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2020年5月17日日曜日

【5/17(日)予想】真の「じゃじゃ馬」は…<ヴィクトリアMセラピア>/OP入りして主戦を待つ<BSイレブン賞グランソヴァール>他



レーンのパンツに「D.レーン」って書いてるのほんとすこ

【ラインアップ】
東京11R(ヴィクトリアマイル)/12R(BSイレブン賞)
京都11R(栗東S)

・東京11R

2008年にこのレースを制したエイジアンウインズの娘・メジェールスーが出走。「メジェール」はナイジェリアの公用語であるイボ語で「じゃじゃ馬」という意味なんだそうです(本義は「クレイジー」に近いようですが…)。という書き出しですが、前走で◎抜擢した阪神牝馬Sでは距離の壁を感じさせる負け方でちょっとここでは手が出せないと見ています。

このレースは1にも2にもアーモンドアイの取捨を決めないと始まらないところ。個人的には「消せないが、全幅の信頼は置けない」という判断です。予想以上のスピードで回復が進んでいる今日の東京の馬場状態ではよもやの取りこぼしもあると見ています。

元々そんなにスタートが良いタイプではなく、直線向いてからエンジンをかけて差し切ることを身上としている同馬にとって厄介なのは「前が飛ばして止まらない」展開です。事実、デビューの新潟戦は芝1400mの内回りでこの馬が差し切るのには明らかに直線の長さが足りませんでした。結果、ニシノウララを捕らえられず2着。昨年の安田記念もスタートで致命的な不利を受け位置を上げられず。32.4の末脚を繰り出しながら3着に敗れたこと自体は仕方ないとはいえ、アエロリットがぐいぐい引っ張るハイペースで直線入った時点でも縦長馬群で前とはかなりの差があり、アーモンドアイのような絶対的な能力を持つ馬でもこのような展開になってしまっては流石に…という話です。

有馬記念は1週目のスタンドで明らかに掛かってしまいガス欠。元々コーナーから加速しなければいけない中山コースも不向きですし、安田記念とはメンバーレベルが断然違いますので、今回同じような不利があっても勝ててしまうかもしれません。そのくらい現時点での能力は抜けていると見てよいでしょう。しかしながら、ペースについてはコントラチェック・トロワゼトワルと「ハイペースを逃げ切った経験」のある2頭の参戦により高速化が避けられず、懸念材料が残る形に。これでも馬場が渋ったままなら時計も相対的に抑えられ能力で押し切るかと思いましたが、ここまで晴れては良馬場不可避。天気も込みで印は○としました。

本命は◎セラピアとします。

前走(難波S1着)が成長を感じさせるとともに、まさに「じゃじゃ馬」というレースぶりでした。スタートから掛かり通しで600mほど頭を上げながらなんとか2番手で抑え、4角で先頭に立つとノーステッキで快勝。入りの3Fが35.3にも関わらず上りが33.7という出色の末脚、これを掛かりながらノーステッキでやってのけるところに、オルフェーヴルの血を感じます。相当苦労したであろうデムーロJの手腕も光りましたし、できればこっちに乗って先週の再現をしてほしかったのですが…

とはいえ、初コンビとなる田辺Jもかつての安定感を取り戻しつつあり、東京芝1600mの騎乗成績(2019年以降、下図)では関東トップ。平均人気の差を考えれば非常に良く乗っていると言えるでしょう。


理論上、32秒台の脚をもつアーモンドアイを差し切るには31秒台の切れ者でないと無理で、そうなると先行して速い上り脚を使えるかがポイントです。難波Sのあった2回阪神で芝1800m戦は6鞍ありましたが、レースの前半3F及び後半3Fが最も速いのがこのレースでした。サトノインプレッサが勝った毎日杯でさえ35.4-36.2で、これより速く入って3秒近く速い上りを使っているのですから、時計への適応力もさることながら「前目でいい脚を使える」可能性を持っている1頭と言えるでしょう。

鍵は輸送。デビュー2戦目でフローラSに出走した際は輸送の影響が指摘されましたが、心身ともに成長し掛かっても抑えて勝てるようになった今なら克服可能と見ています。中間は坂路で「前に馬を置いて最後に抜き去る」調教を2週連続で敢行。陣営は逃げられないパターンも想定しており、この稽古が実を結ぶ結果となれば…離れた外をアーモンドアイに差されることはあっても、上位に食い込む期待は出来そうです。

▲はプリモシーンとします。
「リピーターレース」と呼ばれるヴィクトリアMですが、先週のNHKマイルCの際も紹介した通り3角手前から下り坂があるため道中のペースが緩みにくく、牝馬限定戦の多くが「道中で一旦緩んで決め手勝負」であるのと比例してこの手のレースへの適性を持った馬が限られることから繰り返しの台頭が目立つ、という理由もあります。昨年2着というだけでも十分なのですが、2走前の東京新聞杯でも2F目以降ずっと11秒台を刻む展開を5,6番手から運び直線で外に持ち出し差し切った強い内容。デムーロJも福永Jも居る上昨年の勝ち馬ノームコアも居るのにレーンJを配したように陣営の本気度も高く、良い枠も引けたここは万全の競馬で力を出し切ってくれるでしょう。

以下、勢い目立つ△サウンドキアラ、昨年の覇者△ノームコアを押えに。
ノームコアの横山典Jは、関東の騎手でありながら東京芝1600mで47連敗中、1年7か月間勝ち星がありません。東京コース全体で見ても最近の勝ち星は中距離以上に偏っています。一方、中山や京都ではマイルでもそれなりに勝てているあたり、長くいい脚を使わせることが相対的に苦手になっていると見られます。先日のウラヌスチャームや少し前のリオンリオン、ムイトオブリガード等ペース判断が求められる局面では馬の力を引き出す騎乗を見せており、こういった部分で若手に勝ることが印象的な活躍に繋がっているのでしょう。今回は正直切っても良いと思いましたが、仮に「2,3番手につけて最後に一脚使う競馬」もしくは「渾身のポツンでアーモンドアイが前を掃除した後の着狙い」だと台頭余地もあるでしょう。前走高松宮記念を使ったというのも一つのサインかもしれません。

いい馬ばかりな上、アーモンドアイの参戦で相手も絞らなければ儲からず、今回ラヴズオンリーユーは無印としました。オークスや忘れな草賞は牝馬戦らしく中間が緩んでの瞬発力勝負。今回の舞台では追走できるかが疑問な上、兄リアルスティール同様に適性は1800m以上にあると見ています。

加えて気になるのが調教過程。デムーロJは栗東拠点のため最終追いに乗れたはずなのに、最終(木曜)追いは所属の坂井J。この点矢作師は「先週の時点で(デムーロJは)いい感触をつかんだと言ってくれた。実際陣営としては仕上げに苦労しているのが本音だが、それならば鞍上にはいい感触のまま本番に乗ってほしいと思った」という趣旨の発言をしていましたが、普通最後にかけて「もっと良くする」ために行うのが最終追いなわけで…

この尋常とは言えない過程に自分は2つの可能性を見ています。

①矢作師の言った通りの意図である場合
→最終追いを以てしてもちゃんと仕上げられるかに不安がある、これに尽きるでしょう。実際この馬の仕上げに関して「順調に来れたのはオークスくらい」とも語っており、名牝リスグラシューを育てた矢作師を以てしてもこんなにも手を焼く馬だというのは分かる気がします。実際オークス時点でもかなり粗削りな勝ち方でしたし、それでカレンブーケドールを差すんですから力はあるのでしょうが。

②矢作師が別の意図を以てデムーロJを乗せなかった?
→「そもそも矢作師はデムーロJを信頼していない」可能性があると考えています。

例えば、ルメールJがドバイ遠征で元々乗れない予定だった高松宮記念でモズアスコットの騎乗を任されましたが、坂路での最終追いで50.2の好時計を出し満足げの鞍上に対し、「51秒くらいで来いと言ったのに」と不満を隠さなかったトレーナー。

そもそも厩舎に初めてG1勝利をもたらした功労者(2010年短期免許で来日中に朝日杯FSをグランプリボスで制覇)にも関わらず「G1での勝負強さがあるイメージ」と語るにとどまり、両者の関係性がそこまでではないことを感じました。実際、今年の騎乗依頼はその高松宮記念と前年のJCで代打騎乗した経験のあるタイセイトレイルのメトロポリタンSの2鞍のみで、しかも後者は移動制限があったため騎乗経験のある騎手に頼んだという側面があり積極的に乗せたとは思えません。

ラヴズオンリーユーでさえデムーロJが乗ったのは3戦目の忘れな草賞からで、デビュー戦はルメールJで勝っています。元々オークスではルメールJに先約があった(騎乗停止で結局乗れませんでしたが)のに加え、折しも「ルメール1強」に対する(判官びいき込みの)不平が渦巻いていた昨年の春先。空前の10,000口募集を行いバックには比べ物にならない会員数が居るDMMサイドとしても、ここで乗り替わりというのはどう考えても反発を招くだけという意図もあったことでしょう。で、オークスで結果を残した以上このコンビをDMMの象徴とすべく、恐らく何があってもこれからもこの馬はデムーロJで行くでしょう。厩舎サイドの意図に関わらず。

こうした背景を考えますと「デムーロJに乗せたいと思ってない矢作師」「ラヴズオンリーユーに乗りたいデムーロJ」「ラヴズオンリーユーにデムーロJを乗せてほしいオーナーサイド」の思惑は空中分解寸前で、それが異例ともいえる「最終追いに乗せない」判断を招いたのだと思います。当然デムーロJとしては結果で応えるしかないのですが、馬自身の適性もここには合ってないと考えますし、勝てる力はありますが今回は消しでいいかと。

【本命】9セラピア
【対抗】12アーモンドアイ
【単穴】5プリモシーン
【連下】16,18
単勝9
馬連9-5,12,16,18
ワイド9-5,12,16,18
三連複5,9,12-5,9,12-5,9,12,16,18


■東京12R

既にお昼の時点で砂が舞う程度に乾いており、追い込み一辺倒では届かなくなってくると見ます。前走掛かって勝負にならなかった◎グランソヴァールの反撃です。主戦の戸崎Jも復帰するとあって、OP入りを決めて復帰を待ちたいところです。前走で2番手からの競馬と新境地を見せた○リトルモンスターを相手筆頭に。

【本命】7グランソヴァール
【対抗】9リトルモンスター
【押さえ】4,6,10,11
馬連7-6,9
三連複7,9-4,6,10,11


■京都11R

ダイメイフジは前走は距離延長が裏目だったと見ます。芝の頃もOPではマイル実績無く、1400mはつい昨秋にオーロCで0.3差に踏ん張ったようにこの馬の守備範囲。京都も馬場回復進んでいますが、重~よくて稍重程度を見込んでおり、スピードで位置取れるこの馬の出番があっていいと見ます。

【本命】4ダイメイフジ
【相手】1,3,5,6,7,9,15
単勝4
馬連4-1,3,5,6,7,9,15

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