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2022年1月9日日曜日

【1/9(日)予想】シンザン記念の全頭評価とねらい目レース(新春S、ポルックスS)

[1]①ビーアストニッシド(岩田康)

 デビューの中京戦ではスタート直後から頭を上げるなど若さが目立ち、半ば中井Jも持っていかれるような形でハナに立ちお釣りを失くしての③着。案の定2戦目から岩田康Jに乗り替わって勝ち上がり+重賞②着と格好をつけていますが、勝った2走前もかなり口向きが悪く直線ではノーステッキでの辛勝。前走の京都2歳Sは距離を気にしてか他の馬も深追いせず前半5Fは62.8のスローペースで、だいぶ楽に逃げさせてもらった分もありました。折り合い面を考えれば距離短縮はプラスですが、ペースアップと最後の急坂は楽ではなく。

[2]②ラスール(ルメール)

 新馬戦は労せずしてインの好位を取れた分もあり過信はできませんが、0.9秒ちぎった③④着馬がいずれも次走で勝ち上がっている点からも一定の評価はできる内容でした。その前走は前が開く前から追い始めていたように、エンジンの掛かりに課題がありそうで距離はもう少し長い方が良いタイプと見ますが、再度好枠を引けたここはスンナリ先行からしっかり脚を使えれば牡馬相手にも引けは取らないと見ます。

 2月で定年を迎える藤沢和師ですが、実はシンザン記念への出走は過去2回しかなく(18年ファストアプローチ④着、20年サンクテュエール①着)、関東馬、しかも牝馬の参戦自体異例とも言えます。ただこれは昨今の2歳戦の整備に伴い、早めに賞金を確保しクラシックに直行する上では丁度良い時期であることも作用しており、牝馬の場合は桜花賞前に遠征を経験させられるという点も大きいと見られます。マイルで賞金加算するなら関東馬の場合牝馬同士のクイーンCがありますが、最近は有力関西馬が逆に遠征経験を積ませるために参戦するケースも増えており決して相手が易しいわけでもなくなっています。実際に一昨年のサンクテュエールもシンザン記念を勝った後は桜花賞に直行しており(⑥着)、賞金加算の算段を持っての西下と言えるでしょう。

[2]③ソリタリオ(C.デムーロ)

 モーリス産駒らしくややもっさりとしたところがあり、キレ勝負だと分が悪い現状。2戦目以降はスタートが安定し好位につけられていますが、今回そこそこ同型も揃った中でスタートにリスクを抱えるクリスチャンJの起用はプラスとは言い難く。

[3]④ジャカランダ(幸)

 芝では未勝利。前走の万両賞では後方のイン→直線で外に出す理想的なコース取りで運ぶも、同じような位置にいたマテンロウオリオンに全く抵抗できず0.7差の⑤着。相手も強くなるここはプラス評価できる要素が見当たらずで。

[3]⑤アールチャレンジ(団野)

 掛かるところがある上使える上りに限界があり、バテ合いになった2走前は最後まで走り切れたことが最大の勝因と言える内容。レースの上りが37秒くらいになってこの馬の末脚でも間に合うようになれば良いですが、天候も展開も恵まれうる余地は無さそうで。

[4]⑥カワキタレブリー(松山)

 前走のデイリー杯は出脚を使わず、先行争いが落ち着いて区間ラップが12秒台に緩んだ残り1000~600mで上手く差を詰め、直線でもガラ空きの最内を進んで7頭立ての③着を拾いました。バテないものの現状では流れ込むだけのレースになっており、ここも掲示板が現実的な目標にはなるでしょう。

[4]⑦シーズザデイ(鮫島駿)

 新馬戦は恵まれたというほどではありませんが、最後の1Fで1.5秒も時計がかかっており完全に脚は止まっていました。右にもたれる面も左回りでは不安要素な上、距離延長もプラスとは言い難く。

[5]⑧ウナギノボリ(吉田隼)

 現状左回りのマイルが合う馬で、スタートからスムーズさを欠いた2走前のデイリー杯は参考外。但し得意条件で走ったサウジアラビアRCでサンデーR勢に水をあけられた上その上位勢は次走の重賞で良いところが無く、そこから一回り下の評価となると重賞でどうか?という疑念は残ります。

[5]⑨レッドベルアーム(川田)

 前走の東スポ杯は向こう正面でまともに掛かってしまい参考外。いかにもレッドファンタジアの牝系という若さを見せている現状故距離短縮はプラスですが、ではまともに走った時にどの程度か?と言われると、好位のインをロスなく運んだ新馬戦が進路が出来ても伸びが案外という内容で評価の難しいところです。最終追いも芝で54.0-12.1とおよそ追い切りとは言えないレベルの内容で、血統でどうしても人気してしまいますが今のオッズに見合う魅力は見いだせず。

[6]⑩マテンロウオリオン(横山典)

 新馬戦は出していっての②着。通ったコースの差もありますがやや止まり過ぎな印象で、思い切ってポツンした前走の万両賞はメンバー唯一の33秒台の上りを繰り出し①着。ペースが流れ溜めたことが奏功したうえ新馬戦の時に見せた右に張る面もマシになっており、周囲に馬のいない方が気分良く走れるのかもしれません。

 今回も隊列はすんなり決まりそうで、この馬に流れが向く可能性は高そうです。口向きを考えても左回りの方が良い可能性は高く、距離延長に対応できればチャンスはありそうです。

[6]⑪デルマグレムリン(武豊)

 デビュー戦は進路確保に苦労した分で脚を余しましたが、初勝利の2戦目は外伸び馬場に前傾戦とこの馬に展開が向いた分間に合った格好です。当時のメンバーからも即重賞級かと言われると疑問符で。

[7]⑫ジャスティンヴェル(西村淳)

 新潟の新馬戦で1200m戦にして0.9の大差をつけて圧勝して以降、ここ2戦は控えて案外な結果。謎を解くカギは「新馬戦での川田Jの騎乗」にあると見ています。

 ゲートの巧拙や出脚の速さ等「やってみないとわからない」部分の大きい新馬戦は、基本的に各馬出たなりのスタートを切らせて具合を計るのが一般的ですがこの馬の新馬戦はスタートから注文を付けてハナへ。直線に入った時点で既に5馬身ほどリードを取っていましたが、ここも通常の新馬戦なら手綱を緩めて消耗を抑えるのが常なのに川田Jは最後まで一杯に追って入線。その分0.9差の大差がついたレースでもありました。

 その川田Jは新馬戦後のコメントで「素直でないところがあるので、この馬の特性を活かすレースをしました」と語っており、スピードの違いでハナに立つこともありますがこの馬の場合はハナに行くのは「特性」を活かすための判断だったと言えます。加えて川田Jと言えば某媒体で「逃げは最後の手段」と語るほど逃げ戦法を嫌うジョッキーで、若いうちに逃げさせると折り合いに悪影響が出ることを懸念する立場を取っています。その川田Jがよりによって新馬戦で注文を付けてまで逃げさせるんですから(しかも1200m戦で)、推測ですがこの馬は他馬が前や周囲にいるとやる気を失くすなどの理由で「前に行かないと駄目」なタイプと見られます。

 そのくせ出脚があまり良くないので、ここ2戦の手綱を取った松山Jは出たなりで控える競馬をさせましたが思ったより伸びず。2走前のききょう賞の日、空いているにも関わらず川田Jが乗らなかったという点もこの馬の難しさを暗に示唆しているようです(しかも師匠である安田隆師の管理馬で)。今回は安田隆師も積極策を示唆しており、西村淳Jもギベオンの金鯱賞など過去の戦法にとらわれない積極的な乗り方のできるジョッキーです。ビーアストニッシドは必ずしも逃げなくてもレースはできる馬で、新馬戦のハナを叩けさえすれば一気の押し切りまで期待できるポテンシャルはあると見ています。

[7]⑬ショウナンアメリア(池添)

 3角で狭くなる局面のあった2走前は度外視できますが、その前2戦でマイルを使い②②着。デビュー戦は後方から脚を伸ばすも最後に脚色が同じになってしまった格好で、2戦目は前目のインを確保し絶好かと思いきややはり最後は脚が鈍っており、前走を勝ちきったことからも単純に1F長いと見られます。

[8]⑭モズゴールドバレル(坂井)

 新馬戦は1番枠から五分のスタートを決め、インの3番手で絶好の運び。前が開いて瞬時に伸びましたが脚の使いどころもドンピシャだった印象で、距離が伸びたり早めから追い出していて同じ脚を使えるかとなると半信半疑な。前回と変わって8枠からのスタートも課題となります。

[8]⑮セルバーグ(和田竜)

 デビュー戦、2戦目の京王杯2歳Sともにラップの緩んだタイミングで行きたがるところを見せており、ペースが流れるであろうこの舞台はレースはしやすくなりそうです。新馬戦は掛かりながらも勝ち切り、京王杯2歳Sでは直線で鞭を落とすアクシデントもありまだ全力で走ったことが無いという点では魅力ですが、デビュー戦のメンバーを考えればここでどこまで?

<予想>
◎ジャスティンヴェル
○ラスール
▲レッドベルアーム
△マテンロウオリオン
△ソリタリオ
△ビーアストニッシド
△セルバーグ


■中京10R(新春S) ハッシュゴーゴー

 前走の道頓堀Sは直線で詰まってしまい不完全燃焼。2走前の戎橋Sが好内容の上メンバーも揃っており、現級通用の素地は既に示しています。距離延長で中団のポジションが取れれば終いは確実に脚を使えるので台頭可能でしょう。


■中山11R(ポルックスS) メイショウワザシ

 行く馬がいないメンバー構成で、久々にマイペースの単騎逃げが叶いそうです。別定戦でハンデ差も小さく奇襲を仕掛ける馬も居なさそうで、ここ3戦はポジションを取れず負けている分人気も落ち着いており格好の狙いどころでしょう。

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