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2022年12月25日日曜日

【12/25(日)予想】有馬記念の全頭評価とねらい目レース(中山7R)

■中山11R/有馬記念

[1]①アカイイト(幸)

この馬の好走は「まくりが決まるか否か」にかかっています。まくりの決まる条件としては「先行馬がバテる距離や展開」「外有利の馬場」「平均以上のラップ」が挙げられますが、それらが全て揃ったのが昨年のエリザベス女王杯と言えます。タイトルホルダーが引っ張れば中盤で必ず緩みますから向こう正面で仕掛けていく展開にできれば確かに良いですが、割と展開の向いた今年のエリ女でも0.7差④着。距離適性の都合上バテる馬の多い牝馬戦と違い、それなりに力のある先行勢の揃ったこの舞台で、それ以上に恵まれる期待は薄いです。

[1]②イズジョーノキセキ(岩田康)

前走のエリザベス女王杯はスタート直後に2回ほど挟まれ頭を上げるシーンが。直線でお釣りを残せず1.5差の⑩着でしたが、代役のルメールJが府中牝馬Sの再現よろしく中途半端に内にこだわった分、馬場の悪いところを走らされたことも災いしました。元々重馬場では(0,0,0,2)という馬でもあり、外差し展開もあり度外視できる敗戦でした。

その点今回は最高と言ってよい枠を引け、立ち回りの巧さを活かせるこのコースは向くはず。まくり勢の直撃を避け、ギリギリまで待って内を突くレースができればアッと言わせるシーンも。

[2]③ボルドグフーシュ(福永)

スタートに課題があり、追走力にも難がある現状につき中盤までのどこかで緩むパートが無いと厳しいです。故に2000m以下のレースでは終始緩まず脚を使えませんが、2200m以上のレースに絞ることで成績が安定しています。今回もタイトルホルダー以外に行きそうな馬が居ないため中盤で緩むことが想定されることから展開は向きそうで、あとはスタートの不利をどれだけ小さくできるかがカギになってきます。福永Jはテン乗りですが中間に2度騎乗しておりある程度の傾向も掴んだとのことで、後ろからの競馬にはこだわらない姿勢を示しています。スタートを決め好位のインで立ち回ることが叶えば、違った一面を見られる可能性もあるでしょう。

一方、今回が初の遠征競馬となる点は気がかり。父スクリーンヒーローの好走歴は東京・中山・札幌と近距離輸送か滞在競馬でのもので、同馬の産駒で現役最高賞金のウインマリリンも先日のエリ女・香港で好走するまでは遠征競馬で取りこぼし続けていました(それ以前に体調の問題も大きかったですが)。代表産駒のモーリス、ゴールドアクターも関西圏の出走が少ないながら良績は自ブロックに集中しており、雪による通行止めの影響を受け14時間ほどかかってしまった点がどう出るでしょうか。

[2]④アリストテレス(武豊)

集中力を欠く点があり、武豊Jの跨った3戦ではいずれも控える競馬を試みましたが⑨⑥⑰着。元々グレースアドマイヤの牝系は上りの速さよりタフさに強みを持つタイプが多く、2500mを走って最後に急坂という有馬記念の舞台は適性が高いはずです。それでも昨年の京都大賞典のようにかなり展開が向いた中でも勝ち切れなかったことを思えばG1でどうこうというレベルではないのですが、今回から着用するブリンカーの効果が大きいようでポジションが取れるとなれば鞍上込みで侮れない存在です。

[3]⑤ジェラルディーナ(C.デムーロ)

輸送障害の難を逃れ前日昼前に中山入りを果たした数少ない1頭。ここ2戦は正直馬場バイアスに乗っかっての勝利だと見ていますが、それをものにできるのはこの馬の機動力の高さ故で、真っ向勝負の舞台より紛れのあるこういうコースの方が相対的に走れるという部分もあります。

加えて心強いのが鞍上。クリスチャンJは今回の免許期間(約1か月)でエリ女を含む19勝の固め打ち。土曜日も3勝2着2回と高い馬質を確実に馬券にしています。但し今回の免許期間中に2回の騎乗停止を受けたため、制度上今回の免許期間(~12/28)の終了後1年間は次回の免許が交付されないことから実質的に来年は日本での騎乗が不可能となります。逆を言えば、今からどれだけ荒っぽい騎乗をしても騎乗停止を受けるのは2節後ですから本人にとってはノーダメージ。後先を考えない騎乗ができるという意味では最も怖い鞍上と言えるでしょう。

[3]⑥ヴェラアズール(松山)

前走のJCではペースが落ち着いた分、外を回していたら間に合わない可能性があった中でここしかない、という進路を見事に伸びてきました。その前の京都大賞典で末脚は証明済であったわけですが、やはり日本人ではあのような詰まり覚悟の進路取りは出来ないですからムーアJの起用は大正解だったと言えるでしょう。故に東京や阪神の外回りのようにしっかり末脚を使える舞台でこそ力を発揮でき、中山では5走前にサンシャインSで③着と取りこぼしているように本質的に間に合いません。一昨年のように良い時の松山Jであれば中を割ってくる騎乗も期待できますが、トリッキーな中山でそこまで器用なレースができる馬ではそもそも無いだけに。

[4]⑦エフフォーリア(横山武)

闘争心を呼び戻すためブリンカーを着けて臨んだ前走の宝塚記念も見せ場を作れず⑨着。この中間も2週にわたり3頭併せの中で追われ、調子自体は春よりは良いという陣営コメントであるものの、直前の追い切りに跨った鞍上からは「以前の姿を求めるのではなく、現状を受け入れたい」という後ろ向きな談話も。実績馬にとって気持ちの問題は身体よりも大きく、併せてファイトバックしてこない現状を見ると復活にはまだ遠く。

[4]⑧ウインマイティー(和田竜)

好走歴のほとんどは牝馬限定戦で「牝馬の中では2000m超に対応できる体力がある」という点から相対的に着順を上げている側面があります。京都大賞典の③着も、④着以下は正直G3レベル以下のメンバーが揃う中で差し勢としては内を進めた分の好走で、この馬自身の力で着をもぎ取った印象は持てませんでした。ここはメンバーも強く、他に恩恵を受けられる馬も多いだけに。

[5]⑨イクイノックス(ルメール)

血統的には中山で走れておかしくはないのですが、高いパフォーマンスを見せたのは東京コース。ダービーでは距離もあってか最後止まりましたが、前走の天皇賞(秋)では32秒台の鬼脚で歴史に残る差し切り勝ちを見せました。ただ、有馬記念に求められるのは「中距離向きのスピード」というよりは「上手く立ち回れる機動力」なわけで、皐月賞のパフォーマンスも考えると急坂の中山+距離延長は必ずしもプラスではないでしょう。自分の競馬をして直線でどこまで、というタイプにつき頭固定の買い方はしにくいかと…

[5]⑩ジャスティンパレス(マーカンド)

前走の菊花賞では好位から前を捉えきれず③着でしたが、4角でビーアストニッシドとディナースタが壁になり一度ブレーキを踏むロスがありました。ロングスパートを身上とするこの馬にとって加速を遮られるのは痛く、最後ボルドグフーシュに差し返されたのもスムーズに脚を使えなかった分と見ます。

昨年のホープフルSで掛かりながらも②着したように、早目の進出からタフさが求められる中山コースは向いており、前走からの距離短縮ローテで折り合い面の心配もありません。初騎乗となるマーカンドJも好位を取って運ぶ構えを見せており、この馬の良さを活かせる騎乗をしてくれるはずです。実績面は一枚劣るも舞台適性はピカイチ。輸送をこなせれば一発も。

[6]⑪ラストドラフト(三浦)

この秋はオクトーバーS、アルゼンチン共和国杯と2度使われいずれも0.2差で②⑤着。冬場に調子を上げる馬らしく体調は上向きですが、最近は展開頼みの部分が強く中山では間に合わない可能性が高いです。仮に脚を使えたとしても、他にも末脚自慢はいっぱいいるだけに。

[6]⑫ポタジェ(吉田隼)

馬場の良いインを通って押し切るタイプで、ここ2戦は苦手な瞬発力勝負に持ち込まれ良いところを出せず。イン有利の馬場は良いのですが、この枠からだとポジションを取るのに苦労しそうです。

[7]⑬タイトルホルダー(横山和)

やりにくいパンサラッサが居ない分スンナリハナは叩けそうで、そうなると菊花賞や天皇賞(春)のように中盤でしっかり落として逃げ込みを図るラップが刻めるでしょう。尋常に考えれば昨年以上が見込める舞台ではありますが、前走タフな馬場を走った影響がどこまでかは推し量るのが難しいところです。中間も入念に乗り込んではいますが、相手は基本的に格下で併入・先着して当たり前というメンバー。加えて今回はアカイイトがまくり戦法を示唆しており、タイミングによっては直撃を受ける可能性もあり最後の最後で止まる可能性も考える必要があると見ます。

[7]⑭ボッケリーニ(浜中)

切れる脚が無い分スローの決め手比べは分が悪いですが、かといって道中が流れると脚を溜められず。流れにくく上がりのかかる中山2500m自体は合うのですが、過去中3週以下の連続遠征の経験が無く、調教負荷自体も前回が併せ馬だったのに対し今回の最終は単走。前走以上を見込めない臨戦過程で相手強化となると?

[8]⑮ブレークアップ(戸崎)

前走のアルゼンチン共和国杯はキングオブドラゴンのアクシデントをうまく避け、緩んだ中盤区間でしっかり溜めを作れた分もあり後続を完封。戦前、手綱を取った田辺J曰く距離適性は半信半疑のところもあったとのことでしたが、ここに来ての成長を感じるレースでもありました。一方、好位を取れるかがカギとなる馬で4角4番手以下なら(0,0,1,4)。先行争いの上では最悪の枠を引いてしまったとも言え、強力な同型もいるここでは。

[8]⑯ディープボンド(川田)

タイトルホルダーの項で述べた通り、アカイイトの早仕掛けがあったとすればタフなレースになりこの馬の強みが活きる展開になる期待はあります。但し、この枠を引いてしまった以上その際にまくりの直撃を受ける可能性が高く、ここからインを取るのはいくら川田Jと言えど難易度は相当高いはずです。

<予想>
◎ジャスティンパレス
○ジェラルディーナ
▲イクイノックス
△タイトルホルダー
△ボルドグフーシュ
△アリストテレス
△イズジョーノキセキ


■中山7R クリノパイソン

デビューが3歳秋にずれ込み、園田でデビュー2連勝ののち中央転入という変わり種。連続騎乗の秋山稔Jが徐々に手の内に入れており、使われながらレースぶりが良化しています。前走は前半が64.6という超スローペースを中団から脚を伸ばして0.6差の④着しており、息を入れながら運べるこのコースも合うタイプ。ポジションを取りたい馬が何頭かいるメンバー構成で展開も向く期待ありで穴に。


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