近5年の紫苑Sの③着以内馬は何れも「坂のあるコースの勝ち鞍がある」馬たちでした。例えば人気どころで言えばリンクスティップなんかはきさらぎ賞②着も含めて連対は京都のみ。桜花賞③着、オークス⑤着の実績は疑いようはないものの、何れも直線で伸び負けていたことを考えればそもそもの切れ味に加え坂への適性という点で疑問符が付くところ。デムーロJの大味な騎乗が嵌るタイプでもあり、一転して最内枠&トリッキーな中山コースを考えると全幅の信頼は置きにくいです。一方ジョスランは中山で新馬勝ちしているものの、4F52秒-5F65秒というドスローを2番手から押し切ったまででフラワーCで伸びきれなかったあたりはやはり急坂適性に疑問符。エストゥペンダもカーネーションCまでさんざん取りこぼして前走の新潟で圧勝した内容からは平坦向きで、その他の該当馬も夏に平坦の1勝クラスを勝ってきたりドスローを押し切ったのみで強調材料に乏しく、それならば阪神芝2400mの未勝利戦を勝ち上がったセイキュートの可能性に賭けたいです。
前走の矢車賞は少頭数で目標にされた分もあっての②着。とはいえ0.1差先着を許したタガノアビーはオークス③着馬で仕方のないところでした。ここ2戦は積極策で活路を開いており、距離と折り合いを気にして控えたい馬が多くなるトライアルにおいて前に行けるのは強みになります。津村Jも前への意識の高いタイプで、ノーマーク先行が叶えば粘りこみの目も。
■阪神11R/セントウルステークス ジャスティンスカイ
今年は2年ぶりに阪神の開幕週で開催され、純粋なスピード勝負への対応が問われるレースになりそうです。時計の比較で言えば1200mの日本レコード(1.05.8)を持っているテイエムスパーダが断然ですが、当時は48kgを背負いノーマークの逃げが叶ってのもの。同馬にしても一昨年のこのレースを勝って以来1200mでは7回走ってすべて1秒以上負けており、今更この距離でどうこうという状況ではないと見ます。とすれば浮上するのが昨年の鞍馬Sを1.06.9で制したジャスティンスカイになります。
ここ2週は坂路で好タイム。直前にポリトラックや芝コースを取り入れることも多い友道厩舎にしてはしっかり負荷をかけられており、春にモルガナイトSを勝った時の動きに近づいています。前走のCBC賞はイン有利の展開に加え、左回りでいまいち伸びきれなかった分もありました。現状得意の右回りに戻って見直せるタイミングと見ます。
■中山8R ナムラジミー
中山では④④①着と堅実なのに対し東京では⑧⑪着。前走の青竜Sも脚抜きの良い馬場で前が止まらずのシンガリ負けでしたが勝ち馬とは1.2差。当時②着のプロミストジーンや⑥着のシュラザックが即2勝クラスを勝っていることからも水準級のメンバーだったと言え、ここは前走で現級入着馬が4頭しかいないメンバー構成。得意舞台に戻っていきなりから。