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2021年11月14日日曜日

【11/14(日)予想】両重賞の全頭評価

■阪神11R

[1]①レイパパレ(ルメール)

 前走のオールカマーでは人気を裏切り④着。最後止まったのは距離という見方もできますが、逃がさなかったことが大きいと見ます。川田Jは教育的観点からも逃がすのに否定的で、前走の宝塚記念も主張する馬が居たので番手から運びましたがユニコーンライオンに差し返されての③着で、前か後か思い切って運ぶレースをした方が良さが出るタイプと見ます。

 今回は絶好枠を引きましたが、ルメールJは「2200mは少し長い、誰かの後ろにつけて末脚を活かせれば」というコメントをしていました。前に行く馬もそれなりにいるメンバー構成で控えることはほぼ確定で、この馬の良さを引き出すレースにはならない懸念があります。

[1]②クラヴェル(横山典)

 前走の新潟記念は牡馬相手に健闘の③着。中団馬群から離しての追走で「準ポツン」が叶ってのレース運びでしたが、トーセンスーリヤを見ながら溜めて運んだ割にはスパッと切れず。斤量差を思えば2着は欲しかったところで、やはり勝ち切れなさと表裏一体の馬ではあります。メンバーレベルの低い条件戦では何とかなっても、一線級との戦いでは中団待機からの末脚では間に合っておらず末脚に賭けるレースが続く最近。それでもG3を勝ち切れないとなると、メンバーの揃ったここで着を上げる期待は懸け難いです。

[2]③アカイトリノムスメ(戸崎)

 前走の秋華賞はオークス以来5か月ぶりのぶっつけ。終始壁を作れず折り合いに腐心しながらのレースになりましたが、戸崎Jは無理に内に入れるのでなくあくまで位置を落とさないように導きました。結果的に包まれることなく動きたいところで動けたことが勝因で、鞍上の腕もさることながら精神面での成長を感じるレースとなりました。

 課題は中3週での再輸送で、前走後も1週間は馬体の回復を優先。速いところは先週、今週の2本のみで流石に前走の時のように50秒台の時計を出すレベルの調教は施せていませんが最終はDWで併せて52.4-11.9の好時計。コンディションの維持はできている様子で、5歳世代の主力がごっそり抜けた今年はここでも食い込めるチャンスはあるでしょう。

[2]④イズジョーノキセキ(和田竜)

 前走の西宮Sは直線で外に出す正攻法も、併せたジェラルディーナに伸び負けての②着。ジェラルディーナは世代戦では阪神JFで0.5差の⑦着、エルフィンSでも0.6差の⑩着と勝ち切れなかった馬で、同馬自身の成長もあるかと思いますがここに出ている3歳馬との力量比較でも強調はできないです。多頭数で馬群捌きの懸念もある現状では。

[3]⑤ステラリア(松山)

 前走の秋華賞では内で囲まれ、1角前では頭を上げるシーンも。それでも何とか折り合いをつけて運び、4角からの手ごたえは見どころもありました。スタート後の入りがスムーズなら掲示板もあったでしょうし、この馬なりの成長は感じられたレースでした。

 ただ今回も前走同様に「多頭数の内枠」となってしまい、スタート後の捌きが課題になります。先行馬が多く縦長の馬群になりそうなのは救いですが、この枠で外からの圧をかわすためにはある程度下げて進めることになるのでうまくやり過ごしたうえで前が止まる流れになってくれるかが鍵となります。

[3]⑥ランブリングアレー(吉田隼)

 前走のオールカマーでは、実績のある中山で休み明けローテと買える条件が揃った中で⑦着。しっかり前に壁を作り直線でも進路が出来ましたが、思いのほか伸びませんでした。ここは距離の問題かもしれず、叩き2戦目、引き続いての2200m参戦でメンバー強化となると買い要素には乏しいです。

[4]⑦シャムロックヒル(団野)

 2走前のマーメイドSは最内枠で50kgという恩恵がやはり大きく、前走のクイーンSは55kgで外枠で前に行けずの敗戦。今回も枠は悪くないですが他に速い馬もおり、さらに斤量増となると手は出し辛く。

[4]⑧テルツェット(M.デムーロ)

 前走のクイーンSでは直前からかなりの雨が降る特殊なコンディションを差し切りました。道中はじっとして脚を溜め、外を回さず馬群を縫って伸びてきたのは詰まりのリスクも考えなければいけませんが、雨によるコンディション変化に加え、手ごろな頭数で捌けると踏んだルメールJの好判断が導いた勝利でした。毎回これをやって勝てるわけではなく、この乗り方を見ればやはり距離は1600mが現状ベストと見るべきでしょうか。

[5]⑨ウインマリリン(横山武)

 前走のオールカマーでは1番枠から絶好位を取って理想通りの運び。一瞬直線で前が狭くなっても問題ありませんでした。キレる脚がない代わりにバテることも無く、馬ごみでもレースができるタフさ故牡馬相手でも良績を残せている面があります。

 ただこの馬は体質の弱さがネックで、昨秋もオークス後の頓挫で秋華賞をぶっつけで戦わざるを得なかった経緯があります。今回も肘腫の話はともかくとして中間熱発で乗り出しが遅れた分陣営のトーンも低めで、1週前にマイネルファンロンと併せて遅れたこともあってか最終追いはウッドで単走。本来もっと仕上げていきたいのであればここは併せ馬であったはずで、輸送を控えてのバランスを考慮しての調整となると今回は微妙に歯車がかみ合っていない印象です。

[5]⑩ムジカ(秋山真)

 末脚は堅実な一方勝ち切れなさを抱えるタイプで、メンバーや流れに恵まれるかどうかで着順が変わってきます。差し馬に流れは向きそうかと思いますが、坂のあるコースでこのメンバー相手ではよほど恵まれないことには。

[6]⑪ソフトフルート(岩田望)

 昨秋は秋華賞③着→エリザベス女王杯⑥着とブレイクのキッカケを作りましたが、その後自己条件に戻ってからが今一つ。8走前、夕月特別での圧勝当時は3歳馬で52kgと斤量にも恵まれたうえ当時のメンバーでその後現級を突破したのは1頭のみと、レベル的には決して協調できないレースでした。2走前のマーメイドSにしても前が残る流れを4角2番手で進んだのに0.8差⑧着と返り討ちに遭っており、昨秋以降パフォーマンスを更新できていない現状では。

[6]⑫デゼル(武豊)

 決め手はあるものそれを引き出すためには道中で溜めを作れるペースになるのが必要で、ワンターンのコースで4勝しているものの本質的には上級戦のマイルでペースが流れると末脚を爆発させられないタイプです。春に連勝した初音S・阪神牝馬Sは入りの3Fが35秒台で落ち着いた一方、2走前のヴィクトリアマイルでは3F34.3-4F46.0と同馬にとって過去最も速い流れで対応しきれませんでした。

 前走の府中牝馬Sはペースは落ち着いたものの出がけから掛かってしまい壁を作れず、やや急仕上げという背景もあってか最後は伸びきれませんでした。ガス抜きして臨む今回は型通りの上昇は見込めますが、阪神牝馬Sでは1週前、最終と馬なりの調整だったのが今回は2週連続で負荷をかけての調整というのがやや気になります。1週前強めに追って併せ馬を消化したのでは足りないという判断で日曜、水曜と一杯に追われたとするならば、まだ完調とまでは行かない可能性も含めてみるべきでしょう。

[7]⑬リュヌルージュ(富田)

 だいぶラップに起伏をつけて運んだ前走の新潟牝馬Sでさえ残せず0.7差⑥着(7頭立て)。重賞での好走はいずれも53kg以下で、まともな斤量を背負う重賞では。

[7]⑭ロザムール(池添)

 今年重賞で2度の②着がありますが、いずれも雨の残る特殊なコンディションでの好走。「他が苦にする馬場を苦にしない」というのが特徴で、皆がフェアに走れそうな良馬場予想のこの舞台では。

[7]⑮ウインキートス(丹内)

 前走のオールカマーでは中団のインを進み、直線でも脚を伸ばしウインマリリンとのワンツー。この馬についてがこれまで散々「目黒記念は恵まれただけ」という見方で全く評価してこなかったのですが、前走で前半60.7と重賞らしいペースで好走したのは想定外で完全に見くびっていました。

 この2頭の着順を分けたのは「進路取り」だったと見ています。


 直線向いて少しのところ(画像上)で、染分帽のウインキートスの前にはグローリーヴェイズがおり進路取りは2つのパターンがありました。①に飛び込めば伸びるインを確保できますが、内で詰まっているウインマリリンを塞いでしまいます。外に出せば安全ですが当時の中山のイン伸び傾向を考えれば得策とは言えません。しかし丹内Jは外=②を選択。結果的に空いた①にはマリリンが飛び込み、馬場の利も活かして勝ち切り。キートスは②着でした。

 これをどう考えるか。単純に勝負師としての判断であったならやはり丹内Jは買えない、ということにならざるを得ないでしょうが、人気差や厩舎などを考えればやはりあそこで①を選ぶのは色んな意味でリスキーだったでしょう。ここで①に飛び込める人が世間的には「勝てる」「上手い」と言われる部分もあって、丹内Jは恫喝したり返し馬で幅寄せして後輩にネチネチ文句を言わない代わりにここには飛び込めない騎手というわけです。

 相手がレイパパレとかグローリーヴェイズとかのG1馬だったわけですから、当然に上位評価できるレースであるのですが、やはり気になるのは騎手も厩舎も「関西慣れ」していない点。丹内Jは年間で数えるほどしか阪神に乗っておらず、通算でも(1,2,6,99)と実績は無いに等しいレベル。送り出す宗像師も関西で重賞を勝ったのは03年鳴尾記念のウインブレイズまで遡り、バランスオブゲームやフェイムゲームといった重賞の常連でも関西遠征では結果を残せていない厩舎です。ウインキートス自身も初の遠征、初の56kgと超えるべきハードルは多く、相手も盤石でない中チャンスがあるのは確かですがこのフォーメーションで阪神のG1となるとベストパフォーマンスを出すのは難しいと見ています。

[8]⑯アカイイト(幸)

 前走の府中牝馬Sでは重賞の壁に跳ね返された印象の⑦着。脚は使えていますが、じっくり行かせても33.4という程度ではポツン騎乗には応えきれずで、現時点ではこのクラスでは力量差があると見るべきでしょう。

[8]⑰コトブキテティス(柴田善)

 ハービンジャー産駒らしく2000m以上で4勝。いずれも牡馬に交じってのものでここに入れば馬力は上位ですが、勝ったのは東京・新潟と左回りで坂のきつくないコースばかり。中山などでは勝ちあぐねていることからも坂で止まる懸念はあり、恵まれて掲示板、というレベルでしょうか。

<予想>
◎アカイトリノムスメ
△ステラリア


■福島11R

[1]①ゴールドギア(永野)

 3走前にメトロポリタンSを勝った時は直前のウッドで50秒、51秒と好時計を連発。出来の良さが成績に繋がるタイプなのですが今回は1週前に一杯に追われて52.0がやっと。本来適鞍であったはずのアルゼンチン共和国杯を自重して不得手な小回りに参戦するのも解せずで。

[1]②ココロノトウダイ(丸山)

 福島では(3,1,0,0)。姉のフェアリーポルカ同様に立ち回りの巧さで着を拾うタイプで、内目の枠を引けたここは中心視できるでしょう。

[2]③ブラヴァス(岩田康)

 春の3戦は精彩を欠く内容。前走の鳴尾記念も直前の併せ馬ではフライライクバードに大きく後れを取る内容で、コンディション面も整ってなかったと見ます。放牧で立て直された今回、復調なれば中心視出来得る存在ですが、最終がポリトラックなのはいつものことで良いのですが前走と違って1週前が単走だったという点で当時以上の出来とはまだ見えず。

[2]④ヴァンケドミンゴ(酒井)

 2走前の七夕賞ではそれまで(4,1,1,0)だった福島で初めて3着を外しました(⑫着)が、雨の影響が残る特殊な馬場で後方待機勢には出番のないレースになってしまいました。前走のカシオペアSはここに向けての叩きでしたが内を掬ってタイム差なしの②着。そこからの中1週は予定通りで、直前もウッドで50.3-12.1で併せ馬を消化するなど体調はさらに上向き。ここに入っても実績は十分で引き続いての好走期待です。

[3]⑤ディアンドル(菅原明)

 中距離に参戦し取り口が安定。3走前の福島牝馬S(新潟)の①着はもとより、2走前のヴィクトリアマイル④着が充実ぶりを示す内容でした。ただ前走の中京記念がハナを切れたものの残せず⑧着という内容で、実質トップハンデとなる55kg(最重量はボッケリーニの57kg)は少々厳しかったでしょうか。重賞を勝ってしまった以上今後もこのハンデを克服しなければならず、牝馬限定戦に再度出てくれば期待と言ったところです。

[3]⑥サトノエルドール(横山和)

 前走のオクトーバーSでは前半に溜めを作れず失速。元々大箱コースの切れ味勝負より小回りでの早めのスパートで結果を残しており、3走前の巴賞はスローペースを捲っての勝利。2走前の函館記念も前が飛ばす中を捲り上げて0.5差⑤着なら悲観する内容ではありません。横山和Jは5走前に乗って勝っており、逃げ馬の揃ったここは折り合い面の不安も少なく見直しが必要でしょう。

[4]⑦モズナガレボシ(西村淳)

 上りのかかる展開、馬場、コースが得意で、前走の小倉記念は53kgの軽量もあり完璧なレースを見せました。但しこの時はスローなのに外差しという特殊な展開で、小頭数で多少もたついても間に合ったという恩恵もありました。フルゲートで芝の状態も良いとなると紛れなしの展開になりそうで、地力の試される一戦となります。

[4]⑧パンサラッサ(菱田)

 重馬場巧者のイメージですが精密機械という言葉がぴったりの馬で、2000m戦ならキッチリ2.00.0前後で走ってきます。事実2.00.0で勝ったことが2回もあり、ハロン12秒を基準としてタイムが±0.5秒程度の範疇なら(2,3,0,0)と好成績。但し今年の福島は春開催休止の影響もあって例年よりも芝の状態が良く、日曜の1勝クラスの時点で2.00.6が出ています。コントラチェック、ディアンドルもいるここは時計が1.59秒台前半以下になるのは必至で、自分のペースを刻むのは難しい舞台と見ます。

[5]⑨ステイフーリッシュ(坂井)

 G3戦に出るのは2年ぶり。その間強い相手と戦って善戦していますが、ここ2戦はまだ調子が戻っていない印象です。今回の最終追いも時計は悪くないのですがアクションの割に伸びず、併走相手を待たせる内容。この馬の良い時にはまだ戻っていないという印象です。

[5]⑩アラタ(大野)

 4連勝中。距離も馬場もコースも違う中で勝ってきたのは価値が高く、4歳秋で身が入ってきたことで自在性の高さが存分に発揮できるようになってきました。スローペースを前目につけての勝利も多く、切れ味勝負でどこまでやれるかという部分は未知数も極端にバイアスのない今の福島なら立ち回りで再度の好戦も可能でしょう。

[6]⑪エフェクトオン(亀田)

 2走前の阿武隈Sは前残りの流れを最内から突き抜けて快勝。当時⑤着だったモズナガレボシも含め後方待機勢が苦戦する中、一瞬の脚で決めきれるタイプで福島は合っています。前走の新潟記念は直線が長くこの馬向きではない上、伸びない内に入ってしまい外差し勢とは脚色に差がついてしまいましたがそれでも0.5差の⑧着と力のあるところを見せました。ハンデが引き続き53kgなのは好材料で、ハンデ戦らしく直線で馬群が広がれば立ち回りで一発の期待も。

[6]⑫ヒュミドール(吉田豊)

 2走前の小倉記念は外差し優位の展開を上手く味方につけての②着。それ以前にも重賞では好戦しており力の下地はあるのですが、吉田豊Jは荒れ馬場を避ける騎手で今の福島だとほぼ間違いなく外を回してくるでしょう。コース形状から早めに進出する馬も多い福島の重賞では直線で馬群が横に広がるため、それで外を回そうものなら相当なロスは覚悟は必要で、見た目の印象ほど外差しというわけではない現状では届かない懸念も。

[7]⑬バイオスパーク(泉谷)

 昨年の勝ち馬。当時からは+2kgとなりますが、同じ57kgを背負った2走前の函館記念で③着。インを取りたい馬なので外枠で軽視しましたが、想定以上にペースが流れ縦長馬群で労せずして好位を取れたことが大きかったでしょう。但しテン乗りとなる泉谷Jは差しで結果を残すタイプで、詰まりのリスクを負う先行策は苦手につきこの起用がマッチするかは微妙なところです。

[7]⑭マイネルファンロン(松岡)

 前走の毎日王冠はG1級のメンバーが揃い、流石に相手が強すぎました。2走前の新潟記念をフロック視する向きもありますが、あくまで展開に合わせた騎乗をした結果の後方一気であり、4走前の巴賞や一昨年の函館記念で②着しているように本来は折り合いさえつけばもう少し前でも問題ない馬です。

 主張したい馬も揃ったここは折り合い面の不安も軽減でき、重賞でも引き続いての56kgは恵まれた方。このレースは3年連続の参戦ですが過去2年はポジション取りを焦って行きたがってしまいレースにならず。外目の枠からソロっと出して折り合えば、松岡Jに快気祝いをプレゼントしてくれるでしょう。ってこれを書いてたら10Rのウインマーベルが勝ったので無いかも…

[8]⑮フェアリーポルカ(三浦)

 前走のクイーンSは4角で前が開きドンピシャの展開かと思われましたが、外差し勢に有利なコンディションであと一歩残せませんでした。とはいえこれまでの古馬重賞に比べればメンバーも分厚く、善戦と言ってよいレース内容ではありました。ただ弟のココロノトウダイ同様に立ち回りの良さで一脚を使いたいタイプで、この外枠は歓迎材料とは言い切れず。

[8]⑯コントラチェック(北村宏)

 先行策が叶うかという点が鍵ですが、この枠に加え同型もいる中どこまでハナを主張するかが難しいところです。北村宏Jは恐らく調教では数多く乗っていると思われますがレースでは初騎乗で、実績のない2000mで強引にでも行くかと言われると…

<予想>
◎エフェクトオン
○マイネルファンロン
▲ヴァンケドミンゴ
△ココロノトウダイ
△アラタ
△サトノエルドール

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