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当ブログは、広尾サラブレッド倶楽部株式会社様のご厚意により、同倶楽部の所有する競走馬の写真及びWebサイト記載情報の転載許可を頂いております。

2023年6月25日日曜日

【6/25(日)予想】宝塚記念の全頭評価とねらい目レース(花のみちS)

■阪神11R/宝塚記念

[1]①ライラック(M.デムーロ)

3走前に同じ舞台のエリザベス女王杯で②着同着。元々まっとうなキレ勝負では分が悪い一方で、昨春にはスターズオンアースを抑えてフェアリーSを制したように急坂で上がりの掛かるコースで良績を残しています。宝塚記念は極端なハイペースにならなくとも上りが35~6秒かかることも珍しくなく、直線の短いこのコース形状も合っていますが、やはり惜しむらくは極端な内枠を引いてしまったこと。ここからだと下げて外を回すしかなく、展開に加えて隊列次第と他力本願な点は否めずで。

[1]②カラテ(菅原明)

前走の鳴尾記念では折り合いこそ問題ありませんでしたが、直線で終始前が詰まってしまい⑨着。当然それが無ければもっと着自体は上に来られたでしょうが、問題はコーナーリング。コーナーに差し掛かるたびにフラフラとした挙動を見せており、あまり得意ではない様子。それを裏付けるかの如く、未勝利以外の勝ち鞍は全てワンターンのコースで挙げたもの。重賞2勝も何れも新潟芝2000mで、コーナー4つの右回りという条件は実力より先に立ち回りの課題が付きまとうだけに。

[2]③ダノンザキッド(北村友)

2走前の大阪杯は中山記念の駐立不良があり当週水曜をゲート再審査に費やさなければならず、異例の調整過程からの③着。そもそもその原因を作った中山記念時は陣営も「気合がみなぎっている」と太鼓判を押すほどの調子の良さだったわけですが、この馬はみなぎっている時ほど空回りするタイプ。実際に休み明けではパフォーマンスを落としており、連戦で適度にガス抜きがされている時の方が好走できます。今回は中7週と間隔を開けられたことに加え初の2200m戦とあって、折り合い面の不安が大きく。

[2]④ボッケリーニ(浜中)

間隔を開けてきた方が走れるタイプで、中2週での続戦でいつもじっくり乗られるのにこの中間は速い時計がたったの2本だけ。流石に斤量も相手関係もきつくなるここでは。

[3]⑤イクイノックス(ルメール)

前走のドバイシーマクラシックで先行策という新境地を拓き、もはや展開のアヤで取りこぼす可能性すら潰す走りを見せました。一見資格は見当たらないものの、強いてあげればこの時期に走れるかどうかという問題。父キタサンブラックは生涯で二度1秒差以上の大敗を喫していますが、ダービーに17年の宝塚記念と何れも暑い時期のレース。陣営も「有馬記念ほどではない」と状態が最高ではないことを認めており、つけ入るスキが無いとは言い切れません。

[3]⑥スルーセブンシーズ(池添)

中山コースで2連勝。前走の中山牝馬Sでは距離短縮による時計対応が課題でしたが、出遅れながらも取りついていき最後は1頭だけ33秒台の脚を使う完勝でした。ドリームジャーニー産駒らしく急坂コースへの適性は高く、産駒出走数が少ないためコース実績自体は振るいませんが本来血統的には阪神2200mという舞台は合っているはずです。この中間は2週前から栗東入りし、最終追いはCW単走で50.2-11.2と好時計をマーク。併せていたらどれだけの時計が出たのかと考えれば出来は非常に良く、一瞬の脚を上手く活かせれば大物食いの可能性も。

[4]⑦プラダリア(菱田)

古馬になってから③③⑤着と見た目崩れてはいませんが、特に日経新春杯と目黒記念は前半が62秒と緩みながら切れる脚を使えずの敗戦。青葉賞当時の得意パターンに該当しても勝ち切れない現状を考えるとここでは荷が重く。

[4]⑧ヴェラアズール(松山)

路線転向後の4勝は何れも阪神外回り・東京と大箱コースでのもの。器用さに欠け小回りコースでの立ち回りに課題を残すうえ、直線向いてからのギアチェンジで勝ってきた馬だけにこのコース替わりはプラスではなく。

[5]⑨ジャスティンパレス(鮫島駿)

前走の天皇賞(春)は先にやった先行勢が続々と脱落し、立ち回りが上手く行ったのが大きかったです。直線向いてから11秒台が続くところでしっかりと加速に対応できたのも収穫で、ステイヤーとしての資質を感じる勝ち方でした。このレースはディープインパクト産駒が苦戦していますが、この馬自身はキレ勝負に弱く「ディープ産駒らしくない」特性の持ち主。トリッキーなコース形態への対応には課題を残しますが、菊花賞同様に先行勢が坂下でばらけるような展開になればロングスパートで対応できる余地も。

[5]⑩ディープボンド(和田竜)

持久力勝負が見込まれる舞台では常に押さえが必要で、昨年のこのレースもハイペースを3番手で追いかけての④着と地力を見せました。流石に今年はそこまでのハイペースにはならないでしょうが、前に行きたい馬が多く仕掛けは早くなりそうでバテ合いにもつれ込んだ時には浮上の目も。

[6]⑪ジェラルディーナ(武豊)

馬場バイアスを味方につけての好走が多いですが、現状2000m以下では流れが速く取りたい位置が取れない問題があります。前走の大阪杯でも理想から2列ほど後ろの運びになってしまい間に合わなかった感じの⑥着で、距離延長となるここは位置取りも改善でき、勝負どころで馬群がばらけそうなのも好材料。あとは伸びどころを伸びてくれば良いわけですが、ここ数年は京都開催が無い分馬場荒れの進行がきつかったのですが今年はそれも無く概ね良好な状態を保てており、昨日のストークS(芝1400m)もよどみなく流れた割には4角1~3番手が③①②着と上位を独占。いつものパターンで勝ち切るには馬場の面でのアシストが足りないという印象です。

[6]⑫アスクビクターモア(横山武)

前走の天皇賞(春)は序盤に先行していた馬たちが総崩れとなる流れで、この馬も下がってきたタイトルホルダーのあおりを受けた影響こそありましたが3角で脚を失くし⑪着。速いラップを刻んで押し切る形が理想でやはり本来は中距離馬でしょう。不良馬場で進んでいかなかった2走前の日経賞も含め近2走は度外視でき、気を遣わずに運べるこの距離に戻れば見直しは必要でしょう。

[7]⑬ジオグリフ(岩田望)

ドレフォン産駒はこの現4歳世代が最初ですが、月齢ごとの成績を見るとここに来ての上昇を見せており、成長力が伺えます。


上記の通り、クォーターごとの成績では4歳に入り2Q連続してハイアベレージ。全体の6割超がダートではありますが、芝でもパーセンテージの上昇具合はほぼ一緒で、米国産馬にありがちな2歳時に完成される早熟タイプとは一線を画しています。ジオグリフ自身はご存じの通り皐月賞でイクイノックス等を封じてG1勝利を挙げており、ここ3戦は海外遠征+ダート使いで参考外と言える臨戦過程。ノドの問題があり全幅の信頼を置けるタイプではないですが力は認めてよく、見かけの着順で人気を落としているなら要注意です。

[7]⑭ブレークアップ(川田)

ここ2戦は長距離戦に転じて③④着と好走していますが、本来純粋なキレ勝負では分が悪いだけに上りが求められない舞台は向いています。ただ今回はそれなりに位置を取りたい馬が多く、この枠からだと位置取りを下げてしまう懸念があり間に合わない可能性が大きく。

[8]⑮ユニコーンライオン(坂井)

一昨年は順調に使えていた中で、最内枠から他に主張する馬も無く逃げられての②着。今回は同型が多いうえ早仕掛けとなる展開が見込まれ、直線までヌルく逃がしてくれるほど楽な流れにはならなさそうで。

[8]⑯モズベッロ(角田河)

2走前の新潟記念で絶好の不良馬場ながらカラテに1.8差千切られての④着。既にこのクラスで通用する力はないと見ます。

[8]⑰ドゥラエレーデ(幸)

4走前の東京スポーツ杯2歳Sでは早目の流れを④着と踏ん張りましたが、次走のホープフルSでは前半が61.5と緩んだうえ、11秒台に入ったのは最後の3Fのみ(それでも11.9-11.2-11.9)。実質最後の3Fだけ頑張ればよいレースを勝ったにすぎず、59秒前後の流れが想定されるここでは流石に勝手が違うかと。

<予想>
◎スルーセブンシーズ
○ジャスティンパレス
▲イクイノックス
△ジェラルディーナ
△アスクビクターモア
△ディープボンド
△ジオグリフ


■阪神10R/花のみちステークス ワイドカント

全3勝は何れも阪神のダート1400m・良馬場で行われたレース。良馬場かつ出入りが激しくなく砂を被らずに運べるレースが理想で、なおかつ外枠を引ければベストという馬。5走前にピッタリの条件がそろった天王寺Sでは差し決着を5番手から運び0.4差④着と好走しており、今回はメンバー構成的にも極端に速くはならなさそうで前残りの目は十分と見ます。

2023年6月24日土曜日

【6/24(土)予想】ねらい目レース(天保山S、東京2R)

■東京2R コルニチェロ

この時期の未勝利戦はいわば「負け残り戦」で、理屈としては走れは走るほどレースレベルは下がり勝利に近づきます。裏を返せば、いくら近走成績が良くてもそれはメンバーレベルに助けられていることが多く、この力関係を逆転できるとすれば「間隔があいているがハイレベルなメンバーを戦ってきた馬」となります。2月の東京戦以来となるコルニチェロですが、その新馬戦は2~5着馬が既に勝ち上がり済とそれなりのレベルの中での⑥着でした。勝ち馬とは3.1差、⑤着馬とも1.1差であり、⑦着以降が未勝利であるためこの馬が勝てる方に属していたかの判定は微妙なところですが、明らかにレースをわかっていなかった風の走りで最後はデムーロJらしく流し気味の入線でした。一度レースを経験したことでの前進は十分に見込め、血統的にも距離は長めがよさそう。いずれ勝ち上がるでしょうが、妙味を狙うならここでしょう。


■阪神11R/天保山S メイショウダジン

前走の欅Sでは道中砂を被り続けるストレスフルな競馬になり、直線でも終始前が開かずまともに追えたのはゴール前100m程度。それでもルコルセールやケイアイロベージと言った人気馬を競り落としての④着は十分に評価できます。元々は一昨年の日本テレビ盃でも③着と好走しておりこのクラスでもやれる力はあるだけに、OP実績のない上がり馬が人気するメンバー構成なら台頭十分でしょう。

2023年6月18日日曜日

【6/18(日)予想】ユニコーンS・マーメイドSの注目馬とねらい目レース(東京12R)

■東京11R/ユニコーンS サンライズジーク

このコースは2戦2勝と得意にしており、大敗したレースは小回り、芝などはっきりした敗因があります。4走前のくすのき賞や前走の兵庫CSの負け方を見る限り、現状では右回りのコーナーワークに課題を残す模様でこの条件替わりはプラスでしょう。時計短縮に課題を抱える馬も多い中1分35秒台で勝ち切った経験も魅力で、ここは見直し必至です。


■阪神11R/マーメイドS サンカルパ

折り合い面が課題で、2000m戦は4走前の紫苑Sで0.7差⑨着があるのみ。ただこの時は向こう正面でモロに掛かってしまった分で、トライアルレースの特性上仕方のない面はあります。対してここはポジションを取りたい馬が多く道中の運びはやり易くなるはずで、こうした「相手が強い方が都合の良いタイプ」こそ格上挑戦の軽ハンデで狙いたい馬です。


■東京12R サトノレギオン

前走の中京戦は中間軽めの調整を余儀なくされ⑬着大敗。しかし当時の②④⑤⑨着は次走で即勝ち上がっており、レベルの高いメンバーが相手でした。立て直されたこの中間はウッドで負荷をかけられ調子に問題は無く、2走前までこのクラスで⑥②④⑥着と既に目途は立てている状態。人気は3歳勢に譲っても、キャリアの少ないこの馬の上昇余地は十分と見ます。

2023年6月17日土曜日

【6/17(土)予想お休みします】

なかなかこれといった妙味馬が無く、今日は大人しくすることとします。

2023年6月11日日曜日

【6/11(日)予想】エプソムC・函館スプリントSの注目馬

■東京11R/エプソムカップ ヤマニンサンパ

昨年1勝クラスを勝った後、一段飛ばしで飛鳥S(3勝C)を制しOP入りした変わり種。しかしながら弟に2戦2勝のヤマニンウルス、妹のヤマニンアンフィルは昇級初戦で(0,2,0,0)ときょうだいそろって昇級即力を出せるタイプです。2走前、昨年のエプソムCではゲリラ豪雨明けで終始馬場の悪い内側に押し込められ⑦着、前走の関越Sでは故障馬のあおりを受けブレーキを踏み⑧着とチグハグですが、何れも0.5差に纏めており着差ほど力量の差は無いはずです。10か月半ぶりの実戦がどうかですが、坂路オンリーの調整はいつものことで最終追いはわざわざ杉原Jが跨り坂路で加速ラップを踏む好内容。人気上位は適性距離が1Fずれていると思われる馬が多く、渋って外差しのバイアスが出てくるならば全3勝を今回と同じワンターンの1800mで挙げているこの馬の見せ場があるでしょう。


■函館11R/函館スプリントステークス ヴァトレニ

阪神メインの三宮S(OP)に出走するメイクアリープは幸Jがデビューから7戦すべてで手綱を取り(4,2,1,0)とパーフェクトな成績。目下3連勝中と快進撃を続けるさなか、幸Jはこちらを選択しメイクアリープは古川吉Jに乗り替わりとなります。幸Jと言えばJRA史上2人しかいない通算22,000回騎乗を達成する働き者(もう1人は武豊J)で有名で、1日12R騎乗もザラ。そんな幸Jが通算で18回しか騎乗経験が無く明日もこれを含めたった3鞍しか乗らない函館に遠征に来たのも、2走前に北九州短距離Sを制したヴァトレニとのコンビで重賞を獲りに来た本気度の現れと見てよいでしょう(もちろん先約だったのでしょうが)。開幕週の函館はインに馬が密集しがちなのに加え、雨が残り例年ほど速くはならなさそうで1分8秒前後の時計に対応できれば間に合う計算。夏場に好走歴が集中するタイプで調子も上向いており、外目をスムーズに運べれば勝機も十分です。


2023年6月10日土曜日

【6/10(土)予想】ねらい目レース(函館日刊スポーツ杯、水無月S)

■函館11R/函館日刊スポーツ杯 アルムファーツリー

初勝利はこのコース、その後の2連対は芝の稍重以下という戦績で時計の掛かる馬場は得意なタイプです。ここ3戦はダート1800m戦を使われ大敗続きですが、再び好走歴のある条件に戻ってきた格好に。函館は開幕週ですが雨が残り、ただでさえ洋芝で時計の掛かるところにクッション値7.3というかなり柔らかい芝コンディションにつき高速決着は見込め無さそうで、1分9秒前後でも間に合う決着になればこの馬の台頭余地も十分です。


■阪神11R/水無月S メイショウドウドウ

父ヴィクトワールピサはオールウェザーのドバイWCを制しましたが、国内では皐月賞・有馬記念と中山でG1を2勝。然るに急坂のあるコースの方が得意なタイプで、平坦コース(福島・新潟・京都・小倉)では(1,1,0,13)なのに対し急坂コース(中京・阪神)では(2,8,2,18)と複勝率4割という走りを見せています。阪神替わりはプラスですし内枠に控えたい馬が多く揃ったここは楽にインも取れそうで、得意舞台で一変は十分可能と見ます。

2023年6月4日日曜日

【6/4(日)予想】安田記念の全頭評価

■東京11R/安田記念

[1]①ナランフレグ(丸田)

前走の高松宮記念はスタートで寄られ位置を悪くしてしまい、それでも直線ではよく追い上げて④着。遠征競馬を苦手とする宗像厩舎でこの成績は評価してよく、マイルでの勝ち星はないものの昨年のこのレースも0.4差⑨着と善戦しており通用するだけの末脚はあります。これで雨が残れば食い込める余地も十分に見えましたが、土曜の午後から天気は回復。府中の水はけを考えれば良馬場開催は避けられず、まっとうな切れ味勝負となるとこのメンバーでは。

[1]②メイケイエール(池添)

前走の高松宮記念は見せ場を作れず⑫着。馬場も合いませんでしたが、それ以上に問題なのがビルドアップにより抑えが効かなくなっている点。今年に入ってから調教で猛時計を連発していますが、調教に跨った池添J曰く「筋肉がより発達し、コントロールがより難しくなった」とのことでこれまでどうにか抑えが効いていたところがもう人間の力ではどうしようも無くなっている状況を示唆しています。武英師も万策尽きたとばかりに当週は時計を出さず「今回は気分良く行かせる」作戦で臨むとコメントしており、暴走させて直線どこまでお釣りを残せるか、というレースになりそうです。

[2]③ジャックドール(武豊)

デビュー以来2000mにしか使われておらず、今回が初のマイル戦。とはいえほぼ同じ形態の東京芝で(2,0,0,2)のオール掲示板と安定しており、ワンターンのレースに不安はありません。前半4Fが47秒未満になると(0,0,0,2)で速い時計の勝負に一抹の不安は残るものの、メイケイエールが暴走して乱ペースになると2番手集団のラップは意外と落ち着くことが予想されます。強引に逃げたパンサラッサを好位からとらえた昨年の札幌記念のように、特殊な展開になった際に最もその利を受けそうな存在ではあります。

[2]④セリフォス(レーン)

2走前のマイルCSでは外差し有利の流れを悠々と大外を回して差し切り。展開だったり馬場の良いところを走れた恩恵はありますが、あれだけのロスを負ってでも勝ち切れてしまうというのは想像以上に強かったと言えます。敗れたレースにはすべて理由があり、6走前の朝日杯FSはスタートで後手、5走前のNHKマイルCは外差し決着で内を突いた分、4走前=昨年のこのレースはスタート直後に寄られ宥めるのに時間がかかりエネルギーをロス、前走のドバイターフは初の1800m戦でした。馬群に包まれると制御不能になるリスクもあり、昨秋は控えて大外を回す安全策で連勝。東京コースは回復途上ですが、特に雨上がりの晴天時は外から乾く傾向にあるのも好材料。乱ペースになっても距離短縮となる今回は自分のレースが出来ればおのずと勝機でしょう。

[3]⑤ソダシ(川田)

前走のヴィクトリアマイルはロータスランドを行かせて2番手を追走。大外枠のスタートながらしっかりと折り合い精神面での進境を見せた一戦でした。キレイな跳びで同じ良馬場でも雨が降る中の悪化段階と晴天の良化段階では後者の方が良いタイプで、阪神JF以降は前半3Fが34秒台まで速くなれば(4,2,1,0)と純粋なスピード争いは望むところ。初の中2週を克服できればチャンスは十分です。

[3]⑥ダノンスコーピオン(M.デムーロ)

32秒台の脚は持っていないタイプで、前走の京王杯SCはキレ負けしての⑪着。上りは掛かった方が良いタイプにつき馬場が回復すると出番は遠のきそうです。

[4]⑦ガイアフォース(西村淳)

前走のマイラーズCが初めてのマイル戦で②着。スタートで後手を踏む展開も、小倉2000mでレコード勝ちした実績が語る通り下り坂から直線平坦でトップスピードを維持するレースになり流れが向きました。戦前杉山晴師が「京都のきれいな馬場を走らせたく、天皇賞かここかの二択だった」と語っていた通り、マイルがどうこうというよりはこういうコースで適性があるということでしょう。流石に東京コースとは求められる適性が違うだけに、前走の好走を以てマイル適性があるかどうかは判断できません。

[4]⑧ドルチェモア(坂井)

前走のNHKマイルCは道中バランスを崩したこともあり流れに乗り切れず⑫着。ルーラーシップ産駒らしくスピードが求められるレースの方が力を出せますが、最後の3Fがずっと11秒台になるレースは未経験。ここは胸を借りる立場でどこまで…でしょう。

[5]⑨シャンパンカラー(内田博)

前走のNHKマイルCは流れを見て控える判断をした内田博Jの好騎乗に尽きます。あれが出来るなら当日の馬場なら間違いなく走れたはずで、何ら不思議のない勝利でした。このコースで3戦3勝という成績が示す通りヨーイドンの展開になれば確実に末脚は使えますが、問題はメイケイエールが暴走してなし崩し的に脚を使わされる展開になった時です。中山コースの2戦で取りこぼしているように早目に動きだすと案外で、久々にG1を制した鞍上がここを辛抱できるかにかかっています。

[5]⑩ソウルラッシュ(松山)

極端に速い時計が求められない限りはコンスタントに走れており、前走のマイラーズCにしても1分31秒台の勝ちタイムの中0.1差③着と高速決着への対応力を見せました。一方で使える上りに限界のあるタイプで、昨年の安田記念は上位馬が軒並み32秒台の末脚を繰り出した中で33.3の脚で⑬着。キレの差がそのまま着順に直結したと言ってよく、馬場が回復すればするほど好走圏内から遠ざかるだけに。

[6]⑪イルーシヴパンサー(岩田望)

昨年のこのレースで1番人気に支持されるも終始前がつかえて⑧着。それでもまともに追えない中で上がり最速タイの32.6の脚を使っており、ソングラインから0.2差まで迫った末脚は東京向きの適性を見せました。前走の中山記念はコース形態を気にしてという事情もあったのでしょうが、中途半端に位置を取りに行った上直線でやはり詰まり通しで⑧着。距離延長で溜めを作るのはたやすく、捌ける岩田望Jに戻るのは好材料。前が開いて能力全開ならここでも引けは取らないはずで。

[6]⑫ナミュール(横山武)

前走のヴィクトリアマイルは向こう正面での不利もそうですが、雨中で上滑りする馬場も合っていなかった印象です。良馬場で巻き返しは可能と見ますが、一方でこの馬は長くいい脚を使うというよりは一瞬のキレを活かしたいタイプ。故に枠順が成績を左右しかねず、1桁馬番で(3,1,1,0)に対し2桁馬番だと(0,1,0,4)。メイケイエールの暴走で乱ペースが予想される中では脚の使いどころは相当難しいはずです。

[7]⑬レッドモンレーヴ(横山和)

前走の京王杯SCは初めての1400m戦にも対応し、上り32.6の脚を使っての差し切り勝ち。エアグルーヴ一族らしく良績が左回りに集中しておりこの舞台は問題ないのですが、ここ2戦ともゲート内での駐立が怪しく後手を踏んでいる点は気がかりです。この中間はレース間隔が詰まることも考慮して芝コースで最終追いを敢行。坂路が閉鎖されている影響もあるのでしょうが、これまで中2週の臨戦でもウッドで追われていたことを考えると状態維持が目的の調整過程はプラスではなく、テンションの面からも懸念材料です。

[7]⑭シュネルマイスター(ルメール)

前走のマイラーズCは1分31秒台の高速決着を制し1年半ぶりの勝利。元々当時のメンバーで31秒台の勝ちタイムを持っているのはこの馬だけという背景もありましたが、常々指摘されてきた「右回りで手前変えない問題」を乗り切っての勝利は見た目以上の価値があります。この中間は2週連続でウッドでマイネルファンロンに先着しており、何れも最後の1Fが11秒台前半を刻んでおりゴールに向かって加速するこの馬の持ち味が出せる状態になってきました。前半が暴走ペースになってG前で掛かる流れになれば一昨年のNHKマイルCの再現とばかりに間に合う可能性も十分です。

[7]⑮マテンロウオリオン(横山典)

最近は溜めても出してももう一歩パンチを欠く現状。昨年のNHKマイルCでは大外ぶん回しての②着がありますが、このメンバーでそれをやるなら32秒台の脚が必要です。現状では東京向きの上がりを使えるイメージは描きにくく。

[8]⑯カフェファラオ(浜中)

2度の芝参戦は何れも1番枠を引いて⑨⑰着。被されると嫌気を出す面がありこの枠は良いのですが、結局この馬の好走パターンはそこそこの位置からひと脚を使うレースで、過去7勝は何れも4角10番手以内の位置取りでした。内目のポジションを取ると被される懸念があり、一方で外を回せばロスが大きいうえ直線で外に出したい馬は他にも多くいるだけに、シュネルマイスターやセリフォスの後ろから差してくるとなると32秒台の脚を使えるギアを持っていない限り流石に現実的な話ではなくなってしまいます。

[8]⑰ウインカーネリアン(三浦)

逃げなくてもレースは出来るタイプですが過去11連対は全て4角3番手以内でのもので、流石にこのメンバーでこの枠を引いてしまうと2~3番手というポジショニングは望めそうになく。

[8]⑱ソングライン(戸崎)

前走のヴィクトリアマイルはソダシの内を掬っての差し切り。先に抜け出すとソラを使う一方で以前は怖がりな面があり囲まれるとパニックになるため乗り方は相当難しかったのですが、ここに来ての心身の成長を窺わせるレースぶりでした。しかしながらヴィクトリアマイルを勝って中2週で臨むこのローテーションはアーモンドアイ・グランアレグリアでさえも②着が精いっぱい。中間もしっかり負荷をかけられているのは良いですが、さらに強い相手が立ちはだかる舞台でどこまで。

<予想>
◎セリフォス
○シュネルマイスター
▲イルーシヴパンサー
△ソングライン
△ソダシ
△ソウルラッシュ
△ジャックドール

2023年6月3日土曜日

【6/3(土)予想】鳴尾記念の注目馬

■阪神11R/鳴尾記念 マイネルファンロン

昨秋以降は調子が戻らず大敗を続けていましたが、この中間は昨春以来のCW51秒台をマークするなど良い頃のものに近づいてきました。併せ馬は2週連続して遅れてはいるものの、いずれも相手はシュネルマイスターでしたから仕方ありません。相手が揃ったように見えますがこの馬も昨年の宝塚記念⑤着の実績馬で、上位人気にG1実績のある馬も少ないここでなら十分に伍せるはずです。