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2023年11月12日日曜日

【11/12(日)予想】エリザベス女王杯の全頭評価

■京都11R/エリザベス女王杯

[1]①ブレイディヴェーグ(ルメール)

4戦すべてで最速上りをマークしており、前走のローズSはスタート決まらなかったうえ3角で挟まれる不利もあった中32.9の脚を繰り出して②着。ほぼ直線だけでレースをしたものですから、京都2200mコースが合わないことは無いでしょう。ただこれまで十分な間隔を取られて使われてきたところ今回は最短の中7週での臨戦で、そのパフォーマンスの高さ故1戦1戦の消耗が激しいことは想像に難くなく体調面の不安が考えられます。おまけにこれまでの2勝が何れも東京という点からも見える通り器用さに欠けるうえ、取りこぼした2戦が何れも4/13番、5/17番と何れも内目のごちゃつく枠を引いてしまった時。最内の1番枠を引いてしまったのもマイナスで、ルメールJの手腕を以てしてもどこまでリカバリーできるかは展開や運の要素が大きく、軸として信頼に足るタイプではないでしょう。

[2]②ルージュエヴァイユ(松山)

ごちゃつくのを嫌ったり折り合いが難しかったりと気を遣って走らなければいけない馬で、4勝を挙げているとはいえ壁を作りたいタイプの戸崎Jとの相性は必ずしも良くないと考えます。ここ2戦は東京1800mの重賞でいずれもテン乗りの鞍上を迎え連続②着。ここでの手替わり自体は問題無いでしょうが、過去距離延長時は(0,0,0,3)と全く走れておらず、唯一の遠征経験も愛知杯で1.8差の⑫着大敗。内枠+距離延長でコーナー4つの京都コースというのは流石にマイナス要素が多すぎます。

[2]③ハーパー(川田)

牝馬3冠で④②③着と世代ナンバー2の地位を築きつつあります。この馬自身は好位から粘り強く脚を遣わせた方が良いタイプで、直線向いてから脚を遣わせるルメールJとの相性は良くなかったと考えますが地力と成長力で毎回好走を続けてきました。今回4戦ぶりに川田Jに手が戻るのはプラスで、本来の勝負根性を引き出せる騎乗ができるでしょう。ただ1週前にコースで一杯に追われていたここ3戦と違って、遠征も無いのに2週にわたって坂路で馬なり調整という点では前走以上は望みにくく。

[3]④ローゼライト(和田竜)

前走の新潟牝馬Sでは前半62.7と比較的ゆったり流れた中を先行したにもかかわらず、後方待機勢に交わされ③着。京都含む平坦コースは向いていますが切れる脚が無く、重賞で力比べとなると根本的に向いていないでしょう。

[3]⑤イズジョーノキセキ(岩田康)

府中牝馬Sを勝っての参戦だった昨年は主戦の岩田康Jが天皇賞でお行儀の悪いレースをして騎乗停止だったためルメールJが代役騎乗しましたが、内へのこだわり方が中途半端だったうえ雨の中馬場の悪いところを走らされてしまい⑩着大敗。手綱が戻った有馬記念では2番枠から④着に好走しており、乗り方ひとつでこのクラスでもやれる力は示しました。しかしその後は5戦の内4戦が2桁馬番、唯一1桁馬番を引けたのは距離不足のヴィクトリアマイルで、5番枠を引いた今回は久々に好走できる条件が整ったと言えます。特筆すべきはこの中間の動きで、1週前にウッドで速めをやり最終を坂路で仕上げるルーティーンは昨秋の好走時以来。その1週前のウッドでは4Fを51.5でまとめながら最後の2Fで11.4-11.3と極上のキレを披露。今日は終始低い気温でしたが、リニューアル効果か水が順調に抜けて良に回復。今日も降雨の心配はなさそうで、良馬場回復なら一発の期待は十分です。

[3]⑥ディヴィーナ(M.デムーロ)

母のヴィルシーナがそうであったように、駄目なときはトコトン駄目ですが良い時は連続して好走できるタイプです。特にデムーロJに手が替わってからは別馬のような好走を続けており④②②①着とついに重賞を制するまでに。調教での動きの良さは今に始まったことではありませんが、好位を取れるようになりスムーズなレースが出来ていることが好走に繋がっており、血統的にも2200mは守備範囲。今の勢いなら押さえる手も。

[4]⑦ジェラルディーナ(ムーア)

昨年のこのレースでは馬場の悪い内を避けてのコース取りも冴えての勝利でしたが、2走前の宝塚記念では早目に動いた中で唯一の掲示板となる④着。イクイノックス、スルーセブンシーズと0.2差と考えれば改めてG1級の力量を示したレースでした。ただ、この時にしても昨年連続好走したレースにしても阪神・中山と急坂コースでのもの。調教時計自体は出ているもののレースでは昨年ほどの終いのキレを見せられてなく、平坦の京都に替わる点はプラスでは無さそうで。

[5]⑧シンリョクカ(木幡初)

賞金がギリギリ1700万のオープン馬につき、「出たい」レースより「出られる」レースを優先せざるを得ない現状。前走の府中牝馬Sは終始落ち着きを欠き伸びきれずの⑩着で、馬体増自体は成長分も精神面に課題を残しました。オークス⑤着の実績はあれど最後の脚は他の上位勢とは差があり、同世代の体力比べでは相対優位も古馬も含むとまだパワー不足と言った現状です。

[5]⑨アートハウス(坂井)

骨折明けで8か月ぶりの実戦。この中間はウッドで負荷をかけられており、元々体質的に続けて使えないタイプで気性的にも久々は苦にしませんが、この距離延長に対応できるかが鍵です。母からのゆかりのある血統にもかかわらず川田Jがこちらに乗らないという点でも割引は必要で。

[6]⑩ククナ(浜中)

キレはするものの使える脚が一瞬で、だらっと流れる長距離の条件戦か、小回り平坦でインを突く七夕賞のようなレースが得意です。この枠は必ずしも良いとはいえず、外回りコースに替わるのもプラスではなく。

[6]⑪ライラック(戸崎)

以前は気性面の問題から後方待機のレースをせざるを得ず、故に最後に前が止まる急坂コースや重馬場で良績を残していました。しかしながら前走の府中牝馬Sでは5番手を追走し最後も良い脚を見せ③着。これまでと違った姿を見せました。精神面の成長もそうですが、しっかり馬群の中で我慢をさせられる戸崎Jと手が合っていたとも言えます。連続好走できないタイプなのは気がかりですが、1週前に49.6-11.8と抜群の動きを披露。出来なら十分に勝負になってよく、噛み合えば昨年以上も。

[7]⑫ゴールドエクリプス(岩田望)

斤量的にだいぶ恵まれたはずの重賞2戦でいずれも0.6差をつけられ④③着。使える脚の限界も見えた格好で、京都コースは合ってはいますが過去距離延長ローテで(0,0,0,2)といずれも結果を出せていない点からもここでの強調は難しいです。

[7]⑬サリエラ(マーカンド)

前走の新潟記念は挫石明けの復調途上で、ゲートの駐立も怪しくスタートが決まらず⑦着。サロミナ一族らしく揉まれるのもマイナスだったはずで、ルメールJが馬の不調時に見せる「馬群に突っ込ませる形で促していったレースぶり」からも完全に参考外の一戦でした。立て直された今回、外枠を引けたこともあり当然見直しは必要ですが、過去最終調教で(3,0,0,0)となっている「最終が南Wで3頭併せ」ではなかった点(しかも外を回されたククナに後れを取っている)、また積極先行タイプのマーカンドJが溜めるレースができるのかという点で、持てる能力は認めてもここで全開を望むのはまだハードルが高いと見ます。

[8]⑭マリアエレーナ(三浦)

前走のオールカマーではタイトルホルダー、ゼッフィーロにタイム差なしの④着。外枠ながら割とラチに近い位置を取れたことも幸いし、この馬が得意とするしっかり壁を作ってのレースが出来ました。相手関係からはここも期待は出来ますが、圧倒的に遠征競馬の経験が少ない三浦Jが引き続き跨るという点と、本来暑い方が調子の上がるタイプで気温の低下はパフォーマンスにプラスでない分、引き続きの外枠のハンデを跳ね返せるかは不透明です。

[8]⑮ビッグリボン(西村淳)

ルーラーシップ産駒らしく馬場が渋ると力の出せないタイプで、重馬場で行われた前走の京都大賞典は度外視できる敗戦でした。ただこの馬の場合牝馬同士の中距離戦でスタミナを活かしての好走が得意で、上級戦で求められるキレに欠ける分平坦の福島牝馬Sでは伸びきれず②着と取りこぼしています。インが壊滅している状況ならまだ外を回ってのバテ合いで何とかなりますが、そこまでではない現状では恵まれる可能性は低いです。

<予想>
◎イズジョーノキセキ
○ライラック
▲ジェラルディーナ
△サリエラ
△ハーパー
△ディヴィーナ
△ブレイディヴェーグ

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