[1]①コントレイル(福永)
強さと実績は語るまでもないので割愛しますが、評価は3番手です。
昨秋のJCでは菊花賞からの立て直しに苦労しながらもアーモンドアイの0.2差③着と健闘を見せました。但しそのアーモンドアイも本来ベストとは言えない中3週のローテで、前年に大敗した有馬に出すわけにもいかず情勢的に香港にも行けない中で「消去法で選ばれた引退レース」でありました。③着だったデアリングタクトにも言えますが、そのように付け入るスキがあった上同斤だったにもかかわらず勝てなかった点は不満で、今回はアーモンドアイに勝ったことのあるグランアレグリアより2kg背負うとなれば、当然それなりの成長を見せている必要があります。
大阪杯では+16kgと馬体を増やしましたが、矢作師によれば「成長分かと思ったが結果的には重かった」と語っており、秋に帰厩して追い切りに跨った福永Jも馬体は「特に変わっていない」というニュアンスのコメント。2歳からG1を勝ち続けてきたこともあってか、ここに来ての成長度という点では歯切れの悪さを残しています。しかも1か月後には引退レースのJCを控えているにもかかわらず陣営は「メイチの仕上げ」をアピールしており、ここを勝ちに来ている姿勢を鮮明にしています。裏を返せば仕上げないとこのメンバーで伍すのは難しいと感じているとも取れ、昨秋のパフォーマンスと伸びしろから考えるとどうしても「三強」内の序列としては下になってしまいます。
[1]②カデナ(田辺)
「良馬場でそこそこ時計がかかるコンディション」が理想なため、昼からの雨でパンパンとまでは行かない東京の今日の馬場はうってつけでしょう。但しそれでもG2で掲示板~G3で勝ち負けというのが現状での精一杯で、ここで食い込むとまでは…。
[2]③モズベッロ(池添)
時計のかかるコンディションは歓迎も、本質的に上り勝負では分が悪く東京コースは明らかに不向きなクチ。当日からの降雨では東京の水はけならよくて稍重程度で、ひと叩きの上昇は認めても勝ち負けレベルに恵まれるかとなるとどうかでしょう。
[2]④ポタジェ(川田)
「開幕前半のキレイな良馬場」が好走のキーで、前走の毎日王冠も開幕週で時計の出るコンディションになったことが奏功し、前目から末脚を使う理想的な展開でした。今回は内の痛みが進行し一雨もあるとなると、パフォーマンスを上げられる望みは薄いです。
[3]⑤エフフォーリア(横山武)
前走のダービーでは折り合いを欠きながらも出来得るベストのレースはできましたが、鞍上も言う通りキレの部分ではさらに上がいるというのが正直なところ。距離が伸びてシャフリヤールに逆転を許したという点からも、適性は2000m位までかもしれません。陣営も「ダービーを勝っていれば菊花賞だったが…」と語っており、気性面、距離適性を考慮しての参戦と相成った次第です。
皐月賞の勝ち方が示す通り元々操縦性の高さを強みとするタイプで、決め手勝負に持ち込まれると厳しいところも。その点この雨は理想的で、馬体を増やして帰ってきているのも好材料。外差しコンディションにつき何かに負ける可能性はあっても、伸びしろを考えれば争覇圏の1頭と見ます。
[3]⑥トーセンスーリヤ(横山和)
前走の新潟記念では大外枠を克服しての②着で、馬場を考慮しそれまでと違って中団からのレース運びで進境を見せました。地力強化が窺える夏の2戦の内容でしたが、今回は先行策を示唆しているうえ内受難のコンディションとなると強くは推せないです。
[4]⑦ワールドプレミア(岩田康)
19年神戸新聞杯③着→菊花賞①着、20年JC⑥着→有馬記念⑤着、21年日経賞③着→春天①着と、休み明けを叩いての好走パターンが続いておりここも休み明け。最終はそれなりにやれていたものの1週前では僚馬に大きく後れを取る調教で、やはり仕上がり途上であることは否定できないでしょう。
[4]⑧サンレイポケット(鮫島駿)
新潟大賞典を勝っているようにコーナーの少ない左回りは適条件ではあるものの上りはかかった方が良く、水はけのよい東京では37秒台の上りを要するような展開にはなりにくく。
[5]⑨グランアレグリア(ルメール)
一昨年の桜花賞を勝った後陣営はNHKマイルCを選択(結果は④→⑤着降着)しましたが、流石に「マイルか2400mか」と言われれば前者を取らざるを得ないという話で、大阪杯の内容を考えれば止まったのは馬場の問題で距離自体は守備範囲と見られます。これまで短距離戦線を進んできたのもアーモンドアイとの激突を避ける(ノーザンFの)事情があったためで、同馬が引退した今年は藤沢和師も早くからここを目指す意向を表明していました。
春の3戦のうち大阪杯は上記の通り馬場の問題、安田記念は初の中2週ローテで疲れを取りけれなかったことが敗因でした。今回はしっかり間隔を取り入念に乗られ、出来の面では問題なく仕上がりました。あとは距離延長で折り合い面がどうかですが、好枠を引いたトーセンスーリヤが引っ張ればスローにはなら無さそうで、予報以上の雨量にならなければ実力を出し切るには十分な舞台でしょう。
[5]⑩カイザーミノル(横山典)
前走の毎日王冠では久々の1800m戦も0.3差⑤着と善戦を見せました。但し上位2頭が強かっただけで、開幕週でさほどペースも速くなく前が残せる流れではありました。前走はそれまでのパターンを崩して直前も一杯に追われながら格下に後れを取る内容で、叩いての良化が顕著であれば…というところですが中間は本数も少なく時計も目立つものでないとなると伸びしろには少々疑問で、このメンバーで伍せるかとなると。
[6]⑪ムイトオブリガード(柴田善)
前走の京都大賞典では発馬は悪くなかったものの控える競馬。この馬は前に行けないと好勝負は難しく、テン乗りでもない藤岡佑Jもその点は理解していたはずで、「行かなかった」のではなく「行けなかった」のだと考えられます。休み明けを苦にするタイプでもないですし、流石に7歳でパフォーマンスの衰えは否定できない段階に差し掛かっていると見ます。
[6]⑫ラストドラフト(三浦)
前走の毎日王冠当日は10月にしてはかなり暑く(当日府中市の最高気温は16時計時の26度)熱中症の症状が見られたとのことで度外視できる敗戦ではありました。今日の天気ならパフォーマンスは上げられそうで調教の動きも抜群ではありますが、昨秋のアルゼンチン共和国杯でオーソリティの②着している点を考えればコントレイルクラスと伍せるかと言われると微妙で、それ以上と見るメンバーも揃ったここでは。
[7]⑬ペルシアンナイト(大野)
前走の札幌記念はステイフーリッシュやトーラスジェミニの脱落で4角で絶好の位置に出せたことが大きかったです。逆に言えばあそこまでお膳立てされておきながら牝馬2騎に敗れた辺りが現状の限界でしょう。さらに相手強化されるここでは。
[7]⑭カレンブーケドール(戸崎)
前走の宝塚記念では直前の調教が坂路で単走とかなり軽く、その点を不安視して割り引きましたが結果的に0.8差の④着。昨日のサークルオブライフの例を挙げるまでも無く、やはり理想はコースで併せ馬を消化できてこその国枝厩舎。今回は中間の本数も多く併せ馬を消化デキてはいますが坂路オンリーで、万全なら3着くらいはあってもとは思いますがそうでないとなると…
[8]⑮ヒシイグアス(松山)
体調が整わず中山記念後の復帰が遅れに遅れ、今回も前週に硬さが見られたとのことで週末の追い切りを自重。動き自体は悪くないものの、陣営も「当日までに心身のバランスを整える」ことを課題として挙げており体調面ではまだ万全とは言えない状態。地力頼みでこのメンバーとなると良くて掲示板でしょうか。
[8]⑯ユーキャンスマイル(藤岡佑)
左回りでゆったり進めたいクチにつき、前走は右回りで2000mと得意条件のいずれにも該当しない条件で度外視できるレースでした。左回り替わりはプラスですが、最終追いは芝でデビュー前の2歳馬に胸を貸す調教。阪神大賞典②着時にはウッドでやれていただけにしっかり負荷をかけ切れていない点は不満で、本来は距離ももう少しあった方が良いタイプにつきここを使ってJCが本線でしょうか。
<予想>
◎グランアレグリア
○エフフォーリア
▲コントレイル
△ラストドラフト
■阪神10R デンコウリジエール
叩き良化型かつ間隔を詰めて使える時が良く、過去4勝は連闘で1勝、中1週で2勝、中2週で1勝といずれも連戦でのもの。加えていずれも関西圏(中京2勝、阪神・京都各1勝)のレースで、2走前の東京戦は出がけに掛かってしまいましたが最後まで垂れることなく⑤着に踏ん張りました。前走は直線で前が開かず不完全燃焼の一戦で、連闘で挑む今回は外目の枠も引け巻き返し可能と見ます。
■新潟11R タマモメイトウ
直千で買いたい鮫島駿Jは東京。次いでこのコースで信頼度が高いのが津村Jで、単回144、複回94とマズマズ。特に近5年(2017年以降)に限れば単回261、複回149と手の内に収めていると言ってよい成績で、タマモメイトウは春の韋駄天Sで豪快に差し切り波乱を演出しましたが直千競馬は3回目の出走で今回初の2桁枠順を引きました。直千実績ある人馬が絶好枠を引いたとなれば逆らう手は無さそうです。
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