Special Thanks

当ブログは、広尾サラブレッド倶楽部株式会社様のご厚意により、同倶楽部の所有する競走馬の写真及びWebサイト記載情報の転載許可を頂いております。

2022年10月1日土曜日

【10/2(日)予想】スプリンターズSの全頭評価とねらい目レース

■中山11R/スプリンターズS

[1]①テイエムスパーダ(国分恭)

2走前のCBC賞は前半3F31.8と千直でも珍しいハイラップ。48kgで物理的に速く走れたこの馬がそのまま逃げ切ったという見方が妥当で、時計の出る馬場は歓迎ですが53kgで急坂の中山となると楽ではありません。

[1]②ジャンダルム(荻野極)

2走前の高松宮記念は馬場が合わず、前走の北九州記念は枠に泣きの連続凡走。しかし2走前にも触れた通り荻野極Jに手が変わったことでゲートはちゃんと出るようになっており、あとは好走パターンである「4角4番手以内」を確保するためには枠の利があれば…というところで、テイエムスパーダの1つ外で1枠2番という絶好枠を確保できました。ファストフォースが来ることを加味しても3~4番手は確保できそうなメンバー構成で、自分の形に持ち込めればやれておかしくは無いはずです。

[2]③メイショウミモザ(丹内)

6走前の巌流島Sでロスの大きい競馬ながら1.07.3の好時計で快勝。4走前の阪神牝馬Sでマイルも克服しましたが、有力馬が外を回す中でスルスルと内を立ち回った分もあり、その後正攻法で敗れている点からもやはり適性はスプリンターでしょう。前走のキーンランドCは必要以上に外を回す馬が多く、外枠を引いた分距離ロスが大きかったことも災いしました。時計だけを言えば外を回った巌流島Sから短縮は可能ですが、相手関係に加え急坂を克服できるかがカギとなるでしょう。

[2]④ダイアトニック(岩田康)

2走前の高松宮記念はゲートでガチャガチャしているときにスタートを切られてしまい致命的な出遅れ。直線でも内に進路を取り勝ち馬の後ろを伸びてきてはいたのですが、流石に間に合わず最後は流し加減でした。今年初戦の京都金杯で前が空いても伸びきれなかったのを見れば、前走の安田記念も含め上級戦では1400mが距離の限界と言ったところでしょう。

安田隆師もいう通り、とにかくスタートがカギとなります。逆にそこさえ決まればこの枠ですからインベタ好走というのは十分期待できます。岩田康Jに乗り替わってからは敗因がはっきりしているレースばかりで、阪急杯を勝ち切ったように動き自体はよかった頃のものを取り戻しており軽視はできません。

[3]⑤エイティーンガール(秋山真)

外差し馬場でバイアスに乗っての好走が基本で、このコース(0,0,0,3)の成績が示す通り外を回すロスが大きいコース形態は向いておらず、今の馬場バイアスでは外から差し切るのは至難の業でしょう。

[3]⑥ナランフレグ(丸田)

春の高松宮記念は正直トゥラヴェスーラが鼻血を出していなければ開かなかった位置をこじ開けてのもの。もちろんそれだけのキレる脚がなければ成しえないですし腹を括った丸田Jの思いが通じた勝利でしたが、基本的には控えて外を回して、というレースが得意な馬。最終になっても内が活きている今の中山で春の再現とばかりに内を掬えれば良いのですが、左回りの方が走りはスムーズなだけに。

[4]⑦ウインマーベル(松山)

B着後(4,2,0,1)と変わり身を見せており、大敗したのは直線でぶつけられ挟まれ戦意喪失したファルコンS⑮着のみ。このような経緯が示す通り、馬群の中でレースをすると不安がある一方で、スムーズに外目を回れたり馬群が密集しないレースでは好走できるというのが現状でしょう。前走のキーンランドCは必要以上に外を回す人馬が多く、結果としてこの馬の走っていたあたりが「見えない内ラチ」として機能していたのも大きい好走でした。内が活きているコンディションでフルゲートのG1、この枠となると超えるべき壁は多いです。

[4]⑧ファストフォース(団野)

前走のセントウルSはこの馬が得意とするハイラップに持ち込まれたのが大きく、坂を上っても止まらなかったのはスピード能力の高さ故でしょう。ここも飛ばしたい存在がおり、内を見ながら前に出していけるこの枠順も歓迎。但し前走と比較して調教負荷が2枚も3枚も落ちる調整過程で、前走が目イチでメンバー強化となると恵まれ期待の一戦になりそうです。

[5]⑨ナムラクレア(浜中)

この夏の活躍は高いスプリント適性を示した一方で3歳牝馬の恩恵を活かしたと言え、函館にしろ小倉にしろ平坦コースで軽斤量の機動力に優れるタイプが活躍できる舞台でもありました。勝ち切った3戦は全て滞在競馬で、初めての関東輸送というのも懸念材料です。

[5]⑩タイセイビジョン(福永)

CBC賞、北九州記念といずれも軽ハンデの馬に負けての②着。今回はG1で斤量差が縮まるのは良いのですが、いずれも小倉開催で勝ち方を知る川田Jの手綱の貢献度が大きい好走でもありました。後方からでも馬群を縫って直線ではインにいる、というのは4角で加速のつく小倉のコース形態とその特性をよく知る川田Jあっての特殊要因で、昨年の内容からもそれがそのまま中山でのG1に結び付くかと言われると難しいでしょう。

[6]⑪トゥラヴェスーラ(鮫島駿)

前走の高松宮記念はG前の鼻出血で④着に泣きましたが、外枠をハンデにせず上手く壁を作り馬群を割って伸びる形を作ることができました。この馬が嵌るためには内が活きるコンディションが不可欠で、今の中山はまさに嵌る舞台。中京に良績があることもそうですが、ドリームジャーニー産駒らしく坂のあるコースも得意で久々の中山も問題ないでしょう。

問題は7歳馬にして半年ぶりというレース間隔ですが、これは陣営があえてそうしてきたものでしょう。先に述べた通り高松宮記念は鼻出血を発症したわけで、この馬は実は調教中に鼻出血を発症し休養したことが2度あります。馬の鼻血は(外傷性のものを除き)肺からのもので体質に加え激戦の疲労などが少なからず影響するものです。なるべくフレッシュな状態で出したいものの、賞金がなければ狙ったレースに出すことはできないためこれまでステップを挟んでの参戦となっており、それが鼻出血リスクを高める一因でもありました。しかし昨年に京王杯SCで②着、今年も阪急杯で②着と賞金加算に成功し、ぶっつけでG1に出せるだけの収得賞金になりました。

何より、気性面などの問題で外を回したい馬が多い中で馬群を割れる強みは大きく、平坦コースの時計勝負に強い馬は多くても坂のある消耗戦で走り切れる存在がどこまでいるのかも難しいところ。それならば春の敗因がはっきりしている実績馬から入っていくのが期待値としても高いでしょう。昨春から追いかけている身としては勝ったら泣きます、多分。

[6]⑫ヴェントヴォーチェ(西村淳)

函館SS、アイビスSDとテンのきついレースが続き追走に苦労していたところ、前走のキーンランドCでは34.5という落ち着いた前半になり能力全開。4走前の春雷Sを完勝しているように力はあるのですが、連続好走が難しいタイプなうえこれまで休み休みのローテで、夏2回使っての臨戦というのもこれが初めて。前走比でまた流れてしまうと位置取りを落とす懸念があります。

[7]⑬メイケイエール(池添)

春の高松宮記念は外枠を引いたうえ、イン有利の馬場傾向にも泣いて⑤着。まだ内に入れることの難しさを残しながらで0.1差であれば勝ちに等しいレースだったと言えるでしょう。前走のセントウルSこそが成長を見せた一戦で、馬群で折り合ってしまいを伸ばすという「普通の競馬」が出来ていました。上りのかかりやすい中京にあって32.9の末脚を使ってのレコード勝ちですから、絶対能力の高さを証明したレースでした。

但し、そこからの中2週というのは気性的にも身体的にも反動が気になるところ。これまでも高いパフォーマンスを見せてきたのは休み明けで、そこから連戦での好走実績となると新馬戦から中1週で臨んだ小倉2歳S①着時までさかのぼります。流石にローカル2歳戦と古馬G1を同一視するのは難しそうで、前走の+14kgが余裕残しということであれば杞憂なのですが。

[7]⑭ラヴィングアンサー(菱田)

現状、重賞級のメンバーでは前が止まっても届いておらず、8歳を迎え年々使える脚に限りが出てきているのも気がかりです。加えて外差し有利のバイアスでもない今回は完全に展開待ちのレースになりそうです。

[8]⑮シュネルマイスター(横山武)

前走の安田記念は海外帰りの初戦で調整の難しさもあった中でタイム差なしの②着と地力の高さを示した一戦でした。とはいえ1200mはおろか1400mすら未経験の馬がいきなりスプリントG1、しかもそれなりにテンの速いメンバーが揃っており道中はかなり後ろになってしまいそうです。それでも最後の1F、ゴール前でぐっと時計がかかるような流れになれば台頭はありそうで、馬場悪化が見込めない今回はどれだけ前が飛ばして止まるか、という展開頼みのレースになりそうです。

[8]⑯マリアズハート(菊沢)

元々中山に良績が集中しているタイプですが、昇級後の勝ち星は直線1000m戦で8枠を引いた際の2勝。千直を含め重賞での相手関係には苦しんでいるうえ、試練の大外枠。陣営は戦前「大外とかを引いてしまったらある程度思い切らなければいけない」と語っていましたが、こうなると現実的に採りえるのは終い一手。エイティーンガール同様、今の中山では厳しいと言わざるを得ません。

<予想>
◎トゥラヴェスーラ
○ジャンダルム
▲ダイアトニック
△メイケイエール
△シュネルマイスター


■中京12R タケルラスティ

矢作厩舎勝負の中1週連戦ローテに加え、元々現級でも良績のあるダート替わり。芝への転戦を経て控える競馬が板についており、距離短縮でしまいを活かす作戦が奏功する余地は十分です。

0 件のコメント:

コメントを投稿