[1]①ルージュエヴァイユ(戸崎)
中山1800mで2連勝。このコースは後半5Fにわたって長く脚を使う展開になりがちで、前走のデイジー賞は前半が60.8に対し後半が59.4という後傾戦を後ろから進んでのものでしたが、最後の2Fで11.4-12.7と思いっきり前が止まっています。牝馬限定戦らしく急坂で各馬脚が上がった中この馬は最後まで走り切れており、ここら辺がジャスタウェイ産駒らしさとでも言いましょうか。そう考えるとタフさの求められる中山だったからこその連勝で、自ら向こう正面から動いたりすれば話は別ですが基本最後の3Fの争いになるフローラSでは上がりが足りない可能性が。
[2]②エリカヴィータ(田辺)
前走のフェアリーSは4角で逃避したスプリットザシーのあおりを受けての⑩着。それ自体は度外視できる敗戦ですが、気が入りやすいタイプで距離延長はどうかという点に加え、1週前にコースで好時計を出していたにも拘らず最終は坂路で収めた点もやや気になります。仕上がり過ぎなのかどこかに不安を抱えているのか、国枝厩舎がウッドでの併せ馬以外で仕上げてきた時は何らかのマイナスを示唆していることが多くて。
[2]③パーソナルハイ(吉田豊)
桜花賞は思ったほど行き脚がつかず鞍上も無理をしませんでしたが、中団のインを確保し直線でも見せ場を作っての⑥着。距離延長で臨むここは主導権を握ってレースができそうです。4走前の赤松賞は外差し優位のコンディションでナミュールに差された分で、フラットに使える今の東京であれば十分に残り目はありそうです。
[3]④ストキャスティーク(石川)
2走前に2400mの未勝利戦を勝っていますが、3角から押し上げて前を捕まえてのもの。4走前、3走前の東京芝2000m戦は⑥⑤着と切れ味不足を露呈しており、この舞台は本質的に合わないでしょう。
[3]⑤エバーハンティング(内田博)
母エバーブロッサムは2013年の②着馬ですが、この馬の新馬戦は前半64.0という究極のスローペースを逃げ切ってのもの。前走のデイジー賞では控えましたが良いところなく1.2差の⑥着ですから、ここでどうこうというレベルではなさそうです。
[4]⑥マイシンフォニー(武豊)
アライバル、プルパレイと好戦した昨年6月の新馬戦以降、パフォーマンスを上げられていない現状。兄にマイラプソディが居ますがこれまた2歳時の3連勝が全盛期で3歳以降は低迷中につき、この一族は元々早期に完成されてしまう傾向があるようです。前走は確かに距離適性からして短すぎたことは否めませんが、条件が良くなる代わりにメンバーも強くなるので。
[4]⑦ゴールデンアワー(横山武)
前走の未勝利戦は前半62.0というスローペースを見越し向こう正面からのスパートで押し切りました。牝馬同士だからできたレースでもあり、まっとうなキレ勝負では分が悪いです。
[5]⑧キタサンシュガー(大野)
中京での新馬戦はスローの前残り展開を最後の3Fだけで差し切ったもので内容がありましたが、前走のフラワーCは3角から動き出すレースで、なし崩し的に脚を使わされるのは向いていませんでした。新馬戦の流れに近いレースとなるここはこの馬の得意な展開になるはずで、巻き返しがあって驚けません。
[5]⑨ラスール(ルメール)
兄にシャケトラが居ますが牝馬はキレに欠けるタイプが多く、モルジアナ、ザクイーン、サラーブと母サマーハの牝馬は皆ダートで勝ち上がった馬ばかり。この馬もエンジンの掛かりはやや遅く2勝は東京でのもの。今回は距離延長と得意コース替わりで、先行争いもさほど激しくならないとなればスンナリ好位から理想的な立ち回りができるでしょう。
[6]⑩ホウオウバニラ(横山和)
前走のアルメリア賞は小頭数の大外枠で前に壁を作れずの③着。勝ったのが毎日杯勝ちのピースオブエイト、②着馬がアーリントンC見せ場を作ったジュンブロッサムだったことを考えればやむなしのレースでした。元々新馬戦でも前に壁を作れずなだめながらのレースだっただけに、重賞のペースの方がレースしやすいタイプかもしれません。
但し、ドゥラメンテの牝馬はなぜかこのコースで(0,0,0,6)とからっきし。元々気性的な問題をはらむタイプが多く、産駒の主戦場は1400~1800mというのが現状。この馬も初輸送に距離延長と超えるべきハードルは低くなく。
[6]⑪トゥーサン(津村)
この馬の勝った芝2000mの新馬戦は、重馬場ということもあり前半67.1と異次元のスローペース。それを3番手から押し切ったというだけですからおよそ見どころは無く、ここ2戦の内容から1勝クラスを勝つのも相当条件が恵まれないことには…
[7]⑫モチベーション(永野)
現状適距離であろうマイル前後でここ2戦目見せ場なし。父ガルボという血統背景からも距離を伸ばして新味が出る見込みは薄くて。
[7]⑬ルージュスティリア(福永)
新潟の新馬戦で32.7の脚を繰り出し、のちの桜花賞馬スターズオンアースを封じての鮮烈デビュー。但し当時はワンターンの新潟芝1800mにして前半4F52.5、5F65.9というドスローで脚が溜まったうえ、そもそもスターズオンアースの方が速い上りを使っており単純に位置取りの差だったと見るべきでしょう。前走のチューリップ賞は確かにスタートがすべてでしたが、中団から運んだナミュールと同じだけの脚しか使えていなかったことを思えば少なくとも抜けて強い、という域には至っていないというのが感想です。敗因がはっきりしているだけにこういう馬は人気しがちですが、オッズほど抜けた存在ではなく壁職人・福永Jの手腕にかかっていると言えるでしょう。
[8]⑭シンシアウィッシュ(M.デムーロ)
半マイルが50秒に乗るようなスローペースでしか好走できておらず、全姉マリーナという血統背景からも距離延長がプラスになるイメージはありません。
[8]⑮ヴァンルーラー(藤岡佑)
これまた半マイルが50秒を刻むようなレースでしか掲示板に載れてなく、重賞で通用する根拠には乏しいです。
<予想>
◎パーソナルハイ
○キタサンシュガー
▲ラスール
△ルージュスティリア
△ルージュエヴァイユ
■阪神11R/読売マイラーズC
[1]①レインボーフラッグ(国分恭)
ベストは平坦の1400mですが、OP勝ちの実績がないため賞金が足りず使える番組を優先せざるを得ない状況。急坂のマイルではここで通用する根拠に乏しく。
[2]②ヴィクティファルス(池添)
距離1800m戦で好走を続けたのち、2000m以上を使われた皐月賞以降は良いところなし。セントライト記念などでは意図的に控える競馬を試みても弾けなかった内容を踏まえると、距離を伸ばすより縮めたほうがこの馬には合っていそうです。共同通信杯でシャフリヤールに先着したように力はある馬で、雨で適度に上りが掛かってくれればなお良いでしょう。
[2]③ファルコニア(川田)
一見戦績がまとまっているように見えますが、立ち回りの良さで着を拾っており頭より②③着というキャラクター。相手関係に恵まれれば勝ち切れもしますが、基本的には人気ほどの単勝妙味は無いタイプです。距離1800m以下で川田Jが乗れば(2,2,2,0)ですから、押さえるべき馬ではあるのですが。
[3]④カラテ(菅原明)
転厩初戦。それでも1週前、最終と濃い併せ馬を消化できており、仕上げに手ぬるさは無さそうです。昨年初めの中山での連勝が記憶に新しいですが、この馬は東京のような純粋なキレ勝負より上りがかかったほうがよく、一雨も予想される阪神コースは良さを出せる舞台です。但し前走時にオーナーが語っていた通り、爪に不安を持っており暖かくなると爪の伸びが良くなる分管理が難しくなる一面を持っています。ここ数日夏を思わせるような陽気が続いたことがマイナスになっていなければ良いのですが…
[4]⑤レッドベルオーブ(岩田望)
昨年の皐月賞後、骨折により1年近くの休養を経て復帰した前走の六甲Sは⑦着。この馬にとって鬼門の外枠を引いてしまったことで、スタート前から勝負は決していたようなものでした。2桁枠番を引いた新馬戦で取りこぼし、5番枠の未勝利戦では2歳レコードで圧勝。デイリー杯でも2番枠でホウオウアマゾンを下しまたもやレコード勝ちと、スピードは十二分に見せつけてきた故内枠を引き折り合い面の課題がクリアできるかがカギとなります。15頭立ての5番枠、調教からコンタクトを取る自厩舎の岩田望Jは現在全国リーディング2位と乗れており、お膳立ては整ったと言えるでしょう。但し好走時は決まってラチ沿いを通っており、今のコンディションではそれをやってしまうと馬場の悪いところを走らされる懸念があります。
[4]⑥ベステンダンク(鮫島駿)
流石に10歳を迎え、ここ2戦は同型もおりハナを叩ききれない現状。それでも「ハナを叩けて」「上りが掛かれば」今でも好走できるポテンシャルは持っており、実際昨年もOPで2度の④着があります。ここはこの馬以外にハナを叩きそうな馬はおらずで、天候回復の目途は無くパンパンの良馬場とはならなさそう。3着候補にマークが必要な舞台となりそうです。
[4]⑦ホウオウアマゾン(坂井)
前走の東京新聞杯は見せ場なく⑫着に終わりましたが、元々2走前の阪神Cの後はこのマイラーズCまで休養する予定でした。脚をひねった朝日杯FSと2回の遠征以外は高いパフォーマンスを見せており、いきなりでもやれる状態にはあるでしょう。ただ前向きな気性ゆえベストは1400mで、スローペースが予想される今回抑えが効くかどうかがポイントです。
[5]⑧サトノアーサー(和田竜)
7歳シーズンからは自慢の末脚が鳴りを潜めた格好で、左回り・ワンターン・1600~1800mであればまだ好走の目はありますが適性から外れる右回りにつき…
[5]⑨エアファンディタ(松山)
現役屈指の切れ者ですが、ペースが緩んでタメを作れたほうがよく流れが落ち着きそうな今回のメンバー構成は好都合と言えそうです。皆が速い上りを使える東京や新潟のような平坦コースより、坂があって他の馬の脚が止まる阪神や中京のようなコースの方が相対的に順位が上がるため、初の重賞挑戦でもこの舞台なら見せ場を作れそうです。
[6]⑩シュリ(秋山真)
気のいいタイプで内枠で壁を作って進みたいため2桁枠番は歓迎ではないうえ、少しでも渋るとパフォーマンスを落とすきらいがあり雨もマイナスです。
[6]⑪ロードマックス(松田)
左回り専用機と見ていましたが、前走の心斎橋Sでは内回りで一瞬の脚を活かしての快勝。とはいえ使える脚が一瞬ゆえ、現状では内回りの方が向いており外回りで距離延長となるこの舞台は向かない可能性が。
[7]⑫エアロロノア(幸)
昨年の⑤着馬ですが、この馬もまたエアファンディタと似たような特性の持ち主でスローで脚を溜められる時に好走できています。位置取りはこちらの方が一歩前を取れそうで、理想は良馬場ですが流れが落ち着きそうな今回は連続好走も可能でしょう。
[7]⑬ソウルラッシュ(浜中)
距離を縮めて3連勝中。ここ2戦は中山で渋った馬場を勝っていますが元々3走前に中京の良馬場で1.33.6の好時計で勝っており、馬場は不問のタイプでしょう。中3週でも2週連続でウッドでの併せ馬で好時計をマークしており状態に問題は無いですが、関西馬にして何故か今まで阪神で走ったことが一度もないのが気になるところ。何かが引っ掛かっていたのか、あるいは相手関係の観点から関西主場を避けてきたのか…
[8]⑭ダイワキャグニー(三浦)
理想は左回りの1600~1800mですが、昨年のこのレースでも0.2差④着しているように右回りでも自分の走りができれば好走可能な力量は持てています。ただ三浦Jは傾向として積極性に欠けるきらいがあり、位置を取りに行くレースができないと持ち味のしぶとさを活かし切れずに終わってしまう懸念もあります。
[8]⑮ケイデンスコール(岩田康)
前走の東京新聞杯では久しぶりに先手を奪いましたが、見せ場なく⑬着。得意の東京マイルでも走れていない状況で、この中間も岩田康Jが調教をつける様子は無し。前崩れ待ちの現状では狙えません。
<予想>
◎ヴィクティファルス
○エアファンディタ
▲レッドベルオーブ
△エアロロノア
△ホウオウアマゾン
△カラテ
△ファルコニア
★ベステンダンク
■福島3R ディーノエナジー
前走の未勝利戦は抜群のスタートから控えてしまい⑤着。その前走の②④着馬は既に次走で勝ち上がっており、メンバーレベルの高いレースでした。1800~1900m戦での垂れ具合から見るに距離は短めの方が良く、平坦小回りの1700m戦であれば好発からそのまま押し切れると見ます(思った以上に人気してしまいそうなのが気になりますが…)。
0 件のコメント:
コメントを投稿