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2021年11月21日日曜日

【11/21(日)予想】マイルチャンピオンシップの全頭評価とねらい目レース(福島7)

■阪神11R

[1]①ホウオウアマゾン(坂井)

 前走のスワンSでは初の1400mでも行き脚がついてハナを切っての③着。他の先行勢が残せていないことを考えれば額面以上に価値のあるレースでした。ただこの馬の場合間隔を空けて使った方が良く、連戦ローテとなったG1戦は2回走っていずれも⑨着。そもそも前走が半年ぶりで+22kgと余裕を残しながらの参戦でありながら、この中間は1週前に速めを1本乗ったのみ。開催が進み内が残せない馬場になりつつある点もマイナスで。

[1]②クリノガウディー(岩田望)

 前がかりな気性故、古馬になってからは1400m以下を使われておりここでの距離延長はプラスとは言えず。しかも相手強化+右回り替わりに加え、この馬を手の内に入れかけた岩田康Jからの乗り替わりとなっては買える要素は見当たらず。

[2]③シュネルマイスター(横山武)

 前走の毎日王冠は坂上で絶望的な位置からダノンキングリーを捉えての①着。最後の50mでソングラインを捉えたNHKマイルCを彷彿とさせるキレを見せました(あれはソングラインがヨレたのもありますが)。実際最後の3Fは11.3-11.4-11.9と決して前が止まっているわけでもなく、ダノンキングリーも早め先頭から33.7の末脚を使っていただけに決して恵まれたものではないでしょう。

 おまけにこの馬は56kgを背負っての勝利。3歳馬の毎日王冠優勝は19年ダノンキングリー、20年サリオスに続き3年連続でしたが、前2年の2頭は54kgでのものであり、斤量面でも一回り上の評価を与えられるレースでした。今回は春の安田記念から考えればグランアレグリアとの斤量差が-1kg→+1kgとなり決して楽な戦いではないですが、この馬のセールスポイントは「上りのかかる展開で差し込んでくる末脚」にあると見ています。事実敗れた2戦は距離が長くレース上りと同じだけの脚しか遣えなかった弥生賞②着とレース上り自体が33秒台の安田記念③着。今の阪神では高速決着は望むべくもなく、小頭数+スローで上り勝負になった先週のデイリー杯でさえレースの上りは33.8。16頭立てで前も流れるここは34秒以上はかかることが見込まれ、この馬向きの展開になる期待は大きいです。

[2]④サリオス(松山)

 古馬戦では毎日王冠以外馬券になっておらず早熟という見方もできますが、前走の安田記念は右トモを気遣いながらの調整でそもそもまともな状態でなく、2走前の大阪杯は重馬場に脚を取られる格好で最後はラチ沿いをやや苦しそうに走っていました。3走前、昨年のマイルCSはご存知の通りまず届かない位置から末脚だけで⑤着という内容。もし今年昨年と同じレースをすれば嵌る可能性はありますが、今回はブリンカーを装着するとのことで陣営はある程度位置を取るレースを画策していると見られます。時計がかかりそうなコンディション自体は歓迎も、内に押し込められると動きたいところで動けずになる懸念もあります。

[3]⑤サウンドキアラ(武豊)

 前走のスワンSではゴール前鋭い末脚を見せ②着。勝ち馬との差は前が詰まって追い出しが遅れた分で、復調を示すレースでした。一叩きされた今回は最終の坂路で51.7-12.2をマークし、昨年ヴィクトリアマイルで②着したとき(51.6-12.3)に近いデキにまで来ており引き続きこの馬の力は出せるでしょう。ただ当時と同じだけ走れたとしてもアーモンドアイには完敗しているわけで、6歳秋で成長を見込むのが厳しいとなるとそれなりにメンバーの揃ったここでどこまででしょうか。

[3]⑥ケイデンスコール(岩田康)

 前走の毎日王冠では内を突くも進路が開かず、鞍上もろくに追うことなく⑨着。元々2か月以上の間隔が空くと(0,0,0,6)ですから、安田記念以来となったここは織り込み済みだったのかもしれません。

 今回は1週前に坂路で51.8-11.9の好時計をマークし、直前も馬なりで終いを12.0に纏めてきました。前走時に口向きの悪さを指摘しましたが、しっかり動かした1週前は真っすぐ登坂できており力を出せる状態にはあると見ます。とはいえ春に好走した重賞のメンバーはG1ではまるで通用しておらず、紛れなしの阪神で一線級が相手となると敷居は高そうで。

[4]⑦インディチャンプ(福永)

 安田記念からマイルCSへ直行するのは去年と同じですが、陣営としては本来は叩き良化型であることは認識していて「休み明け云々と言われないように仕上げてきた」というニュアンスのコメント。できればどこかを叩きたかったという本音が透けて見えます。

 高松宮記念でも③着しておりスピードは衰えていないと見ますが、キレという意味ではやはり一昨年の頃にはない様子。坂路調教でも前がかりな気性故最後から2F目が最速になることが常態化しており、近年の中では唯一昨年のマイルCS(グランアレグリアから0.1差の②着)の時が加速ラップを踏めていました。事実その時が最高打点であったと考えればその時以下の調教で、時計のかかるコンディションというのもスピードで押し切りたいこの馬にとってはプラスにはならなさそうです。

[4]⑧ダーリントンホール(和田竜)

 発馬に課題を残す馬で、前走の富士Sでもいつも通りスタートでふらつき後手を踏みました。馬群が比較的横に広がり丁度真ん中を進めたことでポジショニングを落とさずに済み、直線では伸びる外を選択し丁度良く前も空いたのでしっかり追えましたがそれでも⑤着。さらにメンバーが強化される今回、初の関西遠征というのも課題です。

[5]⑨グレナディアガーズ(池添)

 NHKマイルC終了後、川田騎手が「秋は別路線になると思います」とコメントしており1600mは長いのかと思われましたが、秋初戦には京成杯AHを選択。控える競馬から直線は外に出してカテドラルと0.1差の②着と見せ場を作りました。

 但しこの時の中山は開幕週に関わらず差しの効くコンディションで、終盤にかけて踏み固められたインが有利な傾向が進んでいったという格好。マイルでもG1勝ちはありますが世代限定戦はスプリント路線からの参戦もあるためペースが流れやすく、事実朝日杯もNHKマイルCも前半3Fは33.7とスプリント寄りの速い流れになり力を発揮できた側面が大きいです。前半35秒前後が見込まれる今回は中距離寄りの適性が求められ、池添Jの手腕を以てしてどこまで。

[5]⑩ロータスランド(田辺)

 前走の富士Sでは内が悪くなった東京で押し出される格好でハナに立たされ、終始つつかれた上轍の上を走る格好に。外に出すこともできず終始消耗の大きい競馬で、輸送も踏まえて+10kgとやや余裕残しだったことも影響したかもしれません。それを考えれば0.9差の⑩着は健闘の部類と言えるでしょう。

 この馬は上りのかかる展開やコンディションを得意としており、入りも上りも35秒を回るくらいが理想と言えます。今の阪神はいずれもに該当するコンディションであり、このコースでも3勝を挙げる巧者ぶり。最終追いは前走と同じく坂路で馬なり調整も、全体時計を大きく詰め型通り良化。一線級との対戦経験が鍵も、時計のかかる今年の阪神は最大のチャンスであるはずです。

[6]⑪カテドラル(戸崎)

 前走の京王杯AHでは後方の内で脚を溜め、コーナーリングで上手くポジションを上げてきました。直線は一瞬前が詰まるシーンもありましたがかえってそこで馬が上手くエキサイトして最後の爆発力に繋がったとも言えるでしょう。開幕週の馬場を思えば本来はコントラチェックが残している展開で、着差以上に強かったレースでした。

 この馬もまたレース自体の上りが33秒台になるようなレースでは厳しく、上りのかかるレースで鋭いキレを見せるタイプ。出していくとダラっと脚を使ってしまうだけに、継続騎乗の戸崎Jが上手く壁を作って運べば再度チャンスでしょう。

[6]⑫グランアレグリア(ルメール)

 昨年のこのレースは緩めのペースを5番手で折り合い完勝。今年は思ったより勝ち星を積み上げられていませんが負けたレースには理由があり、前走の天皇賞にしても出たなりの位置を選択しましたが結果として人気2騎の目標にされる形になってしまいました。それでも似たような位置にいた馬がこぞって脱落する中、後半3Fが11秒台前半を刻み続けるラップでも最後まで持ちこたえたのはやはりスピード能力の高さを証明したと言えるでしょう。

 この馬の場合はやはりローテーションが懸念点。中3週以下では⑤②着といずれも取りこぼしており、春の連戦と違って今回は輸送が発生する点もポイント。追い切りは変わらずに負荷をかけられていますが、2000mのタフなコンディションを走った後の回復具合はやはり未知数ではあります。加えて、10月まで京都開催があり馬場状態が比較的良かった昨年に対しロングラン開催の今年は時計がかかる傾向に。スプリント向きの流れにはなりにくい点も歓迎とは言えず、ラストランとはいえ信頼を置くのはやや心もとない一戦です。

[7]⑬ダノンザキッド(川田)

 マイルに活路を見出そうと参戦した前走の富士Sは着順こそ④着と、骨折明けで+22kgを考えれば及第点でしたが、もともと520kgで東スポ杯を勝った馬ですから526kgが特に太いということはないはずです。終始馬場の良い外を回り直線でも満を持して追い出せたにもかかわらず、後ろにいたソングライン、タイムトゥヘヴンに差されており2歳時からの成長を見せたとは言えない内容でした。やはり促成栽培のツケがここに来て相対的な成長力となって表れている格好で、短距離王国安田隆厩舎を以てしてもこの馬の再生は難しいのではないのでしょうか。

[7]⑭リプレーザ(幸)

 恐らくこの鞍上でなかったら確実にシンガリ人気であったでしょう…芝では1200mの1勝クラス戦を勝ったのみで、兵庫CSで1870m戦を勝っているとはいえ低レベルの3歳ダート戦線で相対的に強かっただけで、距離適性の裏付けとはなりにくいです。前走のカシオペアSでも4F49.4の流れで4角から手ごたえが怪しくなった点からもマイルすら怪しく、本質的には1400mまでの馬と見ます。

[8]⑮サウンドカナロア(藤岡康)

 中央での勝ち星は1200m以下のみ。ハナは切れそうですがここ3戦は1200m戦でハナを切っても大敗する現状で、イン有利というわけでもないこの格上挑戦に勝算は見込めず無事完走して手当ゲットが現実目標でしょう。

[8]⑯レインボーフラッグ(小崎)

 ベストは左回り1400mですが、この路線は登録が殺到するためもう2年半勝っていないこの馬は出走順の算出では不利となり、使いたいレースに使えない現状。近走の成績からも使えることを優先する方針自体は間違っては無く、この馬もまた無事完走+目指せ1桁着順が現実ラインでしょう。

<予想>
◎ロータスランド
○シュネルマイスター
▲グランアレグリア
△カテドラル
△インディチャンプ
△サリオス
△グレナディアガーズ


■福島7R ヒットザシーン

 折り合いに難を抱える馬で、2走前の粟島特別は引っ張り通しの中でひと足を使い0.3差の⑥着。前走の土湯温泉特別は上手く壁を作れていましたが、外枠を引き内が止まらずの⑥着。徐々に成長が窺える中で今回は若手騎手限定競走で森裕Jへの手替わり。昨日の若手騎手競走でも丹内Jからの乗り替わりで11番人気のマイネルタイムリーで見事①着。流石にこちらは人気でしょうが、最終週の時計を要す馬場も合っておりここはチャンスです。

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