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当ブログは、広尾サラブレッド倶楽部株式会社様のご厚意により、同倶楽部の所有する競走馬の写真及びWebサイト記載情報の転載許可を頂いております。

2022年9月26日月曜日

【一口馬主】パラスアテナ引退、夢を紡ぐ頑張りを見せてくれた人馬に感謝と敬意


(出典:広尾サラブレッド倶楽部Webサイトより)

 出資馬である広尾TCのパラスアテナ(牝5、美浦・高柳瑞厩舎)が先日18日(日)の中山10R・レインボーS(3歳上3勝クラス・芝1800m)に出走し、15頭立ての13着となりました。レース後、左前肢の腱鞘炎が判明し、一定期間の休養を余儀なくされることに加え近走のパフォーマンスも踏まえ、このレースを以て現役を引退することが決まりました。

 2月の初音Sで15着に敗れて以来7か月ぶりとなる復帰戦。昨年の西宮Sに続いて2戦連続での大敗に、陣営はこの中間障害練習を取り入れるなどの工夫を施し心身のリセットを図ってきました。しかしながらレースでは頭の高いままで勝負どころでも全くギアが入らず、ここ2戦と同じような走りでただ回ってくるだけのレースになってしまいました。弟のカイザーノヴァにも見られるようにステラリードの牝系は頭の高いフォームになることが多いのですが、そもそも気持ちの面でオンオフが切り替えられておらず、調教の時計自体も出てはいたのですが実戦でまるで勝負にならないことが続いていました。

 馬の腱鞘炎というのもあまり聞かないですが、けがの程度としては重いものではなく程なくすれば復帰自体は難しくないとのことではありました。しかしながらこのような戦況が続き、なおかつ来春には6歳春を迎える年齢面も考慮し、このタイミングでの決断となりました。個人的にも、ここまで手を尽くして変わらないのであれば無事に次のステージに進めることが大事だと考えておりましたので、この判断を尊重したいと思っています。


 レインボーS当日は現地におり、雨の降りしきる中結果的に最後となったパラスアテナの雄姿を見届けることができました。実は中山に行ったのは彼女のデビュー戦の時以来。パドックの様子もいつも通りで、なぜこの見た目で走れないのかと不思議でなりませんでしたが、性別的なものもきっとあったことでしょう。これまでの頑張りに感謝を申し上げるとともに、良いお母さんになることを祈っています。


 パラスアテナは私が初めて一口馬主として出資を決めた際、広尾TCの4口無料特典で出資したうちの1頭でした。他3口はマミリアス、キャットウォーク、キセキノセンシに使ったためこの馬が一番早いデビューとなり、正真正銘初めての出資馬でした。結果的に初勝利、初重賞挑戦、初G1挑戦と想像をはるかに超える活躍を見せてくれ、勝ち星こそ2勝にとどまりましたが一戦一戦がとにかく楽しみで仕方ありませんでした。

 しかしながら、母ステラリードは函館2歳Sの覇者、弟のキングエルメスも京王杯2歳Sを制したという血統背景や、結局デビュー時から馬体重が大きく変動することなく5歳秋を迎えた点を踏まえれば、競走馬としてのピークは早い段階で迎えていたのかもしれません。その一方で、3歳1月のデビューでクラシック登録すらなかったこの馬が世代G1に出られるまでに出世できたのはその高い完成度故のことでしょうし、一戦一戦大事に使ってきた高柳瑞厩舎の努力の結晶であり、カーネーションCや紫苑S等限られたチャンスを確実にものにしてきた武豊Jはじめこの馬に携わった人々の丁寧な仕事ぶりが伺えました。

 何より、大敗が続き場合によっては今春で引退となっててもおかしくない状況で、ここまで現役を続けてこられたのは厩舎サイドが可能性を信じ再起のチャンスを与えてくれたからにほかなりません。こうして無事に繁殖として上がれることも含め、師を始め厩舎スタッフの皆さんに心から御礼申し上げます。


 私事ですが、最初に一口馬主を始めたときの目標は

 「G1で掲示板に入る出資馬を持つ」

 ことでありました。

 まさか1頭目でそれをなし得るとは思っておらず、今後の出資戦略をどうしようかと悩んでおりました。パラスアテナの引退により、中央現役の出資馬は3頭(アリシアン、セントアイヴス、メグルキセキ)となりこのまま縮小の方向もありかと考えていましたが、家内の「彼女の子供が待ち遠しい」という言葉に、これからも一口馬主ライフをひっそり続けていけたらと思っています。それを叶えてくれたのも、ひとえにパラスアテナのここまでの頑張りが二世への夢を紡いでくれたおかげだと感じる次第です。

 たくさんの感動と喜びをありがとう。お疲れ様でした。

2022年9月25日日曜日

【9/25(日)予想】オールカマーの全頭評価と神戸新聞杯の注目馬

■中山11R/産経賞オールカマー

[1]①ロバートソンキー(伊藤工)

スピードとキレを身上とするタイプですが、2走前の天皇賞(春)では条件馬ながらに⑦着と好走。流石にお釣りは残ってなかったですが垂れてくる先行勢を冷静に捌いて着を拾っており、やはり基礎能力は高い馬です。前走の日本海Sも新潟内回りで4角9番手と絶望的な位置から鮮やかな差し切りを決めたように、長くいい脚を、というよりは鋭い脚が使えるタイプでトリッキーな中山コースは向いているはずです。左回りの方がコーナーワークはスムーズで本線はアルゼンチン共和国杯と思われますが、現状の賞金では出られるか微妙な情勢につきここで加算を目論んでの参戦でしょうし、2週連続で併せ馬で先着しているように状態も万全。馬群の中でレースをさせたいタイプにつき最内も問題にはならないでしょう。

[2]②ジェラルディーナ(横山武)

重賞で僅差の好走が続いていますが、元々折り合い面に難のある馬で前走の小倉記念も福永Jがギリギリ宥めながら我慢させての③着でした。一方でマイルでは溜め切れずに取りこぼすことから現状では1800mがベストであり、さらなる距離延長に加え積極騎乗の横山武Jへの手替わりはこの馬に関しては必ずしもプラスではないと見ています。

[3]③ウインキートス(松岡)

連覇を目指した前走の目黒記念は、昨年ほどではないにしろ前半62.5のスローペースを刻んで逃げて③着。実はデビュー22戦目で逃げたのはこれが初めてでしたが、主張するタイプの逃げ馬が居ない中結果的に4角で前にいた馬が③着内を独占する流れで自分の形に持ち込むには良い判断でした。ただ今回はあくまでエリザベス女王杯を見据えての仕上げであるうえ鞍上も出たなりでのレースを示唆。前付けできないと着を落とすタイプな上、外枠に行きたい馬が勢ぞろいしており位置を落とす懸念があります。

[4]④ソーヴァリアント(川田)

昨年のチャレンジCは好メンバーを相手に強い勝ち方でした。骨折により9か月半ぶりの実戦ですが中間は意欲的に乗られ、3週連続でDWで併せ馬を消化し好時計をマークしており動ける態勢にはあると見ます。もちろん目標は先であり、トリッキーなコースをこなすステイゴールド系の特性を考えれば有馬記念までを逆算してのローテかと思いますが、川田Jがあえてこちらに乗ってきたことも含め格好は付けたいところです。

[4]⑤ヴェルトライゼンデ(戸崎)

大敗を喫したのは中3週で挑んだ皐月賞と菊花賞の2回のみ。ドリームジャーニー産駒故この馬も中山の大舞台から逆算してのローテと推察しますが、前走久々の勝利を飾った鳴尾記念時と同様に中間は坂路で抜群の時計をマーク。幾度となくコントレイルと接戦を演じた力量は疑いようがなく、ここは通用級の1頭です。

[5]⑥クリスタルブラック(吉田豊)

実に2年5か月ぶりの復帰戦。2走前の京成杯は大外を回してスカイグルーヴを差し切る豪快な競馬で勝ったものでポテンシャルの高さは認めるものの、元々足元が丈夫ではなく中間は坂路で3F追いがメインとセーブした内容。時計もさして目立つものではなく、ここは実戦勘を取り戻すための叩きと割り切った方が良いでしょう。

[5]⑦アドマイヤアルバ(原田)

小差の好走は頭数にも恵まれたOP特別でのもの。昨年の目黒記念③着もスローペースで3番手にいたというだけの話で、力で重賞を走れるレベルには現状ないと見ます。

[6]⑧デアリングタクト(松山)

2017年以降の中山芝2200~2500mの重賞全体で牝馬は(6,5,1,28)で勝率15.0%と牡馬(7.4%)の2倍。単回98、複回81と馬券指標で見ても優秀です。中山コースは2200m以上では外回りコースを使用しますが形が非常に特殊で、1コーナーと2コーナーの間がほぼ直線であったり3コーナーの前から下り坂になったりと加減速の頻度が多いことから牝馬らしい俊敏なスピード能力が活きる余地が大きいことが要因と推察されます。現にオールカマーも牝馬の出走の無かった2018・19年を除けば2017・20・21と牝馬が3連勝中。2000m級のレースでの実績がある馬が高い確率で好走しています。

デアリングタクトはこれが秋初戦でエリザベス女王杯から逆算してのローテであることは明らか。前走の宝塚記念は正直タイトルホルダー以外はG2~G3クラスのメンバーで、消耗戦で垂れてきた先行勢を待機策から交わしたまでのレースであったものの、絶対的な距離適性が求められる阪神2200mよりは中山の方がこの馬の操縦性の高さを活かせる舞台であると言えるでしょう。長欠明けを叩かれ半信半疑だった春シーズンと比べれば明らかに状態は良く好戦は必至でしょうが、必ずしも勝ちに行く局面ではないだけに何かに負けるリスクは考慮に入れるべきでしょう。

[6]⑨クレッシェンドラヴ(内田博)

一番良い動きをしていたのは6歳シーズン。年々ズブさに拍車がかかっており立て直しにも時間がかかるようになっているうえ、その6歳シーズンにオールカマーで④着していますがその時から相手も強くなっている分、通用可能性を見出すのは難しいかと。

[7]⑩テーオーロイヤル(菱田)

長距離馬のイメージがありますが、最後の3Fで加速できれば良いダイヤモンドSと800m前後からなし崩し的に脚を使わされる春の天皇賞とでは求められる性質が大きく異なります。テーオーロイヤルは阪神外回りや東京など前者向きの適性で勝ち上がってきた馬で、本質的には中山2200m向きでないと見ています。それでもあえて京都大賞典ではなくここを使ってきたのは力試しの側面に加えアルゼンチン共和国杯を逆算してのことと見られ、目標が先にある前提で不適舞台でパフォーマンスを上げられるかと言われると。

[7]⑪キングオブドラゴン(三浦)

詰めの甘さは相変わらずも、それを積極騎乗でカバーしている昨今。中山にも良績があり行ければ面白いですが、使いながら調子を上げるタイプであるうえ所属の坂井Jを他厩舎のジュンブロッサムに譲っているあたりからも矢作師の勝負度合いは決して高いとは言い切れず、ここを叩いて再来週の京都大賞典が本線と見ています。

[8]⑫フライライクバード(福永)

阪神外回りや東京と言った長くいい脚を使うコースで好走できるタイプで中山は向かないうえ、テンションに気を遣って最終はポリトラックでの仕上げ。坂路で追って東上した前走目黒記念時と比べてもトーンダウンは明らかで。

[8]⑬バビット(横山典)

1年7か月ぶりの実戦ですが、元々気のいいタイプでもあり休み明け自体は苦にしていません。中間もじっくり乗られ追うごとに時計を詰めており、最終追いは横山典Jが騎乗しまさに唸るような動きを披露。坂路52.1-12.3というタイムは休養前でも出ておらず、身体共に仕上がっているようには見えます。何が何でもというタイプもいないだけにハナも楽に叩けそうなうえ、昨日の回復途上のコンディションと違い良馬場でインも活きており、デアリングタクトが負ける可能性があるとすればこういう馬ではないでしょうか。

<予想>
◎バビット
○ヴェルトライゼンデ
▲デアリングタクト
△ロバートソンキー
△ソーヴァリアント


■中京11R/神戸新聞杯 アスクワイルドモア

中京開催に限らず神戸新聞杯は前走ダービー組が優勢。出走頭数も多いですが過去10年で9勝しており、全体でも勝率19.1%、複勝率36.2%と高いアベレージを誇ります。アスクワイルドモアにはそのダービーでも◎を打ちましたが、やはり中2週の東上は容易ではなく陣営も鞍上も状態面を敗因に挙げていました。そこから立て直されてのここは見直せる舞台のはずで、京都新聞杯で先着したヴェローナシチーやボルドグフーシュよりも人気がないとくればねらい目でしょう。

2022年9月24日土曜日

【9/24(土)予想】ねらい目レース(中京6R、ながつきS)

■中京6R セルバーグ

約半年で39勝を積み上げた今村J。コース別の成績を見ると5回以上騎乗機会がある中で最も高い複勝率を誇るのがこの中京マイルです。


通算で(3,2,0,3)としていますが、見てのとおり4角10番手以下では(0,0,0,3)なのに対しそれ以外では(3,2,0,0)とパーフェクト。以前中距離戦の方が成績が良いというお話をさせていただきましたが、その際にも触れた通り今村Jのセールスポイントはペース判断に優れている点。最近では仕掛けを焦らないのに加え、小倉で未勝利勝ちしたタケトンボの時のように道中のペースと馬の脚を鑑みて途中で行き切ってしまうレースも増えており、着実にレース勘を養っているのが見て取れます。

今回騎乗するセルバーグは重賞にも挑戦してきたので馬柱こそ汚れていますが、自己条件ではこれまで①③⑥着と大きく崩れていません。③着の白梅賞はカワキタレヴリーと0.1差、⑥着だった前走じゃ1400m戦で位置を下げてしまった分もありました。距離延長に加え行きたい馬が居なさそうなメンバー構成で、前付け時の信頼度の高い鞍上となれば巻き返しは必至でしょう。


■中山11R/ながつきS ハコダテブショウ

このコースで3勝を挙げる中山巧者。前走の新潟戦は元々走らない休み明け、2走前の京葉Sは単騎逃げの形に持ち込まなかったことで後続に脚を溜めさせてしまい大敗しており、むしろ自滅気味にガンガン飛ばして最後の1Fが14秒近くかかるような消耗戦に持ち込んだほうが良いタイプです。同型不在のここは見直せるはずで、遠慮なく飛ばせる8枠から自分のレースができれば勝機です。

2022年9月19日月曜日

【9/19(月・祝)予想】セントライト記念の注目馬

■中山11R/朝日杯セントライト記念 ショウナンマグマ

レース結果はさておき、昨日のローズSと違いこのレースは実績馬の好走が目立つ舞台です。過去10年のレース結果を前走のクラス別にみると

条件戦(2,4,2,67)勝率2.7%/複勝率10.7% 単回16/複回43
OP(0,0,1,5)勝率0.0%/複勝率16.7% 単回0/複回41
重賞(8,6,7,45)勝率12.1%/複勝率31.8% 単回118/複回88

と圧倒的に重賞出走組が好成績です。

但しその中身を見ると、「前走ダービー」が(6,5,4,21)、「前走ラジオNIKKEI賞」が(2,1,1,11)とこの2レースで好走馬のほとんどを占めています。このレースの軸はそのいずれかから選ぶことが妥当と思われますが、ダービーの内容からもアスクビクターモアが人気面では中心になることが予想されます。

一方で展開面を考えると、控えたい田辺Jより前に行きそうなのは横山武J騎乗のショウナンマグマです。ラジオNIKKEI賞②着から臨む今回ですが、その前走は前半4Fが46.8と淀みない流れを刻み0.2差②着。最後は内を掬ったフェーングロッテンに屈しましたが、自分の形に持ち込めれば多少速いペースでも十分に残せることを証明しました。今回も主導権を握れそうな舞台につき、引き続き好走が可能と見ます。

2022年9月18日日曜日

【9/18(日)予想】ローズSの注目馬とねらい目レース(中山6)

■中京11R/関西テレビ放送賞ローズS メモリーレゾン

重賞とはいえ世代限定戦。出走できる馬が限られ、春の実績馬と夏の上がり馬という構図はどのレースでも一緒です。とはいえ春の実績馬の場合多くが賞金的には問題がなく、ここで権利取りに躍起になる必要はありません。一方で条件戦上がり、特に2勝クラス(賞金900万円組)の馬の場合は賞金的に微妙なためここでぜひ権利を取っておきたいという位置づけのレースになります。事実ローズSの前走ローテで一番多いのは「前走1勝クラスを勝った」馬で、昨年のアンドヴァラナウトもこれに該当します。


上記は過去10年のローズSの前走クラス別成績ですが、1勝クラス組は母数が多いぶん好走馬も多く輩出していますが、ハズレも多く悩みどころです。一方出走数は半分程度になりますが複勝率ベースでは「前走2勝クラス組」のほうが好成績を収めています。但し好走馬に多いのが「前走2勝クラスを勝てなかった馬」。2勝クラスを勝ち準OPに昇級すれば秋華賞へはほぼ確実に出られるため、ここに出るのが必要なのは2勝クラスを勝てなかった本賞金900万円組が主流となるわけです。

以上の背景を踏まえれば、そもそも前走で2勝クラスを勝った馬がここに出てくること自体がレアであるわけで、夏の上がり馬の中では序列は最上位になり得、今回はメモリーレゾンがその立場となるわけです。ではそれが春の実績馬との力量比較でどうなのかという点ですが、アートハウスについては忘れな草賞が実質1勝クラスというレベルの相手関係で、休み明けにも関わらずオークスのときより調教負荷が軽いという点が気になります。フローラS②着のパーソナルハイにしてもこのコースを逃げ切ったのは前半65秒という超スローペースで、春先は完成度でリードしていたぶん多少無理なローテでも走り切れましたがあれだけ使った後の秋にどれだけ伸びしろがあるのかは懐疑的にならざるを得ません。本質的に急坂が得意でないとも見て取れ、この相手関係ならば上がり馬代表のメモリーレゾンに軍配が上がると見ています。


■中山6R リヴェット

前走は初の1700m戦でしたが、流れが速く脚がたまらずの⑧着。しかしながら1800m戦を主戦場にしてきた馬にとって、1400mに近い流れになるローカルの1700m戦は全くの別物で、度外視できる敗戦でありました。頭数も手頃になったここは見直せます。

2022年9月17日土曜日

【9/17(土)予想】ねらい目レース(中京3、ケフェウスS)

■中京3R カンノーリ

新馬戦はフロムダスクの④着。森厩舎だからというのもありますがとにかく稽古からよく走っていた馬で、ここは通過点という勝ち方。これに負けたのは仕方ありません。今回2Fの延長となりますが、注目したいのはこの一族の距離延長時の成績が良い点です。

3代母エイシンギャロップはノーザンテーストを父に持ち、現役生活こそわずか2戦で引退したものの母として小倉3歳S(当時)を勝ったエイシンサンサンを輩出。そこからエイシンニーザン、エーシンリターンズ等の活躍馬が産まれました。一族の傾向として距離延長時の好走(&高配当)が目立ち、距離延長時の全成績は(18,16,20,118)で勝率10.5%/複勝率31.4%で単回110・複回101とベタ買いで儲かるレベル。オジュウチョウサンも出走した19年ステイヤーズSで11番人気③着に激走したエイシンクリックもこの一族で(当たり前ですが)この時も距離延長ローテでした。

これらの顔ぶれからも想像がつく通り、この一族は前向きな気性の持ち主で前々から勝負したいタイプが多いです。カンノーリも叩き2戦目と距離延長で前目のポジションを取れれば、スロー必至の2歳未勝利戦で前残りの恩恵を受けられる期待があります。


■中京11R/ケフェウスS アーデントリー

3走前の中京記念の時にも言及しましたが使いながら仕上がるタイプで、この夏は1年2か月の休みを叩いて⑪⑪⑧⑤着と徐々に上向き加減。この頭数、このメンバーではスローは必至で、外を回して差しに回ったのでは間に合わないでしょう。馬群を割って伸びることができるのがセールスポイントのこの馬にとってはチャンスと言える舞台で、叩き5戦目でそろそろ走り頃でしょう。

2022年9月11日日曜日

【9/11(日)予想】京成杯AH・セントウルSの全頭評価とねらい目レース(中山6)

■中山11R/京成杯オータムハンデキャップ

[1]①ベレヌス(西村淳)

前走の中京記念は暑い時期で調子が良かったのもあるでしょうが、ベステンダンクが思った以上に行き脚がつかず59.9秒で逃げられたことが大きかったです。4~5Fにわたって長くいい脚を使うことのできる馬であり、前半にオーバーペースを回避できたことが勝因でした。ハンデ戦で2kg増となるうえ、本質はスローの逃げ馬であり距離短縮はプラスではないとなると自身のペースに持ち込む難易度はかなり高いと見ます。

[2]②コムストックロード(柴田大)

マイルでは(0,0,0,3)。坂のない新潟でも末が甘くなってしまうあたり、1F長いでしょう。

[3]③インテンスライト(菊沢)

暑い時期は良くなく、10-3月が(4,3,3,7)なのに対し4-9月は(0,0,1,5)。今回も暑い夏を越えての復帰初戦につき完調とまでは言い難く、仮にそうだとしても春のダービー卿CTは差し有利展開に乗じての0.4差⑥着。掲示板確保が現実的な目標になるでしょう。

[3]④シャーレイポピー(鮫島駿)

昇級後は案外ですが、3走前の福島牝馬Sでは再三再四不利を受けてのもの。2走前の米子Sでは得意の阪神マイルも落鉄の影響で伸びを欠きまともなレースができていませんでした。前走の中京記念も結果的に1F長かったと言えますが、それ以上に後半加速するタイミングで脚を使ってしまったことで共倒れになった側面が大きく、福永Jが果たしてレースの流れを正しくとらえていたのかどうかは疑問が残ります。

今回は3走ぶりに鮫島駿Jに手綱が戻るわけですが、そもそも福永JはセントウルSにお手馬が居るわけでもなく乗りに来ようと思えば来られるわけでした。2走前は訳アリの敗戦で前走も距離に敗因を求めることはできるはずで、この馬で2勝している立場からすれば本来今回優先的に乗れるはずなのですが、そうでないとすれば「乗せる側の意向」としての交代である可能性を含み置く必要はあるでしょう。通算2500勝のベテランから300勝の若手への交代と字面だけ見ればマイナス要素ですが、背景を鑑みればあながちそうとも言い切れないと見ています。

昨年は紫苑Sに出走し0.4差の④着と健闘。元々4勝全てが阪神マイルと急坂コース向きであるうえ、適性とは言えない2000mでもファインルージュから小差と格好をつけられた走りからして中山コースへの適性はかなり高いと見ます。G3クラスのメンバーに入れば大差はないはずです。

[4]⑤タガノディアマンテ(大野)

近走では掛かる面が出ており、折り合い面の心配のないこの距離を使ってきたという経緯。実は中山コースは皐月賞でサートゥルナーリアの0.8差⑥着するなど相性が良く、その前のスプリングSも含め外々を回らされていなければもっと着は上げられたでしょう。本来連戦向きでなく中3週での続戦がどうかも、3走前の京都記念で中4週を克服しての②着もあり克服の可能性に賭ける手はありそうです。

[4]⑥ミスニューヨーク(M.デムーロ)

前走の中京記念は最後の100mで狭くなってしまい不完全燃焼。上りが掛かる展開で最後まで脚を伸ばす形がセールスポイントなだけにこの不利は痛かったです。小倉巧者のイメージがありますが実は一番良績を残しているのは中山で(3,0,1,1)と成績安定。上りを要する展開が理想につき開幕週の馬場はどうかも、距離短縮でしっかりと溜めを作れれば最後は切れる馬です。

[5]⑦ルークズネスト(戸崎)

良績は中京・阪神と急坂コースに集中しており、初の中山を克服できるポテンシャルは持っています。但しマイルだと現状どうしても末が甘くなってしまう上、関西圏以外では(0,0,0,4)。遠征対応に課題を残す点も気がかりです。

[5]⑧ダーリントンホール(横山武)

3か月ぶりにも拘らず陣営からは「長い休みを取れてないのでフレッシュさに欠ける」というコメント。確かに5走前の富士Sは9か月半ぶりの実戦で⑤着しており長い休みを苦にするタイプではないのでしょうが、これで休みが足りないと言われると陣営にとっては使いどころが難しくなってしまいます。ただでさえ調整力に課題のある木村厩舎なのに…

とは言え、中間の本数・時計共に十分動けており、長らく課題であった発馬も今年に入ってからは安定しています。ジリっぽいところがあり本来は直線の長いコースが理想ですが、今のスタートであれば食い込みは可能でしょう。

[6]⑨シュリ(津村)

前走の関屋記念では会心の好走。現状、上がり33秒台のキレ勝負で勝てる馬ではないので道中に少しペースを落とし過ぎたことが悔やまれますが、あれだけ流れが落ち着いても誰もちょっかいを出さなかったことが好結果につながりました。裏を返せば、誰も行きたくない展開であえて行った津村Jの好判断であり、息を入れられる流れになりダノンザキッドに有利に働いたラップの中でも抜かせなかったあたりは、持てる素質はやはり重賞級であるということを再確認できました。

今回はベレヌスが最内枠を引いておりその点がカギではあるものの、ペースを落としたいベレヌスに対して引っ掛かりたくないシュリは今回もポジションを主張するでしょう。開幕週につき11秒台のラップを刻むことは容易で、阪神・中京で計3勝を挙げており決して平坦巧者というわけでもなく対応は可能と見ます。上級戦で勝ち切れるタイプではありませんが相手なりには。

[6]⑩ルフトシュトローム(横山和)

3歳秋から7戦連続2桁着順。末脚を繰り出せず流れ込むだけのレースが続く現状を打破しようと、陣営は去勢手術を決断。調教の動き自体は変わっておらず、いつも正直な堀師が順調をアピールしているように状態面の問題は無さそう。あとは実戦に行ってどう変わるかは未知数ですが、同厩舎の下級戦や重賞でも人気のない馬などで重用される石橋脩Jではなく、あえて横山和Jを配してきたあたりは堀師もそれなりに手ごたえを感じている証左かもしれません。

[7]⑪ファルコニア(吉田隼)

再三再四述べているようにこの馬は立ち回りの巧さで着を拾うタイプで、勝ち切れなさと表裏一体。そのため器用な立ち回りの得意な川田Jが毎度上手く導いているわけですが、今回はモントライゼに乗るため中京へ。乗り替わり自体はプラスではないものの、名前のせいか吉田隼Jが乗ると(1,1,0,0)。3走前の六甲Sではフルゲートの10番枠から五分のスタートを決め、引っ掛かるレッドベルオーブを前に置いても焦らず待機し、馬場のいい2分どころを通しながらギリギリのコース取りで進路を確保する完璧なエスコート。それでも②着なのがこの馬の勝ち切れなさを示しているのですが、この馬の乗り方を理解している鞍上であれば軽くは扱えません。但し今回は開幕週でインががちがちに密集するだけにポジションを取れるかは運の要素も大きく、複系の軸として信頼できるとまではいかない舞台です。

[7]⑫ミッキーブリランテ(岩田康)

馬群の中で上手く立ち回りたいタイプにつきこの乗り替わりは手が合いそうです。あとはこの馬が「中山マイル」「距離延長ローテ」「中1週」で臨んだ際はニューイヤーS①着・東風S②着で(1,1,0,0)。矢作厩舎の狙いすましたローテーションでありますが理想を言えばもう少し内枠が良かったのと、過去2回の同ローテと比べて坂路の時計が控えめだった点がどうでしょうか。

[8]⑮クリノプレミアム(松岡)

ヴィクトリアマイルは⑯着大敗も、元々キレで勝負する馬では無くワンターンのマイルG1挑戦自体が無謀でした。それでも1.0差に踏みとどまったあたりはむしろ善戦の域で、4か月ぶりの今回は1週前にDWで49.6-11.7を馬なり単走でマークするなど調子は問題なし。3走前の中山牝馬Sも3角から外々を回すロスの大きい競馬で勝ち切っただけに、このコースへの適性を考えれば今回は見直せる舞台です。

[8]⑯レインボーフラッグ(小牧太)

繰り返しになりますが、賞金が足りないため出られるところに出るしかないという現状。前走の中京記念は道中でラップの速くなるところで脚を使いながら0.5差⑧着と善戦を見せましたが、今回は内も止まらない開幕週で距離短縮となると道中置かれる懸念もあります。じっくり構えて1桁着順狙いが妥当かと。

<予想>
◎シャーレイポピー
○クリノプレミアム
▲ミスニューヨーク
△シュリ
△ミッキーブリランテ
△ファルコニア
△タガノディアマンテ
△ダーリントンホール
△ルフトシュトローム


■中京11R/産経賞セントウルS

[1]①ボンボヤージ(川須)

前走勝った北九州記念は、見た目ほど悪くなかったがら空きのインを突いての快勝で小倉をわかっている川須Jならではの好騎乗でした。今回は定量戦でその前走から+3kgとなる54kgを背負う上良績は小倉と京都のみ。左回り・急坂ともに不安要素が大きいです。

[2]②シャンデリアムーン(斎藤)

このコースで開催されたここ2年は、昨年のこの馬も一昨年のセイウンコウセイもシンガリ負け。3角から下り坂でスピードがついたのち直線で急坂を超える中京芝1200mは本質的に距離適性の長い馬の方が好走できており、坂上からのもうひと脚が必要。3走前の春雷Sでも最後にばったり止まってしまっており、スピード一辺倒というタイプには厳しい舞台です。

[3]③ジャスパープリンス(松山)

3連覇のかかるエニフSに出ると59kgを背負うことになるため、3年ぶりに芝のレースへ。とはいえ今回は内のシャンデリアムーンが速く、馬場の渋化も見込みにくい天候につき。

[4]④メイショウケイメイ(古川吉)

定量戦で54kgに戻るうえ、前走の敗因を「(開幕週で)時計が速すぎた」と言っておきながらまた開幕週に使ってくるというのは何かのギャグなのでしょうか…

[4]⑤メイケイエール(池添)

前走の京王杯SCは折り合い面の進境を見せ、鞍上の押し引きにきっちり応えての完勝でした。陣営はその後マイルには進まず秋に備えましたが、この中間はCWで終い重点の追い切りを施され、馬自身もそのアクションに応えられている点成長は確かでしょう。すでにこのコースではシルクロードS①着、高松宮記念⑤着と実績は十分。あとは自分との戦いです。

[5]⑥タイセイアベニール(藤岡康)

タフな流れで差し込んでくるタイプで、このコースでも一昨年のセントウルSで0.3差の④着など小差で好走を続けています。ただ今回は予定していたキーンランドCを除外されてここに回ってきたという過程もあり、状態を維持するレベルの調整に終始している点が気になります。3走前の函館SSも直前軽めの調整過程から③着しているものの、当時は栗東坂路で51秒、52秒台を計時してから当地でサラッと、という流れなだけに今回のそれとは中身が異なります。

[5]⑦サンライズオネスト(横山典)

ここ2戦はスタートがひと息で、元来キレで勝負するタイプでもないため自身の形に持ち込めていませんがいずれも小差の接戦。マイルを使われてきた時期が長かったですが、その分中京のようなタフさが求められるスプリント戦は向いています。この路線においては重賞タイトルがないと好きなレースに使えず、河内師も賞金面の不安から「スプリンターズSに行くためには1着が欲しい」とコメント。中間の坂路も通常運転の50.5-12.5をマークし順調そのもので、初騎乗の横山典Jがしっかり発馬を決めてくれれば台頭の余地はあるでしょう。

[6]⑧モントライゼ(川田)

スピードに任せるレースが奏功せず前走の北九州記念ではブービー人気にまで評価を下げましたが0.4差の⑤着。直線で進路ができさあこれから、というときにボンボヤージに進路をカットされてしまったことが大きく、復調を感じる内容でした。陣営はこの形を板につけたい模様で今回も控えてからのレースになりそうですが、最終週の小倉ではそれで良くても開幕週の中京でどこまでハマるかは展開頼みの部分が大きいです。時計勝負は問題ないのですが。

[6]⑨ダディーズビビッド(竹之下)

左回りの方が走りはスムーズで、ここ2戦は外枠を引け詰まらないレースが出来ていることもあって連続②着と好走中。しかし夏はあまり合わないようで、陣営も帰厩後「良い頃の煩さがない」点を懸念しています。気難しい馬故それが成長であれば良いのですが、暑さゆえ本調子にないとなるとレース当日も30度近い陽気が見込まれる今回の舞台は…

[7]⑩チェアリングソング(坂井)

課題だった時計勝負を徐々に克服している点は好感ですが、右回り(3,0,6,9)に対し左回りは(1,0,0,5)と今ひとつ。このコースで戦う上では1400m以上の実績も欲しいだけに。

[7]⑪ソングライン(ルメール)

馬込みを嫌ったり抜け出すとソラを使ったりと難しいところの多い馬ですが、しっかりエスコートできた時の強さは証明済。1周1400mのキーンランド競馬場で開催される次走のBCマイルを見据え、忙しい流れを経験させる目的で1200m戦へ初参戦という経緯ですが流れが締まった方がレースのしやすいタイプでここでも力は出せるでしょう。但しメンバーのレベルはこれまでとはかなり落ちるため、意図せず早目に先頭に立ってしまうと何かに捕まるリスクはあります。

[8]⑫ファストフォース(団野)

中京では(0,0,0,4)。3走前の高松宮記念では0.3差⑨着と字面だけ見れば悪くはないものの、終始まともに追えなかったサンライズオネストにすら先着されてしまうのではやはりこの坂が合っていないと見るべきでしょう。

[8]⑬ラヴィングアンサー(菱田)

このコースで(0,0,0,4)。自分の脚は使えているもののやはり急坂で鈍ってしまううえ、開幕週でも自分の戦法を変えられるタイプではないだけに。

<予想>
◎サンライズオネスト
○メイケイエール
▲ソングライン
△モントライゼ


■中山6R モモエチャン

中央で9戦して未勝利だった後佐賀に転出。テンにもたつくところがあり、佐賀でも徹底して1750m以上を使われ続けて3勝をマークしましたがいずれも3角から押し上げていく形。嵌った時は強いタイプで勝った時はいずれも②着に0.6差以上をつけた一方で、敗れた5戦はいずれも1.0差以上の大敗。スムーズにいかなかったときの脆さも併せ持っています。再転入初戦となった前走の福島戦は馬体減に加え、3角から押し上げを図るも再三ブレーキを踏まされスムーズに行かなかった中でも直線だけで0.6差⑧着を確保するまずまずの内容。当時②着だったネイリッカも既に勝ち上がっており、ローカルの牝馬限定のダート戦にしては悪くはないメンバーでした。

中央で6戦連続で手綱を取った柴田大Jからの乗り替わりとなりますが、同騎手はこのレース乗鞍なし。今年デビューの佐々木Jはまだ3勝にとどまるものの、春の東京開催以降控えるレースで頭角を現し夏の福島・新潟でもたびたび波乱を演出しています。減量の一押しもさることながら、道中的確に捌ければ牝馬限定戦なら食い込み可能な存在と見ます。

2022年9月10日土曜日

【9/10(土)予想】ねらい目レース(エニフS)

■中京11R/エニフS ボンディマンシュ

昇級後連戦で使われた3戦は案外も、2か月以上の休み明けなら(3,1,1,2)。2度の大敗は苦手な遠征競馬(小倉)でのもので、輸送距離の短い本州圏のレースであれば額面通り走れています。泥をかぶらずに外目をスムーズに運べるこの枠は歓迎で、ボンボンショコラが内枠を引いて先行争いが激化することは必至。中間はコースで負荷をかけ単走でCWで50.3-11.0をマークと好調そのもの。展開利も味方に前進可能と見ます。

2022年9月4日日曜日

【9/4(日)予想】新潟記念・小倉2歳Sの注目馬とねらい目レース(雷光特別)

■新潟11R/新潟記念 プレシャスブルー

デムーロJはこのコースが大得意です。15年以降毎年新潟芝外回り2000mで勝ち星を挙げており、通算成績(8,6,3,9)で勝率30.8%、複勝率は65.4%。およそ3回に2回は馬券になっている計算です。これだけならリーディング上位騎手と大差ありませんが、驚くべきは馬券での貢献度。単勝回収率263、複勝回収率も153と、平均人気4.0に対し実際の着の平均が4.2と乖離が少なく、それだけ人気薄の馬を持ってきている証拠でもあります。

新潟記念も(2,3,0,1)と好相性。昨年①着のマイネルファンロンは12番人気、15年①着のパッションダンス・19年②着のジナンボーはいずれも6番人気と人気以上の走りを見せています。新潟記念が行われるのは毎年夏開催の最終週と決まっており、野芝オンリーで開催されるだけに芝の損耗を勘定に入れて導く必要があり、長い直線を活かせる決め手に加えて騎手の勘所も重要になってきます。そういう意味では、デムーロJはまさに最終週の勝ち方をわかっていると言えるでしょう。

今回コンビを組むプレシャスブルーは昨年0.4差の⑥着。一昨年には春開催の新潟大賞典で0.3差③着に入った実績もあります。時計勝負では分が悪い一方でタフな流れで力を発揮する馬で、ここ2走は新潟でも開幕週の時計の出る馬場を走らされた分着を落としていますが2走前の新潟大賞典でも1.59.2と自身の時計だけは走れており、あとはレースタイムがその水準になってくれば自ずから着は上げてくるはずです。同条件で行われた土曜の2勝クラス戦・赤倉特別は61.9-59.0でレースタイムは2.00.9。前半が59秒台で流れれば1.59.0前後の決着が想定され、この馬でも間に合う水準が期待できます。


■小倉11R/小倉2歳S ロンドンプラン

初戦が好内容。ハイペースを好位追走して外を回って差し切る内容で、開幕週の内有利コンディションを考えれば見た目以上に中身のあるレースでした。当時先着したミカッテヨンデイイは後にフェニックス賞を勝利しここでも人気していますが、行きたい馬を行かせて好位を取れればチャンスあり。


■新潟12R/雷光特別 ローズブルーム

2走前のはやぶさ賞では最内枠を引いてしまい、スタート直後に大外まで持ち出すロスもありました。直線で前が開いたのは最後の100m少々で、それでも鋭い脚を見せて0.6差⑤着まで詰めてきた内容は評価できます。コース実績のある馬がこぞって内枠を引いた今回は逆転のチャンス。

2022年9月3日土曜日

【9/3(土)予想】札幌2歳Sの注目馬とねらい目レース(TVQ杯)

■札幌11R/札幌2歳S シャンドゥレール

札幌2歳Sは札幌続戦組の成績が意外と悪く、同じ北海道でも函館転戦組の方が好成績だったりします。


上記は近10年の成績ですが、最も勝ち馬を輩出しているのは函館です。但し函館の場合何故か新馬戦からの2戦目という馬が(2,1,2,17)とイマイチなのに対し未勝利を使ってきた組が(2,1,0,2)と比較的安定して走れています。今回それに該当する馬はゼロ。となると次に狙いたいのは高いアベレージを誇る東京デビュー組です。

東京で新馬戦を勝ってここに来た馬は5頭、内3頭が連対(14年ブライトエンブレム①着、20年ユーバーレーベン②着、21年ジオグリフ①着)を果たしています。掛かって暴走した20年スライリー⑭着以外は全て掲示板に入っており、高値安定と言えるでしょう。今回唯一該当するのが◎シャンドゥレール。初戦は超スローペースを無理やり折り合わせ、ノーステッキで押し切るなど随所に若さを出しながらも素質だけで勝ち切ったレースでした。中間は3週連続でコースで併せ馬。ハヤヤッコなど年上の馬を毎週相手にし、最終も3歳馬を相手に馬なりで先着と仕上がりに不安はありません。勝ち星のある馬同士の対戦で折り合いがマシになればさらなるパフォーマンスの向上が見込めます。


■小倉11R/TVQ杯 フォイアーロート

小倉1200mで3戦2勝。唯一敗れた5走前の巌流島Sはボロボロの内を走らされ、4角で前をカットされる不利にも見舞われ力を発揮できませんでした。北海道で2戦しての転戦ですが上がりのかかる展開が理想で、前走のしらかばSも上手く脚が溜まりましたがスローペースで末脚を繰り出す間がありませんでした。メイショウハナモリ等ポジションを主張したいメンバーが居るここはまっとうに流れそうで、インの好枠から抜け出せるでしょう。