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2021年11月7日日曜日

【11/7(日)予想】W重賞の全頭評価

[1]①レクセランス(戸崎)

 小頭数のすみれSを勝ち上がってしまい、以降はクラスの壁に跳ね返されている現状。2走前の大阪-ハンブルグCは久々に掲示板を確保しましたが、差し決着の流れを後方待機から流れ込んでのもので展開利もありました。道中置いて行かれるので距離延長自体は歓迎も、再度重賞のメンバーになるここでは。

[2]②オウケンムーン(団野)

 デビュー時に466kgだった体重が6歳秋の前走で440kgと、成長を見せられていない現状。国枝師もその点を気にしてあまり攻め過ぎないようにしている旨言及があり、現に5月のメイS以降馬体を減らし続けている点も気になります。それでも近2走は④⑤着とまとめられていますが、元々勝った18年の共同通信杯は同レースとしては稀な低レベル戦(13~17年まで5年連続で勝ち馬が後にG1を勝つも、この年はこの馬含め出走全馬G1未勝利)で、そこからの成長が無いとなるとやはり古馬重賞でどうこうというレベルではないかと。

[2]③サトノソルタス(大野)

 オウケンムーンの勝った共同通信杯の②着馬。元々休み明けの方が走れるタイプにつき、叩き2戦目のここは前走(オールカマー⑥着)のパフォーマンスを上回る期待は薄いです。

[3]④ロードマイウェイ(岩田康)

 前走の京都大賞典は初めての2400m戦で0.3差⑤着と健闘を見せました。但し陣営は距離延長によって位置を取る競馬を示唆していたものの、結局はそれまでと変わらず最後方に近い位置取りでのレースになったあたり追走力の点で良かったころからの陰りは否定できない現状です。但し東京芝2500mは2回の坂越えがある為前が止まりやすく、前走同様のパフォーマンスを見せられれば仕掛けどころ1つで食い込めるメンバーではあります。

[3]⑤フライライクバード(岩田望)

 阪神2400m、中京2200mといずれも2回の坂越えがあり差しが利くコースを勝ってきており、このコースに求められる適性という点では引けを取りません。但し昨春の青葉賞では0.8差⑧着。関西圏でしか結果を出せていない点も含め、久々の重賞が遠征競馬という点は気がかりです。

[4]⑥アイアンバローズ(石橋脩)

 前走の京都大賞典では1角で強引にヒュミドールに前に入られリズムを悪くしたのは確かですが、そもそも最内から特にポジションを主張するでもなく前に行かなかった時点で、この馬のレースにならなかったというのが本音でしょう。デビュー以来最高となる504kgの馬体はやはりまだ太かったでしょうしキッチリ絞れてくれば変わり身はあっても良さそうですが、前走の時にも触れた通り3歳馬のいない春先の条件戦を連勝したとて力量の裏付けにはなりにくいのが今のレース体系で、ここはまず重賞で見せ場を作るところからでしょうか。

[4]⑦アドマイヤアルバ(吉田豊)

 前走のオールカマーではスタートから促していくもついていけず、4角でペースが早くなるタイミングでも置かれ加減でした。それでも0.7差⑧着に踏みとどまれたのは進んでいかないがためにずっとインでじっとしていた分、最後に外に持ち出した他馬に比べて馬場のいいインの恩恵を最後まで受けられたものでした。極端なバイアスもない上普通に流れれば前付けするのも厳しい現状では。

[5]⑧アイスバブル(三浦)

 3走前の函館記念では不得意と目されていた小回りコースで②着激走。洋芝適性もあったのでしょうが、元々ディープインパクトの直仔の割に「キレより伸び」を身上とするタイプで目黒記念2年連続②着などタフさが求められるコースでの好走歴を思えば納得の走りでした。

 昨年は目黒記念で0.1差②着、京都大賞典で0.5差⑧着とこのクラスでもやれるだけの力は持っており、鞍上にはテン乗りの三浦Jを迎えます。ダービー卿CTの時にも触れた通り三浦Jは「キレより伸び」を引き出すタイプ。実際にアイスバブル自身も好走歴はモレイラ、アブドゥラ、マーフィー、レーン等伸びを引き出す外人ジョッキーの騎乗時で川田、福永、浜中と言った日本のリーディング上位(≒末脚のキレを得意とする)騎手が乗った時は凡戦しており、この人選は当たりの可能性があります。

[5]⑨ディアマンミノル(荻野極)

 前走の京都大賞典では0.3差④着に健闘。流石に開幕週で外差しは厳しかったですが、4角から助走をつけて追い上げる自分の形のレースが出来た分の好走でした。2回坂を超えるコースは良いですが、阪神や中京と比べて上りの絶対値が求められる東京では末脚比べになると分が悪く、春のメトロポリタンSでも理想的なレース運びで③着どまりだったことを思えばこのメンバーで勝ち負けまでとなるとやや厳しい印象です。

[6]⑩オーソリティ(ルメール)

 骨折(1年ぶり2回目)からの半年ぶりの実戦となります。昨年はそのぶっつけでここを勝ちましたが当時は54kg。今回は57.5kgのトップハンデを背負わされる上、今回は久々の分割引が必要と(天栄仕上げの木村厩舎にしては珍しく)休み明けの割に弱気なコメント。そもそも2回も骨折していては理想的な成長曲線を描けないのも無理はありませんし、実績は認めてもここは様子見が妥当かと。

[6]⑪ゴースト(鮫島駿)

 前走の丹頂SではOP昇級後初めて複勝圏内を確保しましたが、縦長馬群でスペースには苦労しなかった割に追い出してからの伸びはもう一つですぐ前に居たボスジラすら捕らえられませんでした。6走前の準OP勝ちもスローペースを味方につけての押し切りで、重賞では恵まれないと現状厳しそうで。

[7]⑫マイネルウィルトス(M.デムーロ)

 このメンバーに入れば前走の札幌記念④着は大威張りできる臨戦過程です。その前走ではペルシアンナイトの後ろを通って進路を作って伸びてきましたがメンバーと動きにくさを考えれば0.4差は健闘の部類で、4角手前でもう少しスムーズにポジションを上げられていれば上の着順もあったかもしれません。

 春の福島民報杯の圧勝で道悪巧者という見方もありますが、元々準OPの頃から良馬場でもランブリングアレーやポタジェと言った重賞の常連と好戦しており、前走では位置を下げても最後に盛り返す末脚を見せ、戦法が限られるタイプでもないことは証明済み。意外にも2000m超えの距離は初となりますが、父スクリーンヒーロー×母父ロージズインメイという血統背景からはこなせないわけは無く、折り合いの関係で長い距離を使えなかった側面が大きいです。さらなる鞍上強化で臨めるここは絶好の舞台でしょう。

[7]⑬ボスジラ(田辺)

 このレースは丹頂Sからの参戦組が5頭いるのですが、アイスバブルやトーセンカンビーナと言った明らかに大箱向きのタイプと違ってこの馬に関しては札幌2600mで(2,2,0,0)としている通り前走がベスト舞台でした。昨年の目黒記念で0.7差⑨着に入っていますが、道中最後方追走から直線で1頭だけ大外に持ち出して伸び伸び走らせた結果で、不利を受けてないばかりか外差し馬場の恩恵を受けて54kgであそこまで、となると56kgを背負わされるわけで、丹頂Sを連覇できなかったことを考えても当時以上のパフォーマンスを繰り出せるかとなると疑問符が付きます。

[8]⑭トーセンカンビーナ(石川)

 最高のパフォーマンスを見せたのは昨春の阪神大賞典②着~天皇賞(春)⑤着のタイミングで、その前の4勝も京都・阪神で2勝ずつという戦歴を考えても4角から助走をつけて追い出すレースがこの馬には合っています。昨秋に東京で2戦していますがいずれも2秒近くの大敗で、解散に伴う移籍なので仕方ないとはいえ関東への転厩は完全に間違いだったと言わざるを得ません。

[8]⑮アンティシペイト(横山武)

 前走でOP入りしたばかりの馬に重賞連対馬と同じ55kgを背負わせるのは少々見込まれた感もありますが、前走のオホーツクSではそれまでの勝ちパターンと違って中団から足を伸ばす競馬で勝ち切りました。それ自体は外差し展開を上手く味方につけた部分もありましたが、自在性の高さを証明する勝ち方でもあったことから今回横山武Jへの手替わりはプラスと言えます。上りの速さでは見劣るものの、メンバー的に強力な先行勢も少なそうな今回はチャンスありでしょう。

<予想>
◎マイネルウィルトス
○アイスバブル
▲アンティシペイト
△オーソリティ
△フライライクバード
△ロードマイウェイ


■阪神11R

[1]①アンセッドヴァウ(池添)

 前走の平城京Sではペースが流れたこともあり後方から運び、前がバッタリ止まる展開を4角まくりでしのぎ切りました。道中ほぼ最後方にいた馬が2,3着に来ていることからも鞍上の好判断でモノにした一戦であり、重賞でそうそう前も止まらないとなると再現性は疑問で。

[1]②ロードゴラッソ(酒井)

 ここ数戦は前に行けなくなっており、良かったころの正攻法の競馬が出来ない現状。かと言って末脚が使えるタイプでもないため追いつかない程度の追い込みしかできず、恵まれても掲示板がやっとでしょう。

[2]③メイショウハリオ(浜中)

 脚質的に嵌り待ちにならざるを得ないタイプですが、前走の太秦Sは先行馬2頭の決着になりかけたところを内を突いて②着。いかにも岩田康Jらしい騎乗のおかげもありました。但し①着のライトウォーリアはそれまでOPで掲示板にも載れてなく、③着だったサンライズソアもこの3年ろくにレースに使えてなかった7歳馬で、ここに割って入ったと言ってもこのメンバーでどうかと言われると…

[2]④ヴェンジェンス(幸)

 この夏に長期休養から1年ぶりに復帰しての2戦はいずれも大敗。エルムSにしろ白山大賞典にしろ不向きな小回りコースでのもので、本来の力を発揮できる舞台出なかったことは事実です。ただそれでもこれまで2度しかなかった1.0差以上での負けを2回も続けている現状を考えると、調子の問題もあるのでしょうが長欠明けの8歳馬というので割引は必要と考えるべきでしょうか。

[3]⑤アナザートゥルース(松山)

 前走のシリウスS当日の中京は最高気温が29度(15時観測)にまで上昇し、暑さに弱いこの馬にとっては厳しいコンディションになりました。元々陣営は白山大賞典ないしは日本テレビ杯を目標にしておりハンデ戦で斤量面の不利が見込まれるここを使うのには消極的でしたが、出走枠が限られる地方交流は出走が厳しく、止む無くここに出たという経緯でありこの敗戦自体は無視できるものでしょう。

 1月の東海Sではオーヴェルニュより1kg重いハンデで0.3差の②着、昨年のアンタレスSではクリンチャーより1kg重いハンデで先着しており、暑くない時期においてはここの人気どころと互角の勝負を演じています。幸い明日の宝塚地方は最高気温20度という予報な上、この馬よりも内枠の各馬は控えるタイプにつき注文通りの位置取りが叶いそうで巻き返すには十分な舞台と見ます。

[3]⑥ロードブレス(坂井)

 前走のエルムSはトップウイナーが飛ばし、48.2-50.2の前傾ラップでタフさが試される展開になりました。ズブいことでお馴染みのスワーヴアラミスで間に合った内容がそれを物語っていますが、ロードブレスは2角と4角で位置取りを落とし鞍上が促してついて行っていた様子でした。函館はコースレイアウト的にコーナーの角度がキツく、距離延長+大箱替わり+斤量減となるこの舞台は見直せる要素は十分です。あとはここに入っての相手関係がどうか。

[4]⑦スワーヴアラミス(松田)

 ズブさが顕著になっており、鞍上も終始追い通しがデフォルトという昨今。この馬を手の内に入れた松田Jの継続騎乗で近走は安定したパフォーマンスを見せており、キレのない分脚抜きが良くなると着を落としますが良馬場見込みの今回はその心配も無さそう。近走は相手関係に恵まれた感もありますが、今の充実ぶりなら台頭可能で押さえは必要かと。

[4]⑧ニューモニュメント(藤岡康)

 追い込み一手につき嵌り待ちである上、脚抜きの良い馬場の方が着を上げるタイプ。飛ばす馬がいて距離がもう1F長ければまだしも、良馬場の阪神ダート1800mでは恵まれにくいと考えます。

[5]⑨オーヴェルニュ(和田竜)

 今年の重賞2勝が強い勝ち方で、先行して直線で突き放すという危なげないパフォーマンス。58kgも平安Sで克服済で当然にここでは中心視してしかるべき存在なのですが、陣営は暮れに向けてのたたき台であることを明言しており完調でないことは明らか。年明けに東海Sを勝った後中3週で挑んだフェブラリーS、平安Sを勝った後に挑んだ帝王賞いずれも大敗しており、連戦ローテを苦手としていることからも今回はG1に向け中身を整えることが目的のはず。福永・川田の両ジョッキーが居ないことを承知の上で使ってくる以上は勝負気配は薄く、地力でどこまで…という一戦でしょう。

[5]⑩メイショウムラクモ(柴田善)

 前走のレパードSでは鞭を落としても勝ってしまうという内容で、今の3歳勢の中では頭一つ抜けている印象です。但し、その3歳ダート戦線(特に牡馬)のレベル自体が今年は相当低く、伏竜Sで先着を許したゴッドセレクションはJDDでキャッスルトップの大駆けを許す体たらく。そもそもキャッスルトップ自体「南関クラシックに乗り遅れた組」で東京ダービーにすら出られておらず、戸塚記念、ダービーGPでは東京ダービーで着外だった馬たちにすら跳ね返されています。

 前走のレパードSにしても、2着でOP入りしたスウィープザボードはブラジルCで0.8差⑧着、3着以下でも自己条件に戻って勝ったのはタイセイアゲインのみ(その後の3勝クラス戦は大敗)という現状で、このレース自体が2勝クラスに毛が生えてるかどうかすら怪しいレベル感。2勝クラスを勝ってここに来ていたメイショウムラクモにとっては勝って当然というレースで、古馬重賞の水準には達していないと見ます。

[6]⑪クリンチャー(武豊)

 芝時代の実績からも力のいる馬場の方が走れるタイプで、前走の帝王賞③着と6走前の太秦S④着は軽いダートで差し勢が台頭する流れになった分でもありました。4走前のチャンピオンズC⑪着にしても元々芝時代から左回りは走れていなかったので度外視できる敗戦。阪神ダートでは(1,3,1,0)と崩れておらず、凱旋門賞以来3年ぶりに武豊Jを鞍上に迎えたここは連覇に向け視界良好でしょう。

[6]⑫ラストマン(小牧)

 後半がかかる条件戦の流れが向いている馬で、前走の日テレ盃もその流れになりましたがサルサディオーネを捉えきれずの④着。一気の相手強化となるここではペース的にも恵まれにくく。

[7]⑬アシャカトブ(秋山真)

 前走のシリウスSの時にも触れましたが、武藤Jは上級戦になると途端に勝てなくなってしまいます。まだ若手ですので馬質の問題とも言えますが、現にこの馬は5走前、武藤Jが騎乗停止につき戸崎Jに乗り替わったアハルテケSでキッチリ勝ち切っており、手替わりで前進が見込める素質の持ち主と見ています。

 元々ノーザン系の外厩でもないため休み明けは絞り切れずに出てくることが多く、2走前のBSN賞はデビュー以来最高の522kgでの出走となり⑪着大敗。前走のシリウスSでは510(-12)kgと額面上は減らせたものの、アハルテケS時(500kg)のフォルムと比較してもまだ絞れそうな体つきでした。休み明けを2度使われ体調は型通りに上向いており、調教でも坂路で仕掛けられると鋭く反応。この馬の力を出せる出来になっており、理想はOP特別程度の相手関係ですが手替わりとなればここで狙ってみたいです。

[7]⑭エクスパートラン(藤懸)

 長岡Jのワンダーエカルテと並んで「向こう正面捲り」のコンビとしてお馴染みの藤懸Jとこの馬。前がバテる条件戦であればこれでも良いですが、重賞で先行勢も手厚い構成となるとなかなか難しく。

[8]⑮ダンビュライト(松若)

 母系を見ればダートを走らせたくなるのも頷けますが、クリンチャーと違って力のいる馬場で成績を落としているのが現状です。戦績からは先物買いとまでは踏み切れず。

[8]⑯プリティーチャンス(藤岡佑)

 脚質的に嵌り待ちのタイプではありましたが、前走の内房Sでは3角から動いて逃げ込みを図るノーブルシルエットを捉えての勝利。展開次第で動ける自在性を見せました。但しこのレースはノーブルシルエット以外の先行勢が止まる前傾戦で、3着以下も差し・追い込み勢が占めるようなレースにつき本質的な評価は高くはありません。マルシュロレーヌの例をはじめ牝馬のダート戦線も年々層が厚くなってはいるものの、ここで伍せるかとなるとまだ様子見が妥当でしょうか。

<予想>
◎アシャカトブ
○クリンチャー
▲アナザートゥルース
△オーヴェルニュ
△スワーヴアラミス
△ロードブレス

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