。おそらくこの馬自身は59秒くらいの前半通過だったとみられますが、馬場とクラスを考えれば速いというほどではなく丁度7走前に勝った新潟大賞典に近い展開に持ち込めたのも大きかったです。

 ただ今回もラインベック・ショウナンバルディあたりを行かせて見ながらの追走が期待できるうえ、宝塚記念の内容を見れば斤量に泣くことも無さそう。渋った馬場は割引も出来は良く再度の好走も可能と見ます。

<予想>
◎マイネルファンロン
○サトノアーサー
▲トーセンスーリヤ
△ザダル
△ヤシャマル
△クラヴェル
△リアアメリア


■新潟8R アイスナイン

 初勝利となった昨年1月の未勝利戦は雪の舞うコンディションの中2.0差の圧勝。現級でも④⑤着の経験はあり能力はある一方で、ここ2戦は途中で気持ちが切れたかのように失速してしまいレースになっていませんでした。

 4月の新潟戦後に去勢を敢行。今回は5か月ぶりのレースとなりますが、8月頭に帰厩しプールも併用しながら丹念に乗られてきました。最終追いは昨日の古町Sにも出走した格上のアーバンイェーガーに食らいつき併入。ラスト2F目のラップが11.9となっており、坂路の区間ラップが12秒を切るのはこの馬史上初めて。動き自体は現級入着していた年始の頃に戻っていると見えます。あとは馬体を減らさずに来れるかが鍵ですが、中間も調整を手控えてない点からもクリアできそうです。

 シュルードアイズを除く上位人気勢は前半4Fが50秒台に乗るようなスローで先行したりダート未経験の未勝利馬と不確定要素が多く、馬場と隊列を読んだ手綱さばきが光る大庭Jの起用も力量差の小さい条件戦ではプラス。狙うならここでしょう。


■札幌11R アイスバブル

 前走の札幌記念(⑦着)で本命抜擢しましたが、インを進むも3角でステイフーリッシュが脱落してしまいそのあおりを受けて最後方まで下げるロスがありました。伸びなおしての脚は見どころありで、やはり洋芝は合う模様です。続戦で丹頂Sに出てくれれば買いたいと思っていただけにまさに(個人的な)念願かなっての参戦。今年芝で(0-1-0-27)の水口Jが乗るにしても人気は必至でしょうが、好戦は可能な舞台です。

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