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当ブログは、広尾サラブレッド倶楽部株式会社様のご厚意により、同倶楽部の所有する競走馬の写真及びWebサイト記載情報の転載許可を頂いております。

2022年2月27日日曜日

【2/27(日)予想】中山記念・阪急杯の全頭評価とねらい目レース

■中山11R/中山記念

[1]①ソッサスブレイ(柴田大)

 重賞やハイレベル戦で惨敗し、舐められた格下戦でエアポケットに入り好走するのがパターン。コーナー4つの1800mは小差で走れていますがさすがに今回は開幕週でそう簡単に好位のインは取らせてくれないでしょう。

[1]②トーラスジェミニ(西村淳)

 前走跨った横山武Jも陣営もメンタル面の問題を指摘。その前走はブリンカー効果もあり行きっぷりこそよかったものの、直線で早々とやめるような形で失速。今回は直前の調教で3頭併せを真ん中から大きく追走し、一杯に追われ最後まで集中力を持続させることを念頭に置いて調整されています。思えば、安田記念⑤着や七夕賞①着時も逃げ馬を追いかける形で好走しており、今回は逃げたい馬が他に何頭かいることから好位のインを取れそうなメンバー構成。最後まで集中して走れる期待はあります。

 加えて、一杯に追われたことによる副次的な効果として馬体が絞れて出てくれば理想です。前走時にも紹介したようにこの馬はプラス体重で出ると好走した試しがなく、それが冬場の不振につながっていると考えます。幾らか暖かくなってきたうえ攻め馬強化となれば少なくとも±0以下では出てこられそうで、4勝を挙げる得意の中山に戻って注意は必要です。

[2]③ガロアクリーク(田辺)

 コーナー4回で息を入れられるか、ゆったり流れるメンバー構成で脚を溜めるレースで好走できる馬。前走のエプソムCはそれが望めないコース形態でもありましたが、本質的には先行勢が手ぬるくなるトライアル戦が合うタイプで、古馬重賞でそこまでペースが恵まれうることは稀で今回もまずスローにはならないだけに。

[2]④ヒュミドール(M.デムーロ)

 重賞となると前半4Fが50秒を超えるようなドスローか、外差し有利の先行馬自滅展開でしか来られていません。逆にパンサラッサとコントラチェックを他の馬も深追いするような展開になれば浮上の目はありそうです。今回は主戦の吉田豊Jがそのパンサラッサに乗ることもありデムーロJがテン乗りとなりますが、流れが向く前提でロスなく運べれば。

[3]⑤パンサラッサ(吉田豊)

 3走前にオクトーバーSを逃げ切ったコンビ再結成となりますが、この馬は急坂を苦手にしており本質的にここは合わないでしょう。加えて吉田豊Jは本来逃げを得意とする騎手ではなく、坂井Jが海外遠征に行っているための代打的な意味合いが強いですが、けれんみのない逃げで活路を開いてきたこの馬と手が合うとは思えず。

 ここで「菱田Jの代打」としなかった理由についてですが、恐らく菱田Jは降ろされたのだと思います。

 広尾TCの近況更新でも乗り替わりの理由には触れられず。菱田Jは小倉で騎乗がありそちらを優先した形ではありますが、今年はG1を目指すという馬がお手馬にいながらG1未勝利の騎手が重賞もない第3場の騎乗を優先するというのは尋常に考えてあり得ないでしょう。関西の騎手だからともいえますが、それならば先週のダイヤモンドSでテーオーロイヤルに乗りに来たことと整合性がつきません。

 降板説を裏付ける状況証拠として、昨年12鞍あった矢作厩舎への騎乗が今年はまだゼロ。元々代打的な使われ方が多いので誤差の範囲とも考えられますが、昨年1月に開聞岳特別で9番人気で穴を開けたホウオウライジンでさえその後の7戦で騎乗させてもらえず。結果を出しているパンサラッサですら乗せてもらえなかったとなると、ヴィクトリアマイルの時に説明したデムーロJを冷遇する理由と同様、何かしら矢作師の逆鱗に触れることがあったのでしょう。まぁ所属騎手の顔ぶれを見ていて真面目なタイプが好きなのは明らかですし(本人は逆なのに)納得と言えば納得ですが…

[3]⑥レッドサイオン(木幡育)

 元々450~460kgで好走していた馬が去勢を経て430kg台に。そろそろ1年半になるので馬体が戻ってきてからでも手を出すのは遅くないでしょうし、そもそもその当時でもOPでは通用してなかっただけに。

[4]⑦ウインイクシード(松岡)

 戦績こそ地味ですが、前走は連続開催の5週目、2走前はAコース4週目+外回り、3走前&5走前は不得意の重・不良馬場で、4走前の関越S②着も本来ならAコース4週目+外回りで不得意なところを地力で②着に残した内容でした。昨年③着が示す通りコーナー4つの開幕週は絶好の舞台設定で、飛ばす馬の影響で後続が控える流れになればこの馬くらいのポジションの馬にチャンスが出てくるでしょう。

[4]⑧マルターズディオサ(戸崎)

 田辺Jに手綱は戻らず。斤量条件は良いのですが、今回は控える競馬を示唆しており、紫苑Sのように同世代同士のバテ合いならまだしも古馬牡馬混合戦では恵まれうる可能性は低くて。

[5]⑨ゴーフォザサミット(北村宏)

 去勢放牧明け。9か月ぶりの実戦のわりには時計を出したのが3本のみで、いくら藤沢和厩舎と言ってもさすがに運動量が足りないと言わざるを得ません。

[5]⑩ルフトシュトローム(石橋脩)

 デビューからの3連勝はいずれも中山マイル。NHKマイルC⑤着以降の3歳秋からは末脚を繰り出せず流れ込むだけのレースが続いています。OPでも通用しない現状では協調できるポイントがなく。

[6]⑪カラテ(菅原明)

 前走の東京新聞杯は完調でなかった分の③着。もう一段出来が上であれば着を上げられた可能性もありますが、④着以下との差を考えても現状の実力どおりに走れたといえるでしょう。マイル超えは久々の挑戦ですが元々初勝利は2000mで、ペースが流れそうな今回は1Fの延長があってもマイルに近い展開になる可能性があり、この挑戦に合理性はあると見ます。但しやはりこの馬は不安なくビシビシやれた時の方が結果を残しており、続戦で手控えた最終追いの様子からも今回は一枚割引が必要かと。

[6]⑫アドマイヤハダル(横山武)

 本質的に東京ではキレ負けするタイプで、前走の白富士S②着もこの馬の適性を考えればよく頑張ったほうです。中山替わりは好材料ですがやはり3歳春の頃が最高打点でここでパフォーマンスを伸ばす期待は薄く、タバサトウショウ一族が軒並み早々と引退している点を踏まえても押さえまででしょうか。

[7]⑬ワールドリバイバル(津村)

 3走前のラジオNIKKEI賞は特殊馬場かつゆったり流れた分の恩恵もあり②着に残せましたが、元々5走前に重馬場のスプリングSで0.7差⑥着したように馬場が渋れば台頭が見込めるタイプです。内前が恵まれそうなコンディションではありますが、まっとうな良馬場では決め手に欠けるだけに。

[7]⑭コントラチェック(丸山)

 パンサラッサが注文を付けなければこの馬が行くでしょうし、距離短縮で最後までしっかり走り切れそうなのはプラスです。ゲートが開くまでわからない部分は大きいですが、行き切れば後続も深追いはしなさそうなだけにこの馬の持ち味が発揮できる公算は大きいです。

[8]⑮ダノンザキッド(川田)

 前走のマイルCSでは2走前の富士Sよりゆったり流れたにも関わらずしっかり折り合い、最後は33.0の脚を繰り出して0.2差③着の健闘を見せました。但し元々前掛りな気性ゆえ、距離延長となるローテがカギです。今回陣営は「今後のローテを占う一戦」と位置付けているだけに折り合わせようとするはずで、下手に抑えて掛かってしまうリスク(+ここで負けても賞金的には問題ない)を考えれば人気ほどの信頼は置けない場面と言えます。

[8]⑭ワールドウインズ(田中勝)

 栗東所属馬ですが遠征の方が力を出せる馬で、加えて気難しさ故逃げるか被されない位置取りが理想です。陣営は「出たなりの競馬」を示唆しており、外から被されるリスクは低いと考えます。但し開幕週で控えてどうかというのと、追い切りの動き自体は前回の方がよかっただけに、ひと叩きの変わり身という点ではまだ薄そうです。

<予想>
◎トーラスジェミニ
○コントラチェック
▲ダノンザキッド
△ウインイクシード
△ヒュミドール
△カラテ
△アドマイヤハダル


■阪神11R/阪急杯

[1]①トゥラヴェスーラ(鮫島駿)

 昨年の高松宮記念④着、京王杯SC②着と直近実績で言えば十分以上。それらレースの時にも紹介しましたが、この馬は「2週前からの意欲的な調教」「壁を作りやすい内~中枠」が好走のカギを握ります。

 先ず調教ですが、年始から入厩しじっくり乗られたうえで2週前に坂路で55.3-11.7、1週前には自己ベストとなる51.1をマークしラストも12.2とまとめており態勢は万全。そして枠は文句なしの1番枠。壁を作れないと行きたがるところがあるため、直線まで我慢させられる位置取りがキーとなるぶんこの枠は好材料です。

 但し、ここはあくまで次走への叩きであること、また昨秋の復帰予定を鼻出血(肺からのもの)で見送った経緯があるだけに、大きく勝負はしにくい局面ではあります。肺からの鼻出血はウオッカの引退の原因になったように再発の危険性が高く、レース中に発生すると出走停止のペナルティーも課されます。残念ですがノド鳴りなどと違い物理的な手術ができないため競走馬の性質上防ぎようがなく、いつ再発してもおかしくないリスクと隣り合わせということは意識して買わないといけません。

[2]②グルーヴィット(団野)

 この馬のベストは「左回り1400m」。今回は右回りに条件が変わり一歩後退するのと過去(0,0,1,3)と苦手にしている距離短縮局面につき、ここでは食指は伸びにくいです。

[3]③リレーションシップ(松田)

 2走前のスワンSで0.3差⑦着と健闘を見せましたが、当時のメンバーで次走好走したのはダノンファンタジー(阪神C③着)とギルデッドミラー(ターコイズS③着)のみ。掲示板に拡げてもホウオウアマゾン(マイルCS⑤着)、アイラブテーラー(京阪杯④着)しかおらず。格下戦に出た馬が多勢を占める中で物足りない成績で、メンバーレベル的に強調しにくくここでの通用の根拠には乏しいです。

[3]④ザイツィンガー(酒井)

 1400mはベストですが、展開的にも恵まれたはずの4走前の朱鷺Sでも0.4差⑤着が精いっぱい。好走要件は重馬場で最後の1Fが掛かる展開が理想で、良馬場の見込まれる今回は厳しそうです。

[4]⑤エイティーンガール(秋山真)

 前走の京阪杯は終始馬場の良いところを通れたうえ、2~3分どころが伸びないコンディションにあって先行勢がこぞってそこに集まったのも好都合でした。距離自体は経験がないだけでこなせる可能性はありますが、現状の馬場コンディションでは恵まれる可能性は薄いです。

[4]⑥リンゴアメ(国分優)

 1400m以上では3回走っていずれも1秒以上の大敗。得意の1200mでもOP特別で恵まれて掲示板がやっとという現状で、根本的に距離適性の面から推奨はできません。

[5]⑦ヴィジュネル(藤岡康)

 2走前にOP入りを決めた奥多摩Sは内前有利展開を利しての勝ち切り。関東の平場では信頼度抜群の戸崎Jにかかれば順当な勝利ではありました。今回は芝での先行競馬に不安を残す藤岡康Jへの手替わりで、この条件で控えて差し切るだけの決めても無いだけに…

[5]⑧サンライズオネスト(武豊)

 2走前のオーロCでは外有利展開を内前で運んで0.3差⑥着と健闘を見せ、距離を縮めて臨んだ前走のカーバンクルSは相手弱化の分もあり勝ち切れたというもの。OP級の実力は持っている馬でここもメンバー的に足りてもおかしくはないですが、距離延長局面では⑧⑪着と走れてなく展開と折り合いがカギです。何が何でも、という馬が居ないだけに…

[6]⑨タイセイビジョン(幸)

 古馬になってからスタートが決まらなくなっており、うまく馬群を捌けるか外差しなど展開が向くかしたときに浮上する近況。ただ展開が向いた2走前の京阪杯でも最後はエイティーンガールに差されたように本質的には決め手勝負に弱く、馬場バイアス的にも有利とはいえないコンディションで。

[6]⑩ダイアトニック(岩田康)

 前走の京都金杯はスムーズに前が空いた割に最後は伸びが鈍っての④着でしたが、やはりベスト距離から1F伸びた分もあったでしょう。得意距離に戻ってパフォーマンスを上げる期待は持てて当然ですが、調教ではしまいに11秒台を出す「岩田流」のトレーニングを施されながらレースでは前に行く予定というのは少しチグハグな気がします。絶好調だった4歳時と比べてキレ自体はさすがに鈍っているだけに、陣営の指示無視で控えると案外という可能性も。

[7]⑪ミッキーブリランテ(和田竜)

 近走は冴えませんが、元々スムーズに流れに乗りたい馬で1200m戦を使われ続けたローテーションのせいもありました。昨年年明けに大穴を開けたニューイヤーSも含め距離延長ローテでは④②①①④着と走れており、スムーズに外目を追走できるこの枠も好材料。今のコンディションで外を回して有利なわけではないですが、前進の目は合っても。

[7]⑫グレイイングリーン(岩田望)

 5走前のNHKマイルCでも評価していた馬なのですが、やはり1F長かったようで1400mを使って昇級。1勝クラスを勝った時に跨った松山Jも大トビである点を指摘しており、大箱コースの良馬場ならキッチリ走れてきます。加えて今回は外枠で取り回しに苦労することも無さそうで、ようやく重賞を勝った鞍上とともに強気に運べればここでも十分通用するはずです。

[8]⑬モントライゼ(藤岡佑)

 スピードの違いもあり、この馬がハナを切ることになりそうです。勝った5走前の京王杯2歳Sは実質1勝クラスのメンバーにつき参考にはなりませんが、元々北九州短距離Sを目標に仕上げられていたこともあり中間の動きは抜群。久々になりますが体は出来ており、自分の形に持ち込めそうなここなら見直す手も。

[8]⑭クリノガウディー(福永)

 元々良績は左回りに集中しているうえ、ゴリゴリの岩田仕様に仕上げられた後の福永Jというのは明らかにタイプが違う故…

<予想>
◎グレイイングリーン
○ダイアトニック
▲トゥラヴェスーラ
△サンライズオネスト
△ミッキーブリランテ
△モントライゼ


■小倉12R ネグローニ

 初勝利を挙げたのが昨夏の小倉芝1800mの未勝利戦で、当時も中2週での続戦でした。休み明けを2回叩かれ動きは良くなっており前回も惜しい④着。当時勝ったエンジェルサークルは昨日の昇級初戦をいきなり③着しておりメンバー的にも十分。間隔を詰めて良化を促すのは矢作厩舎の得意パターンで、ここも順当なら争覇権。

2022年2月26日土曜日

【2/26(土)予想】ねらい目レース(阪神4、伊丹S)

■阪神4R マイネルレノン

 気難しさがありごちゃつかない位置取りが理想。2走前の未勝利戦では2番枠ながらうまく先団がばらけたおかげでスムーズに運べた分の③着でしたが、前走は3角で外から進出してきた馬に前に入られやる気を失くし⑬着。元々このコースでの新馬戦でスタニングローズの0.6差⑤着しているように能力は確かで、一息入れた効果もあってか追い切りの動きも前走時からグンと良化。外目の枠を引けた今回は被されない位置取りから運びやすく、台頭余地は十分でしょう。


■阪神9R/伊丹S ヴォワドアンジェ

 既にこのクラスの牡馬混合戦で③②着がありクラスの目途は立てられている現状。このコースも2戦2勝と得意にしています。近走好成績の馬が多く人気が拮抗していますが、2、3走前だけ走れれば十分に伍せるはずで、前走で人気を落とすようならここは狙い時でしょう。

2022年2月20日日曜日

【2/20(日)予想】フェブラリーS・小倉大賞典の全頭評価とねらい目レース(大和S)

■東京11R/フェブラリーS

[1]①テオレーマ(ルメール)

 前提として牡馬混合のダート戦で伍せる牝馬というのは本当にまれで、大抵の牝馬は3勝クラスまではどうにかなってもそれ以上になると挙行数の少なさもあり壁に当たってしまいます。特にキレでどうにかなる短距離戦より体力勝負となる中距離戦でそれは顕著で、テオレーマにしても3勝クラスを勝ったのは小倉の1700mで不良馬場というスプリントに近い条件で前が止まる流れを追い込んだもの。Jpn1を勝ったとはいえ実質的に「牝馬限定5頭立て」のレースで、G1で前が止まるようなハイペースになってしまってはそもそも体力的に持たないでしょう。

 それでもそれなりに人気しているのが実情で、ひとえに鞍上と無関係ではないでしょう。但し、今回この馬にルメールJが乗ることになったのは「クロパラントゥに乗る予定だったので早々とカフェファラオを手放したが出られなかった(根岸S除外、バレンタインS⑮着で賞金順除外)」という特殊事情なのであって、本質的にこの馬の能力を見込んで…というチョイスではないはずです。

[1]②ダイワキャグニー(三浦)

 スンナリ先行できればしぶといですが、同じマイル戦でも芝と違ってダートは前に行きたい馬が多く揃いがちです。それが証拠に2走前の武蔵野Sでは同型3頭が共倒れとなる格好で⑧着。ダートが合わないわけではないと思いますが、中山1800mなどに出てきた時が買い時かと。

 加えて、この馬でエプソムCを含む3勝を挙げている内田Jが乗らないというのもマイナスです。実は内田Jはアナザートゥルースに騎乗予定で、賞金順で19番目だったためテーオーケインズ・マルシュロレーヌに加えてもう1頭回避が出れば出走できた状況でした。乗り慣れたダイワキャグニーではなくこちらの方がチャンスがあると踏んでいたわけで、主戦からの評価という点でもここでの通用可能性は見出しにくいでしょう。

[2]③インティ(武豊)

 年々スタートが決まらなくなっているのが課題。前走のチャンピオンズCでも案の定スタートで伸びあがりかけましたが、瞬時に武豊Jが手綱でコントロールし最小限に抑えました。内で速い馬がソダシ程度しかいなかったのもあり、理想的な位置を取れたことが好走につながりましたが本来スタートが決まりさえすれば元々あのくらいはやれる馬で、実力通りのレースだったといえるでしょう。

 但しやはり理想はハナで、その一方で陣営はハナにはこだわらない姿勢を鮮明にしています。それが加齢によるダッシュ力の衰えか、ゲート難からくるエクスキューズなのかは定かではありませんが、いずれにしても距離短縮で先行争いが厳しくなることはこの馬のベストパフォーマンスからは一歩後退する局面であることは否めません。

[2]④アルクトス(田辺)

 南部杯連覇が示す通り、左回りワンターンはこの馬のベストパフォーマンスを出せる舞台です。但しなぜかフェブラリーSは一昨年、昨年ともに⑨着。実際この馬が中央のマイル戦で勝った時は前半4Fのラップが47秒以上かかるレースで、フェブラリーSはここ2年46秒台で流れており先行勢受難のレースとなっています。しかしながら今年はスプリント戦でスピードで押し切ってきたラブバレットやマテラスカイのような馬が見当たらず、ペースは落ち着きそうなことからこの馬が走れるレンジに収まってくる可能性は高いでしょう。

[3]⑤レッドルゼル(川田)

 川田Jは常々「マイルは長い」と言ってきていますが、中央のダートG1は1600mか1800mしかないことを考えれば仕方ないですし、長年仕えてきた師匠の管理馬であり遠慮なくモノが言えるという側面もあるでしょう。前傾ラップの消耗戦ではおつりがなくなる懸念がありますが、ペースが落ち着けば昨年以上には走れる期待も。

[3]⑥カフェファラオ(福永)

 テオレーマの項で述べた事情により福永Jが初騎乗。ただこの手の乗り難しい馬は、誰が乗るかよりも手替わり自体がマイナスになる懸念があります。昨年の勝利は芝並みのハイペースで難なく折り合えたことも手伝ったとみており、得意の東京マイルに戻ってきたとはいえペースメーカーのいない今年は折り合い面の懸念が大きいです。

[4]⑦タイムフライヤー(横山武)

 前走の根岸Sでも述べましたが、出すと甘くなりかといって長くいい脚を使えるタイプでもないため好位から一瞬の脚で決めきるレースが理想です。根岸Sの⑥着は一見悪くないように見えますが、テイエムサウスダンをはじめ中団以降に構えた馬が上位に来られるスプリント寄りの一戦だったことを考えれば、芝マイルのG1ウイナーとしては本来もう少しやれてほしかったというのが本音です。引き続きの東京コースで進境は見込みにくく。

[4]⑧サンライズノヴァ(松若)

 松若Jが音無厩舎の所属として迎える最後のG1。重賞2勝を含む3勝を共にし、2歳時から騎乗してきた馬でもありますから思い入れもひとしおでしょう。松若Jと言えば、一昨年の高松宮記念で音無厩舎のモズスーパーフレアで優勝(2位入線も1位入線馬の降着による繰り上がり)しG1ジョッキーの仲間入りしたことは記憶に新しいでしょう。日本人騎手がG1を勝つ機会がめっきり減った昨今、JRA所属の平成(1989年1月8日以降)生まれでは松山J以来2人目のG1ジョッキーとなりました。先行・差しの別を問わず安定した成績を残せるタイプの騎手で、個人的にも積極的に買いたい一人です。

 それはさておきサンライズノヴァも今年で8歳。この条件がベストであることは言うまでもありませんが、中央場所ではもうワンパンチ足りないのが現状。3走前のJBCスプリントは金沢で吉原Jが跨ったチートの効果でもあり、ここは自分の走りに徹して連があれば…というのが現実的な目標になるでしょうか。

[5]⑨サンライズホープ(大野)

 シリウスSの時が非常に強い競馬だったのですが、その後チャンピオンズCまでの前にビルドアップした影響か調整が難しくなっている現状。元々マイルには良績がないうえ、追切にすら乗っていない大野Jに急遽乗り替わりとあっては、格好をつけるのが精いっぱいでしょう。

[5]⑩スワーヴアラミス(松田)

 前走の東海Sでは前が止まる流れを味方につけ、この馬のしぶとさを生かした勝利でした。馬の後ろに入れても怯むことなく走れているのは収穫で、昨年の夏以降の充実ぶりは目を見張るものがあります。但し芝を走っていたころも含めてマイルは初めてで、流石にG1となると簡単には前も止まりませんし、この馬以上に切れ味を持つ馬も多数いる故。

[6]⑪ソダシ(吉田隼)

 初ダートとなった前走のチャンピオンズCは数字以上にプレッシャーを受ける運びとなり⑫着に大敗。決してダートが合わなかったわけではないと思いますが、自分はそれ以上に気性面の危うさから本来のパフォーマンスを発揮できなくなっている点を懸念しています。今回も奇数番で先入れ。ゲート内でストレスを溜める懸念があり能力全開となるかは疑問符で。

[6]⑫[地]ミューチャリー(御神本)

 フェブラリーSには3年連続の参戦。そのいずれの年も前半4Fが46秒台と流れた中後方を進むも⑪着、⑦着。本質的にはマイル前後が良い馬ですが中央のスピード勝負にはついていけず、2走前のJBCクラシック制覇は吉原Jのこれ以上ない進路取りの賜物。自分のレースに徹してどこまででしょう。

[7]⑬ソリストサンダー(戸崎)

 前走の根岸Sでは前が塞がる時間が長く、一瞬空いたタイミングはありましたがそこで抜けられなかったことが敗因でしょう。ゴール後の感じからも脚を余した様子につき、これで続戦とくれば消耗が少ない分侮れない存在です。但し同じコースで行われ勝ち切った昨年の武蔵野Sとの比較で考えてもペースは落ち着きそうで、本質的にはローカル向きの瞬発力が持ち味故流れに左右される分押さえまででしょうか。

[7]⑭ケイティブレイブ(菅原明)

 陣営は一貫して好調をアピールしていますが、昨夏に長欠明けを叩かれてから走るごとに成績を落としています。9歳という年齢的にも既に上がり目を期待できる段階ではなく、内田博Jも捕まえられなかったここは参加賞狙いでしょう。

[8]⑮テイエムサウスダン(岩田康)

 前走の根岸Sでは控える競馬が奏功し鮮やかな差し切り。岩田康J曰く「マイルは持つと思っている」と距離適性には絶対的な自信を持っており、ここを意識して馬を作ってきたことが伺えます。

 但し、最近岩田康Jはこの手の馬が多くいるもののG1で結果を残した馬は皆無。クリノガウディー、カツジ、ケイデンスコール、ブラストワンピースと再生を手掛け一瞬輝きを放った馬は多いのですがその後が続かず。騎手なのか陣営なのか、どちらの判断かはわかりませんが結果が出なくなると乗ることもなくなってしまいます。テイエムサウスダンの前走の勝ちは道中が流れスプリント寄りの適性が求められた側面が大きく、ここにおつりが残っているかも含めて全幅の信頼は置きにくいタイミングと言えます。

[8]⑯エアスピネル(M.デムーロ)

 前走のチャンピオンズCの時に指摘した通り距離延長ローテを苦手にする馬でその前走は⑨着。一方距離短縮局面では(2,3,1,0)とキッチリ走れており、この成績には昨年のこのレース②着も含まれます。元々芝馬であり昨年と比較してペースが落ち着きそうなのは気がかりですが、芝スタートのワンターンは絶好の舞台。昨年0.1差に敗れたカフェファラオが当時ほどの状態でないことを考えれば、理想的なローテで来られたこの馬を重く取る選択肢はアリでしょう。

<予想>
◎エアスピネル
○アルクトス
▲ソリストサンダー
△レッドルゼル
△テイエムサウスダン
△カフェファラオ
△サンライズノヴァ


■小倉11R/小倉大賞典

[1]①アールスター(長岡)

 小倉は⑧①①④と新馬戦以外は崩れず走れていますが、長岡Jを乗せてそれ以外のコースでも着をまとめられていた昨冬と比べ明らかに直近でパフォーマンスが落ちている現状。一昨年の小倉記念を勝った時のような内を掬うやり方が通用しない今回はこの好枠も仇になる可能性があります。

[1]②ヴェロックス(菱田)

 大トビでキレイな馬場の方がよく、荒れ馬場のローカルコースはこの馬にとっては最悪の条件でしょう。馬場の良い外を回せれば、とも思いますがそれで面倒を見られるだけのキレは元々ない馬だけに…

[2]③レッドフラヴィア(津村)

 内に馬を置かずラチ沿いを走りたい馬で、4番枠より内を引いたときは(4,0,0,1)。今回は枠順は良いのですが内が荒れ放題で皆が「見えない内ラチ」を避けて走る展開につき、この馬の理想的なコース取りは難しい舞台でしょう。

[2]④ノルカソルカ(勝浦)

 マイルまでしか使われておらず1800mは初めて。ただ先行馬のわりに急坂コースを得意としており、全4勝のうち3勝が中京で1勝は中山。末脚勝負に持ち込まれると不利なタイプにつき、荒れ馬場+外差しの小倉は好走パターンからは遠ざかる懸念があります。

[3]⑤ダブルシャープ(酒井)

 転入後の4勝のうち3勝が小倉というコース巧者。再輸送となり、追い切りの動きは良くも悪くも変わらないという状態につきこの点が気がかりではありますが、最近では中団からのレースもできるようになり自在性が伺えます。早めに進出しロスなく追い出せればチャンスはあるでしょう。

[3]⑥スカーフェイス(団野)

 消耗戦を得意としており、ラスト200mが12秒となるレースに好走が集中しています。その点でいえば小倉でも1800mより2000mの方が消耗戦になる期待値は高く、このレースは前半が57秒くらいで飛ばす馬でもいない限りラストも11秒台で流れ込んでくるケースが多いです。直近の好走が阪神・中山に集中している点からも急坂コースの方が良さが出そうで、力量は通用可能でもオッズを考えれば様子見でよさそうで。

[4]⑦カデナ(泉谷)

 一昨年の勝ち馬。一瞬の脚を生かしたいタイプで小回りかつ平坦に条件が戻るのは有難いですが重馬場は得意ではなく、多少回復が進んだとしても稍重以下は確実な情勢につき…

[4]⑧ヴァイスメテオール(丸山)

 母シャトーブランシュは小倉での勝ち星があり、重・不良での実績も十分。この馬場を苦手にするタイプではなさそうですが、この馬自身は直線向いてからエンジンをかけるレースが合っており、4角からの加速を余儀なくされる小倉では最後まで脚が持つかの懸念があります。

[4]⑨トップウイナー(城戸)

 元々ダート馬であり荒れ馬場を苦にしないタイプであることは期待できますが、天候が回復し最低限まともには走れそうなコンディションになりそうで、後先考えずにぶっ放して漁夫の利を得る展開も期待できずで。

[5]⑩スーパーフェザー(浜中)

 5歳春に去勢し、昨春からは成績が安定。一時の折り合い難もマシになっていますが、ローカル回りが多く最近は小頭数のレースばかり。9頭立ての昨夏の小倉記念こそ鞍上のコース取りの妙もあり③着を確保しましたが、フルゲートのここはその難易度も少々上がります。うまく立ち回れるタイプが台頭しうるコンディションにつき押さえに入れますが。

[6]⑪アイスバブル(水口)

 昨夏の北海道シリーズで好走を見せましたが、いずれも馬群が密集し満足に追い出せないレースばかりでした。目黒記念②着の実績が示す通り本来は大箱でのびのび走りたいタイプですが、一方でレースの上がりが34秒台にまでなるようなキレ勝負には弱く、馬場悪化で消耗戦+馬群のばらけが見込まれる今の小倉は合っていると見ます。前走のアルデバランSは初ダートに加え59kgの酷量、+14kgと仕上がり途上のコンディションで大敗やむなし。中1週でも最終は坂路で併せ馬を消化し53.7-12.4と上々のデキ。乗り難しさ故調教段階から乗っている水口Jが手綱を取るわけですがコンビ6戦目、そろそろ結果を出したい局面です。

[6]⑫ランブリングアレー(藤岡康)

 中8週(2か月)以上の休み明けは(2,2,1,1)。唯一着外だったのは2200mを使われたオールカマーのみで、雪の中山でも重賞を勝っているように馬場コンディションは不問というタイプです。但し鞍上の藤岡康Jは小倉の芝1800mと2000mでは別人かってほどに成績が変わってしまいます。


 上記は2019年以降の近3年に絞った成績です。元々先行が得意な騎手ではなく、2000mでは最後に前が止まることから差し・追い込みで勝ち星を量産していますが1800mではそれが難しいという現状。ここは鞍上が不得手とする距離につき人気ほどの信頼は置きにくく。

[7]⑬サトノアーサー(荻野極)

 「ワンターン」「左回り」「1600~1800m」と好走条件はかなり限られ、前走の武蔵野Sで初ダートに挑戦するもシンガリ負け。今回は距離はよさそうですがコース形態の面で好走を望みにくい場面。但し、エンジンの掛かりが遅くなっている現状から助走をつけて追い込める小倉が合う可能性はあり、押さえには入れても。

[7]⑭ジェネラーレウーノ(柴山)

 前走は控える競馬を試すも良さが出ず⑭着。やはり先行策でこその馬ですが6歳以降は1秒以上、2桁着順の大敗が続いておりここも先行馬受難の馬場コンディションなだけに大望はし辛く。

[8]⑮ブラヴァス(西村淳)

 前走の福島記念の時に指摘した通り、まともに併せ馬ができないコンディションが続いており精彩を欠く近況。今回もポリトラックでの単走が2週続いており、本来のデキにはないという評価です。

[8]⑯アリーヴォ(横山和)

 ダートを使われた新馬戦と距離の長かった2走前の菊花賞を除けばオール3連対。特に小倉で(4,0,0,0)とコース巧者ぶりが光ります。特に前走の壇之浦Sは4角で狭くなるシーンがありながら直線で伸び直して快勝。戦ってきたメンバー的には強調できないものの、OP特別クラスの馬が揃ったここならいきなり通用の目もあるでしょう。

<予想>
◎アイスバブル
△ダブルシャープ
△アリーヴォ
△ランブリングアレー
△ヴァイスメテオール
△スーパーフェザー
△サトノアーサー


■阪神11R/大和S スマートアルタイル

 元々休み明けは走らない馬で、7か月半ぶりを叩いた前走のジャニュアリーSは度外視。それでも0.3差の⑦着と地力を見せました。昨春にこのコースで天王山Sを勝っており、人気どころに先行勢が多いメンバー構成も味方しここは台頭可能でしょう。

2022年2月19日土曜日

【2/19(土)予想】W重賞の注目馬とねらい目レース(背振山特別)

■東京11R/ダイヤモンドS カウディーリョ

 5走前の福島記念の予想コメントが以下。

 気持ちが入りやすく仕上がりが早い一方で、輸送距離の短い関東圏や滞在競馬の方が結果の出せるタイプです。本来来週の函館記念を予定していましたが賞金が足りない見通しにつき急遽こちらに参戦という事情で、前日入りで対策するとはいえ当日までのテンション維持に不安を残します。仮にそれだけ走れても昨年の夏2戦のパフォーマンスを見る限りここでは微妙な力関係で、1年近くの休養明けを予定を前倒しして使うという点もプラスには捉えにくく。

 その当時は結果的に0.3差の⑥着でしたが、前日までの雨が残る特殊な馬場状態で道中前目につけていた馬が上位に残る展開につき、それを道中4番手追走から着を落としたとなるとやはり遠征競馬は合わないタイプと推察されます。前走は中京を使われての0.4差⑦着、そこから東京に戻るのはプラスで、元々は19年の菊花賞でも0.6差の⑧着と健闘していた馬。加えて3場開催で騎手がばらける中デムーロJを確保できたのも大きく、力量差の小さいこのメンバーなら通用の目はあるでしょう。


■阪神11R/京都牝馬S ジュランビル

 前走のターコイズSが好内容。ミスニューヨークが大外一気を決める流れの中、先行勢で唯一掲示板となる0.5差⑤着。4角では一旦位置取りを落とし手が動くも、そこから抜群の手応えで前を捉えかけるシーンを見せました。一瞬の脚で決めたいタイプにつき阪神内回り+乗り慣れた松若Jに替わるのはプラスで、1200mがベストのアスタールビーが逃げる展開になれば先行勢はある程度かわいがられるはず。人気ほどの差はないでしょう。


■小倉9R/背振山特別 レヴォリオ

 転入2戦目。元々未勝利時代から休み明けは得意でなく、3か月半ぶりを叩かれた前走の0.3差⑥着は健闘の部類。中1週の続戦ですが、滞在で調整され単走ながら併せた前走時より動きも良化。鮫島駿Jは中央在籍時この馬で唯一連対したジョッキーで、再コンビで雪辱を期します。

2022年2月13日日曜日

【2/13(日)予想】京都記念の全頭評価とねらい目レース(共同通信杯)

■阪神11R/京都記念

[1]①タガノディアマンテ(幸)

 元々連戦ではパフォーマンスを落とすタイプで、古馬になってからは休み明けで好走→叩き2走目で凡走のパターンを繰り返しています。今回も約1年ぶりの前走中山金杯を④着しての臨戦ですが、その時からパフォーマンスを落とすと考えれば4歳勢の顔ぶれも揃っているここで着順を挙げる望みは薄いです。

[2]②マリアエレーナ(坂井)

 距離を伸ばしてから成績が安定していますが、条件戦時代は相手関係にも恵まれた部分があり2走前の新潟牝馬SにしてもおよそOPとは言いにくいメンバーの7頭立て。そもそも牝馬戦で2000m以上のレース自体が少ない中では単なる体力勝負になることも少なくなく、距離適性はここにあると思いますが牡馬を相手に重賞級の走りができるかと言われるとまだその可能性は低いと見ています。

[3]③エヒト(松田)

 前走久々の重賞挑戦となったアメリカJCCで0.7差の⑨着。道中は終始荒れた内を通らされ、直線では外に進路を求めるもいざエンジンがかかろうかというタイミングで前が塞がり半ばでブレーキ。不完全燃焼の一戦でした。阪神内回りで2勝を挙げているようにスローから一瞬の脚で決めきるレースが理想で、確たる逃げ馬不在の今回はこの馬向きのペースになることが期待できます。

[4]④レッドガラン(斎藤)

 前走の中山金杯は京都金杯を除外になり仕方なく2000mに使ってきた中で見事に折り合い快勝。それなりにハナを主張したり途中からまくり気味に進出した馬もいたことで、レース後半の溜めが作れ先行勢が崩れたことも大きいです。スロー必至の今回、さらなる距離延長となると克服は簡単ではなさそうで。

[4]⑤サンレイポケット(鮫島駿)

 勝ち切っているのは上りがかかった時で、昨秋の3戦はこの馬に向かない上がり勝負の中で毎日王冠⑥着、天皇賞④着、JC④着と大健闘を見せました。但し、特にG1の2戦はいわゆる「3強」が上位を独占したレースで、⑤着以下の馬は正直G2~G3レベルの馬たちなので得意の左回りで額面通り走ってきただけ、と考えることもできます。右回り、コーナー4つ、スローペースと不向きな条件が揃うここはパフォーマンスを落とす危険性をはらんでいます。

[5]⑥ユーバーレーベン(M.デムーロ)

 大箱でじっくり攻めるレースが向いており、東京芝2400mは絶好の舞台。前走のJC⑥着も自分の競馬に徹した分着を押し上げましたが、当時は53kgで出られていたことを考えれば今回はG1馬のため他の4歳牝馬より1kg背負わされてしまううえ、内回りコースも向いてなく。ドバイへの壮行戦として無理はできないと考えればここでその苦手を振り切るほどの本気を出し切る可能性は低いと見ています。

[5]⑦ダノンマジェスティ(和田竜)

 キレる脚が使えるタイプではないため好位から最後にちょっと差す、というレースで勝てた条件戦は良いですが重賞では決め手不足を露呈。前走の日経新春杯も比較的差し勢に展開が向いた流れを後方から運ぶも、止まった馬すら交わせずの⑩着。上りが必要なこの舞台での台頭は難しいでしょう。

[6]⑧ラーゴム(池添)

 昨春以来の酷さは脱したものの、やはり気性難との戦いで今回も単走オンリーの調整過程。前走の中日新聞杯は中盤の緩んだ区間で折り合いを欠いたことが敗因とされていますが、勝った2走前のアンドロメダSもペース的には大差なかったことを思えば、それでも何とかなる相手関係だったか否かというのが着順を分けているとみられます。今回は距離延長に加えスロー必至のメンバー構成につき、スムーズに折り合えるかと言われると疑問符で。

[6]⑨ジェラルディーナ(福永)

 前走のチャレンジCは道中折り合いを欠いた分の④着。この馬の全4勝はいずれも1800mで、距離延長+道中がかなり緩んだ分もあって抑えきれませんでした。1600mでも取りこぼしていたことを考えれば現状では1800m専用機と見られ、さらなる距離延長がプラスに出るとは思えず。

[7]⑩レッドジェネシス(藤岡康)

 調整が難しい馬ですが今回は毎週CWでの併せ馬を消化しており意欲的な内容。但し本来は叩いてからの2走目が走り頃の馬で、特殊馬場の2走前の神戸新聞杯②着を除けば休み明けは2回走っていずれも着外。開幕集の阪神では最後の1Fがかかる得意の展開も見込めずで。

[7]⑪アフリカンゴールド(国分恭)

 5走前の鳴尾記念の時に「出していくとキレ負けし、かといって溜めても差し切れるほどの脚は繰り出せない」という特徴を紹介しましたが、ここ2走はそれを味方につけての②⑤着。元々素質は買われながらも気性難がネックでしたが、マイペースで行き切らせる騎乗が奏功しており国分恭Jも特徴を掴んできた様子。スロー必至のメンバー構成で行くならこの馬でしょうし、舐められた評価なら再度の残り目に注意が必要です。

[8]⑫マカヒキ(岩田望)

 2走前の京都大賞典では前半61.6のスローペースに加え、最後の1Fで11.8→13.0と急減速するラップで間に合ったという調子。逆に言えば、道中がこのくらい緩めばまだ間に合うということでもあります。当日違って内回りになるのはマイナスですが、スローかつ向こう正面あたりから早めに動くような流れになれば最後の坂上で前が止まったところに突っ込んでくる可能性は捨てきれずで。

[8]⑬ディアマンミノル(横山典)

 追走力に課題があり、道中61秒以上かかるような中距離戦+4角から助走をつけられる阪神・京都が理想的。3走前のアルゼンチン共和国杯では道中後方2番手から直線だけで0.6差⑤着まで押し上げており、このクラスでもやれる力は示しています。ベストは外回りですが、ペースと距離はこの馬の適性範囲につき構え過ぎずに乗れれば一発も。

<予想>
◎ディアマンミノル
○アフリカンゴールド
▲エヒト
△マカヒキ
△レッドジェネシス
△ユーバーレーベン


■東京11R/共同通信杯 ビーアストニッシド

 前走のシンザン記念では距離短縮で自分の競馬ができなくなる懸念から評価を下げましたが、好位差しの形でも最後ひと脚を使って0.3差の④着と収穫のある内容でした。共同通信杯は近年クラシックへの直行を見据えた素質馬が集まるようになり、教育的な観点からも前半はスローになりがちです。特に近3年の前半4Fは49.5、50.5、49.6と東京芝1800mにしてはかなりゆったりした流れで、力のある先行馬が行き切れば普通に残せてしまうペースです。一昨年②着のアドマイヤマーズ級とまでは言いませんが、この馬も京都2歳Sではフィデル(ホープフルS④着)に先着したうえライラック(フェアリーS①着)を1.1秒もちぎっており実績は十分。離れた外を差される展開になると厳しいですが頭数も落ち着いた今回、うまく併せていく進路取りができれば会心のガッツポーズが見られるでしょう。

パラスアテナ2022年初陣、進退を賭す一戦となる覚悟で

 初出資馬である広尾TCのパラスアテナ(牝4、美浦・高柳瑞厩舎)が13日(日)の東京9R・初音S(4歳上牝3勝クラス・芝1800m)に出走、2022年の初戦を迎えます。


(出典:広尾サラブレッド倶楽部Webサイトより)

 鞍上には初コンビとなる大野Jを迎え、昨年10月の西宮S⑪着以来4か月ぶりの実戦に臨みます。中間は放牧を挟み1月上旬に帰厩、約1か月在厩で調整を続けており最終はポリトラックで併走相手を1.5秒追いかけ0.6先着という上々の動きを見せ、仕上がり自体は問題ないと見られます。

 しかしながら、昨秋以降かつての煩さが影を潜めるなどメンタル面の変化が指摘されるように。それがいい意味で大人になったということなら良いのですが、調教でも追われてからの覇気が見られず、レースに行ってもここ2戦は勝負所で無抵抗なまま流れ込む形に。体重の維持に苦労していた馬でしたが、最近では放牧先ですぐに体重が増えるようにもなったということで、当初は「ようやく成長したか」と喜んだりしたものでしたが実際昨秋以降のパフォーマンスを見ると走る方に気持ちが向いていない模様です。

 思えば、デビュー時450kgだった体重は前走で440kgに。「馬体の成長が待たれる」と思っていましたが、3歳シーズンの好走とそれ以降の低迷を考えると、デビュー時から高い完成度を有していたという可能性も考えられます。

 陣営も前向きさを出すために試行錯誤しており、今回は初めてブリンカーを装着してレースに臨みます。しかしながら、調教でもブリンカーやパシュファイヤーを装着してみたものの効果はいま一つのようで、これが実戦でどこまで活きてくるかは未知数です。


 そして、ここ1年の低迷といい頃に戻ってこない現状を考えると、5歳牝馬という立場からは今回の結果如何で「もう1年やるか否か」を判断せざるを得ないタイミングとも思っています。母ステラリードは今年で15歳、半弟のキングエルメス(父ロードカナロア)が昨年の京王杯2歳Sを制したこともありこの母系の価値が高まっているのも事実で、俱楽部ゆかりの血統馬を準OPで1年試行錯誤させるよりは、厳しいと判断すれば今年から新たな役割を…と考えるのも自然な話でしょう。

 とはいえ、当然この馬のポテンシャルがここまでとは思っていないので、無事に帰ってくることは何よりですが、狙いすました適鞍でもう一度見せ場を作ってくれることを願うのみです。骨っぽい4歳勢もいますが、一泡吹かせる走りを期待します。

2022年2月12日土曜日

【2/12(土)予想】クイーンCの注目馬とねらい目レース(帆柱山特別、小倉12R)

■東京11R ロムネヤ

 新馬戦で高センスの勝ち方を見せたもののその後2戦が今一つ。2走前のアルテミスSはスタートからハミを取らず鞍上が終始促してもやる気を見せませんでした。前走の菜の花賞ではゲート内で突っ張ってるときにスタートを切られてしまい後方からの競馬を余儀なくされ⑤着。ただこの前走は暴走気味にハナに立ったフミバレンタインが②着に残したように明らかな内前有利展開で、それを後方大外を回して0.4差まで詰めたのですからスタートがまともなら…というところでしょう。重賞とは言え1勝クラスに毛が生えた程度の今回のメンバーなら引けは取らないはずです。

 あとは今回ルメールJが乗ってきた意味を考える必要がありそうで。

 今回の出走メンバーの中でルメールJが騎乗経験を持つのはショウナンアメリア(未勝利戦⑨着)のみで、現時点で牝馬戦線で重賞級の実績を持つお手馬はいない状況。それゆえ、木村哲厩舎×サンデーR×前走大野Jという状況のプレサージュリフトをはじめ乗り馬は選べる状況であったはずなのに、現状9番人気(11時現在)のロムネヤにわざわざ乗ってくるのは少し不可解です。

 そもそもデビューから3戦すべてロムネヤの手綱を取ってきた戸崎Jがそのプレサージュリフトに騎乗。一見すると国枝厩舎×金子真人HDというアカイトリノムスメと同じコンビにも関わらず見切りをつける格好ですが、逆に考えれば「ルメールJがプレサージュリフトを選ばなかったため戸崎Jにお鉢が回ってきた」という見方もできそうです。なぜその選択になったのかは判断がつきませんが、他の上位人気馬でもスターズオンアースやラリュエルなどその気になれば乗れたはずの馬がいたわけで、それでもあえてロムネヤに乗ってきたのにはルメールJなりの算段があるものと見られます。


■小倉10R/帆柱山特別 ニルカンタテソーロ

 久々に芝を使われた3走前の雷光特別を快勝。大外枠でスタートを決め好位で壁を作れたことが好走の要因だったのは言うまでもありませんが、最後の200mでいざ内に進路を確保すると一瞬で前を捉えたように最後の1Fで時計がかかる展開が得意と見ます。2走前は内枠で参考外、前走は直線半ばまで進路を確保できず不完全燃焼の一戦で、下記の表のとおり今の小倉芝1200mは外有利で大外枠を確保できたのは大きいです。馬場の良いところを走ってひと脚使えればこのクラスでもやれるはずで。

(参考)2022年の小倉開催における芝1200m戦の枠順別成績(先週まで)



■小倉12R キョシンタンカイ

 過去3回芝を使われていますが、明らかに距離の長かった1800m戦を除けば0.4差、0.6差といずれも現級で目途の立つ内容でした。出していくと末が甘くなる分ダートでそれを補おうとしましたが3走前、2走前のように溜めてひと脚を使わせた方が現状ではよさそうで、そうなると後方一気の決まりにくいダートよりも芝の方が活路を見出せそうです。

 ローカルの短距離戦は基本的に芝もダートも登録が多く、小倉の場合ダートは1000mか1700mになってしまうためこの馬の適性を考えれば芝1200mに出すのは決して悪い選択ではないでしょう。直近の成績だけで人気を落とすようであればこの起用は狙いたいです。

2022年2月6日日曜日

【2/6(日)予想】東京新聞杯の全頭評価とねらい目レース(東京7、由布院特別、小倉12、東京12)

■東京11R/東京新聞杯

[1]①アオイクレアトール(内田博)

 このコースで(3,3,2,0)と堅実に走れており、昇級初戦となった前走のキャピタルSでもここに出ていれば1番人気であっただろうプリンスリターンに0.3差の③着とクラスのめどをつけています。ただし速い脚が使えるタイプではないためある程度の位置につけて前が止まるような馬場・展開になることが理想で今の速い時計の出るコンディションはどうかというのと、内田博Jはマイルとそれ以外で信頼度が変わってくる点も気がかりです。


 上記は2019年以降の芝での距離別成績で、最も騎乗機会の多いマイルでの勝率が根幹距離の中では最も低く、1400mや1800mと比べても下回っています。内田博JとG1を勝ったコンビといえば、ゴールドシップやノンコノユメに代表されるようにとにかく「追って追って」という馬が多く、ズブかったりブレーキのない馬には手が合っている一方で「押し引き」が必要なレースを苦手にする傾向があります。

 1400mまでの距離は比較的ひと息で行き切ってしまえることが多く、逆に1800m以上では構造上コーナーが4つあることがほとんどなため自然と息が入るようになっています。1600mは多くの場合ワンターンで、行き脚と溜めのバランスが必要なためこの点の加減が上手くできないと直線でガス欠、ということになってしまいます。マイルでの戦績がへこんでいるのはそうした特性に起因していると考えます(中央の芝マイルG1は3勝していますが、ペースを落とさずに行き切って勝てるヴィルシーナと追い込み一手のピンクカメオなので押し引き不要のレースと言えます)。

 前走は外枠でスタートが決まらなかった分前に壁ができ、ラストの切れを引き出せた側面もありました。最内を引いた今回、馬群に囲まれて溜めは作れそうですがそうなると重賞で差し切れるだけのキレはないとみているだけに…

[2]②ワールドバローズ(和田竜)

 全4勝は中京でのもの。馬柱はキレイですがここ7戦はマイルにして前半4Fが47~8秒台と緩い流れを番手で進めたレースで着順をまとめられています。小頭数のレースも多く前走の長篠Sは7頭立て。現状重賞で通用するだけの力量は見出せず、人気先行の感もあり今回は様子見が妥当と見ます。

[2]③ディアンドル(石川)

 スムーズに行けると強い一方で、早めに来られたり被されたりするとやる気をなくしてしまうタイプ。前走の京都金杯ではブリンカーを装着し外目から運びましたが、早めに他馬に来られたうえ直線入り口で挟まれ戦意喪失のシンガリ負け。その前の福島記念もパンサラッサに行かれてしまい早めに寄られる展開で⑬着とここ2戦は自分の形に持ち込めていないことが敗因でした。

 昨年のヴィクトリアマイルで0.8差(②着馬とは0.1差)の④着、福島(新潟)牝馬Sで逃げ切り勝ちを収めているように「ワンターンの左回り」は絶好の舞台。早めに来られない、という意味では直線が長く後続の動き出しが遅い東京は特性的にも向いています。ブリンカーを外して臨む一戦、速めの時計が出る今のコンディションならこの馬のスピードが活かせるでしょう。

 社台系クラブの牝馬は6歳の3月で引退。とはいえ最近の繁殖事情を考えれば、遅くとも2月の頭までには引退して体づくりの時間を取りたいところ。相手が強くなることを承知でここに使ってくるとなると、恐らくこれがラストラン。スタートさえしっかり決まればこの相手でも遜色は無いはずで、舐められた人気なら狙う価値はあると見ます。

[3]④マルターズディオサ(松岡)

 好位をうまく立ち回っての好走パターンが多いだけに内枠を引けたのは良いですが、乗り難しいところがあるので田辺Jからの乗り替わりは歓迎ではないうえ、55kg以上を背負って③着以内に入ったことがないだけにこの斤量が堪える可能性があります。

[3]⑤トーラスジェミニ(横山武)

 前走の京都金杯では全くやる気を見せず⑬着。4角3番手以下では(0,0,0,6)という馬につき注文を付けてでも行くのがスタイルですが、3走前の札幌記念の時にも指摘しましたが冬季は絞れにくいため凡走傾向が見られます。今回は調教段階からブリンカーを装着し、陣営の言う通りメンタルの問題であればここで一変の可能性もありますが上記の理由であれば根本的に暖かくならないと難しいでしょう。

[4]⑥ファインルージュ(ルメール)

 前走の秋華賞では小差の②着。内をうまく立ち回ったアカイトリノムスメとは位置取りの差が出た印象で、この馬自身も理想通りのレースはできていました。前半61.2というペースを考えれば阪神内回りで4角10番手はかなり厳しく、それを外を回して前に迫った内容は勝ちに等しいと言えるでしょう。

 クラシック戦線での走りを見ても現状1600~1800mがベストで、木村哲厩舎に戻ったこともあり天栄仕上げの初戦なら身体は出来ているでしょう。ただしこの中間はツメの不安と付き合いながらの調整を余儀なくされており、寒い時期で乾燥もあることからやや番組ありきの参戦に映る点は気がかりで、あくまでヴィクトリアマイルを見据えてということを考えればここは無理をして勝ちに行く状況ではないだけに。

[4]⑦ケイデンスコール(石橋脩)

 G2を勝ってしまったため使える番組が限られ、ここも59kgを覚悟のうえで適鞍を狙ってきたという格好でしょう。調教自体は動けており、2走前のマイルCSも同水準で走れていた中0.7差の⑩着。メンバーを考えれば健闘の部類と言えますが、最近は斤量なのか年齢なのか位置を取れなくなっているのが気がかり。得意の左回りマイルに戻るのは良いですが、59kgを克服できるかも課題です。

[5]⑧ドナアトラエンテ(M.デムーロ)

 この馬もサンデーRにつき来月までで引退となり、東京に良績が集中していることを考えてもここが実質的にラストランになりそうです。昇級後は福島(新潟)牝馬Sでタイム差なしの②着、府中牝馬Sで0.3差④着と左回りの重賞でのみ走れており、舞台適性を踏まえての参戦でしょう。

 但し、乗り難しさのある馬でスタートの期待値が高くないデムーロJのテン乗りというのはリスクもあり、あとこの馬の場合調教パターンも微妙に好走パターンに影響していると見ています。

 昇級後の最終追い切りを見ると…

 府中牝馬S 南W併せ 内 ④着
 クイーンS 函館W併せ ⑪着
 福島牝馬S 南W併せ  ②着
 中山牝馬S 南W併せ  ⑨着

 併せ馬では外を走ったほうが当然コースロスは大きく、その分負荷をかけることにもつながります。国枝厩舎はトラックコースでの併せ馬を多用することで有名ですが、ドナアトラエンテの場合は併せ馬の外で負荷をかけられる時の方が好走しており、陣営のコンディション評価とリンクしていることが考えられます。

 今回の最終追い切りは南Wで併せ馬の。状態に関するトーンも上がらずで、無事に帰ってくることが最優先でしょうか。

[5]⑨カラテ(菅原明)

 坂路で52秒台のラップで動けた前走のニューイヤーSを58kgを背負って差し切り。元々昨年もこの時期に3連勝したように冬場は得意なようで、加速ラップを踏んで登坂出来ているのも好調の証拠。昨年の方が出来は良かったと思いますが、相手関係も大きく変化のないことからここも順当に上位争いでしょう。

[6]⑩エイシンチラー(柴田大)

 古馬相手に条件戦を勝ち上がっていますがいずれも52kgでのもの。リアルインパクト産駒らしく左回りのワンターンは合っており、3走前の三面川特別のようなレースが理想ですが現状の東京マイルでは大外一気は決めにくく、溜めを作ることの難しい柴田大Jがテン乗りとあっては手は出しにくいです。

[6]⑪イルーシヴパンサー(田辺)

 ペースの異なるレースを差し切っての3連勝は評価でき、前に馬を置くと一生懸命走る一方抜け出して甘くなる面があるようでメンバー強化しても相手なりに走れているのと表裏一体と考えられます。馬場の良い今の段階であればうまく馬込で目標を置いて走れそうで、離され過ぎずの追走ができればここも勝負になるでしょう。

[7]⑫ヴェロックス(三浦)

 メンバーレベルを落とした分大崩れせず走れていますが、流れ込むだけのレースが続いている現状。有利不利バイアスの少ない今のコースコンディションでは、よほど恵まれないと厳しいでしょう。

[7]⑬ホウオウアマゾン(坂井)

 控えても良い馬ですがこの枠では後手を踏む可能性があるうえ、当初春まで休ませる予定だったのが急遽の参戦というのも気になります。本来調整の難しいところがあり輸送のないマイラーズCなどが目標であったと推察されますが、わざわざ中5週で東京に連れてくる意図が見えずで。

[8]⑭カテドラル(戸崎)

 この枠ですので思い切って下げて前に壁を作りながら進むことになるでしょう。2走前に京成杯AHで見せたように坂を上がってから前を捉えられるキレを持っている馬で、極端なスローが見込まれないこの舞台は再度好走可能と見ます。

[8]⑮カレンシュトラウス(津村)

 前走はレース中の鼻出血で参考外。今回は改めての力試しとなりますが、この中間は肺を気遣っての調教となっており動きは良くても中身ができているかが微妙なところ。鼻出血は再発のリスクも高く、レースで動けることを確認してから手を出してもよさそうです。


<予想>
◎ディアンドル
○カテドラル
▲カラテ
△イルーシヴパンサー
△ファインルージュ


■東京7R ライヴクラッカー

 ホッコータルマエ産駒は東京ダートで(10,7,5,56)、単回316/複回163と抜群の相性。挙行数の多いほかのコースとの比較でも、阪神と並んで高い信頼度がうかがえます。


 ライブクラッカーの前走は直線でやや窮屈になる位置取りから進路を探しながらの④着。ひと叩きして東京ダート1300mに出してくるのは初勝利を挙げた7走前と同様のローテーションで狙ってのもの。津村Jへの手替わりも含めてここは走りごろでしょう。


■小倉10R/由布院特別 マイネルレンカ

 現代ではダートでのみ挙行される1700m戦は全てローカル開催のため、その条件で好走する馬というのが少なからず存在します。マイネルレンカはこれが50戦目ですが、過去ダート1700mに使ったときは⑤④④③①着と崩れていません。4走前に勝った福島戦はうまく4角から助走をつけての差し切りで、コースロスを抑えられる最内枠は好材料。富田Jはこのコースの勝率は低いながら単回102/複回92と人気薄での好走が目立ち、53kgのハンデも後押しに食い込みを期待したいです。


■小倉12R シシリエンヌ

 小倉芝1200mの好走条件となる「新潟芝1000mでの好走歴」を持ち(19年5月に未勝利戦を③着)、このコースでは勝てていませんが0.2差⑧着、0.4差③着と現級でも小差の接戦を演じています。道中はロスなく進み最後に外に出す形が理想で、好枠と52kgで牝馬限定戦なら差はないでしょう。


■東京12R グローサーベア

 昇級後やや低迷していますが、折り合いを重視して意図的に抑える競馬を試していました。元々は先行策で勝ち上がった経緯もあり、今回は陣営が「馬の気に任せる」と宣言。1300m戦にしては珍しく見たところ前に行きそうな馬はほとんどおらず、スタートしてすぐにコーナーになる東京のコース形状もありスムーズに前目につければ一変があっても。

2022年2月5日土曜日

【2/5(土)予想】ねらい目レース(アルデバランS、中京1R、小倉12R)

■中京1R イエローウィン

 坂井Jはこのコースで(8,9,11,50)、単回87/複回118と優秀な成績なのですが、特に昨年の5月を境に何かを掴んだのか成績がガラリ一変。昨年5月以降に限れば(6,4,7,15)で単回193/複回169と成績が跳ね上がり、しかもこれを未勝利クラスに限定すれば(4,2,4,1)で複勝率90.9%(複回307)ともはやバグ。ベタ買いで儲かるレベルの乗り替わりにつき、複勝厚めで狙いたいです。


■中京11R/アルデバランS メイショウエイコウ

 メイショウワザシが逃げる形が予想され、人気の中心であろうダノンハーロックは外枠から好位を確保できそう。しかしながらこのレースにはまくり巧者であるエクスパートランがおり、アンセットヴァウ、ニューモニュメントもまくる形で結果を残しておりダノンハーロックを早めに捕まえに行く展開が見込まれます。こうなるとスタート直後のホームストレッチが長い中京ダート1900mでは最後に前が止まり追い込み勢の台頭が期待できる流れになりえます。

 メイショウエイコウのここ最近は敗因がはっきりしており、前走の門司S・3走前のベテルギウスSは前残り、2走前・4走前は芝レースでのもの。同じく前が止まりやすい阪神ダート2000mや京都ダート1900mでも好走しており、久々に恵まれうる展開のここは一発期待です。


■小倉12R コスモサンレミ

 前走の同舞台のレースでは12番枠から先手を取り切り0.7差⑥着。上りのかかるこのコースでは新潟直線1000mでの好走実績がモノを言うという話は先週も取り上げましたが、今回のメンバーではコスモサンレミが③着の経験があるのみ。先行馬の少ないメンバー構成+内を嫌う流れでペースが落ち着けば枠順好転で前進可能でしょう。