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2022年11月26日土曜日

【11/27(日)予想】ジャパンCの全頭評価・京阪杯の注目馬とねらい目レース(カノープスS)

■東京12R/ジャパンカップ

[1]①[外]シムカミル(ブノワ)

欧州3歳馬にとって凱旋門賞の重要なステップレースともなるニエル賞を勝った(ドウデュースも参戦し④着)ものの、予備登録が無かったことから凱旋門賞は回避しここへ照準を合わせてきました。好位を取って直線一杯に合わせて勝負根性で着を拾うタイプで、馬群がひとかたまりになる小頭数戦の方が向いているタイプと言えるでしょう。多頭数戦に加え一瞬のキレが求められる日本の競馬への適性は何とも言えません。

[1]②[外]オネスト(ルメール)

パリ大賞の勝ち馬。そのパリ大賞が稍重で2.27.7という勝ち時計で、逆に前走の凱旋門賞等馬場が重くなると成績を落としています。日本でも活躍馬を送り出すフランケル産駒ということもありある程度の時計勝負にも対応は出来そうです。但しこの馬の場合スタートが良くなく、いつも後方からのレースを強いられるのがネック。相対的に多頭数になると最後の直線で詰める距離が増えるわけで、このメンバーだと32秒台の末脚が無いとシンガリ一気は難しいでしょう。

[2]③ヴェルトライゼンデ(レーン)

前走のオールカマーでは見せ場なく⑦着も、元々右回りでは手前を変えないなど能力を出し切れないタイプ。左回りに替わるのはプラスで、2走前には鳴尾記念(中京開催)で1年4か月ぶりの復帰戦ながらにジェラルディーナを抑えて重賞初制覇とこの年になって充実ぶりを見せています。最終こそ坂路での単走でしたが、中間は3週にわたり意欲的に併せ馬を消化し好時計をマーク。東京遠征もダービー③着時に経験済で、地味ながら今年のメンバーに入れば十分に可能性を見出せる1頭でしょう。

[2]④トラストケンシン(丸田)

良績は東京の根幹距離(1600/2000/2400)に集中しており舞台設定は良いのですが、本来ならばアルゼンチン共和国杯に出たかったクチで除外になってのJC参戦。OPでの良績は軽ハンデ時のものでもあり、このメンバーでまっとうに同じ斤量を背負わされると正直厳しいです。

[3]⑤[外]グランドグローリー(ギュイヨン)

昨年⑤着に気を良くしてか、陣営は引退を撤回しもう1年現役を続行。このレースの後は日本で繁殖牝馬としての繋養が決まっており、正真正銘今回がラストランです。

昨年のこのレースでは直線でコントレイルの進路をなぞるように脚を伸ばし0.8差の善戦を見せました。ただ、前半1000mが62.2というスローペースの中、向こう正面でキセキが一気にまくったことで残り1200m地点から11秒台のラップが続く大味な展開になり、ほぼ3角の位置取りで着順が決まったようなレースになりました。中団追走から垂れてきた先行勢を拾っての⑤着は額面通りの評価は出来ず、前走の凱旋門賞にしても最後方追走からバテた馬を交わしての⑤着確保。よほどの大雨が降らない限りは昨年以上を望むのは難しく。

[3]⑥ヴェラアズール(ムーア)

前走の京都大賞典(阪神開催)では内中勢をまとめて大外から差し切って重賞初制覇。稍重の阪神で33.2の末脚を繰り出せたのは驚異的で、このコースも2回走っていずれも上がり最速で③①着と、能力発揮に不安はありません。芝を使うようになってからは後方待機のレーススタイルで、今の東京芝で間に合うかという点は気がかりですがマークは必要でしょう。

[4]⑦[外]テュネス(ムルザバエフ)

ご存じの通り昨年の凱旋門賞馬トルカータータッソの半弟。ドイツで前走G1・バイエルン大賞を含む5連勝中と勢いに乗っていますが、いかんせん時計への対応が未知数。キャリア6戦のうち良馬場は1回(メイデンレースで0.4差②着)、特にここ4戦は重か不良で、前走のバイエルン大賞にしても不良の芝2400mで勝ちタイムが2.44.3。3走前の条件戦でも重馬場で2.35.8ですから、単純計算で10秒以上は時計を詰めないと勝負になりません。あのゲリラ豪雨のあった6/12でさえ重馬場で踏みとどまったほど水はけのよい府中で、この馬向きの馬場になるかと言われると厳しく…

[4]⑧デアリングタクト(マーカンド)

これまで海外でも長欠明けでも1秒差未満で戦績をまとめてきたこの馬が、ここ2戦は1.0差の敗戦と精彩を欠く現状。オールカマーもエリザベス女王杯もトラックバイアス等を言い訳にしているようですが、前走はウインマリリンの後ろを通ったうえで伸びなかったわけですからその理屈は成り立たないでしょう。「2400mは長い」という認識を示しながらここに使ってくるもの解せずで、刺激を求めての乗り替わりがプラスになれば…でしょうか。

[5]⑨ユニコーンライオン(国分優)

前走の福島記念が鮮やかな逃げ切り。前半1000mが59.4と決してペースに恵まれたわけでもなく、加えて最終週で差しの利くコンディションになっていたことも考えれば額面以上に強いレースでした。但し2走前の京都大賞典でも同様に逃げて直線でバッタリだったことも考えると、矢作師の言う通り「2400mは少し長い」という可能性があり、最後にもうひと脚が求められる東京も本質的には合っているとは言えずで。

[5]⑩ハーツイストワール(武豊)

前走のアルゼンチン共和国杯ではキングオブドラゴンのあおりを受けながら伸び直しての②着。ラスト3Fの勝負になった時に強く、前走時にも取り上げた通りまさに東京向きのタイプでしょう。ただその前走にしても鞍上がとっさの判断でがら空きの内に切れ込み進路を確保したおかげもあっての好走で、勝ったブレークアップもこれが重賞初制覇でメンバーレベル的には必ずしもここにつながるものではありませんでした。加えて、元々良く見せるほうではないとは言え最終追いも2歳未勝利馬にようやく併入といった感じで上積み自体も疑問符で、相手強化でどこまでやれるかでしょう。

[6]⑪カラテ(菅原明)

前走の天皇賞では中団のインを運び0.7差の⑥着。シャフリヤールとは0.1差、皐月賞馬ジオグリフには先着と大健闘を見せました。相変わらず坂路調教は良く動いておりさらなる上積みは期待できますが、マイルに近い東京芝2000mのコース形態からまっとうに4回コーナーを回る2400mへの距離延長はプラスとは言えずで。

[6]⑫シャドウディーヴァ(松山)

3走前のヴィクトリアマイルでは32.9の末脚を繰り出し0.6差の⑨着と、6歳を迎えた今年もパフォーマンスの衰えは見られません。但し2000mを超えると過去(0,0,0,4)と結果を出せておらず、相手も強くなるここでは。

[7]⑬テーオーロイヤル(菱田)

前走のアルゼンチン共和国杯はキングオブドラゴンのあおりをもろに受け、ブレーキをかける不利があっての⑥着。元々最後の3Fでしっかり脚を使いたいタイプなだけに再加速のロスは大きく、鞍上も言う通り「よく0.2差まで詰めてきたな」というのが感想です。今の東京はまだ内が活きており比較的フラットかつ上がりの速さが求められるコンディションであり、前目につけてひと脚、というこの馬の戦法が嵌る可能性は十分です。

[7]⑭ダノンベルーガ(川田)

前走の天皇賞では直線入り口で進路を探しながらの進出を強いられ、結果的にワンテンポ仕掛けが遅れたことでパンサラッサを捉えきれずの③着。皐月賞以降、枠や進路取りなどに恵まれないレースが続いていますが、ハーツクライ産駒で伸びしろを残しながら現状のパフォーマンスが出来ていると考えれば上出来でしょう。陣営は「ベストは2000m」という見解を示していますがここもタイミング一つで十分に守備範囲で、1週前に3頭併せを敢行したように状態面も問題なし。ここも最後は見せ場を作れるでしょう。

[7]⑮シャフリヤール(C.デムーロ)

昨年のこのレースではコントレイルの③着。ダービー馬に適性を疑う余地は本来無いはずですが、昨年は直線でコントレイルに並ばれた際に怯むような素振りを見せており、やはりあの時点で少々苦しくなっていたのかと考えるとベストは2400mではないと見ています。

前走の天皇賞では馬体の成長が見られない点が気がかり、という話をしましたが、結果的にデビューから+6kg456kgでの出走となりました。直線では伸びを欠き⑤着もハイペースを好位で追いかけるという難しい立ち回りのレースになったことに加え、当時も藤原英師が述べていたように仕上がり面の不安もありながらの一戦であくまで照準はここという使われ方でもありました。その点、上積みは期待できますが先ほども述べた通り距離が延びること自体はプラスでは無さそうで。

[8]⑯[地]リッジマン(石川裕)

社会情勢的に仕方ないのかもしれませんが、折角岩手から来るのなら地元から騎手を連れてくるべきでしょう。中央所属騎手を配して勝負気配…という理屈なら、戸崎、田辺、横山武といった面々が空いている中でなぜ石川Jなのかも解せません。出来は上向きとのことですが、元々中央時代の良績は2600m超に集中しておりステイヤーズSを勝ったのも4年前。2500m以下の重賞では当時も1秒以上負けており、無事完走が目標でしょう。

[8]⑰ユーバーレーベン(M.デムーロ)

前走の天皇賞は展開も向かず、手塚師も「距離が短い」と言う中で最後まで脚を使い0.8差の⑧着まで押し上げてきました。香港国際競走への登録もありましたが、最終的にはコース適性を重視してこちらへの参戦を決断したわけですが、この馬の勝ったオークスは後方で外を回した馬が圧倒的有利だったレース。メンバーレベル的にも当時の出走馬でその後古馬相手に勝った(条件問わず)のは3頭しかおらず、ソダシ以外の2頭は条件戦。掲示板を確保したハギノピリナ、タガノパッション。アールドヴィーヴルは条件戦すら勝ちあぐねるという体たらくで、3歳春の時点で牝馬が2400mを走るというのはあくまで「相対的なスタミナ」が問われるのみで、純粋な力比べではないということは明らかです。舞台が向くとはいえ流石にこのメンバーで勝負に持ち込むのは容易ではなく…

[8]⑱ボッケリーニ(浜中)

前走の京都大賞典では一度位置取りを下げる不利もありながら伸び直しての②着。距離延長によりゆったり入って溜めを作れるペースで好走できています。2走前の目黒記念は1000m通過が62.5でレース上りが34.4と、坂を2回上る東京芝2500mならではの特殊なペースになりこの馬の強みが嵌りましたが、本来は上がり勝負には持ち込まれたくないタイプ。かといって流れると末脚を溜められずで、これが2400mになると一気に上りが求められる舞台になりこの馬のウイークポイントが顔をのぞかせる懸念が。

<予想>
◎ヴェルトライゼンデ
○ヴェラアズール
▲ダノンベルーガ
△テーオーロイヤル
△シャフリヤール


■阪神12R/京阪杯 プルパレイ

かつて乗っていたデムーロJ曰く「レース中一度機嫌を損ねてしまうと一切鞍上の言うことを聞かない」ところがあるようで、須貝師からも「ここ最近はレースを止めている」とのコメント。ファルコンSを勝って以降は2桁着順が続いており、今回は距離短縮に加えクロッカスS②着時以来再びブリンカーを装着して臨む一戦です。

そこでこの馬の再生を託されたのが岩田康J。カツジ、ケイデンスコール等同じように3歳春の重賞で活躍しその後伸び悩んだ馬を見事に再生させた手腕は誰もが知るところ。この中間はプルパレイの稽古をつけ、坂路で追走から最後まで走り切るようしっかり追って52.2-11.9と上々の時計をマークしています。何より、土曜の11R・12Rと最内を突いた馬が②着に飛び込むなどBコース替わりの初週でインが活きており、先手を主張したい馬が数頭いる中で好位のインを確保したいこの人馬にとって絶好のチャンスと言えます。真面目に走りさえすれば力量は足りてよく、復活を狙うならここでしょう。


■阪神11R/カノープスS フィニステール

決め手に優れるタイプで、展開に左右されるものの末脚が活きる流れでは確実に走ってきます。ダート転向後の6戦で、前後半4Fの比較で前傾ラップだった時は①②①①着なのに対し後傾ラップの時は③⑦着。ラップの出来方はメンバーによるところもありますが、ダートの場合一番は「コース形態による特性」です。

阪神ダ2000mというのは4角奥の引き込み線からスタートし、ホームストレッチを目いっぱいに使って先行争いが繰り広げられます(京都・中京のダ1900mも同じ構造)。1800mのスタート地点から200m最初に直線を走る距離が長くなることから自ずから前傾ラップになりやすいうえ、最初と最後で2回坂を上るためゴール前は時計がかかりがちです。加えて今回はメイショウフンジン・メイショウカズサと先手を取りたい馬がおり、アメリカンシードなども加えてペースは流れそう。傑出した実績のオープン馬が居ないここであれば昇級戦でも。

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