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2021年10月24日日曜日

【10/24(日)予想】菊花賞の全頭評価

■阪神11R

[1]①ワールドリバイバル(津村)

 2走前のラジオNIKKEI賞の②着は後方勢には苦しい雨馬場になったうえ、逃げたノースブリッジがかかって失速したり53kgという軽斤量といった要素に恵まれた部分が大きかったです。ノーマークの逃げが叶ってもペースなどの注文が多くつくタイプで、流石にG1ではスローなら早めに来られるまでで恵まれる期待は薄いです。

[1]②アサマノイタズラ(田辺)

 前走のセントライト記念は最後の最後まで追い出しを待っていたら直線では上手く進路ができ、内の大渋滞をよそにスムーズに外を伸びた理想的な内容でした。しっかりと折り合わせた田辺Jの好騎乗の賜物でもありましたが、流石に3000mも走る本番ではそこまでの渋滞は起こりにくいでしょう。

 あとは父ヴィクトワールピサの距離適性の限界だと思います。基本的に3000mに最適化された血統というのは現代では皆無なので、どの馬にとっても未知の領域なのは一緒ですがヴィクトワールピサについては私はマイル寄りの適性を持つ馬だと思っています。それゆえ距離延長はマイナスになり得ますし、アサマノイタズラ自身も中山専用機である以上ここでの前進がどこまでかと言われると…?

[2]③タイトルホルダー(横山武)

 前走のセントライト記念はルペルカーリアが垂れてくることが想定外だったのか、完全に行き場を失くしてしまいました。行き切った方がいいのは解っているはずなので、鞍上の判断ミスというよりかは陣営が本番を見据えて控えさせたという見方が正解かも知れません。

 しかし直前の横山武Jのトーンは上がらず。情状酌量の余地もある敗戦だったにもかかわらず「今回はまずレースに参加したい」と話すにとどまっています。自身の感触としてもこの距離は長いと認識しており、そうなると積極策には出にくいと考えられこの馬の良さを活かせないレースになる可能性が高いです。

[2]④ロードトゥフェイム(丹内)

 父マツリダゴッホと言えば現役時代は中山の鬼として知られ、ダイワスカーレットらを向こうに回して有馬記念を快勝したレースは鮮烈でした。ただ同馬自身はスタミナタイプというわけではなく、立ち回りの良さでトリッキーな中山コースを攻略していたクチでありました。

 産駒もそうなるのかと思いきや、良績は短距離に集中し競馬場別の成績でも特に中山が突出して良いというほどではありません。


 これはマツリダゴッホ産駒の芝での成績で、見事に距離が短くなるほど成績が良くなっているのがわかります。この表で解る通り、2500m以上を勝ったのはロードトゥフェイムの前走・九十九里特別が初のケースでした。父のイメージからか肌馬が比較的スプリント~マイル寄りのケースが多く、母方の特徴を引き出すタイプでもあるのか良績が短いところに集中しています。その点で考えると、母のラドランファーマはクイーンC3着などマイル前後の実績馬につきこの舞台がプラスとなるかは微妙なところです。

[3]⑤レッドジェネシス(川田)

 ディープインパクト産駒ながら母方の血が強く出ており、東京のような純粋なキレが求められる展開よりタフさ、持久力が問われる舞台で良さを発揮するタイプでこの舞台での前進が見込める一頭と言えます。体質の問題から仕上げが難しく、これまで最終追いは芝か坂路での単走でした。それが今回は1週前にウッドでユーキャンスマイルと併せ、最終も単走ながらウッドでしっかり負荷をかけてきました。

 息子の雄姿を特等席で観戦するために使われたダービー以外は大崩れなく走れており、休み明け2走目は(2,0,0,0)。クラシックホース不在のここなら台頭の可能性は十分にあるでしょう。

[3]⑥セファーラジエル(鮫島駿)

 クラシックには乗れず白百合Sを快勝するも、ここでの2着以下は未だに1勝クラスすら勝てておらずとてもリステッドのレベルではありませんでした。母ダークサファイアの兄弟はローガンサファイヤやコーディエライトなどマイル以下の実績馬が多く、父がキズナに替わり多少の延長は対応できてもここまで長くなるとプラスではなく、既成勢力を逆転できるかと言われると疑問符が付くところです。

[4]⑦ディープモンスター(武豊)

 幼さを残し、春先の連勝は素質だけでのもの。すみれSもフラフラしながらなんとか差し切ったというレースで、ダービーでは途中で行きたがってしまいレースになりませんでした。加えて調子の維持が難しく、エリカ賞以降の最終追いは坂路オンリー。しかしながら5か月ぶりの今回は3週連続でウッドで併せ馬。しかもいずれも騎手が乗り、2週前は小崎Jで52.2-12.1、1週前は荻野極Jで52.8-12.0、そして最終は本番にも騎乗する武豊Jを背に51.9-11.7。特に直近2週は仕上がり途上とはいえOP馬のソーグリッタリングと併せいずれも優勢でした。

 この中間は負荷をかけると同時に追走させることで折り合いを確かめる意図もあり、1週前こそやや行きたがったものの最終ではしっかり我慢を利かせて走れていました。距離延長の本番でも同様に抑えが効くかではありますが、ごちゃつきやすい春の2戦と違って馬群のばらける長距離戦の方がレースはしやすいタイプ。春の鬱憤を晴らすチャンスは十分にあると見ます。

[4]⑧エアサージュ(藤岡佑)

 夏の北海道で2連勝するも2戦合計で26kgも馬体を増やし、滞在競馬では体重増に苦労していました。在厩調整で太目残りは解消できそうと語っていますが、その割には直近で併せ馬を行った様子がないのが気になるところ。追い切り順調の実績馬も居る中で伸びしろでどこまで、という舞台になるでしょう。

[5]⑨ヴェローチェオロ(幸)

 前走の三田特別では向こう正面でラップが落ちたタイミングで押し上げていき、早めに前を動かしたことが好走に繋がりました。キレる脚に欠け勝ち切れないもののこうしたスタミナ比べでは良さを発揮できる馬ですが、デムーロJの好騎乗のおかげも大きかったです。兄弟にはハーグリーブスやベルクリアなどスプリンターがズラリと並ぶ血統で、本質的にはこの距離で良さを発揮とはなら無さそうで。

[5]⑩モンテディオ(横山和)

 ペースに応じたレースができるタイプで、2走前のルスツ特別では前傾戦を捲って①着、前走の神戸新聞杯は前半様子見ペースの中で2番手につけ粘り込んでの③着と高い自在性を見せています。ただ夏から使われ4戦目で、追い切りの動き自体は前回の方が良かっただけにそこからの上積みという点では少々物足りなさを感じる故。

[6]⑪ディヴァインラヴ(福永)

 前向きな気性にスピードがついて行かず春は不完全燃焼でしたが、距離を伸ばして2連勝。特に前走の木曽川特別は後半1200mにわたって11秒台が続く流れを3番手からしのぎ切っており、前半が緩みやすいこの舞台に求められるであろうロングスパートの能力を持っていると見られます。直前は3週にわたってウッドで併せ馬を消化し、最終も52.0-12.3と上々のタイムでまとめてきました。同型が多いのが鍵にはなりますが、後半の持久力勝負になれば牡馬相手でも伍せる期待はあるでしょう。

[6]⑫ノースザワールド(和田竜)

 アーリントンCでは前に居た馬が有利な展開の中で16番手を追走、直線だけで0.7差⑥着まで押し上げてきました。ここ2戦は後傾戦を捲り上げる形で連続②着ですが、2走前は菊花賞⑥着の実績あるロバートソンキー、前走もプリンシパルS⑤着のジャックドールと骨っぽいところに勝たれており、いずれも小頭数で前が残る展開だったことも考えれば負けて強しの内容でした。

 これまで最終追いはほとんど坂路でしたが、今回はウッドで負荷をかける形。中2週のローテも考慮し単走だったにもかかわらず、軽快なフットワークで外ラチ一杯を走って50.9-11.5と文句のつけられない内容。中京ダート1900mを勝ちレパードSでも④着と、最後の1Fがかかる展開を得意にしており、持ち味を発揮できる舞台と見ます。

[7]⑬アリーヴォ(M.デムーロ)

 前3勝はいずれも小倉でのもの。2走前は前が止まる流れで冷静に外を回し、前走は豪雨の中を内を巧く立ち回っての勝利で、小倉の勝ち方を知る川田Jらしい好騎乗が目立ちました。中京で負けた後小倉を勝ったとなると、二度坂を上るこのコースで伸びきれるかは微妙なところです。

[7]⑭ステラヴェローチェ(吉田隼)

 重賞2勝はいずれも不良馬場ですが、王道適性の求められるダービーでも0.2差③着と、バゴ産駒にしてはキレを持ち合わせているタイプです。流れとしては後半5~6ハロンにかけて11秒台のラップが続く根競べになりそうで、ダービーに近い展開と考えればこの馬に向きそうな舞台ではあります。

 ただやはり最終追いでヴェローチェオロに遅れたのは気になる部分ではあります。やればやるだけ時計が出るので意図的にセーブしたという考え方も当然できますが、相手は中2週でハードに追われていない条件馬と考えると馬なりであっても並ぶくらいはあってよいのでは、という感触ではあります。3勝は新馬戦と3か月以上の休み明けのもの。連戦よりフレッシュなローテーションの方が力を出せるタイプである点も、この臨戦で不安を抱かざるを得ない理由の1つです。

[7]⑮ヴァイスメテオール(丸山)

 前走のラジオNIKKEI賞では道中しっかりインをキープできたことに加え、直線でうまく前が開けたことが何よりの勝因でした。なし崩し的に脚を使う展開は苦手で、直線向いてスパッと伸びるレースが理想なため福島の短い直線ではどうかと思いましたが、労せずしてこれまでと同じような戦法が叶ったわけですから圧勝も当然と言えるでしょう。流石にここは最後の3Fだけで片付けるのは難しい舞台につき。

[8]⑯グラティアス(松山)

 前走のセントライト記念では直線から手ごたえが怪しくなり、左ムチで思いっきり右に寄れるなどお釣りを失くしたような負け方でした。加藤征師曰く「1コーナーで2頭(ワールドリバイバル、ルペルカーリア)に擦られて馬がエキサイトしてしまった」とのことですが、パトロールを見る限りあの程度の接触であればどんなレースでも起こり得るはずで、それを理由に走る気を無くすのではとてもフルゲートのレースなど走れません。やはり京成杯のようによほど恵まれない限りは今後も厳しいでしょう。

[8]⑰ヴィクティファルス(池添)

 前走のセントライト記念では意図的に控えていき、直線では内の渋滞の影響をもろに受けての⑤着ですから悲観する内容ではありません。但し最後の最後に前が開いたものの伸びたのは一瞬で、ゴール後の流しでも脚が余っている様子は感じられなかったので距離的には2000m未満の馬という印象です。

[8]⑱オーソクレース(ルメール)

 前走のセントライト記念は8か月の骨折休養明け。混雑を避けた分の3着でしたが、直線で案外なのはランドオブリバティが突然消えて進路が出来たのに伸びきれなかったホープフルと相変わらず。ひと叩きされ追い切りの動きは良化しているものの、キレで勝負するタイプではないので追って案外なのは変わらないでしょう。

 ただその分距離延長はプラスに出る可能性があり、母が宝塚記念を制していることを考えても底力勝負になれば大崩れはしなさそう。それだけに、この大外枠はやはり痛恨と言わざるを得ず…「18番、アリガトウゴザイマース」ということになる可能性が。

<予想>
◎ディープモンスター
○レッドジェネシス
▲ノースザワールド
△ディヴァインラヴ
△オーソクレース

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