前走の関屋記念ではスタートでクリスティが切れ込んできた時に怯んでしまい、道中はカラテに蓋をされる格好。加えて直線では上位勢と内外で離れてしまい、伸びる馬と併せる形を作れず目標を失った結果伸びあぐねてしまいました。
こういう馬は相手が強く直線びっしり追う形を作った方が自身の力を出せ、メンバーの揃ったここも相手なりのレースはできるでしょう。但し最内は最悪の枠で、思い切って下げて大外を回すような奇策を取れれば話は別ですがまともに馬群の中でレースをしようとすれば、桜花賞の時のように自滅の可能性もはらむと見ています。
[1]②ザダル(石橋脩)
前走の新潟記念時の見解が下記。
ローテありきで間隔の詰まった菊花賞以外は崩れずに走れており、今回も2か月の休養ののち先月中旬に帰厩。その時点ではまだ手塚厩舎の管理下でしたが順調に登坂を重ね、大竹厩舎に戻った1週前には南DWで併せ51.6-11.5をマーク。但し、前走のエプソムC(①着)時は1週前の時点で同じ南DWでの併せ馬で50.6-11.8で走っており、自動計時が導入されて以後の時計の出方を考えれば一回りから二回りは物足りない数字です。直前は輸送を考慮しての軽めと割り切っても、斤量が57.5kgに増えることも加味すると前走以上とは?
結果として見せ場を作れず⑬着。調教に原因を求めるとすれば、今回の最終追いは前走以上に時計が出ておらずここでの上積みは見込め無さそうです。
[2]③マイラプソディ(武豊)
3歳以降は重賞では歯が立たず、OP特別で善戦するのがやっとという現状。スピードの絶対値で勝るタイプでもない以上この路線で重賞のメンバーに入ると分が悪いというのが正直な感想です。
[2]④バスラットレオン(坂井瑠)
発馬が決まれば間違いなく強いのですが、NHKマイルCの落馬以降躓くようなスタートが続いているのが不安材料。それでもダービーのように被されない外目の枠ならまだリカバリーも効くのですが、この枠では出遅れは致命傷になりかねません。調教で動くのはいつものことで状態自体は型通りに上向いていますが、逃げを志向しない(=馬の持ち味を発揮することより作戦に忠実な)坂井Jへの手替わりという点でも強調はしにくく。
[3]⑤ロータスランド(田辺)
時計のかかる展開で好走していた馬で前走の関屋記念ではワンターンの競馬での追走力を疑問視していましたが、好位のインをがっちり確保しペースが流れても対応を見せました。良馬場発表ながらレースの上りは34秒台で、対応できる水準にあったことも大きかったでしょう。
今回も良馬場ながら昨日までの雨が残るコンディションであるうえ、適度に使われてきたAコースなので極端な上り勝負にはなら無さそうで好走可能な舞台と見ます。但し、外差しの傾向が出てきている点は気がかりで何かに負ける可能性はあると見ています。
[3]⑥ハッピーアワー(荻野極)
今年は走るたびに着差を詰めておりこの馬なりの復調はうかがえますが、ゲートに難がある上使える脚が一瞬で東京向きのタイプではないでしょう。最終追いをポリトラックで済ませている点からも上積みは見込みにくく。
[4]⑦タイムトゥヘヴン(柴田善)
2000m以上でピリッとしないレースが続いていますが、3走前のNHKマイルCの内容は評価できるものでした。直線でソングラインとの進路取りに敗れて内に切り替える形になり、デムーロJ曰く「まだこの馬には馬ごみに突っ込むメンタルがない」とのことで不本意なレースでしたが、この距離での適性は示してくれました。
元々セントライト記念で好走できていれば明日の菊花賞を視野に入れていたはずで、同じスケジュールでの転戦につき追い切りも2週連続でウッドで併せ馬を消化。前走以上の動きを見せており出来も不安なしとなれば、ちょうどいい中枠からポジションを取って見せ場を作る可能性は十分でしょう。
[4]⑧ラウダシオン(M.デムーロ)
流石に前半が33秒を切ったセントウルSは流れが忙しく、この馬向きの展開にならなかったのが災いしました。京王杯SCを快勝したように欲を言えばベストは1400mですが、ワンターンかつ広い東京コースはこの馬に合っており、好位外目を取れそうなメンバー構成でもあるここは見直せるはずです。
[5]⑨ダーリントンホール(横山武)
正月の中山金杯以来の実戦ですが、じっくり乗られ調教量としては十分でしょう。但し時計面を見れば前走の方が明らかに動けており(紙面上同水準も自動計測前後では1枚ほど時計が違う)、仮に従前の出来だったとしても共同通信杯でスタートでぶつけられて以降発馬でふらつき位置を下げてしまっている点から後手に回る可能性が高く、この距離の重賞では致命傷になりかねません。
[5]⑩アルジャンナ(ルメール)
マイラーズCは不利こそありましたが後方有利展開だったことも事実で、前走のエプソムCは好位のインで折り合い直線ではしっかり前が開いたにも関わらず見せ場なしの⑩着。加速にもたつくところがあるので東京マイル自体は良いのですが、パンパンの良馬場が理想なタイプで雨上がりの乾燥途上の馬場では前走同様案外な結果も考えられます。
[6]⑪ボンセルヴィーソ(内田博)
ここ4戦は距離短縮もあり、前半が33秒台で流れるレースが続いていました。この馬の好走パターンは最低でも前半は34秒以上、できれば35秒くらいでゆったり運べるペースが理想で、シーズンズギフトが暴走した昨年以外は凡そ35秒前後の入りが多いこのレースでならスンナリ先行は叶いそうです。但し、昇級後の良績は右回りに集中しており、大箱の東京では1400mが理想というのもあり能力全開となる適性からはやや外れている印象です。
[6]⑫フォルコメン(大野)
気性面の課題から3走前の節分S後に去勢を敢行。馬体はそれなりに減っているもののレース自体は進境が窺えます。但し復帰後の2戦も割とメンバーには恵まれた方で、前走の納屋橋Sでも骨折明けのサルファーコスモスに0.1差と迫られての辛勝で、そのサルファーコスモスが秋華賞で見せ場なく敗れたのも含めて、ここでどうかというのはまだ測りにくいです。
[7]⑬ソーグリッタリング(三浦)
勝ち切れない代わりに大崩れもしない馬でしたが、ここ2戦は1秒以上の大敗。爪不安で半年ぶりのレースになりますが、最終追いでは先行しながらディープモンスターに手ごたえで見劣り先着を許す内容。まだ復調途上というのは否めないでしょう。
[7]⑭ワグネリアン(福永)
大阪杯以降を休養に充て半年ぶりのレースですが、元々東京では①①⑤③と堅実に走っています。気のいいタイプにつきこの距離短縮も好材料で、休み明けも問題ありません。最終追いは坂路で53.3-12.5をマークしましたが、7か月半ぶりだった2走前の京都記念⑤着時が55.0-12.8の最終追いだったことを思えば状態はそれより上で、久々の得意コースで割り引く材料もないとなると上位候補に。
[8]⑮サンライズオネスト(丸山)
血統的に東京マイルは合うはずなのですが、この馬の場合遠征競馬で勝ったことが無く全4勝は全て阪神or京都でのもの。いきなりの重賞が過去2回着外の東京で、それなりに同型もいるここで外枠となると超えるべきハードルは多いです。
[8]⑯ダノンザキッド(川田)
皐月賞ではアサマノイタズラ(というかそれを御せなかった嶋田J)に絡まれマイペースでのレースが叶わず⑮着大敗。前向きさがある上、短距離の才能を開花させることには定評のある安田隆厩舎ですからこの距離延長は吉と出る可能性が高いと見ます。
但し、パフォーマンスとしてはホープフルSが一番高かったという印象で、2歳の秋にドカンと体重が増えた辺りからも3歳以降は促成栽培のツケが回ってきている感も否めません。どこまでの伸びしろを見せられるか今回は試金石の一戦と見ます。
[8]⑰サトノウィザード(戸崎)
前走の関越Sは大外に持ち出して長くいい脚を使いましたが、本来オープン特別ともなれば前にもう少し強い馬がいることが普通で、あれで間に合ったというのはメンバーレベルもさほど高くなかったことも影響していると見ます。事実関越S組でその後馬券になったのは障害入りしたアメリカズカップのみで、あのレースの価値を高くは見積もれないとなると東京新聞杯の内容からはここでは届かせるのは難しいと見ます。
<予想>
◎ワグネリアン
○ロータスランド
▲タイムトゥヘヴン
△ラウダシオン
△ソングライン
△ダノンザキッド
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