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2023年4月16日日曜日

【4/16(日)予想】皐月賞の全頭評価・アンタレスS:・福島民報杯の注目馬

■中山11R/皐月賞

[1]①ソールオリエンス(横山武)

前走の京成杯は4角で外に膨れながらもしっかり脚を使い1頭違う決め手を見せ、中山向きのキレを持ち合わせているのは強みです。ただ気になるのがデビュー2連勝が何れも9頭立てのレースで多頭数戦の経験が無いということ。2歳重賞体系の整備が進んだ弊害とも言え同例は多くはないのですが、過去10年で見ると2014年3番人気に支持されたトーセンスターダムもデビュー3連勝が何れも9頭立て以下というキャリアで⑪着。揉まれ強さ云々は個体の事情を重視すべきですが、一般論で考えれば初めてのフルゲートが最内枠というのは相当な試練のはず。この馬自身新馬戦ではゲートで隣の馬に接触しエキサイトしながら走っていた経緯もあり、半兄のヴァンドギャルドも周りを気にする性格であったことを考えればここで能力全開というのは難しいかもしれません。

[1]②ワンダイレクト(藤岡佑)

デビュー3戦ずっと2000mを使われ、2戦目の若駒Sではモロにかかるところを見せながらの②着、前走の弥生賞では初の右回り+遠征も③着にまとめており収穫のある内容でした。ただその2戦目が前に壁が無いタイミングで掛かったもので、内枠を引けたので好位のインでじっとしていられれば良いのですが今回は藤岡佑Jに乗り替わり。最近はビアンフェやセリフォス等極端なレースで嵌る馬でしか結果を出せておらず、ジャックドールを控えさせて負けるなどストレスの溜まるレースが苦手。厩舎ゆかりの血統でもあり自身も祖母ワンカラット、母ワントゥワンの背中を知るだけにその起用自体は理解できますが、求められる脚質との相性があまり良いとはいえずで。

[2]③グリューネグリーン(石川)

最後の3Fの決め手勝負が苦手で、イーブンないしは前傾のタフな流れの方が結果を出せるタイプ。初勝利を挙げた東京の未勝利戦はエエヤンが道中11秒台のラップで暴走気味に逃げる展開を2番手で追いかける難しい展開を早目の追い出しから前を捉えたもの。ここ2戦はスロー気味に流れたうえ、ホープフルSは1角で不利、前走の弥生賞は前に行かせず脚を計るかのようなレースをしましたが案の定見せ場なく敗れておりやはりポジションを取りに行くレースをしてこその馬でしょう。通常の年なら向こう正面でちゃんと息が入りますが、今年は溜め逃げの出来ないグラニットが居るため未勝利戦当時のような前傾戦になる可能性もあり、前目のレースを示唆していることからも2番手集団の先頭でグラニットを早目に捉えるような仕掛けが出来れば最も恵まれうる存在になります。

[2]④ショウナンバシット(M.デムーロ)

4走前の未勝利戦以外はスローの前付けで好走しているまででまともなレースをしているとは言い難いのですが、裏を返せば普通なら逃げ切りを許してしまいそうな展開でもしっかり前を捉えています。今回はデムーロJがテン乗りになりますが、1週前追い切りでコンタクトを取りフリームファクシとの併せ馬で51.9-11.4の好時計をマーク。時計を見るとかなり動かしているようにも見えますが鞍上はほぼ何もせず回ってきただけで、これはデムーロJが追い切りで好気配を感じている時のサインです(調子が悪いと動かすが調子が良ければ何もしない)。長らく主戦だったラウダシオンでもただ回ってくるだけの調教時は好結果を出していましたし、逆にモズアスコットの高松宮記念では指示に反し強めに追ってしまい(⑬着)矢作師と絶縁に。デビューから手綱を取ってきたグリューネグリーンではなくこちらに乗るという点からも期待の高さがうかがえ、騎手として最多の皐月賞4勝を誇る鞍上のチョイスは無視できません。

[3]⑤フリームファクシ(レーン)

ルーラーシップ産駒の勝気なところが早くから現れているタイプで、前走のきさらぎ賞も外から進路をカットされかけてエキサイトするなど気難しい面を見せながら辛勝。教育的観点から逃げを好まない川田Jがデビューの新馬戦で逃げを選んだという事実からもその難しさが見え隠れします。好位で控える競馬を覚えさせながらの3連勝は立派ですが、その川田Jではなく折り合えないタイプのレーンJが跨るとなるとこれまでの教育が水泡に帰す可能性すらあり、危険な組み合わせと言わざるを得ません。

[3]⑥ウインオーディン(三浦)

前走の共同通信杯では出遅れて最後方からのレースとなりましたが上り最速となる33.6の脚を繰り出し⑤着まで追い上げてきました。メンバーの厚さを考えれば十分ではありますが、新潟2歳Sでの走りからも現状ではワンターンで決め手を活かす方が向いており、コーナー4つ+距離延長はプラスではなく。

[4]⑦ファントムシーフ(ルメール)

2走前のホープフルSでは内枠から窮屈なところに入ってしまい、ポジションを取れなかった分の④着。前付けして最後の3Fでギアチェンジできるレースぶりは大舞台向きで、ルメールJがその素質を評価するのも頷けます。普通なら確かにこの馬が中心になるのですが、グラニットがペースを崩しそうな展開が予想される今回に限っては大箱向きでなし崩しに脚を使えるタイプでないがゆえ難しいレースを迫られそうです。

[4]⑧トップナイフ(横山典)

3走前の京都2歳Sでは内から差し込んできての②着、ホープフルSではハナに立ちタイム差なしの②着、前走の弥生賞では輸送で-10kgと体を減らすも好位のインでじっと我慢しての②着と異なる戦法で結果を残しています。横山典Jが騎乗した最終追いがだいぶ軽かったことが話題ですが、これは京都2歳Sでも同様。テンションに配慮したソフト調教と考えれば今回は控えるないしはポツンまであり得ます。キレるタイプではないだけに嵌るかと言われるとどうかも、馬場の良い外目を回るという考えならばそこにチャンスを見出すのはありでしょう。両G1馬が居ないここでは実績上位で注意は必要です。

[5]⑨ホウオウビスケッツ(横山和)

スピードに乗ると強く、フリージア賞の1.59.3という勝ちタイムは逃げ馬のものとしては立派です。一方で気性的な危うさも持ち合わせており、1週前追いに騎乗した横山和Jも「自分との戦いになる」とコメント。中間は単走で5F程度にとどめている点からも気を遣いながらの調整が伺えます。馬なり調教ながらウッドチップの蹴り上げが強く、キレイな芝でグリップを効かせて走るタイプからも馬場悪化はマイナスで、前走のスプリングSも馬場の悪い内を通って手ごたえが今ひとつだった様子からも今回は力試しでしょう。

[5]⑩ラスハンメル(石橋脩)

主戦の藤岡康JはアンタレスSでケイアイパープルに騎乗。現状前半5Fが63秒以上かかるレースでないと好走できておらず、前走も本来なら逃げ切っていなきゃいけないスローペース。この舞台で求められる適性は見出せません。

[6]⑪シャザーン(岩田望)

前走のすみれSでは前半が64.4という超スローペースを差し切り勝ち。阪神内回りでのパフォーマンスですから持てる能力は高いと見ますが、逆にそうしたドスローのレースしか経験していないのが難点。現時点ではこの切れ味がいつも使えるのか、ドスローで溜まりに溜まってたまたまこれだけの末脚が繰り出せたのかは判然としないだけに…

[6]⑫ダノンタッチダウン(川田)

朝日杯FSから直行というローテですが、ここまで3戦は何れもマイル。クラシックを意識するなら半兄ダノンザキッドのようにホープフルSを使ってくるはずで、今年が最後のクラシック挑戦となる安田隆師の管理馬で牡馬クラシックに出せそうなのがこの馬しかいないという事情もあっての参戦でしょう。川田Jがフリームファクシなどを断りこちらに乗るのも恩義を優先する同騎手らしい選択で、これがまだスローペース見込みならギリギリ我慢させて末脚に賭ける手はあるでしょうが、そうはならなさそうなメンバー構成。ここを叩いてNHKマイルCへ、というのが本音でしょうか。

[7]⑬グラニット(嶋田)

ミルファームはG1になると突然よそ行きの騎手起用をしていましたが、阪神JFのキタウイングも朝日杯FSのこの馬も良いところが出せずに敗退。かといって手を戻せば大舞台での経験の浅さを露呈するわけで、桜花賞のキタウイングは明らかに杉原Jの進路選択ミスで大きくロスをしてしまいました。嶋田JもG1は一昨年の皐月賞(アサマノイタズラ⑯着)以来二度目ですが、この馬に関しては変に折り合わせたり溜めても良いことが無いのはこれまでのレースで証明済ですからもう行くしかありません。前走のスプリングSでも重馬場ながらに前半59.4のラップで逃げあわや優先圏内という0.4差④着に健闘。距離が長いことは承知の上で使ってくるのですから、結果はともかく小細工なしに逃げるだけでしょう。

[7]⑭タスティエーラ(松山)

弥生賞は危なげないレースぶりでしたが、本来なら共同通信杯を勝って余裕をもってここに臨みたかったはずでしょう。その共同通信杯は向こう正面半ばでタッチウッドがまくり気味にハナに立つも、その後の4角までの区間で12.4-12.8-12.4としっかり溜めを作れた分前目につけた馬の独壇場になってしまいました。ある意味東京コースの形態ゆえの不利な展開でしたが、父サトノクラウンは宝塚記念勝ちの他不良馬場の天皇賞(秋)でキタサンブラックの②着するなどトリッキーかつタフなレースで結果を残してきた馬。この馬も東京より中山でパフォーマンスを上げる期待が持てます。この中間はさらに一段攻めを強化し、ウッドで自己ベストをマークするなど調子も上向き。骨っぽいメンバーが揃っていた弥生賞組の中では最も外の枠を引け、壁を作れずとも走れるのは前走で経験済。好位の外目を回れればチャンスは十分です。

[7]⑮ベラジオオペラ(田辺)

デビューからの2戦は上がり勝負でしたが、前走のスプリングSでは重馬場の前傾戦を差し切っての勝利。内枠を引きながらも馬場の良い外を通らせた鞍上の好騎乗が光りましたが、500kg前後の好馬体ながらに器用さも持ち合わせているタイプです。一方でエアデジャヴーの牝系は上級戦で間隔を詰めて連続好走できないタイプが多く、ダート転向後○×ホースと化したエアスピネルや昨年スプリングS③着→皐月賞⑰着のサトノヘリオスなどがその典型例。この馬自身も中間ははじめての在厩調整となり、開業6年目でこの馬の前走がようやく初めての重賞タイトルという上村厩舎の力が試される舞台でしょう。

[8]⑯タッチウッド(武豊)

前走の共同通信杯はスタートのタイミングが合わず後方から運ぶも、ファントムシーフの項でも述べた通りまくり気味に先頭に立ち息を入れる完璧なリカバリーを見せ②着。ただ結局のところ新馬戦も含めスローでハナに立つ競馬しか経験していないうえ、半兄ノースブリッジ同様にゲート難が付きまとうのは厄介なところ。番手で折り合えるかは未知の世界な上、530kg近い馬格と血統背景からは大箱向きでしょう。

[8]⑰メタルスピード(津村)

前走のスプリングSでは距離延長に対応し坂上でグラニットを交わしての③着。ただ上位2頭とは力の差を感じる内容で、今回はグラニットを交わす程度では太刀打ちできない相手が揃っており現状ではマイルの方が良さそうです。

[8]⑱マイネルラウレア(戸崎)

2戦ともスローな流れを末脚だけで2連勝。逃げ先行天国ともいえる中京芝2000mコースで前半63.4という流れを最後方から差し切ったのは相当強いです。立ち回りの負担が少ない大外枠も魅力でこれが順調であれば重く扱いたいところだったのですが、中間頓挫があり弥生賞・毎日杯をいずれも回避。今回ここに至るまでの調教は坂路オンリーで、これまで2戦のようにコースで追えていないのもマイナス。これが個人の馬であれば青葉賞などに向かう選択肢もあったでしょうが、クラブ馬で戸崎Jも押さえており「使えるのに使わない」とは行きません。無理をせず回ってきたうえでダービーの権利を取れれば御の字でしょう。

<予想>
◎タスティエーラ
○ショウナンバシット
▲グリューネグリーン
△ベラジオオペラ
△トップナイフ
△ファントムシーフ
△シャザーン
△ソールオリエンス


■阪神11R/アンタレスS オセアダイナスティ

被されると脆く逃げもしくは外に馬を置かずに先行できる時が好走パターンで、2桁枠番を引けた際は①①⑤着と崩れていません。ここ2戦は追い込み決着を終始突かれたりスタートが決まらなかったりとまともに走れていませんが、前走からブリンカーを着用し気性面の課題を克服しつつあり枠順好転のここは一発あっても。


■福島11R/福島民報杯 バイオスパーク

当地では3年前に福島記念を勝利。3番枠から好位のインを上手く立ち回っての勝利でしたが、元々内目を引いたときに好走歴が集中するタイプでした。最近はなかなか内枠を引けておらず、5走前のメイSは向こう正面でまくりが発生する特殊な流れで位置取りを落とし参考外のレース。4番枠ですがプレシャスブルーは後ろから、テーオーシリウスは大逃げタイプにつきスタートを決められれば好位のインにつけるのはたやすく、前走の金鯱賞も0.8差⑨着なら衰えはなしと見てよいでしょう。2年半ぶりに56kgを背負う斤量面でも恵まれ一発を。

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