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2022年5月8日日曜日

【5/8(日)予想】NHKマイルCの全頭評価とねらい目レース(湘南S、駿風S)

■東京11R/NHKマイルC

[1]①マテンロウオリオン(横山典)

勝った2走前のシンザン記念にしろ、②着した前走のニュージーランドTにしろ、鞍上のコース取りが抜群に上手かったという勝利でした。いずれのレースも現代においてG1レースにつながる施行条件ではなくなっており、この成績で人気するのは危険と見ています。鞍上の手腕に期待、という声もありますが、隣の息子の邪魔をするような騎乗はしないはずですしそうなると中団のインでじっとするしかなく、垂れてくる先行勢をどう捌くかも難しいところです。

[1]②ソネットフレーズ(横山武)

脚部不安で桜花賞を断念し再調整。追い切りが軽めなのはテンションに配慮してのものですが、それでもウッドで51-11秒台でやれていますから動ける体制にはあるでしょう。とはいえ格下馬に後れを取る内容はやや物足りずで、調教後馬体重もデイリー杯から+8kgという程度で大きくビルドアップした様子も無さそうです。スムーズに良いポジションを取れれば一脚は使えるものの、この枠と頭数では発馬をしっかり決める必要があり。

[2]③ソリタリオ(鮫島駿)

速い上りを使える馬でないため前目から押し切りたいタイプなのですが、ここ2戦は発馬から進んでいかず。前走のスプリングSは馬場が渋っていた分とも言えそうですが、2走前のシンザン記念は良馬場でも道中後れを取っており、ここに来ての成長力にはやや疑問符が。

[2]④セリフォス(福永)

前走の朝日杯FSではスタート後に両隣の馬に挟まれエキサイト。その分もあってか最後は坂で脚が上がってしまいました。ドウデュースに交わされダノンスコーピオンにも迫られた点を考えれば、これら2頭が急坂を苦にしないのに対しセリフォス自身は新潟2歳Sで見せたように速い上りで決める強さを持っていると言えます。中間の調教も坂路とウッドの併用でしっかり負荷をかけられ、いかにも中内田厩舎の休み明けという仕上げで抜かりはないでしょう。

ただ唯一アキレス腱になるとすれば、その中内田厩舎の促成栽培の弊害でしょうか。

ノーザンファームの方針もあるのでしょうがこの厩舎はとにかく早期勝ち上がりを期して初戦から仕上げてくる傾向が強く、開業6年で2歳新馬戦を実に29勝もしています(うち芝25勝)。但しそれらの馬で後にG1を勝ったのはダノンプレミアムの朝日杯FSだけで、2歳時の実績で人気が先行しがちですが3歳以降の上級戦ではそれを裏切るケースが多いです。



上記は中内田厩舎で2歳新馬戦を勝った馬の年齢別・クラス別の成績です。すべてのカテゴリにおいて人気が先行しているうえ、上級戦で特に落ち込みが激しいです(重賞は2歳のものが多い)。世代限定戦の続く3歳春まではアドバンテージを保てるのでここはまだ切るタイミングではないですが、2歳時の実績に引っ張られて人気する以上、3歳以降の取捨は慎重に考える必要があるでしょう。

[3]⑤キングエルメス(坂井)

2走前の京王杯2歳Sの内容が秀逸で、直線立ち上がったところで先頭に立ち最後の3Fが34.1というかなりの上がり勝負をそのまま押し切りました。逃げ馬を交わしたラスト3Fの区間が11.0とかなり速いラップで、強気に乗ってそこで脚を使ったうえで勝ち切れたのですから東京向きのスピードとキレを持っていると言えるでしょう。

前走のアーリントンCは骨折休養明けにも関わらず好発を決め③着と好走。賞金が足りているので当然照準はここに合わせたうえでの仕上げで、100%とまではいかずとも1回使っての良化は確実。東京はまだインが活きているうえ、先行勢自体は多いものの皆ハナに立つタイプではなく、けん制しあってのミドルペースになれば強気に乗れるこの馬のチャンスは十分にあると見ます。

[3]⑥トウシンマカオ(戸崎)

キングエルメスと同じ京王杯2歳Sで②着、2走前のクロッカスSで2番手からラスト33.1の脚を使い押し切りとこのコースへの適性は高いです。マイル自体も新馬戦で経験済で、上りのかかる阪神・中京では今ひとつも東京に戻れば巻き返しの目はあるでしょう。

[4]⑦タイセイディバイン(松若)

初勝利は2000mで挙げるもここ2戦距離を詰めて重賞で連続②着。上りのかかるコース・展開をうまく味方につけての好走でしたが、好位で立ち回れるのがセールスポイントにつき今回もこの枠から上手くポジションを取れれば一脚は使えそうで。

[4]⑧アルーリングウェイ(藤岡佑)

2走前にエルフィンSを勝ったとはいえ、桜花賞の時に取り上げた通りメンツ的にも内容的にも強調できるものではないうえ、前走の桜花賞も絶好位にいながら前が空いても全く伸びず。0.2差とはいえ物足りないレースぶりで、牡馬も加わってくるこの舞台では。

[5]⑨ダンテスヴュー(吉田隼)

前走の皐月賞で指摘した通り、溜めても切れないため上がりのかかる中京で好走したものの一線級相手のレースでは限界がありました。陣営は距離に敗因を求め初めてマイルを試しますが、2歳時のパフォーマンスを更新できていない現状では。

[5]⑩カワキタレブリー(菅原明)

2走前の白梅賞はスローを2番手から押し切ったのみの内容で、4走前のデイリー杯2歳Sにしても小頭数でペースが落ち着いた区間で上手く脚を使った鞍上の好プレーの賜物。多頭数、上級戦での通用根拠は現状では見出せません。

[6]⑪インダストリア(レーン)

弥生賞では1角でスムーズさを欠き折り合えず⑤着。その点も考えると距離短縮で折り合い面の不安が軽減できるのはプラスで、未勝利戦の内容と2走前のジュニアC①着から考えるとキレを活かせる東京のマイルは最適な舞台の可能性すらあります。テン乗りのレーンJが折り合えるかはポイントですが、能力全開なら通用の目はあるでしょう。

[6]⑫セイクリッド(菊沢)

初戦が重のダートで追い込んで③着→2戦目に良のダートでまくり上げて①着という戦績からも、現状では上りのかかった方が良いタイプでしょう。そもそも芝を走れるのかすら未知数の現状では手を出しにくく。

[7]⑬ジャングロ(武豊)

3連勝中も上手く番組を選んできた感があり、4走前のベゴニア賞の内容からも最後の3Fの速さが求められる東京コースは本質的に合わないでしょう。単騎の逃げが決まってよほどかわいがられでもしない限りは。

[7]⑭フォラブリューテ(大野)

前走の桜花賞はゲート内でガチャガチャしている時にスタートを切られ後手を踏み⑭着、3走前のアルテミスSはスタート後の接触もあり掛かり通しで⑤着と、2回の敗戦はいずれも訳アリのものでした。但し2走前の紅梅S①着は前傾戦をうまく立ち回って差し切っただけのもので評価としては高くなく、評価の対象は4走前の新馬戦①着です。新馬戦らしい落ち着いた流れで前残りになりがちなところ、直線で33.0の上がりを使って0.7差をつけた強い内容。当時負かした馬の中には桜花賞⑥着のパーソナルハイもおり、ここと1.4差と考えればキレ勝負の東京に替わってスムーズでさえあれば台頭の余地はあるでしょう。

[7]⑮オタルエバー(横山和)

気持ちの問題からハナを切るレースが続いていましたが、前走のファルコンSではハミを変えた効果もあり控えてひと脚を使い③着と進境を見せました。2歳時のパフォーマンスを考えればここでもやれておかしくはないですが、追い切りは飛ばしてしまいがバタバタになるなどまだ本調子ではない様子で、再度距離延長となるローテもプラスではなく。

[8]⑯プルパレイ(M.デムーロ)

デムーロJ曰く朝日杯FSの頃から気難しさを見せるようになり、一度機嫌を損ねてしまうとレース中は一切鞍上のいうことを聞かなくなるという話。たまたま出遅れたクロッカスSで追い込む競馬をさせたら予想以上に良いレースをしたとのことで、ここも無理せず控えそうです。1週前には重いウッドで49.9-11.4と抜群の動きを見せており体調は問題なし。この枠なだけに出遅れると厳しいですが、スタートが決まりさえすればここも好走は可能でしょう。

[8]⑰ステルナティーア(池添)

爪の不安を抱えながらの調整で、前走⑪着に敗れたチューリップ賞から比べても中間の状態は上がっていることが見て取れます。木村厩舎ですので在厩時の調整よりは放牧先でちゃんとやれたかがポイントですが、ノドの不安を抱えながら皐月賞を勝ったジオクリフ同様帰厩後直ぐに時計を出せており、最終で併せ馬を消化するパターンも時計の本数もほぼ同じ。新潟の新馬戦の内容を考えればキレが求められる東京替わりはプラスで、この枠をうまく捌けさえすれば。

[8]⑱ダノンスコーピオン(川田)

前走のアーリントンCの際に取り上げた通り、距離というよりは上りが掛かったほうが力を出せるタイプと見ています。本番のここより前走の阪神マイルの方が力を出せたという結果ゆえ、ここでパフォーマンスを上げられるかとなると懐疑的です。

<予想>
◎キングエルメス
○インダストリア
▲トウシンマカオ
△プルパレイ
△セリフォス
△ダノンスコーピオン
△タイセイディバイン
△ステルナティーア
△フォラブリューテ


■東京9R/湘南S ルペルカーリア

昨年の京都新聞杯で掛かりながら逃げて②着と能力はある馬なのですが、気性面の問題に加えブレーキを使いながら走ることのできないタイプにつき大箱のワンターンが理想です。前走の飛鳥Sは1800mでも掛かってしまい最後にお釣りを失くしましたが、さらに距離が詰まり東京のマイルは合う舞台でしょう。加えて二度の連対はいずれも左回りで、両親が東京で高いパフォーマンスを見せたことからも初コースもプラスの期待で。


■新潟10R/駿風S サンラモンバレー

2走前の巌流島特別の時に推奨したのですが、根拠として「最後の1Fが掛かる小倉は合っている」といったものの実際のレースでは「11.5-10.4-10.9-11.3-12.0-11.2」とゴールに向かって加速するラップになってしまい全く見せ場なく⑬着に敗れました。新潟の直線1000mであればそのようなラップにはまずなりませんし、この距離では後手を踏むため外枠を引けたのも好材料。千直の相手関係なら通用してよいはずです。

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