Special Thanks

当ブログは、広尾サラブレッド倶楽部株式会社様のご厚意により、同倶楽部の所有する競走馬の写真及びWebサイト記載情報の転載許可を頂いております。

2022年11月26日土曜日

【11/27(日)予想】ジャパンCの全頭評価・京阪杯の注目馬とねらい目レース(カノープスS)

■東京12R/ジャパンカップ

[1]①[外]シムカミル(ブノワ)

欧州3歳馬にとって凱旋門賞の重要なステップレースともなるニエル賞を勝った(ドウデュースも参戦し④着)ものの、予備登録が無かったことから凱旋門賞は回避しここへ照準を合わせてきました。好位を取って直線一杯に合わせて勝負根性で着を拾うタイプで、馬群がひとかたまりになる小頭数戦の方が向いているタイプと言えるでしょう。多頭数戦に加え一瞬のキレが求められる日本の競馬への適性は何とも言えません。

[1]②[外]オネスト(ルメール)

パリ大賞の勝ち馬。そのパリ大賞が稍重で2.27.7という勝ち時計で、逆に前走の凱旋門賞等馬場が重くなると成績を落としています。日本でも活躍馬を送り出すフランケル産駒ということもありある程度の時計勝負にも対応は出来そうです。但しこの馬の場合スタートが良くなく、いつも後方からのレースを強いられるのがネック。相対的に多頭数になると最後の直線で詰める距離が増えるわけで、このメンバーだと32秒台の末脚が無いとシンガリ一気は難しいでしょう。

[2]③ヴェルトライゼンデ(レーン)

前走のオールカマーでは見せ場なく⑦着も、元々右回りでは手前を変えないなど能力を出し切れないタイプ。左回りに替わるのはプラスで、2走前には鳴尾記念(中京開催)で1年4か月ぶりの復帰戦ながらにジェラルディーナを抑えて重賞初制覇とこの年になって充実ぶりを見せています。最終こそ坂路での単走でしたが、中間は3週にわたり意欲的に併せ馬を消化し好時計をマーク。東京遠征もダービー③着時に経験済で、地味ながら今年のメンバーに入れば十分に可能性を見出せる1頭でしょう。

[2]④トラストケンシン(丸田)

良績は東京の根幹距離(1600/2000/2400)に集中しており舞台設定は良いのですが、本来ならばアルゼンチン共和国杯に出たかったクチで除外になってのJC参戦。OPでの良績は軽ハンデ時のものでもあり、このメンバーでまっとうに同じ斤量を背負わされると正直厳しいです。

[3]⑤[外]グランドグローリー(ギュイヨン)

昨年⑤着に気を良くしてか、陣営は引退を撤回しもう1年現役を続行。このレースの後は日本で繁殖牝馬としての繋養が決まっており、正真正銘今回がラストランです。

昨年のこのレースでは直線でコントレイルの進路をなぞるように脚を伸ばし0.8差の善戦を見せました。ただ、前半1000mが62.2というスローペースの中、向こう正面でキセキが一気にまくったことで残り1200m地点から11秒台のラップが続く大味な展開になり、ほぼ3角の位置取りで着順が決まったようなレースになりました。中団追走から垂れてきた先行勢を拾っての⑤着は額面通りの評価は出来ず、前走の凱旋門賞にしても最後方追走からバテた馬を交わしての⑤着確保。よほどの大雨が降らない限りは昨年以上を望むのは難しく。

[3]⑥ヴェラアズール(ムーア)

前走の京都大賞典(阪神開催)では内中勢をまとめて大外から差し切って重賞初制覇。稍重の阪神で33.2の末脚を繰り出せたのは驚異的で、このコースも2回走っていずれも上がり最速で③①着と、能力発揮に不安はありません。芝を使うようになってからは後方待機のレーススタイルで、今の東京芝で間に合うかという点は気がかりですがマークは必要でしょう。

[4]⑦[外]テュネス(ムルザバエフ)

ご存じの通り昨年の凱旋門賞馬トルカータータッソの半弟。ドイツで前走G1・バイエルン大賞を含む5連勝中と勢いに乗っていますが、いかんせん時計への対応が未知数。キャリア6戦のうち良馬場は1回(メイデンレースで0.4差②着)、特にここ4戦は重か不良で、前走のバイエルン大賞にしても不良の芝2400mで勝ちタイムが2.44.3。3走前の条件戦でも重馬場で2.35.8ですから、単純計算で10秒以上は時計を詰めないと勝負になりません。あのゲリラ豪雨のあった6/12でさえ重馬場で踏みとどまったほど水はけのよい府中で、この馬向きの馬場になるかと言われると厳しく…

[4]⑧デアリングタクト(マーカンド)

これまで海外でも長欠明けでも1秒差未満で戦績をまとめてきたこの馬が、ここ2戦は1.0差の敗戦と精彩を欠く現状。オールカマーもエリザベス女王杯もトラックバイアス等を言い訳にしているようですが、前走はウインマリリンの後ろを通ったうえで伸びなかったわけですからその理屈は成り立たないでしょう。「2400mは長い」という認識を示しながらここに使ってくるもの解せずで、刺激を求めての乗り替わりがプラスになれば…でしょうか。

[5]⑨ユニコーンライオン(国分優)

前走の福島記念が鮮やかな逃げ切り。前半1000mが59.4と決してペースに恵まれたわけでもなく、加えて最終週で差しの利くコンディションになっていたことも考えれば額面以上に強いレースでした。但し2走前の京都大賞典でも同様に逃げて直線でバッタリだったことも考えると、矢作師の言う通り「2400mは少し長い」という可能性があり、最後にもうひと脚が求められる東京も本質的には合っているとは言えずで。

[5]⑩ハーツイストワール(武豊)

前走のアルゼンチン共和国杯ではキングオブドラゴンのあおりを受けながら伸び直しての②着。ラスト3Fの勝負になった時に強く、前走時にも取り上げた通りまさに東京向きのタイプでしょう。ただその前走にしても鞍上がとっさの判断でがら空きの内に切れ込み進路を確保したおかげもあっての好走で、勝ったブレークアップもこれが重賞初制覇でメンバーレベル的には必ずしもここにつながるものではありませんでした。加えて、元々良く見せるほうではないとは言え最終追いも2歳未勝利馬にようやく併入といった感じで上積み自体も疑問符で、相手強化でどこまでやれるかでしょう。

[6]⑪カラテ(菅原明)

前走の天皇賞では中団のインを運び0.7差の⑥着。シャフリヤールとは0.1差、皐月賞馬ジオグリフには先着と大健闘を見せました。相変わらず坂路調教は良く動いておりさらなる上積みは期待できますが、マイルに近い東京芝2000mのコース形態からまっとうに4回コーナーを回る2400mへの距離延長はプラスとは言えずで。

[6]⑫シャドウディーヴァ(松山)

3走前のヴィクトリアマイルでは32.9の末脚を繰り出し0.6差の⑨着と、6歳を迎えた今年もパフォーマンスの衰えは見られません。但し2000mを超えると過去(0,0,0,4)と結果を出せておらず、相手も強くなるここでは。

[7]⑬テーオーロイヤル(菱田)

前走のアルゼンチン共和国杯はキングオブドラゴンのあおりをもろに受け、ブレーキをかける不利があっての⑥着。元々最後の3Fでしっかり脚を使いたいタイプなだけに再加速のロスは大きく、鞍上も言う通り「よく0.2差まで詰めてきたな」というのが感想です。今の東京はまだ内が活きており比較的フラットかつ上がりの速さが求められるコンディションであり、前目につけてひと脚、というこの馬の戦法が嵌る可能性は十分です。

[7]⑭ダノンベルーガ(川田)

前走の天皇賞では直線入り口で進路を探しながらの進出を強いられ、結果的にワンテンポ仕掛けが遅れたことでパンサラッサを捉えきれずの③着。皐月賞以降、枠や進路取りなどに恵まれないレースが続いていますが、ハーツクライ産駒で伸びしろを残しながら現状のパフォーマンスが出来ていると考えれば上出来でしょう。陣営は「ベストは2000m」という見解を示していますがここもタイミング一つで十分に守備範囲で、1週前に3頭併せを敢行したように状態面も問題なし。ここも最後は見せ場を作れるでしょう。

[7]⑮シャフリヤール(C.デムーロ)

昨年のこのレースではコントレイルの③着。ダービー馬に適性を疑う余地は本来無いはずですが、昨年は直線でコントレイルに並ばれた際に怯むような素振りを見せており、やはりあの時点で少々苦しくなっていたのかと考えるとベストは2400mではないと見ています。

前走の天皇賞では馬体の成長が見られない点が気がかり、という話をしましたが、結果的にデビューから+6kg456kgでの出走となりました。直線では伸びを欠き⑤着もハイペースを好位で追いかけるという難しい立ち回りのレースになったことに加え、当時も藤原英師が述べていたように仕上がり面の不安もありながらの一戦であくまで照準はここという使われ方でもありました。その点、上積みは期待できますが先ほども述べた通り距離が延びること自体はプラスでは無さそうで。

[8]⑯[地]リッジマン(石川裕)

社会情勢的に仕方ないのかもしれませんが、折角岩手から来るのなら地元から騎手を連れてくるべきでしょう。中央所属騎手を配して勝負気配…という理屈なら、戸崎、田辺、横山武といった面々が空いている中でなぜ石川Jなのかも解せません。出来は上向きとのことですが、元々中央時代の良績は2600m超に集中しておりステイヤーズSを勝ったのも4年前。2500m以下の重賞では当時も1秒以上負けており、無事完走が目標でしょう。

[8]⑰ユーバーレーベン(M.デムーロ)

前走の天皇賞は展開も向かず、手塚師も「距離が短い」と言う中で最後まで脚を使い0.8差の⑧着まで押し上げてきました。香港国際競走への登録もありましたが、最終的にはコース適性を重視してこちらへの参戦を決断したわけですが、この馬の勝ったオークスは後方で外を回した馬が圧倒的有利だったレース。メンバーレベル的にも当時の出走馬でその後古馬相手に勝った(条件問わず)のは3頭しかおらず、ソダシ以外の2頭は条件戦。掲示板を確保したハギノピリナ、タガノパッション。アールドヴィーヴルは条件戦すら勝ちあぐねるという体たらくで、3歳春の時点で牝馬が2400mを走るというのはあくまで「相対的なスタミナ」が問われるのみで、純粋な力比べではないということは明らかです。舞台が向くとはいえ流石にこのメンバーで勝負に持ち込むのは容易ではなく…

[8]⑱ボッケリーニ(浜中)

前走の京都大賞典では一度位置取りを下げる不利もありながら伸び直しての②着。距離延長によりゆったり入って溜めを作れるペースで好走できています。2走前の目黒記念は1000m通過が62.5でレース上りが34.4と、坂を2回上る東京芝2500mならではの特殊なペースになりこの馬の強みが嵌りましたが、本来は上がり勝負には持ち込まれたくないタイプ。かといって流れると末脚を溜められずで、これが2400mになると一気に上りが求められる舞台になりこの馬のウイークポイントが顔をのぞかせる懸念が。

<予想>
◎ヴェルトライゼンデ
○ヴェラアズール
▲ダノンベルーガ
△テーオーロイヤル
△シャフリヤール


■阪神12R/京阪杯 プルパレイ

かつて乗っていたデムーロJ曰く「レース中一度機嫌を損ねてしまうと一切鞍上の言うことを聞かない」ところがあるようで、須貝師からも「ここ最近はレースを止めている」とのコメント。ファルコンSを勝って以降は2桁着順が続いており、今回は距離短縮に加えクロッカスS②着時以来再びブリンカーを装着して臨む一戦です。

そこでこの馬の再生を託されたのが岩田康J。カツジ、ケイデンスコール等同じように3歳春の重賞で活躍しその後伸び悩んだ馬を見事に再生させた手腕は誰もが知るところ。この中間はプルパレイの稽古をつけ、坂路で追走から最後まで走り切るようしっかり追って52.2-11.9と上々の時計をマークしています。何より、土曜の11R・12Rと最内を突いた馬が②着に飛び込むなどBコース替わりの初週でインが活きており、先手を主張したい馬が数頭いる中で好位のインを確保したいこの人馬にとって絶好のチャンスと言えます。真面目に走りさえすれば力量は足りてよく、復活を狙うならここでしょう。


■阪神11R/カノープスS フィニステール

決め手に優れるタイプで、展開に左右されるものの末脚が活きる流れでは確実に走ってきます。ダート転向後の6戦で、前後半4Fの比較で前傾ラップだった時は①②①①着なのに対し後傾ラップの時は③⑦着。ラップの出来方はメンバーによるところもありますが、ダートの場合一番は「コース形態による特性」です。

阪神ダ2000mというのは4角奥の引き込み線からスタートし、ホームストレッチを目いっぱいに使って先行争いが繰り広げられます(京都・中京のダ1900mも同じ構造)。1800mのスタート地点から200m最初に直線を走る距離が長くなることから自ずから前傾ラップになりやすいうえ、最初と最後で2回坂を上るためゴール前は時計がかかりがちです。加えて今回はメイショウフンジン・メイショウカズサと先手を取りたい馬がおり、アメリカンシードなども加えてペースは流れそう。傑出した実績のオープン馬が居ないここであれば昇級戦でも。

【11/26(土)予想】京都2歳Sの注目馬とねらい目レース(東京8R)

■阪神11R/ラジオNIKKEI賞京都2歳S グリューネグリーン

半兄ヴェルデグリーンはジャングルポケット産駒ながら重賞勝ちはオールカマーと中山記念の2勝。祖母にウメノファイバーが居る母系で、いとこのサンリヴァルも皐月賞②着とキレよりも牝系の力強さが前面に出る一族と言えます。

デビュー戦は東京の2000m戦でスローの追い比べとなりキレ負け気味の③着でしたが、当時の②着馬はおろか1.1差の④着馬も次走で勝ち上がっておりレベルの高い新馬戦でした(勝ち馬はミッキーカプチーノ)。一転して前走の1800m戦はエエヤンが1000m57.9で逃げるかなりのハイペースを離れた2番手を追走し、3角から差を詰めにかかると最後は後続を相手にせず突き放しての快勝でした。このレースの上がりは36.8。東京コースとしては異常なまでの前傾戦で、自ら動いていき最後の700mにわたって脚を使い続けた勝ちっぷりからも中山や阪神内回りといった上がりを要する舞台の方が向いていると言えます。行く馬のいないメンバー構成で自ら動いていける点もプラス。末脚自慢がどっしり構えているうちにリードを確保できれば残り目十分でしょう。


■東京8R フクウン

だいぶバレバレなのですが、前走が内枠を引き直線でどん詰まり。ハイペースで続々垂れてくる先行馬をモロに受けてしまい全く追えませんでした。一転して大外枠を引き条件好転となる今回はただでさえ人気してしまうのですが、単勝オッズだけ見るとここ2戦不完全燃焼のロードジャスティスや惜しいレースが続くバルミュゼットの方が上。人気順が逆転しない前提ならこれでもまだ妙味がある方と見て推奨します。


2022年11月20日日曜日

【11/20(日)予想】マイルCSの全頭評価とねらい目レース

■阪神11R/マイルチャンピオンシップ

[1]①マテンロウオリオン(横山典)

ポツン戦法に加え元々コース取りの巧さで着を拾ってきている馬で、3走前のNHKマイルCではタイム差なしの②着。但し当時は外差し有利の馬場傾向であり、当然ながら内を通ったダノンスコーピオンの方が評価は高いわけです。前走のスワンSでも意図的にスタートで下げ最後方から大外を回し0.5差の⑦着。距離延長のここは前進が見込めるものの、最内となると一度下げて外を回すロスは大きく、荒れが進行するAコース最終週で直線でも馬群がだいぶ横長になることを考えるとこれを追い込むのは楽ではありません。

[1]②ウインカーネリアン(三浦)

蹄葉炎による1年近い休養を経て馬がしっかりしたこともあり、加減することなく調教を積めているのは好材料。前付けしてひと足、というレースぶりも板についてきました。但しこの3連勝は坂の緩い新潟と開幕週の阪神でのもので、内が荒れた急坂を克服するのが課題です。過去休み明けは(0,0,0,4)でもあり、ぶっつけローテが吉と出るかも未知数です。

[2]③ダノンザキッド(北村友)

この馬の特徴は「速い上りが使えず」「ペースが速いと脚が溜まらず」「かといってペースが遅いと引っ掛かる」という同居の難しい欠点をいくつも抱えている点です。使える上りに限りがあるとなると馬場のいい開催前半や東京・新潟と言った上がりの絶対値を求められるコースには向いておらず、ペースの問題で走れる距離としては1600~1800m程度に限定されてしまいます。

上記を踏まえると、ここ3戦は東京・新潟といった不得意コースで4走前の中山記念は道中ずっと11秒台前半の流れが刻まれペースが向かず。5走前が昨年のマイルCS③着となるわけですが、阪神1600mはスタートから3角に向かって緩やかな上り坂となっており、道中で12秒台の区間ができ溜めを作れるペースになったのが幸いしました。加えて平坦の京都と違い阪神の直線には急坂があり、この馬の末脚でも面倒が見られるのも好都合。となると、これ以降国内の芝1600~1800mのG1でこれらの条件を満たすレースは見当たらず、この馬が再びG1で好走できるとしたら実質的にはもうここしかないわけです。そのものずばりのステップレースがないのでどうしても臨戦過程から人気は下げてしまいますが、昨年の①着馬が抜けるここは純粋に前進が期待できるでしょう。

[2]④シュネルマイスター(ルメール)

初のスプリント戦となった前走は道中ついていけずの⑨着。ここに向けた叩き台としてはまずまずの内容と言ってよいでしょう。昨年のこのレース②着もなかなか進路ができなかった中でグランアレグリアと0.1差ですから文句のつけようはなく、安田記念②着は帰国後体調が整わない中でのレースでした。1週前にはDWで7Fから追われて51.8-11.7を単走でマーク。手塚師が「自己最高の負荷をかけた」と語るほどで今回は体調面の不安も無く臨め、順当に勝ち負けを期待できる存在と見ます。

[3]⑤サリオス(ムーア)

前走の毎日王冠はこれまでこの馬の欠点であった「馬群に突っ込ませられない」点を見事に克服しての勝利。ここに来てのメンタルの成長は著しく、この中間もDWでの最終追いで49.1-11.8をマークするなど出来は絶好。半姉のサラキアも5歳秋に急上昇を見せエリザベス女王杯・有馬記念を連続②着しており、ようやく身体に精神が追い付いてきたと見てよいでしょう。ベストは1800mでしょうが、今のこの馬であれば再度の戴冠も現実味を帯びてきます。

[3]⑥ソダシ(吉田隼)

前走の府中牝馬Sはイズジョーノキセキに不覚を取っての②着。確かに距離は1F長かったかもしれませんが、東京コースは1400~1800mで造りがほとんど変わらずマイラーでも十分勝負になる舞台。格下相手の敗戦は喜べるものではありませんが、今回は当時よりもさらにデキを上向かせており1週前にはCWで49.3-11.3と好時計をマーク。安田記念馬ソングラインらを完封したヴィクトリアマイルの内容、3戦3勝の阪神マイルに戻ることを考えれば、この馬場でも押さえは必要でしょう。

[4]⑦ジャスティンカフェ(福永)

前走の毎日王冠は勝ったと思ったところをサリオスに掬われてしまい②着。この馬のレースは出来ましたが、ベストはやはりマイルかと思わせるレースでもありました。距離短縮はプラスで、あとはこの馬のキレを活かせる良馬場になってくれれば良いのですが水はけの悪い阪神では回復は望み薄で…

[4]⑧ロータスランド(岩田望)

この馬の好走パターンは「前付けできるかどうか」で、4角通過順が3番手以内なら(6,2,0,4)。3走前の高松宮記念はコース取りの妙もあり②着を確保しましたが、ここ2戦はポジションが取れず⑩⑥着。今回はめぼしい先行馬がホウオウアマゾン・ベステンダンクしかおらず3番手は取れそうで、あとは苦手な瞬発力勝負に持ち込まれなければ台頭は可能でしょう。そのためには(3,2,0,0)と得意にする稍重以下の馬場コンディションが望ましく、水はけの悪さに定評のある阪神ですから朝方までの雨が残ってくれればチャンスはあるかと。

[5]⑨ピースオブエイト(C.デムーロ)

前走の富士Sは直線で前と後ろが入れ替わるような差し有利展開の中で④着。マイルへの適性は示したものの、特に不利がなかった中で上位3頭とは明らかに差のある負け方で、さらに相手が手ごわくなるここでは。

[5]⑩セリフォス(レーン)

前走の富士Sでは狙いすましたように末脚を発揮しての快勝。但しG1のようなよどみない流れとなり先行勢が壊滅した中で差し勢の中では一番良かった、という程度の話で、ここはさらに相手が強くなるうえ春の安田記念時に4kgあった斤量差がここでは1kg。中間の動きも格下を余裕であおっていた前走時に比べればソフトなもので、上積みが期待できない中でどこまでやれるかは懐疑的です。

[6]⑪ソウルラッシュ(松山)

直線で進路が無かった2走前の安田記念を除けば位置取り・馬場状態不問で走れている優等生。ただ前走の富士Sにしても3走前のマイラーズCにしても馬場バイアスと相手関係に恵まれた感は大きく、3歳勢との斤量差が縮まる点はプラスもこのメンバーでどこまで、というのは未知数です。

[6]⑫ホウオウアマゾン(坂井)

3走前のマイラーズCは得意の阪神で自分のレースができた分の②着でしたが、ベステンダンクが0.4差④着に残せるような展開で最後に止まってしまったことを思えばやはりベストは1400mと見ます。ここは1F長いうえ、Aコース最終週で内前にやさしくないコンディションでもあり…

[7]⑬エアロロノア(武豊)

2走前の安田記念の時にも指摘したとおり、前半が緩いレースでないと好走できないタイプ。入りの3Fが35秒以上なら(6,1,4,1)なのに対し34秒台以下なら(0,0,0,7)。OP・リステッドならまだしもG1でこのペースになることは稀ですが、今回は行きたい馬がさほど見当たらず昨年くらいのペース(35.6)になるようであれば食い込む余地はあるかと。

[7]⑭ベステンダンク(藤岡佑)

セリフォスを降ろされた藤岡佑Jが2年ぶりの騎乗。流石に10歳秋となり最近は行きたくても行けない現状。無理してハナを叩けたとしても今の馬場では残り目は薄くて。

[8]⑮ダノンスコーピオン(川田)

前走の富士Sでは初の古馬相手に③着と好走しましたが、元々上りが掛かったほうが好走できるタイプ。2走前のNHKマイルCは前半が34.1と流れたことで、34秒台の上がりでも十分勝負になるレースになりました。今回はペースが落ち着きそうでそれなりに上りが求められそうですが、渋った馬場はかえってプラスに働きそうです。

[8]⑯ハッピーアワー(川又)

最後に勝ったのは3年半前のファルコンS。そもそもマイルでの勝鞍がないうえ、最近は回って帰ってくるだけのレースが続いており、ここも無事完走で手当てゲットが現実線でしょう。

[8]⑰ファルコニア(池添)

再三再四繰り返していますが、この馬は立ち回りの巧さで着を稼げるタイプ。故に小回り、内枠等器用さが求められる舞台では好走できるものの、まっとうな瞬発力勝負などになると分が悪く今回は枠も最悪。上手く立ち回ったとて内前のアドバンテージも無い舞台につき。

<予想>
◎シュネルマイスター
○ダノンザキッド
▲ダノンスコーピオン
△エアロロノア
△サリオス
△ソダシ
△ソウルラッシュ
△ロータスランド


■東京11R/霜月S イバル

左回りが向いている馬ですが、脚質の問題から前が止まらない脚抜きの良い馬場になると間に合いません。前走のテレ玉杯オーバルスプリントはそもそも追い込みようのない浦和コースで出番がなく、それを含めて昇級後の3戦はいずれも稍重以下で前を捕まえられずのレースでした。コーナー径の大きい東京に替わるのは好材料で、良馬場なら一変期待です。


■福島8R シーズザデイ

角田和Jは福島ダート1150mコースで(2,2,0,4)。単回170/複回130と馬券的にも優秀で、今日の1Rでも10番人気のカマラードマリーを③着に持ってくるなど活躍が目立ちます。シーズザデイ自体は一本調子ゆえひと息で勝負がつくこの条件は向いており、前走で1000m戦を使われた3頭の中では最もスタートを決められる可能性が高いと言え、鞍上と相手関係から好走可能な一戦でしょう。

2022年11月19日土曜日

【11/19(土)予想】東スポ杯2歳Sの注目馬とねらい目レース(東京7R)

■東京11R/東京スポーツ杯2歳S シルトホルン

デビュー2戦は洋芝を使われ④⑦着と揮わなかったものの、前走で今回と同舞台の未勝利戦を快勝。大外枠のスタートでポジションを取るのに脚を使ったものの終始好位を進み、直線では左鞭一発で後続を突き放し1.0差をつけるパフォーマンスを見せました。

今回人気のハーツコンチェルトも新馬戦を1.3差で圧勝したことが注目されていますが、道中緩んだタイミングでポジションを上げ前を突いたことで他が垂れた側面もあり、うまく勝ちパターンに持ち込んだと言えます。一方でシルトホルンはレースの流れに乗って脚を使っており、まさに正攻法の競馬での圧勝だった分価値が高いと見ています。スピードの出る東京が合っているとすれば今の馬場も好都合で、何より今回はポジションを取りそうな馬がドゥラエレーデくらいしかいないメンバー構成。内前のポジションを取れる馬が恵まれうる展開を味方につけられる存在としてマークします。


■東京7R サトノワールド

久々にブリンカーを外した前走はスタートからやる気を見せず流れ込むだけのゴール。この馬は再Bも含み「ブリンカーを着け始めたレース」で(2,0,0,0)と、刺激を与えることが好結果につながっているタイプです。前走4角3番手以内が7頭もいるメンバー構成で、じっくり構えて乗れるこの馬が浮上する余地は十分にあります。

2022年11月13日日曜日

【11/13(日)予想】エリザベス女王杯・福島記念の注目馬とねらい目レース(オーロC)

■阪神11R/エリザベス女王杯 マジカルラグーン

2200mは牝馬限定戦としては長距離に該当し、年によってメンバーのレベルがかなりバラツキます。実際最近5年の出走馬の内、エリ女以降に勝ち星を挙げた馬の数を数えるとその偏りは顕著です。

2021年:2頭(①着アカイイト)
2020年:7頭(①着ラッキーライラック)
2019年:9頭(①着ラッキーライラック)
2018年:6頭(①着リスグラシュー)
2017年:5頭(①着モズカッチャン)

条件戦も含まれるため一概には言えませんが、2021年まではメンバーレベルも高く有力馬・実績馬が額面通りの強さを発揮するレースでした。一方で昨年は⑤着までを重賞未勝利馬が独占したように正直メンバーレベルとしては微妙なところ。そもそも昨年の場合既に重賞を勝っていた馬が7頭しかおらず、他の年と比べてもメンバーの層の薄さは否めない一戦でした。それが今年は国外含め15頭の重賞ウイナーが参戦しメンバーレベルとしては一定以上の水準が見込まれることから展開の紛れも少なく、実力馬が額面通りに強さを発揮する年と見ます。

その「実力馬」をどう定義するかはそれぞれですが、ここは今年のアイルランドオークス馬マジカルラグーンを推奨します。そのアイルランドオークスでは直線で早目に先頭に立つと後続を完封する強い内容で、起伏の激しい欧州の競馬場は国内でいえば中山2200~2500mや阪神2000~2200mに近く、この舞台が合っていると言えます。何より前走ヨークシャーオークスでは後の凱旋門賞馬アルピニスタと0.88差の⑤着。これだけのパフォーマンスを引っ提げて日本に来るのでは、逆らわない方が無難と考えます。


■福島11R/福島記念 カテドラル

前に馬を置いてギリギリまで我慢させる乗り方が合っており、7走前に京成杯AHを勝って以降はずっと2桁馬番を引かされ壁づくりに苦労してきました。前走の小倉記念も16頭立ての14番枠で壁を作らんとしていったん下げて内に入れた分ポジションが下がり、直線で前が空きませんでした。もう2列は前でレースしたかったはずでしょう。久々に内枠を引けた今回はチャンスな上、周りに馬が居ないと遊んでしまうため福島の短い直線も合っています。団野Jも手の内に入れた感が強く、このメンバーなら。


■東京11R/オーロC アイラブテーラー

トーセンラー産駒は東京芝1400m戦で(3,1,2,33)で勝率7.7%、複勝率15.4%と目立つ成績ではないものの単回167、複回125で穴馬を輩出する種牡馬です。しかも好走は牝馬の方が多く(2,1,1,18)で単回202、複回207とベタ買いで倍になる計算。この条件でトーセンラー産駒の牝馬が出てきたらとりあえず買い、が正解です。

アイラブテーラー自身の話をすれば、元々昨年のスワンSでも0.4差⑧着など1400mへの適性を示しており、3走前のパラダイスSでは33.0の末脚を使うも、馬群が全体的に外に膨れた分進路を確保できず脚を余しての⑦着で情状酌量の余地はありました。前走のスワンSではポジションを取りに行くも前半34.1の速い流れで自滅し⑬着。手ごろなハンデで出たなりの競馬で臨む今回は一変可能と見ます。

2022年11月12日土曜日

【11/12(土)予想】武蔵野S・デイリー杯2歳Sの注目馬とねらい目レース(会津特別、オキザリス賞)

■東京11R/東京中日スポーツ杯武蔵野S アシャカトブ

体重の増減が激しく、休み明けはいつも仕上げに苦労していたのですが今年の2戦はいずれも5か月ぶりを使われ⑤①着。馬体重もこの馬の好走実績である500kg台で出てきており、ここに来て馬がしっかりしてきた印象です。

前走のラジオ日本賞では水の浮く不良馬場で前が残せる展開を味方につけましたが、4角で馬群がばらけ自分の動きたいところで動けたことが大きかったです。どうしても上級戦かつ直線の短いコースでは動き出しが早くなるため4角などで早目に競られてしまうと脆いのですが、一昨年に同じコースのアハルテケSを勝った時のようにじっくり構えて直線でびっしり追う展開に持ち込めれば強いです。

東京1600kmコースは直線の長さ故4角からの早仕掛けは後方待機勢に限られ、加えて断然人気のレモンポップは久々の1600m戦で大事に乗ってくるはず。他の馬もレモンポップの動き出しに合わせて仕掛けるはずで、全体的に仕掛けのタイミングが遅れそうです。バスラットレオンのいる今回は隊列もスンナリ決まりそうで、スムーズなレース運びが叶えばもう一丁。


■阪神11R/デイリー杯2歳S ショウナンアレクサ

前走の紫菊賞は小頭数で壁を作れず力みながらの走りで、4角を出たところで一旦先頭に立つも坂上で失速し④着。最後方にいたコスモサガルマータが大外を回して差し切ったように、早目に押し出された馬にとっては苦しい展開になってしまいました。距離短縮に加え継続騎乗の岩田望Jなら溜めを作って走れるはずで、前走の負けで人気を落とすようならむしろここは買い時でしょう。


■福島10R/会津特別 チャイカ

前走の宗像特別では16番枠を引いたうえ、小倉開催の最終週で皆が外を回すコースコンディションでまともに大外を回らされ勝負になりませんでした。今回は内枠替わりとなるうえこのコースは2回走って①②着と問題なし。相手も手ごろな今回が現級突破のチャンスと見ます。


■東京9R/オキザリス賞 サノノウォーリア

気性面の課題から行き切る形が良いと見られていましたが、控えた前走は馬込みに入らずに脚を溜められ、直線では一瞬で抜け出す強い競馬を見せました。縦長になりやすく囲まれないワンターンの東京1400mコースも合っており、手の内に入れた石川Jが継続騎乗であればここでも強さを見せてくれるでしょう。

2022年11月6日日曜日

【11/6(日)予想】アルゼンチン共和国杯の全頭評価・みやこSの注目馬とねらい目レース(東京8R)

■東京11R/アルゼンチン共和国杯

[1]①キングオブドラゴン(坂井)

前走の京都大賞典は番手から運び直線で上手く前が空きましたが、阪神がかなり時計の出る馬場で上りを求められた分抵抗できず⑧着。レース上り33秒台はこの馬自身経験がなかったのもありますが、そもそも中山や阪神内回りと言った上がりのかかるコースの方が好走できるタイプ。速い上りが使えないため、この舞台替わりはマイナスです。

[1]②プレシャスブルー(津村)

前走のオクトーバーSは最後方からひと脚を使い0.5差の⑥着まで差を詰めましたが、そもそも4角10番手以下が3頭も掲示板に載るような差し有利の展開でしたからもう少し何とかなったのではというレースでした(相沢師が「前残りだった」とコメントしているのが理解不能)。距離延長で位置を取りたいところですが、2500m以上のレースは(0,0,0,2)でいずれも1秒以上の大敗。キレイな馬場ではまだ出番は遠いでしょう。

[2]③ユーキャンスマイル(石橋脩)

前走の新潟記念は久々に軽いメンツを相手にできた分の②着で、有力馬がステップとして使うことの少ないG2、G3戦であればまだまだやれることを示しました。この中間もウッド・坂路でしっかり追われ、調子が悪いときは芝やポリトラックなど負荷の軽いコースで追わせることの多い友道厩舎としてはかなり負荷をかけています。石橋脩Jはこの馬に乗って①②着と手も合っており、このメンバーなら再度注意が必要でしょう。

[2]④コトブキテティス(永野)

長欠明けを叩かれ今回が3戦目。前走の新潟牝馬Sでは早目の進出を見せた①②着馬に対し後方で構えて④着でしたが、直線では②着のホウオウエミーズが終始外に張りながらの伸び(右ムチ入れて右に寄れてたので騎手は悪くないのですが)でそのあおりを受け不完全燃焼の一戦でした。

全4勝全てが左回り、うち3勝が東京芝2400mというコース巧者で、4走前の六社S(2021)では開幕週にも関わらず大外を回して差し切り。東京で掲示板を外したのは6走前のジューンS⑥着のみで、この時はスローの前残り(4角通過順=入線順)+先行勢が直線で皆外に出しコースを取られた分の敗戦で、内がまだ生きているここはこの馬のレースができるでしょう。外を回さざるを得ない分展開頼みの面は強いですが、3勝クラス勝ち牡馬が54kgに対し、2年半勝ち星のないレッドサイオンと実質同斤の51kgは恵まれた部類。ハンデ差を活かしての一発は十分に期待できる一頭です。

[3]⑤テーオーロイヤル(菱田)

長距離戦での好走が目立ちますが、青葉賞④着の実績が示す通り本来は最後の3Fのキレで勝負するタイプで東京向き。前走のオールカマーは4角では良い手応えで上位を窺う勢いでしたが、直線坂でぱったり。外を回らされた分もありましたがゴール前で進路を譲ったロバートソンキーはキッチリ伸びていたので、この馬自身中山は向かなかったと見るべきでしょう。ダイヤモンドS勝ちは54kgでのもので今回は斤量差が鍵になってきますが、坂を2回上る東京コースでタフさが要求される展開になれば地力で押し切れるまであるでしょう。

[3]⑥キラーアビリティ(C.デムーロ)

春2戦は陣営も状態が整わない中での参戦であったことを認めています。立て直された今回は1週前からクリスチャンJを乗せてじっくり仕上げられており、見た目の時計自体は問題ないように映ります。しかしながら春までと違って今回は中間オール単走で、強い負荷をかけられてないのが気になるところ。G1馬にも関わらず55kgと控えめなハンデなのは好感ですが、そもそも横山武Jも重賞すら勝っていないウィリアムバローズを優先するあたり現時点でのこの馬への期待度も高くないと見ます。

[4]⑦ブレークアップ(田辺)

2走前のジューンSでヴェラアズールの②着。これだけ聞けば重賞級と思えますが、当時は前半1000m63.8秒のスローペースを逃げて残せなかったもので、前走の六社Sは稍重馬場で後方勢のキレ味が削がれる展開を味方につけたレースでもありました。本質的には中山など急坂のあるコースで先行して後続を封じる走りが向いているタイプで、不得意コースで重賞メンバーが相手となると楽では無さそうです。

[4]⑧カントル(岩田望)

前走の佐渡S(芝2000m)は1年ぶりの実戦ながら33.0の末脚で差し切り。能力の高さをうかがわせる一方で、3走前に緑風S(芝2400m)で②着していますがロスなく運んだ割には最後に脚が上がってしまったような止まり方。決して切れるタイプではないアイアンバローズにやられてしまった点を見ると、現状2400mはやや長いように映ります。さらなる距離延長はプラスとは言えなさそうで。

[5]⑨ディアマンミノル(荻野極)

春の目黒記念で前残り展開を外から追い込み0.1差の④着。元々スローペースで脚を溜める形が向いており、ここも前半61秒くらいのペースが予想されるだけに展開は向きそうですが、中7週以上間隔を空けた時が(4,0,0,1)なのに対しそれ以下で(1,1,3,17)と、使い詰めは向かないタイプ。同じローテで臨んだ昨年が0.6差の⑤着で、当時から斤量が1kg増える点もどうかでしょう。

[5]⑩ダンディズム(富田)

前走の目黒記念は0.3差の⑦着でしたが、外に進路を求めた他の差し勢に動じず執拗に内を突き、坂上で脚を使ったマイネルウィルトス(②着)の後ろで前が空くのを待っていました。結果的に十分なスペースは出来ず伸びきれませんでしたが、4走前、3走前と外を回して伸びきれなかったレースを踏まえ馬群を割って伸びた2走前の教訓から、富田Jがこの馬の特性を掴んだうえでの戦法でした。外差し勢が台頭するコンディションでは目標を作りずらいですが、馬群が横一列に広がる今くらいの馬場の方がレースはしやすいはずでペースも不問。富田Jは前走勝ったハギノアレグリアスがみやこSに出るにも関わらずこちらに乗りに来ており、勝手知ったる人馬のコンビで前進が見込めます。

[6]⑪ラストドラフト(三浦)

好走は11~1月に集中しており、18年11月新馬①着→19年1月京成杯①着、12月中日新聞杯②着→20年1月AJCC③着、11月AR共和国杯②着→21年AJCC③着と毎年この時期に決まって連続好走してきました。しかしながら昨年は12月中日新聞杯⑨着→22年AJCC⑩着と着を上げ切れず。前走のオクトーバーSでは58kgを背負い②着と地力を見せここは距離延長と気温低下で上昇は見込めますが勝ち切るまでとなるとどうでしょうか。

[6]⑫マイネルファンロン(M.デムーロ)

手塚師は馬の状態に関して正直なジャッジをする調教師で、この馬については秋の帰厩以降は「まだ春の頃には至らない」と調子が上がってこないことを嘆いています。ワンターンの新潟記念を勝ったようにスピード競馬への対応ができるタイプで、距離も2000m前後がベストなことからここは叩きと割り切るのが良さそうです。

[7]⑬レインカルナティオ(菅原明)

好走歴は中山・中京と上がりのかかるコースに集中しており、東京芝は2回走って0.9差、1.2差と大きく負けています。3走前に弥彦Sを取りこぼしたように本質的にキレ勝負は向かないタイプで、コース替わりはプラスではありません。

[7]⑭アフリカンゴールド(国分恭→マーカンド)

戦法が決まっているタイプにつき、あとは展開と「舐められるか否か」が好走のカギを握ります。その点、長らくコンビを組んでいる国分恭Jが急遽乗れなくなったことは世間的にはマイナスに見られがちですが、先週のアブレイズでも述べた通りマーカンドJは「前に壁を作りひと脚使わせる」騎乗の出来る騎手と見ています。アフリカンゴールド自身はひと脚を持っているタイプではないものの、元々3年前のこのレースでは1番人気に支持され③着と東京コース自体は苦にしません。前に行きたい馬もそれなりにいるメンバー構成で、マークが薄くなれば残り目はあるでしょう。

[7]⑮レッドサイオン(石川)

元々462kgでデビューした馬が前走は436kg。去勢後なかなか馬体が戻ってこない現状で、藤沢厩舎所属時代の最後は所属の木幡育Jの練習台的な使われ方もされておりOPで掲示板すら1度しかないという体たらく。斤量差があると言っても最近の成績からは背負わされた方でしょう。

[8]⑯ヒートオンビート(戸崎)

使える脚がに限界があるうえそれも一瞬ゆえに勝ち切れず、直線の長いコースは本来不得手です。ここ最近の好走は池添Jが脚の使いどころを理解したうえで上手く導いたもので、(0,0,0,2)と相性の悪い戸崎Jへの乗り替わり、出来の面でも良化途上の段階につきここでは強気には出られなさそうです。

[8]⑰ハーツイストワール(武豊)

切れ味を削がれた稍重馬場の2戦以外は14戦すべて掲示板入りの優等生。前走の札幌日経OP勝ちは鞍上の腕によるところが大きく、スローの瞬発力勝負に強い本来は東京向きのタイプです。最終をコースで併せ負荷をかけることの多い国枝厩舎にしては坂路仕上げだった点が少々気にはなりますが、単走だった前走時に比べ3頭合わせで一杯に追われ負荷自体は強めてきており注意は必要かと。

[8]⑱ボスジラ(ルメール)

3走前のメトロポリタンSはスローを4番手で進んでほぼそのまま流れ込んでの③着で、特に見るべきポイントのないレースでした。スピードに欠けるタイプで本来合っているのは洋芝で流れも上りも落ち着く札幌の2600m。ルメールJ継続騎乗も不得手コース替わりでは手は出しづらく。

<予想>
◎コトブキテティス
○ダンディズム
▲テーオーロイヤル
△ユーキャンスマイル
△ラストドラフト
△アフリカンゴールド
△キラーアビリティ
△ハーツイストワール


■阪神11R/みやこS タガノディアマンテ

ここは行きたい馬が多いメンバー構成で、後ろから鋭い脚を使える穴馬の台頭に期待できる舞台です。例年ならニューモニュメントやプリティーチャンスがそこに収まるのですが、今年のメンバーで惑星となりえるのがタガノディアマンテです。

距離を詰めた前走の京成杯AHでメンバー唯一の33秒台の脚を使い0.5差の⑩着。溜めればキレるタイプですがスピードに欠け、芝中距離路線の一線級相手では足りませんでしたがダートでそれを補える可能性は十分にあります。半兄タガノトネールは武蔵野Sレコード勝ち等ダートで活躍した快速馬で、適性さえあれば通用の素地はあります。


■東京8R パラノイド

3走前の1勝クラス戦では前が空かずまともに追えたのは最後の200m程度しかなかったにもかかわらず差し切り。脚抜きが良く前が止まりにくい馬場状態を考えても優秀だったと言えるでしょう。2走前は牡馬相手の稍重、前走はコーナー4回が合わなかった分で、得意条件に戻って牝馬限定戦なら十分見直せます。


2022年11月5日土曜日

【11/5(土)予想】京王杯2歳S・ファンタジーSの注目馬とねらい目レース(東京7R)

■東京11R/京王杯2歳S フロムダスク

今回のメンバーで芝レースへの出走経験のある馬のうち、唯一良馬場で走ったことがないのがフロムダスクです。しかしながらこの馬はいかにもな森厩舎の外国産馬で、デビュー戦も勝ち方自体は地味でしたが、1週前の坂路で48秒台をマークするほどのスピードの持ち主。良馬場であったならもっと楽に勝てていた可能性すらあります。

前走のカンナSはゲート内で煩い仕草を見せスタート後手。トリッキーな中山芝1200mの先行争いでラチ沿いを塞がれてしまいブレーキを踏むなどチグハグな競馬でしたが、スタート後長く直線を走る東京であれば、多少のミスはカバーできるでしょう。東京の秋開催は進行につれラチ沿いが固くなり時計が求められるのが例年の傾向で、良馬場で秘めたスピードを全開できればアッサリも。


■阪神11R/KBS京都賞ファンタジーS ブトンドール

前走の函館2歳Sは差し有利展開の恩恵もありましたが、ロスの大きいコーナーリングからよく差し届きました。デビュー2連勝はいずれも函館芝1200mの稍重馬場で、時計で押し切るタイプでない分距離延長も問題ないでしょう(ビッグアーサー産駒なのでマイルまで行くとどうかですが)。中間はアロマデローサと併せて先着するなど、一息入れて状態も良好。この先の重賞はマイル以上のレースが多く、ここでもう一丁を狙っての参戦でしょうから素直に期待です。


■東京7R アルマイナンナ

被されるとよくないうえ切れる脚も無いため、被されずに運べ時計のかかるシチュエーションが理想。現に5走前の現級④着は函館芝でのもので、昨年夏も札幌芝で⑥⑤着と小差のレースをしており時計のかかる洋芝が向いた結果でした。よって現状は洋芝か、時計が求められないダートでしか期待できないという現状です。

ここ最近は全く自分の走りが出来てなく、ダートに戻った前走は最内+距離短縮で位置を取れず。2走前も被されて早々終戦、3走前は外目の3番手こそ取れましたがレース上り33.6で全く歯が立たずで、6走前・7走前はスタート決まらずこれもまた被されてしまいました。しかし7走前の⑥着が好内容で、今回と同じ東京ダ1600mを使われ2番手外追走から直線で一時は先頭に立ち見せ場を作りました。結果として差し決着に屈したものの先行勢では最先着で、稍重だった馬場を考えればよく頑張りました。今回は大外+時計のかかる良馬場で条件はガラリと好転するうえ牝馬限定戦。好走条件の揃ったここは一変あっても驚けません。