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当ブログは、広尾サラブレッド倶楽部株式会社様のご厚意により、同倶楽部の所有する競走馬の写真及びWebサイト記載情報の転載許可を頂いております。

2022年3月27日日曜日

【3/27(日)予想】高松宮記念の全頭評価とねらい目レース(マーチS)

■中京11R/高松宮記念

[1]①サリオス(石橋脩)

 1200mはおろか、1400m以下の距離自体が初。堀師は参戦の理由として「マイルでは最後に甘くなってしまう」ことを挙げ、距離短縮で走り切れるという見解を示しています。この馬はかねがね1800mがベストと言われてきましたが、2000mではややスタミナが不足し一方で1600mのペースに合わせるとお釣りが残らないという微妙な特質。昨年の国内戦は重馬場、調整の狂い等で情状酌量の余地のある敗戦でしたが、これも爪の不安などから使える機会が限られるうえ調整が難しいことを示しています。

 今回も帰厩当時は右前の爪を庇いながらの調整。直前では右手前で走れており動きも本来のものになってきましたが、スプリントのスピードにお付き合いして脚を残せるかは未知数なうえ、パンパンの良馬場までは望みにくく能力全開の舞台とはならなさそうで。

[1]②ナランフレグ(丸田)

 前走のオーシャンSで賞金加算に成功しG1初挑戦。かつては戦法が大外一気に限られていましたが、3走前のタンザナイトSでは2番枠から後方のインを進み、直線では馬群を捌いて差し切り。ここに来て操縦性が良くなり安定して力を出せるようになってきました。ただ、偶然なのかは不明ですが過去芝のレースのほとんどが良馬場で、一昨年の春雷Sで稍重が一度あるのみ(0.2差⑥着)。切れ味を身上とするこの馬にとってそれを削がれるソフトな馬場はプラスではないうえ、イン先行勢が総崩れとまでは望みにくそうです。

[2]③シャインガーネット(田辺)

 折り合いの難しいところがあり、ここ2戦の好走はいずれも外枠からスムーズに運べてのもの。ファルコンSを勝っているようにスピードと一瞬の決め手はこの舞台向きで、スプリントで掛かる面は相殺されそうであとはこの内枠でどう捌けるかでしょう。

[2]④ライトオンキュー(横山典)

 ぶっつけ本番自体は想定通りで、調教後馬体重が522kgですが20年にUHB賞を勝った時が518kgでしたから問題は無いでしょう。直前は控えめも軽快な動きで、1週前に坂路で49秒台を出しており態勢は整ったと見ます。ただしこの馬がこのくらい動くのはいつものことで、似たような臨戦過程だった昨年のシルクロードSはシヴァージの強襲に遭い0.2差の②着。メンバーも強い今回は展開を味方につけてどこまで…でしょうか。

[3]⑤レイハリア(亀田)

 昨春から4連勝。そのうちの芝3戦はいずれも前に目標を置き直線でそれを捉える、という理想的な展開でした。前走の京阪杯は外枠のせいもあり前に壁を作れずやや行きたがるシーンもあっての⑯着だけに、内枠を引いてテンの争いも激しいここでなら理想的な展開にはなりそうです。ただそれでも負かしてきた相手を考えるとこの舞台での通用可能性は未知数です。

[3]⑥サンライズオネスト(武豊)

 2走前のカーバンクルSが初の1200m戦でしたが、坂上から一気に脚を伸ばし快勝。それまで遠征競馬ではパフォーマンスを落としていましたが、前走の阪急杯でようやくデビュー時の馬体重を上回って出てこられたようにここに来て身体に芯が入ってきました。2週連続で坂路で50秒台をマークしているように状態は上向きで、今の充実度ならマークは必要でしょう。

[4]⑦レシステンシア(横山武)

 ベストは1400m故国内ではG1タイトルに恵まれないですが、上りのかかる中京芝1200mは最後の1Fでの持久力で上位に残せる強みがあります。古馬になってから3か月以上の休み明けでは(2,0,0,0)。決めきる脚には欠けるもののこの条件では安定勢力です。

 但し気になるのがこの母系の成長力。半兄のミッキーブラック、半弟のグラティアスともにデビュー2連勝ののち尻すぼみという成績で、加えてこの馬の場合父はダイワメジャー。ダイワメジャー産駒の牝馬がG1で勝負になるのは良くて4歳までで、ナックビーナス(5歳で高松宮記念③着)という変わり種はいるものの総論としては4歳以降は下降線となるのが筋で、この馬も昨年以上を望めるか?となるとやや心もとないです。

[4]⑧ジャンダルム(荻野極)

 ここ2戦を見て、一時のゲート難は騎手によるものというのがはっきりしました。しっかりゲートを出せさえすれば前走のように勝ち切る力は持っています。但しこの馬は好走後にコロッと凡走することを繰り返してきており、同じ条件や同じ鞍上が続くとズルさを出すきらいがあります。今回も同条件で荻野極Jが継続騎乗とあってはその点の懸念が残ります。

[5]⑨ロータスランド(岩田望)

 上がりのかかる展開は得意としており、時計勝負よりも適度にかかるコンディションが向いています。但し1200mは初で、この馬の好走パターンは「4角3番手以内」。スプリント戦でそこまでの追走が叶うかとなるとやや怪しく、今回は試金石の一戦となるでしょう。

[5]⑩キルロード(菊沢)

 前付けできれば好走するものの、4走前のパラダイスSは前半3Fが36.1と楽逃げがかなったもので、3走前の福島テレビOPはエレナアヴァンティの暴走を2番手で追いかけましたが4角から鞭が入るような消耗戦で、相手関係的にも他の馬に余力がなかっただけで強調できる勝利ではありませんでした。テン争いも激しくなるここでは?

[6]⑪クリノガウディー(松岡)

 5走ぶりに得意の中京に。その5走前、昨年のセントウルSは前半32.9の激流を4番手で追いかけ、レシステンシア・ピクシーナイトと0.2差の③着。負けて強しの内容でした。但し今回は陣営が脚を溜めるレースを示唆しており、過去4角で10番手以下では(0,0,0,5)と積極的に運ばないと良さの出ないタイプ。このコースでも岩田康Jとそれ以外とではパフォーマンスに差がある点からも強気にはなれずで。

[6]⑫エイティーンガール(秋山真)

 いつも自分の脚は使っていますが、外差し+前崩れの展開でないと台頭が難しい馬です。良績が右回りに集中している点も気がかりで、この舞台では恵まれうる期待も薄くて。

[7]⑬トゥラヴェスーラ(鮫島駿)

 奇しくも昨年と同じ13番枠。その昨年は上手く前で壁を作って運び0.2差の④着と見せ場を作りました。今年は阪急杯からの始動でしたが、調教中の鼻出血で昨秋のセントウルSを自重して以来のレースで+22kg。時計はいつも通りに出せていたものの、再発防止に気遣いながらの調整を余儀なくされた分体調面が不安でしたがそれでも0.1差の②着。勝ったダイアトニックの後ろでできた進路をしっかり伸び、ズブさを感じさせない動きを見せました。

 この馬は普段2週前と1週前に速めをやったうえで最終を流すのがパターンですが、今回は中3週という臨戦も考慮し速めは1週前の1本のみ。それでも調教前馬体重が510kgとなっており、リフレッシュできたうえでの立ち上げができておりここに来て馬体も充実。思ったほど内が悪くなっていない点がどうかですが、昨年の内容を考えればこのメンバーでも伍せる力はあると見ます。

[7]⑭ダイアトニック(岩田康)

 ベストは1400mも、やはりこの厩舎はスプリンターに収斂していく仕上げなようで中間も坂路で好時計。前走からさらに一段階状態は良くなったと言え、ようやくよかった頃に戻ってきました。左回りで勝ち切れてない点が気がかりですがそもそも経験が少ないのもあり、一昨年のこのレースも坂上でさあこれから、というタイミングでクリノガウディーに寄られてのものですから、本来なら①着ないしは②着でおかしくない内容。当時と同じかそれ以上まで望める今ならチャンスは十分でしょう。

[7]⑮ファストフォース(柴山)

 テンが速くないにもかかわらず、行き切れないと止めてしまう現状。前走のオーシャンSは昨年長欠明けを勝ったCBC賞時同様に大きく体を絞ってきましたが押してもハナを取れず。まっとうに57kgを背負いこの外枠では理想の展開には持ち込みにくそうで。

[8]⑯ダイメイフジ(小沢)

 距離延長やダート替わりなどで刺激を与えながら前付けして激走を繰り返したこの馬も今年で8歳。最近は前に行けても残せずで衰えは認めざるを得ず、鞍上ともども無事完走が目標になりそうです。

[8]⑰メイケイエール(池添)

 折り返し手綱の効果か、前走のシルクロードSは前に馬を置いても自分のペースを守り切って快勝。締まった流れの方が好走できるタイプで、前走での進境を思えば囲まれない外枠も今では好材料。母方がダート血統でもあり渋った馬場は問題なく、スムーズに運べればチャンスありの1頭です。

[8]⑱グレナディアガーズ(福永)

 昨年のNHKマイルCで③着だった時、川田Jは「秋は別路線になると思います」とコメントしていました。臨戦過程からそれがスプリント路線への転換を示唆していたことは明らかでしたが、何故か秋もマイルを2回使われ③⑬着。前走の阪神Cでようやく距離が短縮され折り合っての快勝を見せましたが、この馬の場合距離短縮はプラスこそあれマイナスは無いということが証明された格好でした。壁を作りにくい大外枠がキーですが、そこは壁職人・福永Jの腕前。それよりも怖いのは隣のメイケイエールの暴走でしょう。

<予想>
◎トゥラヴェスーラ
○ダイアトニック
▲グレナディアガーズ
△メイケイエール
△レシステンシア
△サンライズオネスト
△ロータスランド
△シャインガーネット


■中山11R/マーチS オメガレインボー

 気温の高低とパフォーマンスがリンクする馬で、ここ3戦は寒い時期でもありもう一つという内容。それでも昨冬と比べれば着を上げており、ここに来ての地力強化は確かです。今日の関東地方は暖かく20度超えの陽気が期待でき、パフォーマンスを上げてくる期待は大きいです。

2022年3月26日土曜日

【3/26(土)予想】ねらい目レース(中京1)

■中京1R ヤマニンパンタジア

 前走も推奨したのですが、大外枠から馬の行く気に任せた結果抑えが効かず4角で失速し最下位。道中最後方と後方2番手を追走した馬のワンツーという展開だったとはいえ何年騎手やってるんだよと突っ込みたくなる騎乗。それだけに、折り合いに定評がありダート短距離では安定勢力の藤田菜Jへの手替わりはプラスと見込みます。最終は坂路でびっしり追われ52秒台をマークするも体は減らさずに来れており、気性的にも使い詰めるよりいきなりやれていいタイプ。

2022年3月21日月曜日

【3/21(月・祝)予想】ねらい目レース(中山2・中京5)

■中山2R ビーザラキエスト

 前走の未勝利戦は直線でよく追い込むも1.2差の③着。とはいえこのレース②着だったセイゲンは次走で1.1差の圧勝、1.7差の⑥着だったエコロエースも次走で勝ち上がりとレベルの高いメンバーでした。近走成績の良い馬が多く上位人気は割れ加減ですが戦ってきた相手のレベルはこの馬が頭一つ抜けており、乗鞍を絞る傾向のある川田Jが騎乗を受けた点からも力量は素直に評価すべきと見ます。


■中京5R ユイ

 前走は7か月半ぶりの実戦。スタートから馬群の後方でじっくり進めるも、直線では行くところ行くところ進路が無くまともに追えないままの⑩着。高橋康厩舎の管理馬ですが、今回はデビューから2戦手綱を取った所属の永島Jを降ろしての一戦。非情采配は期待の表れでもあり、距離延長で上手く流れに乗れさえすれば一発も。

2022年3月20日日曜日

【3/20(日)予想】スプリングSの全頭評価とねらい目レース(阪神大賞典)

■中山11R/フジテレビ賞スプリングS

[1]①ビーアストニッシド(岩田康)

 前走の共同通信杯はうまくペースを落とせたとはいえ、外伸び馬場で目標にされる展開をよく粘りこんでの③着でした。コーナー4つの中山替わりはプラスとなる一方で、明らかにラチ沿いのコンディションが悪化しているうえ雨が残る中でこのレースの前に4回使われることを考えると、勝ち切れるかどうかは微妙なラインでしょうか。

[2]②エンギダルマ(丸山)

 初勝利を挙げた前走の未勝利戦は、前の2頭が後続を離して競り合うも自滅したおかげで3番手にいたこの馬にお鉢が回ってきた格好でした。とはいえその2頭が作ったペースは61.6と極端に速いわけではなく、それが崩れて好位勢が勝つとなると単純に前2頭のレベルが低かったわけで、実質的にはエンギダルマが62秒くらいで逃げたところをようやくしのいだといった格好でした。この内容を踏まえれば現時点で重賞でどうこうとは言えずで。

[3]③サトノヘリオス(岩田望)

 未勝利・エリカ賞とレコード勝ちしたように非凡な資質は示していますが、前走のホープフルSで全く伸びずの⑬着。陣営は中1週での臨戦で疲労の蓄積を理由にしていましたが、実際勝った2戦は中京・阪神でのもので、デビュー戦の新潟も含め長距離輸送時にパフォーマンスを落としています。輸送そのものが問題なのか、それを考慮して最終を手控えることが問題なのかは何とも言えませんが、いずれにせよその両方に該当する今回は前走同様に案外という可能性が。

[4]④グランドライン(三浦)

 2走前の葉牡丹賞では弥生賞③着のボーンディスウェイとタイム差なしの②着。前走のホープフルSは0.8差⑨着に終わりましたが、伸びない最内を終始通ってのもので着差以上に善戦したとみてよいでしょう。

 今回は6戦して唯一勝ち切っている1800m戦となりますが、下表のとおりドゥラメンテ産駒は芝1800mの成績が突出しています。


 産駒出走数の多い1600・1800・2000で比べれば一目瞭然。複勝回収値が110という点も優秀で、実績に比べまだ人気が追い付いていない段階です。

 今回陣営は控えても良いというスタンスで、ビーアストニッシドが1番枠を引いた以上ハナを譲るのはほぼ確実でしょう。2~3番手の外を回って馬場の良いところを通れれば、この馬にチャンスが回ってくる場面もありそうです。

[4]⑤サノラキ(大野)

 2か月ぶりの割には速めは2本のみ。前走中山ダート1800mで勝ち上がったタイムも1.57.3と平凡で、いかにもダートの消耗戦が合いそうなタイプ。姉にエーデルワイス賞を勝ったコーラルツッキーが居るという血統背景からも、芝適性を見込む要素は見当たらずで。

[5]⑥ドーブネ(武豊)

 2走前のききょうS組のほとんどが自己条件でも勝負になっていない現状。朝日杯の内容を見る限り上級戦では単純に力量不足でしょう。

[5]⑦ディオ(戸崎)

 前走の未勝利戦はマイル戦にして前半4Fが49.2という異次元のスローペース。一瞬の脚を持っていることは証明できましたが、流石に重賞でそこまで恵まれる展開は期待しにくいです。

[6]⑧アサヒ(田辺)

 スタートの不安は元来のもので、デビュー2戦目でもあおり気味に出ての②着でした。出遅れたときも含めこの馬自身の脚は使っているとはいえ、勝ち切るためにはいろいろと噛み合う必要があるのが現状で末脚を生かしにくいコンディションの中山で中心視するのは少々リスクが高いかと。

[6]⑨ソリタリオ(横山武)

 前走のシンザン記念ではスタートこそ五分に決めたものの、スパッと切れるタイプではなく直線ではジリジリとしか伸びず。距離延長+中山替わりはプラスで、積極策の取れる横山武Jへの手替わりも合っていると見ます。

[7]⑩アルナシーム(福永)

 前走のつばき賞は前半4Fが51.6もかかる超スローペースで、小頭数でもあり折り合いが懸念されましたが馬の後ろに入って我慢が効きました。直線では落鉄するハプニングもありながら32.9の脚を使っており、絶対的に前が有利な展開をよく追い込みました。ペースが流れ前走よりもレースがしやすくなるのは好材料で、朝日杯でも伸びない最内から唯一足を伸ばしての④着と力のある所を見せています。ここは権利取り以上の結果を求めたいところ。

[7]⑪トーセンヴァンノ(田中勝)

 初勝利がOPのコスモス賞だったため、1勝馬にもかかわらず収得賞金600万で現状オープンにしか出られず。2勝クラス(1000万下)ができるまではこれを続けるしかなく、当面は参加賞狙いのレースが続くでしょう。

[8]⑫アライバル(ルメール)

 前走の京成杯は1角でごちゃついた際にスムーズさを欠き④着。東京で新馬勝ち+新潟2歳S②着という戦績から左回りが良いのか広いコースが良いのかは判断つきかねますが、外枠を引けた今回は立ち回りの難しさはある程度相殺されうる期待は持てます。差し損ねる懸念はありますがまともなら上位の一角。

[8]⑬オウケンボルト(M.デムーロ)

 前走の水仙賞では番手からのレースでも②着し進境を見せたものの、典型的な3歳1勝クラスのスローペースで、2,3番手を追走しそのまま流れ込んだだけという展開でした。距離は長いほうがよさそうで短縮がプラスとは見えずで。

<予想>
◎アルナシーム
○グランドライン
▲ソリタリオ
△アライバル
△アサヒ
△ビーアストニッシド


■阪神11R/阪神大賞典 トーセンカンビーナ

 3走前のアルゼンチン共和国杯の時に「関東移籍は失敗」と話した通り、この馬がパフォーマンスを高められるのは阪神・京都など3・4角から助走をつけて追い込めるコースの時です。今回は一昨年の宝塚記念⑧着時以来の阪神コースで、スタートに不安のあるタイプにつきコーナー6回のレイアウトも好都合。ディープボンドは頭一つ抜けていますが、複系で妙味があるのはこの馬でしょう。

2022年3月18日金曜日

【3/19(土)予想お休みします】

 仕事につき、開催時間中外にいるため土曜の予想はお休みします。元々馬場が悪くなると全く当たらないタイプでもあるので、日曜以降も天候を見ながら検討することとします。

 強いて買うならマリーナ。

2022年3月13日日曜日

【3/13(日)予想】金鯱賞の全頭評価とねらい目レース(中山7R、東風S、灘S)

■中京11R/金鯱賞

[1]①ショウナンバルディ(岩田康)

 好走のカギは「前目につけられて」「前半が61~62秒くらいの緩いペース」になるかどうかです。2走前の中日新聞杯は強力な同型もいない中で前半61秒と理想的な流れを刻み強い勝ち方でしたが、今回は先行馬にも有力どころが多く一度逃げ切りを許している手前マークもきつくなりそうで、すんなりと運べなさそうな分だけ割引です。

[2]②ギベオン(西村淳)

 このコース自体得意にしており金鯱賞は過去3年連続で出走し⑥④①着。その勝った昨年はデアリングタクトにマークが集まる中での逃げ切りで、今回は両隣が先行馬につき控えざるを得ず、かといって決め手に欠けるだけに脚の使いどころがかなり難しくなりそうです。

[3]③ジャックドール(藤岡佑)

 プリンシパルSの後休養に入れたことが功を奏し、馬体がしっかりした中での4連勝は評価できるものでしょう。言っても重賞経験はないですし1倍台にまでなるのは過剰人気ですが、金鯱賞が前有利になる理由の一つには「実績馬が始動戦として使うことが多いため、無理に勝ちにいかずに自分のレースに徹する傾向が強い」ことが挙げられます。

 例えば今回アカイイトがエリザベス女王杯で見せたようなまくりを打ってくるかと言われればそうではないはずです。負けても気にしないという立場の実績馬に対しタイトルを取りに行く立場の上がり馬が優位になりえる舞台でもあることから、変に突かれることがなければアッサリの可能性もありますが、一方で藤岡佑Jは「自分のやりたい競馬に徹する」ところがあり、少々ペースが上がってでも前につけはするでしょうから、思った以上に序盤で競るような展開になってしまうと脆い可能性もあります。

[4]④ソフトフルート(岩田望)

 ここ3走は牝馬限定戦の2000m級のレースにつき、構造的に前崩れになりやすいレースを差して好走しているだけの現状です。それを勝ち切れない時点で問題なのですが、先行有利の舞台に相手強化と買える要素は見当たらず。

[4]⑤ポタジェ(吉田隼)

 ここ2走はひと息も、この馬は元々3走前の毎日王冠でも指摘した通り「開幕週ハンター」。2戦目から毎日王冠までずっと開催2週目以内の芝コンディションが良いタイミングを狙って使われており、昨年もこのレースに出ていましたが重馬場に脚を取られての③着。まっとうな良馬場が望める今年は前進可能で、3走前にシュネルマイスター、ダノンキングリーから0.2差の③着した実績はここでは頭一つ抜けていると言えます。

[5]⑥アカイイト(幸)

 前崩れ+外差しの展開で台頭するタイプで、今の中京のコンディションでは恵まれにくいというのが正直なところです。ここは先を見据えた一戦でもあり、無理に勝ちに行かなくてもいい局面につき。

[5]⑦シャドウディーヴァ(福永)

 昇級後は2か月以上の間隔を開けると(1,2,2,1)なのに対しそれ以下の間隔では(0,0,0,8)。ここ2戦の連戦ローテはそもそも合っていなかったと見るべきで、2か月半ぶりのこの舞台はヴィクトリアマイルから逆算しても最適と言えるしょう。元々初勝利が2000mでフローラSでもタイム差なしの②着と距離は守備範囲で、例年の金鯱賞よりもペースが流れそうな点を考えれば得意の左回りで間に合う期待は十分にあります。

[6]⑧アラタ(大野)

 この馬もまた3歳春から休養に入れたことが奏功し、体がしっかりしてから4連勝でOPまで勝利。但し自在性が高い一方で重賞に入るともうワンパンチ足りない印象で、前走の福島記念もパンサラッサに付き合った先行勢が崩れたところを中団待機から足を伸ばしての③着とすぐに次勝てるか?と言われると微妙な内容でした。ここに向けてじっくり仕上げられているのは良いですが、相手強化の分押さえまで。

[6]⑨シフルマン(荻野極)

 スローを前付けして上手く流れ込む形での好走が多く、ペースが落ち着けばノーマークでの一発に警戒は必要ですが十分に同型が揃っているここでは流石に恵まれる期待は薄いです。

[7]⑩レイパパレ(川田)

 思ったほど末脚が使えないタイプのようで、前付けして脚を使うよりかは大阪杯のように行き切ってしまった方がよいタイプ。但し陣営も鞍上もそれを良しとしないタイプであり、近走の成績不振もその方針がマイナスに作用しているように見えます。今回も中間は前に馬を置いて最後に追うという形で行っており、この馬の良さを引き出す乗り方にはならなさそうです。

[7]⑪ステラリア(M.デムーロ)

 前走のエリザベス女王杯は外差し有利の展開に乗じての②着でしたが、3角では外に膨れたウインキートスとまくり加減に進出してきたアカイイトに挟まれる不利もありそれがなければもっと際どかったでしょう。5番枠からのスタートながら上手く中団の外に誘導し壁を作って進んだ松山Jの好判断もあってのもので、今回も折り合いがカギですがもまれずに運べば再度の好走は可能でしょう。しかしよくデムーロJ空いてましたね…

[8]⑫ランブリングアレー(藤岡康)

 本来ならば昨年勝った土曜の中山牝馬Sに出ておかしくない立場なのでしょうが、今回がラストランとなるはずでレース間隔に加え斤量や輸送を考慮しての判断と見られます。但しその中2週のローテでは(0,0,0,2)。元々間隔を空けてじっくり調整された時の方が高いパフォーマンスを出せる馬で、今回は無事に完走が目標でしょう。

[8]⑬サンレイポケット(鮫島駿)

 この馬の好走条件は「左回りで上りがかかった時」で、勝ち切った新潟大賞典はワンターン2000mで前半が速くなりやすいうえ異例の連続開催でレースの上がりが37.6も掛かったため間に合ったものでした。中京2000mは構造上上りがかかりやすいとはいえ、いくら何でも良馬場のG2戦で37秒台の上がりを望むのは酷で、自身の脚は使えても勝ち切るまではどうか、でしょう。

<予想>
◎シャドウディーヴァ
○ポタジェ
▲ステラリア
△サンレイポケット
△ジャックドール
△レイパパレ
△アラタ


■中山7R ショウナンワオン

 2走前、ダート1200mの未勝利戦を逃げ切っていますがスタート直後の芝部分でのスピードがなかなかのもので、ダートにして前半33.8という芝並みのタイムで逃げ切り。昨日の最終の2勝クラス戦(芝1200m)の前半が34.0だったことを考えても、いかに速いかがわかります。

 初戦はマイルで最後はお釣りがなく、前走のオキザリス賞は3角で空馬に進路をカットされたうえ4角で挟まれ戦意喪失といった感じの⑬着。芝向きのスピードを持っているタイプと見ており、適距離に戻った今回は積極策で押し切る期待。


■中山10R/東風S グラティアス

 ドスローの京成杯を2番手から差して勝ったものの、到底クラシックで勝負になる内容ではない中で3冠を皆勤。その菊花賞以来となった前走の白富士Sでは好位追走からジャックドールの0.3差③着と好走。キャリアで初めて前半5Fが60秒を切る流れのレースでしたが対応してきたのは大きく、ハーツクライ産駒らしいここに来ての成長力もさることながら短めの距離への適性を示唆する内容であったと見ています。レシステンシアの半弟という血統背景からもこの距離短縮はプラスで、56kgで出られるのも好材料。人気必至でもここはきっちり。


■阪神10R/灘S キタノインディ

 前走の摩耶Sはバーデンヴァイラーを追いかけて負かしに行ったところを返り討ちにあっての⑦着。3走前には現級でショウナンナデシコと0.1差の③着するなどクラスの目途は立てており、立て直された今回は巻き返し可能な出来と見ます。阪神ダート2000mは先行馬受難のコースですが、人気どころがこぞって外に固まった中でまくりの直撃を受けにくい内枠を引けたのも好材料。立ち回り一つで争覇圏も見えてきます。

2022年3月12日土曜日

【3/12(土)予想】ねらい目レース(飛鳥S、中京7R、中山8R)

■阪神10R/飛鳥S リーピングリーズン

 中央での2勝はいずれもダートでのもの。一見すると無謀な芝挑戦に見えそれが人気を落とす要因ともなっていますが、これは中央競馬の競走体系上の欠陥でもあります。

 一般的に、足場の不安定なダートは体力勝負となることから牝馬より牡馬の方が好成績と言えます。これが下級条件であればまだ互角に伍せるのですが、滞留している馬の絶対数が多い3勝クラス以上になると一気に牝馬の勝率は下がります。


 上記は昨年行われた全ダート戦におけるクラス別の牝馬の勝率です。牡馬は全てのクラスで6%後半~7%後半の勝率を保っている一方で、牝馬は3勝クラスでガクッと落ちます。層が厚く牡馬の壁を破れないことを示しており、逆にこれを勝った牝馬というのは相当強いわけで、即交流重賞クラスの活躍が期待できます。

 この通り、牡馬の層が厚いことがダート牝馬の出世を狭めている一方で、「牝馬限定の3勝クラスのダート戦」というのは年に2鞍程度と極端に挙行数が少なくなっています(そもそも組まれるようになったのは昨年からで、1989年~2020年までは設定自体がありませんでした)。おまけに交流重賞も最低限3勝クラスを勝っていないと確実に除外対象になりますから、ダート牝馬というのはそもそも2勝クラスを勝ち上がるとその後の活躍が非常に難しくなります。

 すなわち、2勝クラスをダートで勝ち上がった牝馬は必然的にダートで苦戦を強いられるか、芝に活路を見出すかしかなくなるわけです。このレースに出るリーピングリーズン・アドマイヤメティスに関してはいずれもそのような事情であることが推察され人気を落としていますが、中でも前走の同級戦で善戦したリーピングリーズンの一発に期待したいです。

 前走の初音Sは皆がこぞって外を回す中、道中から最後までずっと馬場の悪い内を通った馬はいずれも2桁着順に沈んでいます。加えて外差し勢が台頭する流れにあって、道中3番手のインを進んだリーピングリーズンは⑫着大敗も0.7差に留まり、一定の評価はできるレースだったと見ています。年明けに増えた体をどこまで戻せるかがカギで良くなるのはまだ先の可能性もありますが、人気が見込まれるイズジョーノキセキと前走で0.4差だったことを考えればやれない相手関係ではないはずです。


■中京7R ナリノペッパー

 ここ2戦はスタート後に進路を失くし後手を踏んだうえ、勝ち馬がいずれも次走で連勝するレベルに強かった分余計に負けていますが、現級では既に5回の掲示板実績がありこのクラスでやれるだけの力は見せています。ゲートが速くないため芝スタートの外枠は歓迎で、元々1200mで勝っている馬なので距離短縮も問題なし。ここ2戦に比べればだいぶ与しやすいメンバー構成で、ここは通用の可能性大と見ます。


■中山8R クローリスノキセキ

 前走は中央で初のダート参戦でしたが、その後連勝で昇級したマイヨアポアに3kg減で出てこられてはどうしようもないというレース。⑥着でも0.5差は悲観しなくてよく、当時同様に先行し0.3差に粘った③④着馬は次走の自己条件で③②着と結果を出しています。使える脚が長くない分、中山でロスなく立ち回れる内枠は好材料。相手関係にも恵まれる今回は前進可能でしょう。

2022年3月6日日曜日

【3/6(日)予想】弥生賞の注目馬とねらい目レース(大阪城S、阪神12)

■中山11R/弥生賞ディープインパクト記念 ボーンディスウェイ

 2歳~3歳路線のOP以上のレースが整備された一方で、下級条件がそれに合わせて増えているわけではないため上級戦のレベルはさほど増えておらずむしろ下がってさえいます。

 例えば今年の3歳世代の先週までのレースにおける平均出走頭数は、新馬・未勝利・1勝クラスのいわゆる「下級条件」が14.1頭なのに対しOP以上のレースは11.8頭。この中にはフェニックス賞でデビューを迎えたデュガと未勝利の身で格上挑戦した馬が含まれるため、実際はもっと少なくなります。使い分けの弊害、という見方もありますがそもそも勝ち上がる馬を増やさないで上級戦ばかり増やしたのですから構造上こうなることは当たり前で、スカスカの夏競馬の下級条件戦を含む値でこれだけの差が出ていますから、世代限定の上級条件戦の戦績を鵜呑みにできないというのが現実です。

 戦歴が少なく馬柱の良い馬に人気が集まりがちな世代限定戦は、むしろ下級条件を勝ち上がってきた馬に注目すべきと考えます。今回のメンバーでそれに該当するのはアスクビクターモアのみですが、これに加えて「自己条件を勝ち上がり、上級戦で力を出し切れていない馬」を採ろうと考えたときに出てきたのがボーンディスウェイです。

 2走前の葉牡丹賞の内容が優秀。

 12.5-11.3-12.3-12.8-12.7-11.9-11.5-11.7-11.4-12.5

というラップを自ら刻んでの逃げ切りで、後半に入って連続して11秒台の脚を使っています。これは向こう正面からまくり気味に上がってきた馬が何頭かいたためで、この時上がってきた馬はそれぞれ⑦⑧着と返り討ちにあっています。前半が61.6というのは一見恵まれたように見えますが、それでいて後半を59.0でまとめたことで勝ち時計は2.00.6と水準級。しっかり自らの脚を使えるタイプの先行馬と言えそうです。

 前走のホープフルSは外有利展開をインの2番手を進んでのもので、外に進路を取った勢が台頭する中で終始インにいて0.5差の⑤着なら健闘の部類。この中間は3週連続してDWで50秒台-11秒台の好時計をマークしており、賞金的にもここで出走権を獲得しなければいけない立場で仕上げに抜かりなし。重賞好走馬が人気している中でも上位を張れておかしくありません。


■阪神11R/大阪城S バイオスパーク

 実は2年前のこのレースでも◎を打ち当時は④着。スタートでトモを落とし位置取りを悪くしてしまいました。スタートが課題なのは今も変わらないのですが、この馬は上手く内に入れられたときに好走する傾向があります。今回は久々に内目の枠を引け、昨日のチューリップ賞でも最内をついたピンハイが②着したようにインは良好なコンディション。この相手関係なら立ち回り一つで一発あっても。


■阪神12R オンリーワンスター

 9歳牝馬、もう4年9か月勝てていませんが末脚は健在で、前走の平場戦も進路を探りながらのやりにくいレースながら0.3差④着と好走しています。ペースが緩んだタイミングで少し行きたがる場面もあり、牡馬混合戦でペースが流れた方がレースしやすいはず。4kg減でもう一押しがあれば台頭の目は十分でしょう。

2022年3月5日土曜日

【3/5(土)予想】オーシャンSの注目馬とねらい目レース(中山12)

■中山11R/オーシャンS ダディーズビビッド

 世間的には案外この乗り替わりは否定的に取られているようで、前日時点でも10番人気前後となっています。確かに浜中Jはこの馬に2回騎乗して⑪⑦着。馬柱だけ見れば手が合っていないように見えるのも頷けますが、そもそもその2戦はシンザン記念と毎日杯で勝ち馬はいずれも後のG1ホース。その後距離短縮された橘Sで一発回答を見せたことを鑑みても、単純に上級戦では距離が長かったと見るべきでしょう。

 手慣れた竹之下Jが乗るようになり取り口が安定したのは事実ですが、やはり気難しさはあり3走前のオーロCでは折り合えずに⑭着大敗。前走の北九州短距離Sはソロっと出して道中は我慢が効いていましたが、直線で行き場を失くし⑩着。5番枠を引きながら詰まることの無いよう道中から外へ外へ進路を取っていたにも関わらず、です。昨年はこの馬での1勝に終わった竹之下Jから重賞2勝を含む43勝を挙げた浜中Jへの乗り替わり。戦歴を深堀すれば相性が悪いと見限るのは早計で、先行勢が揃ったうえ前走で抑えた分今回は折り合いやすくなるでしょう。

 昨年4角1番手~7番手がそのまま①~⑦着を独占したように、エアレーション・シャタリングも無く硬めの馬場で開催2週目の中山はまだまだ内前有利。逃げ馬を前に置き本来の積極策が打てれば、十分に台頭可能な相手関係と見ます。


■中山12R アキノスマート

 4角3番手以内の前目で運べた時は①①③着と崩れてなく、前走は距離延長の効果もあり久々に逃げる形を取れましたが、勝ったバーデンヴァイラーに終始つつかれる格好で3角で失速し2.2差の⑦着。但しバーデンヴァイラーが②着に0.7差、③着に1.4差をつけて圧勝したレースにつきタイム差は気にするほどではなく、当時⑧着のゼンノジャスタも次走で現級を勝ち上がり。勝ち馬以外のレベルも水準以上の一戦と言えます。


 距離適性がどうかという見方もありますが、この馬がこれまで主戦場としていた1400mはスマートファルコン産駒唯一のアキレス腱ともいえる距離(上図)で、血統背景からも息を入れられるコーナー4つのコースは向いているはずです。メンバー易化で同型の競り合いも見込まれない今回は前進あっても。