[1]①タガノビューティー(石橋脩)
このコースでは(3,2,1,1)。唯一着外に敗れた昨年のユニコーンSはスタートで躓きリズムを崩したものでそれ以外はパーフェクトで、待ちに待った舞台と言えます。
3歳シーズンは伸び悩んだ時期もありヘニーヒューズ産駒の成長力の限界かと思われましたが、振り返ってみればデビュー2連勝に導いた石橋脩Jが降ろされた3戦目以降(0,3,2,3)だったのに対し、鞍上を戻してからは(4,2,0,1)。単に手が合っていたか否かという問題だったと見るべきでしょう。重賞級の馬との相手関係が鍵も、適性で見せ場は十分作れるはずです。
[1]②リアンヴェリテ(国分恭)
勝ち上がって以降は地元戦か滞在競馬の函館でしか好走できていない現状。距離短縮はプラスですが今回は先行勢が多く、単騎逃げが叶っても直線での追い上げを凌ぐのはかなりのハードルでしょう。
[2]③ワンダーリーデル(横山典)
叩き2戦目に最高打点を叩き出すタイプなのは既に周知のところで、加えて今年は56kgで出られるという点もプラス。グリーンチャンネルCを叩いてここに臨むローテは一昨年にこのレースを勝った時と一緒で、好走の条件は整ったと見てよいでしょう。
但しその前走が1.4差の大敗。過去、叩き初戦でもほとんど1秒差以内に纏めていたこの馬にとって、不得手な小回りだった昨年の黒船賞(高知・⑤着)以来となる1秒差以上の敗戦でした。いつものポツンで59kgを背負いながら上りは最速だったものの、8歳の秋となりある程度の衰えは織り込まなければいけない段階に差し掛かったと見るべきかも知れません。
[2]④テイエムサウスダン(岩田康)
勝ち星は全て1400m以下。大箱のマイル戦は明らかに不向きの条件で加えて出足のある先行勢も多いここでは苦戦は免れないでしょう。
[3]⑤ヒロシゲゴールド(亀田)
前走のマイルCS南部杯では初の1600mにも順応し②着と健闘を見せました。元々短いところを使われておりワンターンの競馬は得意なクチ。近走ではハナを切らなくてもレースのできる自在性を見せており、ここも先行勢は多いですが楽に追走できるという点ではライバルに対し優位なポイントで、近しい相手関係の交流重賞で善戦してきた経緯からもここも注意が必要です。
[3]⑥スリーグランド(津村)
1600mは初参戦。太宰Jが乗っていたころと違って戦法に幅が出た今ならこなせないことは無さそうですが、うまく流れに乗ることが鍵となります。5走前に勝ったバレンタインSは戦法を一変させての逃げ切りでスムーズに運んだ分再現性に乏しく、先行馬の多いここでどう運ぶか、課題は少なくないと見ます。
[4]⑦レピアーウィット(横山武)
ヘニーヒューズ産駒ではありますが、被されずに進みたいタイプにつきコーナー4回で息を入れられる中山が向いているタイプです。OP昇級後はこのコースで2戦して⑪⑩着。外枠からスムーズに運べそうなら話は別ですが、中枠で外にも速い馬が揃ったここでは追走に懸念を残します。
[4]⑧バスラットレオン(菅原明)
札幌の新馬戦で33.6という驚異的な上りを使ったこの馬は、前向きな気性から逃げる競馬で結果を残してきましたが陣営は差しを覚えさせる方向に馴致を施してきました。しかし結果的には気分良く行けないと能力を発揮できない馬であり、前走の富士Sは無理に抑えた結果向こう正面で制御不能に陥り大敗。2走前の京成杯AHは出遅れで見どころ無し、3走前のダービーは流石に距離が長すぎ、4走前のNHKマイルCは落馬とここ最近まともに走れていません。
そのまともに走った5走前のニュージーランドトロフィーでは富士S③着のタイムトゥヘヴンを0.9秒ちぎる圧勝劇。3歳世代のダート馬の層の薄さは先週のメイショウムラクモの時に紹介した話ですが、芝となれば話は別。あとはこの馬自身にダート適性があるかの話ですが、スピードというよりはパワーで走るタイプで母母のザミリア(=母バスラットアマルのきょうだい)からはザマンダ、ゴールドスミスとダートでの勝ち馬が出ています。スタートで躓かなければ芝スタートでダッシュも容易く、行き切れればこの中では一番強い可能性すらあります。行き切れれば…
[5]⑨スマッシャー(坂井)
ユニコーンSの勝ち馬で2走前のJDDは明らかに距離が長かったものですが、前走のグリーンチャンネルCでは目立った不利も無い中単純に決め脚比べでの敗戦でした。現状では3歳重賞を勝っても古馬戦で伍せる実力の裏付けにはならず、展開は向いても前走以上の相手になるここでは。
[5]⑩ブルベアイリーデ(丸山)
前走のシリウスSでは持ち味であり立ち回りの良さを見せ、サンライズホープの後ろを取っての③着確保でしたがやはり距離は微妙に長い印象で、急坂もあり最後は伸びきれませんでした。やはり1400~1600mがベストでしょう。このコースでは④①⑤①②着で負けても0.4差。得意条件に戻るここは前進あるでしょう。
ただ懸念点は久々の騎乗となる丸山J。
元々「ローカル」>>>「関東主場」>「関西主場」という成績傾向の騎手ではありますが、ダートではそれが顕著に出ます。相対的に上位騎手が少ないローカルでは社台系の有力馬が宛がわれることが多く馬質の違いという考え方もできますが、日本競馬の王道は「芝中距離」である以上、社台系とのパイプの恩恵を受けにくいダートでここまで成績に差が出ているとなると、単純に「前付けして早めに追い出す乗り方が合っており、大箱の末脚勝負には向かない」という見方が出来ます。
今回のメンバーを考えればブルベアイリーデは控えざるを得ず、そうなったときに手が合うタイプなのかと言われると…
[6]⑪オメガレインボー(横山和)
控える競馬が板についてきており、前走のエルムSも勝ったスワーヴアラミスに内を掬われたことを考えれば勝ちに等しい内容でした。ただこの馬の傾向として気温の上昇とともに成績を上げる点があり、4-9月が(4,4,1,3)に対し10-3月が(1,1,0,8)。ここ3戦とは変わって涼しい時期のレースでパフォーマンスを上げられるかは課題です。
[6]⑫ワイドファラオ(柴田善)
結局中央では2年前のユニコーンS以来馬券になれておらず、前走の南部杯にしても不良馬場で前に行った馬が残る中で3番手追走から足を伸ばせずインティにも差されての⑤着。着差こそわずかですが本来ならもう2つ3つ着順を上げられるはずの内容で、前付けはできてもそこからのひと脚に欠ける現状では。
[7]⑬サトノアーサー(岩田望)
7歳シーズンを迎え、ややエンジンの掛かりが遅くなっているタイミングでの初ダート。前走は距離が長かったもので、ワンターンの1600mはベストの条件ではあります。但し、前肢の駆動で走るタイプであり不良馬場に苦慮していた点も見るとダートでパフォーマンスを上げられるかと言われると微妙なところで。
[7]⑭エアスピネル(田辺)
ダート転向後(地方交流除く)は前半3Fが34秒台以下だと(0,2,1,0)に対し35秒以上かかると(0,0,0,2)。前走の南部杯は直線で前が狭くなりまともに追えない不利があっての⑥着で、今回はその南部杯をアルクトスで制した田辺Jに乗り替わります。鮫島駿JもフェブラリーSの②着などよく乗ってはいますがこの馬はいい脚を長く使わせたいタイプで、内を突いて一瞬の脚を活かすことを重視する一方助走をつけて追い出すような乗り方には向いていなかったと言えます。この馬自身、意外にも過去27戦で上り最速だったのは僅か2戦。差しの名手に乗り替わってもう一皮むける期待は持てそうです。
[8]⑮ダイワキャグニー(内田博)
初ダート。昨年のエプソムCで不良馬場をこなしたように、小脚の使えるタイプでダート自体はこなせそうです。但し先行してナンボ、という馬で同型の多いここでは。
[8]⑯ソリストサンダー(戸崎)
昨年の②着馬。その昨年は46.1-48.9のかなりの前傾戦で、差し決着に恵まれた点が大きいです。2勝クラス以降勝ち切っているのは全てローカルのダート1700mという成績が示す通り、本質的には切れ味勝負より小回りで早めのスパートから押し切りたいタイプです。ただ今年もかなり先行馬が揃ったメンバー構成につき再度恵まれうる期待も。
<予想>
◎エアスピネル
○ソリストサンダー
▲タガノビューティー
△バスラットレオン
△ヒロシゲゴールド
△ワンダーリーデル
■福島11R ライジングドラゴン
元々現級でソリストサンダーと好戦するなど通用級の実績があり、夏の北海道2戦は調子を落とすも放牧で立て直されてきました。今回陣営は控えるレースを示唆しており、アルーフクライのまくりで動き出しが早くなりそうなレース展開につきじっくり構えた方が嵌る期待はありそうです。粘り強く追える小牧Jのテン乗りにも期待で。
■阪神12R ヴォイスオブジョイ
いつも終いは堅実なのですが、ローカルで馬が密集して上手く追えなかったり、短距離戦は多頭数になりがちで捌ききれなかったりと乗り難しさを抱えるタイプ。そこにラフィアン×水野厩舎となるとなかなか騎手起用でも打開策を作れなかったのですが、久々にデムーロJを配したここは1400mの実績で抜けて強いメンバーもおらず立ち回り一つで通用可能。内も外も差しの効く今のコンディションであれば、インで壁を作って直線抜け出す展開に期待です。
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