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2022年9月11日日曜日

【9/11(日)予想】京成杯AH・セントウルSの全頭評価とねらい目レース(中山6)

■中山11R/京成杯オータムハンデキャップ

[1]①ベレヌス(西村淳)

前走の中京記念は暑い時期で調子が良かったのもあるでしょうが、ベステンダンクが思った以上に行き脚がつかず59.9秒で逃げられたことが大きかったです。4~5Fにわたって長くいい脚を使うことのできる馬であり、前半にオーバーペースを回避できたことが勝因でした。ハンデ戦で2kg増となるうえ、本質はスローの逃げ馬であり距離短縮はプラスではないとなると自身のペースに持ち込む難易度はかなり高いと見ます。

[2]②コムストックロード(柴田大)

マイルでは(0,0,0,3)。坂のない新潟でも末が甘くなってしまうあたり、1F長いでしょう。

[3]③インテンスライト(菊沢)

暑い時期は良くなく、10-3月が(4,3,3,7)なのに対し4-9月は(0,0,1,5)。今回も暑い夏を越えての復帰初戦につき完調とまでは言い難く、仮にそうだとしても春のダービー卿CTは差し有利展開に乗じての0.4差⑥着。掲示板確保が現実的な目標になるでしょう。

[3]④シャーレイポピー(鮫島駿)

昇級後は案外ですが、3走前の福島牝馬Sでは再三再四不利を受けてのもの。2走前の米子Sでは得意の阪神マイルも落鉄の影響で伸びを欠きまともなレースができていませんでした。前走の中京記念も結果的に1F長かったと言えますが、それ以上に後半加速するタイミングで脚を使ってしまったことで共倒れになった側面が大きく、福永Jが果たしてレースの流れを正しくとらえていたのかどうかは疑問が残ります。

今回は3走ぶりに鮫島駿Jに手綱が戻るわけですが、そもそも福永JはセントウルSにお手馬が居るわけでもなく乗りに来ようと思えば来られるわけでした。2走前は訳アリの敗戦で前走も距離に敗因を求めることはできるはずで、この馬で2勝している立場からすれば本来今回優先的に乗れるはずなのですが、そうでないとすれば「乗せる側の意向」としての交代である可能性を含み置く必要はあるでしょう。通算2500勝のベテランから300勝の若手への交代と字面だけ見ればマイナス要素ですが、背景を鑑みればあながちそうとも言い切れないと見ています。

昨年は紫苑Sに出走し0.4差の④着と健闘。元々4勝全てが阪神マイルと急坂コース向きであるうえ、適性とは言えない2000mでもファインルージュから小差と格好をつけられた走りからして中山コースへの適性はかなり高いと見ます。G3クラスのメンバーに入れば大差はないはずです。

[4]⑤タガノディアマンテ(大野)

近走では掛かる面が出ており、折り合い面の心配のないこの距離を使ってきたという経緯。実は中山コースは皐月賞でサートゥルナーリアの0.8差⑥着するなど相性が良く、その前のスプリングSも含め外々を回らされていなければもっと着は上げられたでしょう。本来連戦向きでなく中3週での続戦がどうかも、3走前の京都記念で中4週を克服しての②着もあり克服の可能性に賭ける手はありそうです。

[4]⑥ミスニューヨーク(M.デムーロ)

前走の中京記念は最後の100mで狭くなってしまい不完全燃焼。上りが掛かる展開で最後まで脚を伸ばす形がセールスポイントなだけにこの不利は痛かったです。小倉巧者のイメージがありますが実は一番良績を残しているのは中山で(3,0,1,1)と成績安定。上りを要する展開が理想につき開幕週の馬場はどうかも、距離短縮でしっかりと溜めを作れれば最後は切れる馬です。

[5]⑦ルークズネスト(戸崎)

良績は中京・阪神と急坂コースに集中しており、初の中山を克服できるポテンシャルは持っています。但しマイルだと現状どうしても末が甘くなってしまう上、関西圏以外では(0,0,0,4)。遠征対応に課題を残す点も気がかりです。

[5]⑧ダーリントンホール(横山武)

3か月ぶりにも拘らず陣営からは「長い休みを取れてないのでフレッシュさに欠ける」というコメント。確かに5走前の富士Sは9か月半ぶりの実戦で⑤着しており長い休みを苦にするタイプではないのでしょうが、これで休みが足りないと言われると陣営にとっては使いどころが難しくなってしまいます。ただでさえ調整力に課題のある木村厩舎なのに…

とは言え、中間の本数・時計共に十分動けており、長らく課題であった発馬も今年に入ってからは安定しています。ジリっぽいところがあり本来は直線の長いコースが理想ですが、今のスタートであれば食い込みは可能でしょう。

[6]⑨シュリ(津村)

前走の関屋記念では会心の好走。現状、上がり33秒台のキレ勝負で勝てる馬ではないので道中に少しペースを落とし過ぎたことが悔やまれますが、あれだけ流れが落ち着いても誰もちょっかいを出さなかったことが好結果につながりました。裏を返せば、誰も行きたくない展開であえて行った津村Jの好判断であり、息を入れられる流れになりダノンザキッドに有利に働いたラップの中でも抜かせなかったあたりは、持てる素質はやはり重賞級であるということを再確認できました。

今回はベレヌスが最内枠を引いておりその点がカギではあるものの、ペースを落としたいベレヌスに対して引っ掛かりたくないシュリは今回もポジションを主張するでしょう。開幕週につき11秒台のラップを刻むことは容易で、阪神・中京で計3勝を挙げており決して平坦巧者というわけでもなく対応は可能と見ます。上級戦で勝ち切れるタイプではありませんが相手なりには。

[6]⑩ルフトシュトローム(横山和)

3歳秋から7戦連続2桁着順。末脚を繰り出せず流れ込むだけのレースが続く現状を打破しようと、陣営は去勢手術を決断。調教の動き自体は変わっておらず、いつも正直な堀師が順調をアピールしているように状態面の問題は無さそう。あとは実戦に行ってどう変わるかは未知数ですが、同厩舎の下級戦や重賞でも人気のない馬などで重用される石橋脩Jではなく、あえて横山和Jを配してきたあたりは堀師もそれなりに手ごたえを感じている証左かもしれません。

[7]⑪ファルコニア(吉田隼)

再三再四述べているようにこの馬は立ち回りの巧さで着を拾うタイプで、勝ち切れなさと表裏一体。そのため器用な立ち回りの得意な川田Jが毎度上手く導いているわけですが、今回はモントライゼに乗るため中京へ。乗り替わり自体はプラスではないものの、名前のせいか吉田隼Jが乗ると(1,1,0,0)。3走前の六甲Sではフルゲートの10番枠から五分のスタートを決め、引っ掛かるレッドベルオーブを前に置いても焦らず待機し、馬場のいい2分どころを通しながらギリギリのコース取りで進路を確保する完璧なエスコート。それでも②着なのがこの馬の勝ち切れなさを示しているのですが、この馬の乗り方を理解している鞍上であれば軽くは扱えません。但し今回は開幕週でインががちがちに密集するだけにポジションを取れるかは運の要素も大きく、複系の軸として信頼できるとまではいかない舞台です。

[7]⑫ミッキーブリランテ(岩田康)

馬群の中で上手く立ち回りたいタイプにつきこの乗り替わりは手が合いそうです。あとはこの馬が「中山マイル」「距離延長ローテ」「中1週」で臨んだ際はニューイヤーS①着・東風S②着で(1,1,0,0)。矢作厩舎の狙いすましたローテーションでありますが理想を言えばもう少し内枠が良かったのと、過去2回の同ローテと比べて坂路の時計が控えめだった点がどうでしょうか。

[8]⑮クリノプレミアム(松岡)

ヴィクトリアマイルは⑯着大敗も、元々キレで勝負する馬では無くワンターンのマイルG1挑戦自体が無謀でした。それでも1.0差に踏みとどまったあたりはむしろ善戦の域で、4か月ぶりの今回は1週前にDWで49.6-11.7を馬なり単走でマークするなど調子は問題なし。3走前の中山牝馬Sも3角から外々を回すロスの大きい競馬で勝ち切っただけに、このコースへの適性を考えれば今回は見直せる舞台です。

[8]⑯レインボーフラッグ(小牧太)

繰り返しになりますが、賞金が足りないため出られるところに出るしかないという現状。前走の中京記念は道中でラップの速くなるところで脚を使いながら0.5差⑧着と善戦を見せましたが、今回は内も止まらない開幕週で距離短縮となると道中置かれる懸念もあります。じっくり構えて1桁着順狙いが妥当かと。

<予想>
◎シャーレイポピー
○クリノプレミアム
▲ミスニューヨーク
△シュリ
△ミッキーブリランテ
△ファルコニア
△タガノディアマンテ
△ダーリントンホール
△ルフトシュトローム


■中京11R/産経賞セントウルS

[1]①ボンボヤージ(川須)

前走勝った北九州記念は、見た目ほど悪くなかったがら空きのインを突いての快勝で小倉をわかっている川須Jならではの好騎乗でした。今回は定量戦でその前走から+3kgとなる54kgを背負う上良績は小倉と京都のみ。左回り・急坂ともに不安要素が大きいです。

[2]②シャンデリアムーン(斎藤)

このコースで開催されたここ2年は、昨年のこの馬も一昨年のセイウンコウセイもシンガリ負け。3角から下り坂でスピードがついたのち直線で急坂を超える中京芝1200mは本質的に距離適性の長い馬の方が好走できており、坂上からのもうひと脚が必要。3走前の春雷Sでも最後にばったり止まってしまっており、スピード一辺倒というタイプには厳しい舞台です。

[3]③ジャスパープリンス(松山)

3連覇のかかるエニフSに出ると59kgを背負うことになるため、3年ぶりに芝のレースへ。とはいえ今回は内のシャンデリアムーンが速く、馬場の渋化も見込みにくい天候につき。

[4]④メイショウケイメイ(古川吉)

定量戦で54kgに戻るうえ、前走の敗因を「(開幕週で)時計が速すぎた」と言っておきながらまた開幕週に使ってくるというのは何かのギャグなのでしょうか…

[4]⑤メイケイエール(池添)

前走の京王杯SCは折り合い面の進境を見せ、鞍上の押し引きにきっちり応えての完勝でした。陣営はその後マイルには進まず秋に備えましたが、この中間はCWで終い重点の追い切りを施され、馬自身もそのアクションに応えられている点成長は確かでしょう。すでにこのコースではシルクロードS①着、高松宮記念⑤着と実績は十分。あとは自分との戦いです。

[5]⑥タイセイアベニール(藤岡康)

タフな流れで差し込んでくるタイプで、このコースでも一昨年のセントウルSで0.3差の④着など小差で好走を続けています。ただ今回は予定していたキーンランドCを除外されてここに回ってきたという過程もあり、状態を維持するレベルの調整に終始している点が気になります。3走前の函館SSも直前軽めの調整過程から③着しているものの、当時は栗東坂路で51秒、52秒台を計時してから当地でサラッと、という流れなだけに今回のそれとは中身が異なります。

[5]⑦サンライズオネスト(横山典)

ここ2戦はスタートがひと息で、元来キレで勝負するタイプでもないため自身の形に持ち込めていませんがいずれも小差の接戦。マイルを使われてきた時期が長かったですが、その分中京のようなタフさが求められるスプリント戦は向いています。この路線においては重賞タイトルがないと好きなレースに使えず、河内師も賞金面の不安から「スプリンターズSに行くためには1着が欲しい」とコメント。中間の坂路も通常運転の50.5-12.5をマークし順調そのもので、初騎乗の横山典Jがしっかり発馬を決めてくれれば台頭の余地はあるでしょう。

[6]⑧モントライゼ(川田)

スピードに任せるレースが奏功せず前走の北九州記念ではブービー人気にまで評価を下げましたが0.4差の⑤着。直線で進路ができさあこれから、というときにボンボヤージに進路をカットされてしまったことが大きく、復調を感じる内容でした。陣営はこの形を板につけたい模様で今回も控えてからのレースになりそうですが、最終週の小倉ではそれで良くても開幕週の中京でどこまでハマるかは展開頼みの部分が大きいです。時計勝負は問題ないのですが。

[6]⑨ダディーズビビッド(竹之下)

左回りの方が走りはスムーズで、ここ2戦は外枠を引け詰まらないレースが出来ていることもあって連続②着と好走中。しかし夏はあまり合わないようで、陣営も帰厩後「良い頃の煩さがない」点を懸念しています。気難しい馬故それが成長であれば良いのですが、暑さゆえ本調子にないとなるとレース当日も30度近い陽気が見込まれる今回の舞台は…

[7]⑩チェアリングソング(坂井)

課題だった時計勝負を徐々に克服している点は好感ですが、右回り(3,0,6,9)に対し左回りは(1,0,0,5)と今ひとつ。このコースで戦う上では1400m以上の実績も欲しいだけに。

[7]⑪ソングライン(ルメール)

馬込みを嫌ったり抜け出すとソラを使ったりと難しいところの多い馬ですが、しっかりエスコートできた時の強さは証明済。1周1400mのキーンランド競馬場で開催される次走のBCマイルを見据え、忙しい流れを経験させる目的で1200m戦へ初参戦という経緯ですが流れが締まった方がレースのしやすいタイプでここでも力は出せるでしょう。但しメンバーのレベルはこれまでとはかなり落ちるため、意図せず早目に先頭に立ってしまうと何かに捕まるリスクはあります。

[8]⑫ファストフォース(団野)

中京では(0,0,0,4)。3走前の高松宮記念では0.3差⑨着と字面だけ見れば悪くはないものの、終始まともに追えなかったサンライズオネストにすら先着されてしまうのではやはりこの坂が合っていないと見るべきでしょう。

[8]⑬ラヴィングアンサー(菱田)

このコースで(0,0,0,4)。自分の脚は使えているもののやはり急坂で鈍ってしまううえ、開幕週でも自分の戦法を変えられるタイプではないだけに。

<予想>
◎サンライズオネスト
○メイケイエール
▲ソングライン
△モントライゼ


■中山6R モモエチャン

中央で9戦して未勝利だった後佐賀に転出。テンにもたつくところがあり、佐賀でも徹底して1750m以上を使われ続けて3勝をマークしましたがいずれも3角から押し上げていく形。嵌った時は強いタイプで勝った時はいずれも②着に0.6差以上をつけた一方で、敗れた5戦はいずれも1.0差以上の大敗。スムーズにいかなかったときの脆さも併せ持っています。再転入初戦となった前走の福島戦は馬体減に加え、3角から押し上げを図るも再三ブレーキを踏まされスムーズに行かなかった中でも直線だけで0.6差⑧着を確保するまずまずの内容。当時②着だったネイリッカも既に勝ち上がっており、ローカルの牝馬限定のダート戦にしては悪くはないメンバーでした。

中央で6戦連続で手綱を取った柴田大Jからの乗り替わりとなりますが、同騎手はこのレース乗鞍なし。今年デビューの佐々木Jはまだ3勝にとどまるものの、春の東京開催以降控えるレースで頭角を現し夏の福島・新潟でもたびたび波乱を演出しています。減量の一押しもさることながら、道中的確に捌ければ牝馬限定戦なら食い込み可能な存在と見ます。

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